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#1541 久しぶりのムービーでの語り、なかなか上手くできました、って、話。

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  #1540 にてちょっと触れました、ブリヂストンが立ち上げたSUV専用ブランドであるアレンザの新製品取材の件。早々にムービーも記事もアップされていましたので、その話をちょいとしておきましょうか。最近、ブリヂストン製品の紹介の仕事が続いたのは、たまたまのこと。まぁ、御指名があるような立場にはありませんから、たまたまのこと。連続したもの、たまたまのこと。  軽自動車情報に執筆したのは、インタビューをベースとしたものだったので、レグノ・レジェーラに対してのインプレッションまでは触れていません。で、このアレンザについては簡単なインタビューがあってのテストドライブでしたので、インプレッションがメインとなりました。このアレンザですが、昨今のSUVマーケットの広がり、つまりは、オーナー像の広がりに対応すべく、登場した製品、ブランド。これまでのSUVはオールマイティな走行性能がベースにあって、でも、いい意味での外しの美学といいましょうか、サーキットスペック的なハイパフォーマンスをそこに求める人もいて、タイヤメーカーもそれに対応すべく商品を展開していました。ただ、そもそもSUVというカテゴリーが曖昧な上に、ここまでバリエーションが広がりますと、もはや、それに対応するためには、タイヤとて乗用車的なアプローチが求められるようになります。で、オフ走らないだけならまだしも、ステーションワゴンブームの時にあったようなスポーツスペック的なテイストを求めるユーザーが増えてきているという実情があります。  ま、簡単にいいますと、ブリヂストンから登場したアレンザは、そんな人たち向けのブランドであり、もっと分かりやすくいいますと、ブリヂストンのポテンザ的のSUV版と、捉えてもらえると、いいかな、とのこと。昨今のポテンザは所有車とは縁がありませんでしたが、かつては、RE71に憧れを抱き、役不足は承知の上でファミリアGT-Xにはかせていた……、ような記憶もあり、ま、そんな存在でした。ただ、その後のポテンザはその懐を広げたこともあり……、云々。話がズレてきたので、戻しましょうか。ま、ポテンザの走りをSUVでも愉しめるようにとリリースされたのが、このアレンザ001だったと。  で、インプレションについては、ムービー内で語っているとおり。やっぱりですね、剛性感って大切だなとつくづく感じました。曖...

#1540 軽自動車情報への執筆と、ハンコックのスタッドレスタイヤのその後。

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 のほほんと人生を過ごしてきましたが、気が付けば50歳も目前に。周囲を見渡してみれば、仕事で付き合いがある方々では、自動車メーカー・インポーターの方々はすでに年下の方が多くなり、都議選の候補者を眺めても同世代どころか下の方が見受けられたり、テレビやらでよく見かける方もやはり年下が多かったり……。比較しても意味合いがないことは承知の上ですが、自身のせいだということは分かっていながらも、自身が世間に名を馳せていないことにおいてけぼり感を覚える一方、これで良かったという想いがあります。ま、そんなことはさておき、恐れ多くも、冊子の表紙に氏名が載る仕事をしました。三度目でしょうか。  過去に幾度か紹介しました、軽自動車情報にて。この冊子は、 一般社団法人全国軽自動車協会連合会 が発行するもので、一般書店では販売しておらず、まぁ、簡単に言ってしまいますと、業界誌的な存在。ただ、この団体の位置づけを考えますと、この冊子に寄稿するなんて恐れ多くて、恐れ多くて、いつもいつも執筆が進みません。  今回は、軽自動車にまつわるタイヤ事情という企画で、主たるは昨今ブリヂストンが展開しているちゃんと買いキャンペーンと、軽自動車専用として同社からリリースされたレグノ・レジェーラについて、担当者へのインタビューをベースに展開しています。後日、また書きますが、同時期に、ブリヂストンからリリースされたSUV用タイヤの新ブランドとなるアレンザのインプレッションもしています。通じて感じたのは、来たるべき嵐に備えて、自身のブランド性を確固たるものにしようというブリヂストンのスタンス。価格「だけ」では勝負せず、クオリティありきの商品展開といいましょうか、ブランド性。だから、ちゃんと買いですし、軽自動車にレグノですし、SUVブランドも2つとして、明確化。このあたりの戦略は、なるほどなを感じますし、さすがはブリヂストンといった印象を受けました。  ただ、軽自動車情報の特集については、昨今のタイヤ事情を含めたことを、後半に加えました。あれです、ジムニー用にハンコックのスタッドレスタイヤを意図的に購入し、インプレッションしてみた話です。当初は、ブリヂストンでのインタビュー内容を否定してしまうのではないか、とも考えましたが、まぁ、タイヤ選び方は様々であり、考えてみますと、ブリヂストンとて、先に感じたあれこれも、低...

