投稿

ラベル(ホンダ)が付いた投稿を表示しています

#1773 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その1

イメージ
 今年から、東京モーターショーの名前が、ジャパンモビリティショーへと変わりました。何が変わったかというと、人気アーティスト(自分はすべて知らなかった人たちばかり)やお笑い芸人(なぜか吉本のみ)によるライブ、グルメに詳しい方にグルメプロデュースコーナー、スタートアップ企業とのマッチング、もちろん講演やら、いわゆるクルマやバイクの展示だけではなく、キャンピングカーからスポーツカーまで、ありとあらゆるモビリティライフをつなぐイベントへと変わっていました。ま、イマドキというのでしょうか。自分は、もはやテレビのない生活を送っていますから、イマドキに付いていけない部分も多くあります。ちなみに、ショーに出展されるクルマについては、ショー開幕とほぼ同時に出版される本と、その後に出版される本への仕事を依頼されており、逆に知りすぎているところもあって、このところ、口を閉ざしていました。  今回は、って、まだ終わっていませんが、プレスデーと、特別招待日と銘打たれ、一方で、障がい者手帳を持っている方が見学できる日の2日間に、出掛けてきました。もちろん、両日で、出展内容やレイアウトなどは変えられているのですが、逆にいえば、それぞれに来場者の層が違っており、自分にとってはそれもまた見どころとなっていました。プレスデーの話をしますと、それ、出展されるって聞いていなかったよ、ってモデルが、いくつかありまして。その1台が、日産のハイパーフォース。現行型GT-RのフォルムをベースにしたBEVですが、聞いてなかった。聞いていなかったので、執筆した雑誌には、日産はコンセプトカー4台と書いてしまいました。知らなかったんだから、仕方ないとはいえ。ただまぁ、難しいのは、何かが発表されることが分かっていたとしても、そのブランドが最後まで写真を提供してくれないこともあって、特に、ショー開幕前に出版される雑誌であっても、テールランプだけとか、アンベール幕が掛けられた写真だったりしてしまいます。でも、ショー開催日以降はアンベール幕なんぞ掛かっていないわけですから、なかなか難しいところがあります。  そんなジャパンモビリティショーですが、いわゆる各ブランドのモビリティ出展ブースに焦点を当てますと、どのブースも趣向を凝らしており、色がありました。個人的な想いを入れてしまうと、いちばんいいなと感じたのは、前回同様にマツダブー

#1736 これ、今、求めている人多いと思うな、でも、いやらしさがあるんだな、ってな、スズキ・スペーシアベース。

イメージ
 記さねばならないネタは数多く、というか、多すぎてですね、収集が付かなくなっています。いちおう、出版社の経費で取材した内容は、出版物が発行されるまでは、ここでは書かずに、つまりは止めています。ということで、今日は少し時間もできたので、一気に放出しようかと。ということで、まずは、スズキのスペーシア・ベースから。  そもそも、軽自動車への注目が安いからという理由があるようですが、それが良いのか悪いのかはさておきですね、軽自動車であれこれと不可思議なクルマが登場しています。新しいアイディアから隙間を狙ったような商品まで。その中で、実用一辺倒であるはずの商用系を、乗用的に使おうという流れがひとつあります。これ、RVブーム黎明期のヨンクにあった流れでもあるんですが、あの時は、実用系が乗用系へとスイッチしていきましたが、今回の場合は、軽商用に乗用車的な要素を詰め込み、結果として、軽商用のままという、流れ。あ、ヨンクも最初そうだったか。  ホンダ・N-VANや、先日フルモデルチェンジを果たしたばかりのダイハツ・アトレーなどが、それ。ただ、いずれも商用であることをあえて捨てず、つまりは最大積載量を350kgとしており、N-VANではプログレッシブレートのバネを採用するなど、それなりに工夫しています。そう、正攻法からの工夫。ただですね、いずれにしても荷物を詰むことが前提なので、空荷だとなんだかんだいっても、LT規格のタイヤを組み合わせなければならないこともあって、乗り心地に固さが出てしまいます。ただ、周囲にもいるんですが、この手の軽商用バンを、荷物をフル積載することはないものの税制の面からリースで利用している方がいます。そういった方は、リアシートは使われるので4名乗車であることが多く、移動がメイン。つまり、荷物は積まない。ま、そもそも、人が4名乗車するのにあのリアシートはおかしいって話……、そう、商用車の基準と税制云々がおかしいんですが、ま、致し方ない。  このスペーシア・ベースは、アプローチとしては乗用車系のプラットフォーム(つまり、スズキでいうところのエブリイではなくスペーシア)をベースに、リアシートをエマージェンシィ的なタイプへと変更して4ナンバー化。スペースを得たラゲッジルームには専用ボードを備えて、机にしたり間仕切りにしたりといったアレンジを提供。リアシートはシンプルだけど

