#1536 好みも含めて、バランスに長けていたと感じた、V90クロスカントリー。

 ボルボV90シリーズにクロスカントリーが追加となり、V90を含めて、北海道〜東京というロングドライブの機会を得たので、ちょいと感じたあれこれを。って、すでにV90に乗っていますから、比較すると……というスタイルからすると、好みはやはりV90クロスカントリー。理由はバランスに長けているから、ですな。簡単に言いますとね、V90に与えられたボルボ流の快適性を、クロスカントリーならではのシャシーフィールを用いて、さらに快適に仕立てています。もう少し言いますとね、サスペンションにストローク量とストローク感があり、凹凸のある地ではサスを伸ばし、一方で縮めて、路面を捉えようとする姿は、昨今のSUVには見られないもので、ほほぅ、20年前からクロスカントリーモデルをリリースしているだけのことはあるな、と感じました。で、そのストロークを乗り味に上手く生かしており、快適、快適。それでいながら、ハンドリングに曖昧さが出てくるわけでもありませんし、オンロードでのコーナーにおける安定感も極上。好みというよりも、仕立てとして、バランスが取れているんじゃないか、そんな印象を受けたほどでした。あ、パワーユニットは350Nm版(T-5)でしたが、日常域はT-6と変わらずといった印象がありつつ、踏み込んでも余計なパワーが立ち上がらない分、扱いやすさがあって、好みでした。ちなみにドライブシーンは、300kmほど、雨の北海道。
 今回は、V90に再び試乗する機会も得まして、すでに#1520にてV90 Inscriptionについて記したあれこれにちょっと訂正、といいましょうか、書き足しを。今回、走行したのは青森から都心までの約800km、つまりハイスピード域における印象についてなんですが、タイヤサイズが起因したバランス感が好みではありません。シャシーがそのままで、タイヤだけがハイパフォーマンスを奢られるというアンバランス感。つまりですね、スポーツサスペンションを組み合わせないと、速度域の高いところでは逆に不安を感じさせるところがあると。乗り心地において固さも気にならないとは書きましたが、ロングドライブにおいては、ゴトンといった音、振動が出てくるシーンがあり、おや? を感じました。そうなんです、タイヤのキャラクターとサイズによる行き過ぎ感があるんですね。まぁ、そんな程度です。
 いずれにしてもウィークポイントはボディサイズでしょうか。V90クロスカントリーで、全長4940mm、全幅1905mm。大きく見えるだけ、ではなく、実際に大きい。このサイズ、果たして日本で受け入れられるのでしょうか……、と思っていたら、これがすでに納車待ちの列ができているそうで……。いやはや、いやはや。

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