#1539 突然、偶然の出会いが肝心だったりする、ヨシダ的ジャム作り。

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  感心されるのですが、感心されるほどのことでもないと、思っていることがあります。ジャム作り。難しくないですし、なにせ手間掛からないですし。といいますか、一度、自分で作ると、もはや市販品では満足できない、だから、作っている……、ただ、それだけのことです。以前にも書きましたが、そんなジャム作りも、すっかり、コストパフォーマンスも含めて、果物にこだわるようになりました。で、たどり着いたのが、杏と夏みかん。この2つはお分けした方から大絶賛をいただいたほどで、自分でいうのもなんですが、このまま販売できるんじゃないかというほどの仕上がり。とはいっても、特別なことはしていませんから、まぁ、素材がいいだけって話もありますが。  さて、そんなジャム作りで肝心なのは、素材である果物をいかに安く手に入れられるか。言い方はあれですが、どうせジャムにしてしまうのですから、見栄えはどうでもいいですし、多少、味が悪かろうが、ちょっとしたあれこれで調整できます。いや、もちろん、見た目が美しい果実でもできますよ、できますけど、それって、高価でして、とんでもなく高いジャムになってしまいますから、まぁ、自分用としては不適。というわけで、いわゆるハブキもの、B級品の果実が、必要となるわけですが、これが縁といいましょうか、出会えるタイミングが大切でして、なかなか難しいものがあります。  今年は夏みかんを手に入れられなかったので、杏で勝負しようと待ち構えていました。ちなみに杏の実が収穫されるのは、この6月下旬から7月上旬で、とても短い。で、ここのところ、出会いを求めて、どこをさまようかを考えたりして、落ち着かなかったのですが、あれこれと調べていたら、なんとなんと、なんとなんと、なんと! 今年の杏、不作だそうで。がーん。1年分のジャムを杏で作ってしまおうと考えていたほどですから、これは、強烈といえるほどの、大ショック。それでも、あちこちと探していますが、すでに今年分は完売としているところが多数で、諦めムードに……。手に入らなかったら、今年のジャムライフはもはやお先真っ暗といった感すら漂っています。まぁ、ジャムライフってなんだって感じですが、それほどに、自分の食にとって、ジャムは重要な存在となっているのです。  ちなみに、7月はブルーベリーが収穫時期を迎えますが、実はブルーベリーのB級品を手に入れ...

#1538 ダメージは大きくないけど、小さくもない、iPadpro10.5の登場。

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 購入して1か月少しで、新製品が出る……、って、Apple製品においては初めてでしょうか。iPad pro9.7を購入したら、10.5が出たって話です。というわけで、WWDC2017におけるひとり反省会をここでグダグダと。AppleがWWDCで新製品発表を復活させるようなことがあっても、グダグダなスタンスを取ることになっても、まぁ、付き合いは止められないわけで、いやいや、付き合わせていただかなければ、との想いもあって、先行で、iPadpro9.7を購入しました。ただ、万が一、新製品が出てもショックが少ない、もしくは、先に買っておいて良かったを想定しての購入でした。もう少しいいますとね、新型iPadproに対しては、性能アップによる価格上昇と、為替レート変更による、実質的な購入価格のアップがあると目論んでいました。つまりですね、旧製品になったところで日本での販売価格が下がらないことも可能性まで、目論んでの購入。もっと強くいいますと、あのタイミングで購入したとしても、損は少ないだろうとの目論みまであった、と。で、実際に、本体価格は上昇。……したんですが、為替レートの影響が思いのほか少なく、また、同時にストレージがアップされていて、新型iPadpro10.5に、想定以上の買い得感が出てしまうという結果にはなりました。   なので、実際には、損したわけですが、まぁ、それでも新価格となって登場した整備済製品は5万800円でしたから、実際には2600円の損に止められましたし、何よりも10.5は、6万9800円(新品、当分は整備済製品は出てこない)であることを考えると、ダメージというまでには届いていないかなと、自分を説得。もちろん、今回のスペックアップに対しては、iOS11の新機能を使い倒すことを考慮すると、クヤシイ感はとても強くありますが、ありますけど、2万円近くの価格差(現時点での新型は新品のみ)を考えると、まぁ、それはそれで納得できるかな、と、……、……。   で、iPad以外の新製品については、iMac proについては唖然に尽きるでしょうか。いや、存在はいいんです。ただ、12月に発売になる製品を、今、発表するという、そのスタンスに、唖然。そういう意味では、HomePodも同様の感を覚えました。ただ、HomePodに対しては、イマサラ感が強く、操作性...

#1537 実直さをアドバンテージとしていた、ダイハツ・ミラ イース。

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 発売から1か月で月販目標台数の2倍を上回る受注を得たとアナウンスがあった、ダイハツのミラ イース。ん? 2倍で約2万台? 個人的には2万台という台数よりも、そもそも月販目標台数そのものが9000台と強気な設定だったことに改めて驚いた次第ですが、まぁ、クルマとしての仕上がり、ベーシックたるスタンスから、この手のモデルが売れ筋になることは、賛成だったりします。  というわけで、そのミラ イース。これがですね、なかなか上手く仕立てられていました。走りについては、数値として表れ難い実用面を重視したセッティングで、そんなスタンス含めて、とっても好印象。低中速トルクに重きを置いていまして、ターボ不要を感じさせるほどの加速を得ています。ボディの剛性は謳われているとおりで不足を感じさせませんが、各部が軽量化されたことで、たとえばドアの開閉などにおいて、その音、振動にチープさを感じるのも、これまた、事実。相反するところなので、難しいんでしょうけど、まぁ、こういうものさと思えば、不満にはなりません。シャシーはしなやかで、スタビライザーレスで仕立てていることもあって、これもまた不足なし。ただ、シャシーからのフィーリングとは異なり、タイヤが起因とした固さとロードノイズがありまして、この辺りをベーシックモデルだから許せるか、それとも、と、評価が分かれるところかな、と思います。とはいえ、このミラ イースの仕立て、実直さが強くありまして、なかなかやるじゃんを感じました。そうなんですね、このままのセッティングで、MTで乗りたくなる、そんな感にあふれていましたし、これをベースにスポーティに仕立てるもありを感じさせる、そんな基本性能に長けていました。  ただですね、って、これはチューニングの部分なので、どうにでもなりますけど、ブレーキがですね、初期制動力が高過ぎて扱い辛さがあります。踏み代が少ないことも一因ですが、まぁ、これは意図的な仕立ててであることが見えてくると、先のベーシック感には似合っていないなと感じた部分です。価格は84万2400円からとのこと。リーズナブルを謳うものの、それをあまり強く感じません。もっと装備をシンプルにして、もっと低価格からリリースできないものか、と思うのですが、販売ボリュームや、価格帯を考えると、やはりボトム的なグレードは切らざるを得なかったようで。訊けば、旧型では...