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

イメージ
 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ

#1719 ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。

イメージ
 年明けにルノーからデビューしたアルカナの広報試乗会に出掛けてきたので、その時に感じたあれこれを書き連ねましょうかね。端的にいいますと、個人的な好みをベースとしたルノーへの期待感と、この世の中において「売れる」商品という評価との、乖離を強烈に感じましてこれを称して「複雑な気持ち」ともまとめたりもしましたが。  商品としては、フォルム、サイズ感、価格、装備含めたお買い得度、輸入車としては珍しいフルハイブリッドユニット搭載など、ユニークポイントの多いモデルです。まず、写真を見て、それが伝わってくるもので、なんといってもルノー流の端麗なテイストは、クーペでももちろん存在。というか、クーペ的な作り込みが上手いですな、ルノーは。ちなみに、クーペフォルムが美しいなぁと感じているのは、あと、マツダもです、はい。このSUVをクーペに仕立てるテイストは、各ブランドから目新しさとしてあれやこれやと登場していますが、スクエアなクロカンに機能性たるバランスを感じている者としては、この手法に対して亜流を感じていますし、ブランドによっては破綻を感じさせるモデルもあるとまで、評しています。とはいっても、そのパッケージングは4ドアとしつつ、リアゲートのヒンジをかなり前に位置させて、大きく開閉させていますので、ま、雰囲気としては、いわゆる欧州車で流行った5ドアハッチバックスタイルあり、リアシートの居住性を確保しつつ、ラゲッジルームでは奥行きがある! と思わせる演出も相まって、不足を感じさせなかったりもするのですが。  とは言うものの、アルカナのデザインは、テイストだけではなく、そういった機能性を作り込んだ造形となっており、そのバランスも実に美しい、と感じさせます。ま、そう考えると、400万円少しであのデザインが手に入ることに「リーズナブル」感をすら覚えますかね。で、個人的に感心したのはリアシートの作り込み。なんだかんだいってもクーペスタイルゆえに、スポイルされているのでは? と思っていたのですが、さすがはルノーと感心させられた作り込み。ま、欧州モデルの妙でもあるんですが、すっと腰が落ち着き、自然なポジションを取ることができる心地よさが作り込まれており、フロントではなく意外にもリアに座りたくなる魅力を感じたほど。と、なるとですね、すべてガラスといわんばかりの大型グラスルーフが欲しくなりますが、と調べて

#1683 三栄のMotor-fan webで、再びに、ダイハツ・タフトをトップに選んだ話。

イメージ
理想を追求しすぎてて、実現出来ていない面も数多くあれど、アイテムの面やらベンチマークたる存在になるべく意欲的な開発がされてます。はい。  三栄のMotor-fan webからいただくテーマはとてもいいところをついていましてね、発注は800文字でいいと言われているものの、書きたいことが多すぎて、ついつい書きすぎてしまうことが続いています。文字数オーバーったって、倍、いや、3倍近くになってしまうほどの、オーバーランですから。さて、今回いただいたテーマは「 プロが選ぶ最強のお買い得車 」。あれ、コスパのいい……がテーマだったはずが、掲載される段になったらちょっと整えられていましたな。  そもそも、コストパフォーマンスという言葉って、良くも悪くも深く考えていない感がにじみ出ていて、あまり好きではありません。それこそキャッチー過ぎる言い回しそのものに、軽さを感じてしまいますし。まぁ、それはさておき、執筆した内容についての補足を、ちょいとしておきましょうかね。お買い得というのは、評価する者の視点によって大きく変わってくるものです。寄稿のあたまにも記しましたが、自分の場合は、走りが愉しいこと、それを助長してくれる装備に割高感がないこと、ま、すべてはバランス、と、捉えています。そういう観点からすると、ハイパフォーマンスモデルって、その高スペックぶりに対してリーズナブル感がすこぶるありますけどね、絶対的な価格としては安くはない。特に昨今のモデルはその傾向が強く、実は、当初、トヨタ・ヤリスGRを選ぼうかと思ったんですが、そういった見方、そして、さらにはきっとほかの方が選ぶだろうことも考えて、却下。また、ルノー・カングーもあの走りの質感を考えるととんでもなくお買い得なモデルであり、さらにモノスペースゆえの使い勝手の良さまで考慮すると、超がつくほどのお買い得。ただ、このピックアップは絶対にだれかと被るだろうし、狙いすぎといった印象も感じられたので、却下。  ま、却下というよりは、それよりも個人的に買い得だと感じているモデルがあったものですから。あれこれと見渡した時、ユーザーフレンドリーで、かつ、自動車メーカーやディーラーの、無理矢理な押し付け感が見当たらない、そんなモデル。しかも、これからの軽自動車のあり方を提案しているモデル。それが、ダイハツのタフトと。ま、その理由は記事でも、ここでも