#1536 好みも含めて、バランスに長けていたと感じた、V90クロスカントリー。

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 ボルボV90シリーズにクロスカントリーが追加となり、V90を含めて、北海道〜東京というロングドライブの機会を得たので、ちょいと感じたあれこれを。って、すでにV90に乗っていますから、比較すると……というスタイルからすると、好みはやはりV90クロスカントリー。理由はバランスに長けているから、ですな。簡単に言いますとね、V90に与えられたボルボ流の快適性を、クロスカントリーならではのシャシーフィールを用いて、さらに快適に仕立てています。もう少し言いますとね、サスペンションにストローク量とストローク感があり、凹凸のある地ではサスを伸ばし、一方で縮めて、路面を捉えようとする姿は、昨今のSUVには見られないもので、ほほぅ、20年前からクロスカントリーモデルをリリースしているだけのことはあるな、と感じました。で、そのストロークを乗り味に上手く生かしており、快適、快適。それでいながら、ハンドリングに曖昧さが出てくるわけでもありませんし、オンロードでのコーナーにおける安定感も極上。好みというよりも、仕立てとして、バランスが取れているんじゃないか、そんな印象を受けたほどでした。あ、パワーユニットは350Nm版(T-5)でしたが、日常域はT-6と変わらずといった印象がありつつ、踏み込んでも余計なパワーが立ち上がらない分、扱いやすさがあって、好みでした。ちなみにドライブシーンは、300kmほど、雨の北海道。  今回は、V90に再び試乗する機会も得まして、すでに #1520 にてV90 Inscriptionについて記したあれこれにちょっと訂正、といいましょうか、書き足しを。今回、走行したのは青森から都心までの約800km、つまりハイスピード域における印象についてなんですが、タイヤサイズが起因したバランス感が好みではありません。シャシーがそのままで、タイヤだけがハイパフォーマンスを奢られるというアンバランス感。つまりですね、スポーツサスペンションを組み合わせないと、速度域の高いところでは逆に不安を感じさせるところがあると。乗り心地において固さも気にならないとは書きましたが、ロングドライブにおいては、ゴトンといった音、振動が出てくるシーンがあり、おや? を感じました。そうなんです、タイヤのキャラクターとサイズによる行き過ぎ感があるんですね。まぁ、そんな程度です。  いずれにして...

#1535 2.0Lという排気量に安堵した、CX-3ガソリンモデル導入の話。

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 これを出したらダメだと思っていました。でも、やっぱり出すことになりました。ただ、追加するにしても、廉価とか、何かと比較して選ぶのではなく、積極的にこれでなければダメなのです、的な理由を付けて、さらには話題性までも誘ってのデビューとなります。そう、日本市場のマツダCX-3にガソリンモデル追加される件(写真はディーゼル)。  個人的には、ディーゼルエンジンだけでどこまで踏ん張れるか、に期待していましたが、折れましたか。まぁ、仕方ないでしょう。そもそもですね、CX-3ってのは、価格やサイズ、ユーテリティ性能をアドバンテージとして作られたモデルではなく、そこにクロスオーバーという曖昧なカテゴリーを当てはめることすら憚られると思っています。コンパクトゆえの取り回しの良さをベースとしながら、適度に積めることをトピックとしながらも、街中を乗り回すことに価値があるモデルではなく、どこかへ出掛けたくなる魅惑を備えたモデル。ですから、ランニングコストに長け、ロングドライブでも疲れ知らずである、ディーゼルエンジンだけが組み合わされたわけです、価格上昇はさておき。さらには、自在の操作性を仕立てていますから、さらにそれを愉しめるMTも設定。で、どこかへ出掛けるようになると、どこでも走ってみたくなりますから、4WDも用意しておきましょう、と。実に、ストーリーが明確であり、このCX-3のスタンスに共感し、個人的には大好きなモデルだったりします。  まぁ、言い換えると、クルマの価値を、価格やユーテリティ性能やらだけで、決めてしまわない。といいますか、昨今のクルマに対してのアンチテーゼ的な、どこまでも走っていきたくなる魅力、というクルマたる走りの魅力を存分に表現したモデルとも言えましょうかね。なので、デミオがベースになっているとはいえ、デミオとはスタンスが違います。ですから、CX-3に対して、あれが欲しいこれが欲しいとか、これがあれば売れるのに、といった、外野の声をそれほど採り入れることなく、というか、採り入れてはならないモデルだと捉えていました。  結果、ここに来て、ガソリンモデル投入となったわけですが、まぁ、よくよく考えてみますと、それが先のストーリーから外れたものかといえば、そんなことはなく。そもそも日本以外ではガソリンエンジンを組み合わせたモデルは存在していましたし、それとて、1...

#1534 アクアがあるのに、何故にヴィッツでハイブリッドなのか。

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 以前少し書きかけましたが、ヴィッツハイブリッドの話。昨今のトヨタは、好き嫌い、善し悪しは別にして、デザインや走りに一貫性を調えようというスタンスが感じられ、そこに好印象を感じています。ただですね、ヴィッツハイブリッドに対してだけは、? を感じます。アクアというハイブリッドユニットを搭載することを前提としたパッケージを作り上げ、ガソリンはヴィッツと棲み分けをしたはず、なのに、どうして今更に、ヴィッツにハイブリッドを組み合わせるのか。スペース効率、車両重量という観点からアドバンテージはないのに、どうしてヴィッツにハイブリッドなのか。ひょっとして、サイズ(全長)が大きく違うのか? いや、そんなことはなかったはずと調べてみれば、アクアのほうが50mm長いだけで、それでも4mに届かず。そう、全長で価格が変わってしまうフェリー料金にも差はありませんな。まぁ、考えるに、そこには大人の事情があるんでしょうな、たぶん。  というわけで、さっぱり解せないヴィッツハイブリッドですが、テストドライブすることになり、ちょいと500kmほど、日帰りで出掛けてきました。そしたら、やっぱりですね、解せない。ま、いちばん分かりやすいのは実燃費。8割近くを高速道路を走ったのですが、27.0km/Lに留まりました。あのですね、とにかく感じたのは、低燃費貢献にダイレクトに効くEVモードを維持しての走行が辛いこと。ユルユルのヨシダ走りであっても、後少しの加速が欲しいと思うところまで引っ張れない。って、高速道路ではほぼ関係ない話ではありますが。アクアはもう少しEVモードでの走行を許してくれたような気がするんですが、ヴィッツはわりと早くからエンジンが始動します。ま、高速道路を多く走ったこともありますが、アクアとは実燃費という面で、大きく差が生まれます。  となるとですね、そこまでしてヴィッツを選ぶ理由ってのが、ますます見えません。そうか、車両本体価格が大きく違うのだなと比較しても、約176万円からスタートするアクアに対して、ヴィッツは約182万円からと、劇的な差にはなっておらず(値引きは知らず)。ブランド力ももはやデビュー当時のような強さもなくなってきていますし。はてさて。ま、大人の事情なんでしょう、大人の。  走りについては、昨今、Bセグにやたらと乗っていること、ま、そもそもフィエスタに乗っている...

#1533 意外や意外、レベルが高かった、プジョー3008のオフロード性能。

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 MINIクロスオーバーが、今年の輸入車でイチバンと発しましたが、ちょっと待ったとしておきます。いや、プジョー3008が思いのほかバランスが良かったもので。結論はロングドライブ後に……、というわけで、まずは試乗会で感じたプジョー3008の話を……、って、オフロード性能の面から詳細に語ります。実のところ、オンロードでしっかりと乗り込める時間がなかったもので。  って、そもそもですね、 #1439 、 #1479 にて、2008が意外にもオフロードを走ってしまうという話をしました。そう、FFなのに。そうなのです、4WDではないのに。2008の時とはコースが違いますし、最低地上高が175mmと、2008よりも10mmアップしていますが、それでも175mm。しかも2008よりもフロントオーバーハングは長くなり、車両重量は増えていますから、少なくとも2008よりは走るとは言えないだろうと予想していました。ところが……、って、実際にはフロントのアプローチアングルに厳しさがありましたが、エンジンが1.6Lターボとなりトルクがある分、パワー感での不足がなく、アングルさえクリアできれば、グリップを失うような路面であっても意外にも、まぁ、なんとかといった感も少し残しながら、クリアしました。  そうなんですね、FFなのに。ちなみにタイヤはオールシーズン、で、グリップコントロールというモード切り替えによる手助けありでの話です。ただ、訊けば、グリップコントロールによって提供される5モードはたんにスリップの量を変えるだけではなく、たとえば、マッドモードなどでは、グリップを失うとあえてスリップさせて泥を吹き飛ばしつつ、路面μを探り、グリップさせて、またグリップを失うとスリップさせてと、そんなこんなを左右輪で行っており、簡潔な言葉でいいますと、細かな制御を行っているとのこと。ですので、砂利の上り坂でもグリップを失いながら、得ながらを繰り返して上っていってしまいますし、右の写真のような段差において、浮いたリアタイヤの対角線にあるフロントタイヤが浮き気味になってしまうようなシーンでも、前進していきます。リアタイヤは駆動していませんから、ただ引きずられているだけ。そう、回っていません(駆動は伝わっていません)。つまりですね、フロントの駆動力だけで、車両を引っぱり上げてしまう、段差を上ってしまう。...

#1532 ひたすらに感激した、新型MINIクロスオーバー・クーパーD。

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  #1506 にて、マツダ・CX-5が、今年のイチバンだと発しましたよね、ワタクシ。イチバンだという印象はいまだに変わりませんが、輸入車のイチバンってのを増設します、突然ですけど。それが、MINIクロスオーバー。プレス試乗会でのクーパーSDのファーストインプレッションを #1524 に記しておきましたが、先日クーパーDを借り出して約1000km走ってきて、それを強く感じました。って、いいクルマな雰囲気が感じられるプジョー3008に乗る前にして勢い余りすぎた発言のような気もしていますが……。  で、MINIクロスオーバーですが、試乗会で感じたとおりのことをクーパーDでも感じました。乗り心地については17インチだから異なるという設えではなく、パフォーマンス分チューニングしてあるといった印象。つまり、悪くない。でも、乗り心地重視という印象も見当たらず。ま、このあたりは意図的ですな。どのモデルを購入しても、スポイルし過ぎないというを快適性をチューニング。実際、クーパーSDのバランスを知らなければクーパーDで十分を感じ取れますが、最大トルク400Nmを発生する実力を知ってしまうと、クーパーSDっていいなぁと思えるところもあります。  さて、ロングドライブで何に感激したって、シャシーのしなやかさでしょうね。柔軟性といえる、しなやかさ。そこに速さがある。そう、シャシーが速い。さらに気付いたんですが、アイドリングストップ機構の世代が変わっているでしょ、これ、と言わんばかりの制御になっていました。あのですね、再始動が速すぎる。エンジンが停止しかかったところからの再始動はもちろんですが、停止状態において、ブレーキペダルから足を離しきる前にすでにクリープが始まっているという、レスポンス。ディーゼルで。このあたりの仕立ては恐れ入りましたといった感があります。  エンジンパワーもまったくもって不足なし。ドライビングモードでグリーンを選んでおくことで低燃費にかなり貢献しますし、それでいながら加速にストレスを感じさせない。ま、MIDを選ぶと元気よさが顔を出しつつ、グリーンに慣れてしまうと、おっと燃料吹き過ぎだぜ、と感じさせてしまうところもあります。って、そうなんですね、MINIにおいては散々述べていますが、一部でオプションとなっているミニドライビングモードは必須アイテムです。それと、...