#1678 加飾がなくて成立するデザインなのに、何故にメッキを?

イメージ
 前回の書き込みから1か月以上。ARM-Macは、結局、Macminiを再度キャンセルしてMacBookAirが手元に届いているし、実家ではダイハツ・タフトが納車されたし、新型車のあれこれに乗りましたし、年越しの能登行きをキャンセルしましたし、スタックランドファームへ行きましたなどなど、あれこれありました。で、あれこれ記しておこうと思ったのですが、とりあえず、このネタを。  昨今、軽乗用車のいわゆるカスタム仕様のデザイン、過度になりすぎていました。造形はもちろん、そこに組み合わせるメッキパーツやらの数々が。まぁ、これは軽乗用車に止まらず、国産ブランドの乗用車系でも見られる手法であり、デザイナーさんに話を訊くと行きすぎ感を認識しており、中には、どちらかといえば、そういったデザインはしたくない感すら伝わってくる方もいらっしゃいました。ということで、その行き過ぎを止めようと、ここらでリセットする動きが見られました。具体的にはホンダ・N-BOXから、そして、それにダイハツ・タントが続きました。彼らは方向転換とばかりに、シンプルがもたらすクールさをデザインしてきました。ところがですね、軽乗用車マーケットはそれを期待していなかったようで、というか、まだその提案は早かったようで、N-BOX、タントともに、せっかくすっきりとさせた面持ちをもとに戻すような手法を選んで、改良を行いました(カスタム仕様)。まぁ、ディーラーで話を訊くと、やはりお客様から物足りなさを言われるとのことですから、致し方ないんでしょうかね。個人的には、なんともかんとも、そのセンスに残念を感じています。  ちなみに、今日発表になったN-BOXでは、リリースによると「アッパーグリルのメッキを強く立体化するなどフロント回りのデザインを強化するのに合わせ、フロントのライセンスを中央に配置し、メッキバーをリアバンパーに追加」とあり、まさにマーケットからの声を反映しながらも、そこにデザイナーの最後の抵抗といわんばかりの仕立てを感じます。一方、 タント(写真上)では、カスタム系の売れ筋となるスタイルセレクションと呼ばれる仕様に「大型フロントグリル(メッキ)、バンパーガーニッシュ(メッキ)、サイドガーニッシュ(メッキ)」を追加。一部グレードに絞り込んだところにデザイナーの最後の抵抗を感じますが、実際にはほぼこのグレードに集中する

#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

イメージ
 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1640 国内での狙い所、アッパークラスたる走り、とってもいいです、新型RAV4。

イメージ
 さて、復活したRAV4の話を。最近のトヨタは復活が多いです。個人的には復活させるということは、止め際の判断を誤ったことをなかったかのようのにしており……、と、少々穿った見方をしているところがあります。いや、クルマに限らずで、iPad Airとか、iPad miniとか……。それはさておき、RAV4の話。この日本での復活劇は、本国(といってもアメリカ)発表の時にアナウンスされたような、されていないような、ま、いずれにしても、早いタイミングでの日本での復活の予告がありました。ただ、復活がどうのこうのとは思いながらも、この、一旦下げて復活させるというストーリーは、トヨタとしての業績、および、日本でのイメージ戦略と時代の流れまで、良く練り込んだものであり、感心していたりもします。まぁ、4世代目をそのままに国内導入していたら、キャラクターも弱くなりただ大きくなったモデルという評価となり、RAV4というブランドイメージも悪化していたことでしょうし。復活というより、仕切り直しができたとでもいいましょうかね、そんなストーリーはしっかりと評価しています。  ということで、復活となったRAV4ですが、強くは謳われていませんが、プラットフォームをひとつ格上げしての復活となりました。そうなんですね、今回はカムリに代表されるひとつ上のクラスを採用。あれ、やはり復活なハリアーって、逆に格下げになっていなかったっけか? ……、って、そうなんです、ハリアーとRAV4の立場がひっくり返っています。それにしてもRAV4を格上げする必要あるのか? と思われたかも知れませんけど、その必要があったんですね、北米マーケットをあれこれと考えると。ご存知のように北米における乗用車のスタンダードはカムリサイズ、つまり、アッパーミドルクラスと呼ばれるセグメントにあります。つまりですね、SUVも同格がメインである上に、ましてや乗用車プラスαが求められるものでして、最新のSUVはCだったのにD的な移行をしています。ま、少し前のグランドチェロキーのポジションと言えば、分かりやすいでしょうか。ジープついでで言いますと、気が付くとグランドチェロキーはアッパーD的なEセグメントへと移行しており、空いたところ、アッパーCにチェロキーを充てています。あれもそうですな、ホンダのCR−Vも。全幅1800mmどころか、1850mmを超