#1531 なんだかんだでやっぱり欲しい、ルノー・ルーテシア(フェイスリフト版)。

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 ドタバタが続いて、能登でのリセットもすっかり効果を失い、とっとと心も汚れてしまった、今日この頃。能登のまとめをと思いながら、なかなかできず。しかも本日は、昨日取材、今日締め切りというプレッシャーの掛かる仕事があったりして、なおさらに、心が晴れません。というわけで、まずはウォーミングアップとばかりに、ここを書いていますが。  ということで、題材は、ルノー・ルーテシア。今までにも記していますが、Bセグにおいて、所有したい欲がいちばん強いのが、このルーテシア。理由はあちこちに書きましたが、なんといってもデザインでしょうな。走行性能からするとプジョー208のほうがいいなと思うところも多く、また、デザインも悪くはないんですが……、って、そう欲しくてたまらないという勢いには届かない。あ、でも、MINI ONE MTのほうが、デミオのディーゼルMTもあったか……、いやいや、いずれもデザインにおいては、ルーテシアのデザインのような心を直撃するまでには至らない、敵いません。  というわけで、さりげなくフェイスリフトを行っていたルーテシアをちょちょいと1000kmオーバー走ってきました。精悍なフロントマスクに、あいかわらずのリアビュー、さらに大人の雰囲気を強めた新色の赤と、さらに打ちのめされました。いうまでもなく走りも相変わらず。実はその直前に試乗していたのがノートだったこともあって、印象がこんがらがっているとこもあったんですが、走りそのものは大幅にブラッシュアップさせたという印象は少なく。つまりですね、あいかわらずにターボの使い方は上手く、シャシーのスタビリティもハイレベル。って、あれです、装備だけゴージャス、でも、走りはスタンダードな、インテンスでの話。なんでしょうね、この2000回転をちょいと過ぎた辺りから天井に張り付くようなトルク感。2ペダルMTのおかげもありますが、トルクとはなんぞやをしっかりと分かっているチューニング。ただ、2ペダルMTとアイドリングストップの相性は、フォルクスワーゲンの初期モデルを思い起こさせるフィーリングで、タイミングを誤ると、傾斜のあるところでは下がるは、再始動にラグがあるは、で、ユニットの世代の古さが完全にウィークポイントとなっています。せっかく付いているのにオフにしたくなるとでも言いましょうか、そんな感じ。  って、マイナスに感じたのはそれ...

#1530 後悔あれど、満足感も高い、iPadPro+ApplePencil購入記。

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 勢い余ったといいましょうか、まぁ、欲しかったんですが、プライオリティとしてはあまり高くなかった、そんなデバイスが、iPad Proでした。発表当初はApplePencilがもたらすおもしろさになんとなくは惹かれたものの、そのために合計で10万円となる出費に戸惑いがありました。が、アメリカ在住の知人(絵心とってもあり)が日本に来た時に、あれこれとプレゼンされたら、欲しくなった、と。ま、なくてもいいけど、あったほうが愉しくなる、そんな捉え方ですな。ちなみに、iPadは、とっとと切り捨てられた悲しい初代モデル、しかも3Gを、発売初日にヨドバシカメラで並んで購入し、ずっと使っておりましたが、現在、iOSとて5までしか許されず。webブラウジングすら困る始末どころか、アプリケーションのあれこれもiOSバージョンアップとともに初代モデル(iOS5)非対応に。なぜだかiOS7以上を謳われているはずのHuluのアプリケーションがインストールできていたため、大きなファイルは扱えないもののムービー再生用として使っていますが、いつiTunesでのリンクができなくなるかとか、そんな心配ごともあったので、最新型へのスイッチを考えていました。  ただ、理由はそれだけではなく、さらに、ApplePencilを使用してのPDFへの書き込みにとても惹かれるものがありました。FAXが日本のビジネスにはまだまだ使われているとはいえ、昨今、PDFで送られてくる出欠票に対して、いちいちプリントアウトして、それに書き込んで、返信、となると、何か違うを感じますし、だからといってPC上での記入するのは、これまた面倒。  というわけでiPad Pro+ApplePencilを望んでいたのでした。で、去年秋だったかの為替レート調整による日本円ダウンがあり、あれから円安に進んだことを考えると、次期モデルが出たところで旧製品の日本円ダウンが望めそうにもないどころか、逆もありうる……、と考え、今が、買い時であることは分かっていました。しかし、整備済製品はなかなか出ず、さらに、希望の黒になると、なおさらにレアな存在に。  なんてことを考えていた時のこと、突然に、整備済製品の黒が登場。出たら、真っ先に抑えることだけが頭にあったので即効で抑えましたが、よくよく考えてみますと絵も描きませんし、ほんとにPDFへの記入だけ...

#1529 ハンドリングに惜しいを感じてしまった、日産ノートeパワー。

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 しっかりと乗る機会がなくて、ようやくじっくり乗れることになった、日産・ノートeパワー。現行型は12年デビューでしたから、4年が経過しての、新パワーユニットを含めたテコ入れだったわけですが、やたら見かけるなと思ったら、販売も好調なようで。って、そのうちの多くがeパワーだったりするわけですが、177万なにがし円からスタートする価格帯に、割高感を覚えながらも、それでも欲しい人がいかに多いかに、ちょっとばかり驚きを覚えていたりするのも、また事実。って、そういえば、ヴィッツにハイブリッドが追加になっていますが、ハイブリッド専用ボディまで作ったはずのアクアが……、ま、いいや、その話はまた後日。  さて、そのノートeパワーですが、そもそも先代、2代目含めて、ノートに対してはすこぶるいい印象が残っています。ですので、新パワーユニットを採用し、さらなる改良を受けて……、と期待大でいたら……、これが、想像のレベルとちょっと違っていました。あのですね、ハンドリングが……、緩さはないのですが、オンセンターからの操舵に感がない。ま、Bセグの国産モデルにありがちであり、これまでは許されるレベルだったのですが、自らがBセグハッチバックに乗っていること、昨今の新型モデルのレベルアップぶりと比較すると、物足りなさを覚えました。まぁ、このあたりは世代の差が出てしまっているところで、フルモデルチェンジを待つしかないのかなと。ただですね、ルーテシアが……、云々。  ま、ハンドリングはさておき、シャシーの動きについては以前感じたとおり。かなりのハイスピード域において安定性を増すところは、ノートの美点。で、気になるのは燃費ですな。あのですね、これ、わりと誰でもカタログ燃費値以上を引き出せると思います。もちろん、道やらドライビングによりますけど、高尾から横浜まで下道を渋滞にはまりつつ走って、ご覧のとおりで、35.0km/L。実は横浜市内に入るまでは40km/Lを超えており、横浜市内に入った途端に悪化したといった結果。そうなんですね、カタログ燃費値がいいだけではなく、それに近づけることが容易であることが、このモデルのアドバンテージではないでしょうか。いかにモーターのみで走らせるかに気を使うハイブリッドモデルとは異なり、必要だと思う分だけアクセルを踏み込めばいいだけのこと、って、それはアクセルオフでの回生...

#1528 ボウズは避けられたものの、今日もフグ三昧だった、能登滞在4日目。

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 そして、今日も釣りしていました。そうなんです、まだ、能登にいます。無理に釣りする必要もないのですが、勢いと言いましょうか、久しぶりの愉しさもあって、釣りに出ました。今日は潮が動かなかったこともありますが、昨日同様に、エサを持っていかないところもあって、フグ以外はなかなか難しく。そのうち釣れるさと思いつつ、いつしか夕刻になって潮が動き出した途端に、喰いも良くなってきたんですが、風が強く、冷たくなってきたので、納竿。  釣果はフグのみ。ただ、自分でも感心したのが、針を飲み込ませることせず、口に掛けたこと。フグは難しいんです、口だけに引っかけて釣り上げるのが。まぐれ半分もありますが、釣るテクニックもまだまだ衰えていないことに、自分なりに関心しきり(写真右)。  というわけで、食卓に上がったのは、スーパーで購入してきた魚でしたが、まぁ、新鮮であること、地元産であること、何より安いこともあって、満足。そうそう、ちなみにスーパーの魚売り場では、マダイ(幼魚)、ウミタナゴまでもが売られていてちょっとビックリでした。販売価格は300円程度と安く。って、今回の釣りに掛けた費用(エサ代、仕掛け代)を考えると、スーパーで購入したほうが断然に安く上がりました。はい。

#1527 何にもないから、居心地が良過ぎる、能登滞在3日目。

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 まだ、いるんですね、能登に。そして、今日も釣りに出かけました。ちゃんと釣りをするならば、それなりの支度が必要ですし、それなりの獲物が狙えるところなんですが、そういう釣りも性に合わないといいましょうか、釣れなくてもいいという、むしろ、釣れないほうがいいといわんばかり。つまりは、グータラが目的なので、仕掛けも適当、エサも適当、何より釣りをするスタイルそのものが適当。そう、この適当さ加減がいいのです。  というわけで、今日も適当な釣りをしてきましたが、風が強く、また、午後には知人がやってくるので早々に引き上げ。魚については、あたりはあるんですけど喰わない、まぁ、エサを喰えて持っていかないとでも言いましょうか、そんな感じ。で、釣果は、釣りにおいては邪魔者扱いされるフグのみとなりましたが、そのフグですら底にいるという始末。活発になってくるのは、もう少し先なんでしょうかね。釣は、次回の楽しみに取っておくことにします。  それにしてもなんでしょうかね、途切れることがなく、変化あったり、変化なかったりする、この不可思議な流れは。しかし、まったくもって飽きません。それが同じであろうと、同じでなかろうと、飽きません。釣れなくても満足できる、この感覚こそを、たぶん、幸せっていうんでしょうな。  あ、大型連休がスタートした途端、能登はクルマが増えました。人もバイクももちろん。海岸線にあるカフェの駐車場はほぼ満車。奥能登なのに。セカセカしなきゃならない都合も分かりますが、セカセカから逃れるだけで、とんでもない充実があるんですけどね。

#1526 何にもないのに、いや、何もないから、心地いい、能登滞在2日目。

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 まだ能登にいます。さて、今日は何をしようかと思ったところで、これといってしなきゃいかんこともなく。と言いつつ、何かを考えていたわけでもなく、しばし日本海を眺めていたら、おっと1時間が経過。なんにもないところでの過ごし方って、こんなもんなんです。  で、せっかく釣竿を持ってきたのだからと、釣りに出てみることにしました。って、釣場は眼下。ただ、釣りエサが必要でしたから、と、聞いてみれば、いちばん近いホームセンターにて販売しているとのこと。そういえば、かつてはホームセンターでも釣り道具を扱っていましたが、昨今は……、って、へ? ホームセンターで釣りエサ? まぁ、釣り具店がないがゆえのことなんだろうなと思いつつ、足を運んでみれば、釣りコーナーがあって、しかもルアーまでそれなりに用意されていました。需要があるんですな。ちなみにこのホームセンターまで13km。東京駅から新宿駅までが下道で約8kmですから、まぁ、そう考えると、近くはないんですけども。  さて、で、無事に釣りエサも手に入れて、釣りへと出かけました。って、話は飛びますけど、実は釣り少年でした。中学生のくせに4:30発車の始発電車に乗って、クロダイを狙いに出掛けていたといえば、いかに生意気だったかがおわかりいだけるかと思います。ただ、財力もありませんでしたし、足(クルマ)もありませんでしたから、釣れたためしはありませんでしたけども。それでも、道具は中学生なりに揃えました。安くはない竿に、安くはないリール、安くはないラインを巻いたりして。その後、釣りとは距離が離れまして、実は今日握った竿、あれから30年以上使っていなかったもの。デザイン的には古びているんでしょうけど、思ったほどに使い辛さはなく。久しぶりに針にエサを付けて、仕掛けを振り出してみれば、戸惑いはまったくなく、当時の感覚はそのままに残っていました。  というわけで、過去を思い出しての懐かしさもありましたが、ぼけっとしていることの気分のいいことったらありゃしないとばかりに、ウキを眺めていたら17時に。そうなんですね、糸を垂れているだけで、自然の中にいるだけで、もう気分爽快。しかも、東京湾のように近くに釣り人など、まったくおりませんし。ちなみに、釣果は芳しくなく、アイナメ3尾、ウミタナゴ1尾。そこそこのサイズだった3尾は塩焼きになりました。  あまりの気分...

#1525 そうだろうと思ったけど、やっぱり何にもなかった、奥能登。

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 今年の大型連休は特段予定がないかと思っていましたので、早々に予定を入れていました。そう、能登へ出掛けるという予定を。しかも、東京にいなきゃいけない理由もなかったので、予定を前倒しにして出掛けました。東京にいる時には、そうしてまで能登へ出掛ける意味あるんだろうか、と思うところもあったんですが、でも、能登にはたしか何かがあったことを覚えていましたから、行っちゃえとばかりに、勢いついでに出掛けたというわけです。ら、やっぱりですね、能登は能登のまんまで、何もないが、あいかわらずに広がっていました。何もないといってしまうと住んでいる方々には申し訳ないんですが、何もしなくていい、何もいらない、これでいい、それを思い出させてくれる、って、いつも言っている、プラスな意味合いでも、何もないですので、御了解をば。  何もないといえば、先日、ロケハンで、とある山間地へと出掛けたんですが、同行した方が道中に「ほんとに何にもないんですね」を発しました。この場合はマイナスイメージ的な何にもない、ですな。いや、山はあるし、川はあるし、たくさんあるんですけど、と思ったものですから、たくさんありますよー、とついつい言葉にしてしまいましたが、その方は不可思議に受け取ったようです。そうなんですね、観点が違うと、何もないの意味そのもの、捉え方が違う。花咲く桜並木はなくても、山に点在している桜に、春を感じるだけでも……、と思ったものの、なんだか面倒になってしまって、口を閉ざしてしまいましたが。  というわけで、何もない奥能登へ来ました。明日の予定も、これといってありません。いちおう、釣竿だけ持ってきました。いうまでもありませんが、仕事は置いてきました。ビジュアルは今日の奥能登の夕暮れを、タイムラプスにて。ページを開くとムービー再生可能となります。

#1524 予想以上にいい仕上がりだった、新型MINIクロスオーバー。

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 MINIクロスオーバーのプレス向け試乗会がありました、本日。ベースとなったClubmanがあれだけの仕上がりを見せていましたから、まぁ、悪いわけはないですわな……、と、意気込んで出掛けてみれば、打ちのめされて帰ってくることになりました。  あのですね、このモデルですね、SUVスタイル(BMWが言うところのSAV)に設えたこと、以前に、クルマとしての進化、熟成を大きく果たして。ボディの剛性感からシャシーの剛性感、そしてトルクを生かした走りがベースにあって、その上にSUVテイストがあるとでも言いましょうか、そんな感じであって、クルマとしての仕上がりが実にいい。快適性をしっかりと設えてあるという点からしても、クーパーSDを堂々と選べる。いわゆるMINI的なヤンチャっぷりは影を潜め、スタビリティ重視といった印象が強くあり……、なんていうんですかね、後部座席に人を乗せて、皆で楽しみながらのドライブをしたくなる、と、そんな感じにあふれていました。  で、何に感心したって……、まぁ、全て。で、で、特に感心したのはハンドリング。FFなのにハンドリング。コーナーではクイックを感じさせることなく、素直に曲がるといった印象をドライバーに伝え、粘りに長けているとでも言いたくなるシャシーが、路面を捉えて離さない。そう、離そうとしない。ロールを許しますが、スピードと剛性とハイバランス。ストロークにもこまやかな質感がありまして、って、ストレスなく動きながら、徹底的に手懐けられているといったフィーリング。もう、うっとり。ちなみに試乗したクーパーSDは、225/50R18サイズのタイヤを採用していたのですが、バネ下がドタバタ動く印象は見られず、ゴトンという固さをキャビンに伝えてこなかった。たとえ固さらしきを伝えてきても、ストローク1往復でいなし、ボディを僅かに震わせて、すぐに収束させる。ちなみにタイヤの銘柄はピレリーのPZERO。最近、書きましたやね、同銘柄のタイヤゆえに固いとか。あれ、タイヤだけではありませんな。それを調えるシャシーさえあれば、なんら問題なく、タイヤだけのせいにするのは早急だったことまで実感しました。エンジンフィールも400Nmというトルクも叩きつけるのではなく、フラットに仕立てて、どこからでも意のままの加速を可能にしています。トルク好きにはまさにうっとりといったフィーリ...

#1523 ダブルマロン? と思いつつ、懐かしさを覚えたありあけのハーバー。

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 幼少期を横浜で過ごした者として、想い出深いお菓子があります。それが、ありあけのハーバー。藤棚商店街にあったスーパーまるやまの贈答品カウンターに並んでいたそれは、いつも手に届かぬ、いや、ギリギリで手に届く、しかし、なかなか手にできないという憧れにありました。  いや、なんてことはない、中は白あんベースで、周囲を小麦粉でコーティングした焼き菓子。ただ、なぜか、外側にあたる薄皮が第一層とばかりにわずかに剥がれていて、そこに張りといいましょうか、固さがあって……、って、これが妙な違和感に近い、食感を作っていたのですが、そこに特徴を、感じていました。まずいんだか、美味いんだかわからない表現ですが。  といいつつ、幼少の頃に食した焼き菓子ですから、基本的に美味い、といいましょうか、好みだったわけですが、あの頃の憧れは、少年の心に憧れそのままに刻み込まれ、あれから40年近くが経過。で、昨今、再びの出会いとなりました。それは、多摩川沿いにある川崎市内のいなげやでのことでした。やはり、贈答品カウンターに並べられたありあけのハーバーは、パッケージデザインを変え、小さくなったような気がしました。後で調べてみたら、当初の有明製菓は倒産したものの、その後、復活し、現在に至っているそうで。  というわけで、早速、購入。食したものの、当時と何かが違う。確実に違う。これ、なんだろう、と思うこと、2つ目を食している辺りで気が付きました。ノスタルジーな味わいが見当たらない。なんていうんでしょうかね、毒された舌ではすでに感じ取ることができなくなっていた、ほのかな味わいとでも言いましょうか、焼き菓子としての高級感とでも言いましょうか、そんな、あれこれ。というわけで、たぶん、味は、当時と大きくは変わっていないんだろうなと思いつつ、変わり過ぎた自分に対して、あれこれと想いを馳せてみたわけですが。  ちなみに、サイズはやっぱり小さくなっているような気がします。価格は1つ165円。40年前は100円しなかったと思いますが……。個人的には通販すらせず、県内だけで販売というスタイルにしてくれると、もっと嬉しかったんですけどね。

#1522 ひたすらに生真面目だった、スバル・インプレッサG4。

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 さて、スバルのインプレッサ。そう、先日、新型XVに試乗して、あまりに調えられたそのバランスに感心したもので、果たして、ベースモデルであるインプレッサはいかがなものだったかを再チェックすることに。スポーツ(ハッチバック)でも、G4でもどちらでもいいとリクエストしたら、2.0LのG4に乗ることになりました。  それにしても、このG4、正統派といった印象が強く、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する理由も良くわかります。実に良くできている。ハンドリングも操舵(アシスト)力も的確だし、オンセンターからの移行も実に繋がりがいい。タイヤのグリップは少々高いかなと思うところもありつつ、まぁ、これもひとつの解と捉えられる、と。ロールは剛性感、スピードともに素直。サスペンションが自在に動いている感があって、これまたいい。ストローク感があるものの、実際のストローク範囲は狭められたといった感があり、つまりですね、大きな入力に対してはトタンが顔を出す。ドタンではなく、ト・タン。ただ、205/50R16サイズのタイヤを装備していたことを考えると、上出来。入力を支えるボディも剛性感に富んでいますし、ドライバーに違和感として伝えてこない。ただ、リバウンドストロークで乗り心地を作っているところ(当たり前)に、もう少し減衰を与えて、質感を出せたらいいのになぁと思うところがあったのも事実。って、そこまで作り上げると、Dセグレベルに届いてしますが。  つまりですね、走り込んでいくうちに、かなりスポーティな躾けを見つけましてね。って、いや、それは意図的なスポーティな仕立てではなく、素によるスポーティさ。実のところそれほどに期待していなかった2.0LNAエンジンも、レギュラー仕様ながら、ずいぶんとトルクとパワーを手に入れていまして、それをフラットに仕立てているところが好印象。特に2000回転あたりからのトルク感はすこぶる高く、かつてのEJ20型NA(レギュラー仕様)からは想像できぬほど。  言い換えますとね、燃費悪化はこのあたりにありますので……、って、やはり従来どおり、1500回転以下、無理でしたら2000回転を超えぬところでのアクセルワークが、実燃費向上には大きく貢献します。そう考えると、ACC使用時にコンフォートをセレクトしても、先行車の動き次第とはいえ発進時に2000回転を上回ってそこから落と...