#1621 2019年次RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会で感じた、あれやこれや。

イメージ
 早いもので、今年もRJCカー オブ ザ イヤー最終選考会が行われる時期となりました。ほんと、早いものでして、先々月ぐらいに行われたような感じでいますが、あれからもう1年が経過していたんですな、ほんと早いものです。さて、その結果は、以下のとおりとなりました。   2019年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       三菱 エクリプスクロス   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW X2   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 e-POWER(セレナ搭載)   RJC特別賞             ホンダ N-VAN  三菱のエクリプスクロスは、ここでも散々に書いていますが、操縦性の素晴らしさを評価する一方で、リアシートにおける乗り心地にあと少しが残っている点は実に惜しい。しかし、速度域を上げた際のドライバビリティを知ると、あまり気にならなくなりますから、頭ごなしにこのモデルを否定はできません。できませんどころか、さらにその操縦性を深く探っていくと、S-AWCとて無理矢理に修正して理想の走りへ導いているのではなく、その条件下、つまりドライバーの意図をくみ取った制御をしており、ひたすら感心を覚えます。下手なドライビングにはフォローというアシストで対応し、上手いドライビングにはそれを強調する制御を行い、その加減に拍手喝采といった感じ。こうした、クルマがドライビングを教えてくれるといった対話性まである国産車は珍しいのでは? と感じ、自身はこのモデルを高く評価しています(なんて話は #1616 に記しました)。ちなみに国産モデルでは、個人的にはCX-8も同じぐらいに高く評価しています。CX-5/8は、このクラスのベンチマークたるハンドリングをもったモデルであり、そう捉えると、どちらが選ばれたとしてもおかしくなかったと思っております。  輸入車はボルボV60、XC40の仕上がりに、個人的には特にXC40のパフォーマンス、仕立て方に感心しておりました。セグメント比較をすると、BMW X2が、SUV系列どおし、Cセグどおしとなり、ライバルになります。ですから、ハラハラドキドキしながら開票を見つめていました。で、結果は、X2に。ちなみに、このモデルへの評価は周囲(選考委員)の話を聞いたところ、最終選考会でさらに

#1611 予想どおりの快適性をもちながら、想像以上に軽商用車していた、ホンダ・N-VAN。

イメージ
 さて、ホンダからデビューしたN-VANの話。軽商用車を使ったことがある人は、乗用車系プラットフォームで商用車に期待される性能はムリだろうという、強い強い、ほんとに強い、先入観をもっています。たぶん、皆といっていいほどに。キャブオーバースタイルがもたらすキャビンスペースはその最たるところですが、使い勝手やら耐久性やら含めて、敵うものはない、変えてはならない、もの、と捉えています。しかし、それゆえに、燃費やら快適性、そしてパワーを含めた走行性能については、諦めなければならないもの、と捉えていたりもします。ところがですね、ふと客観的になってみると、この考え方、実はクルマに寄り添うという軽自動車たるコンセプトと乖離(とは言いすぎですが)していることに気付きます。そう、クルマ側が近づこうとしているようで、していなかった。実用性が最優先されることはいいのですが、実際に使われるシーンとも乖離していたとでもいいましょうか。たとえばですね、最近見られるようになった、おしゃれというとあれですが、イマドキなモダンさを採り入れた移動商店的な、そんな使い方に対して、そぐわなかったとでも言いましょうかね。  ということで、商用軽バンを再定義するといわんばかりに登場したのがこのホンダN-VANでした。ベースはN-BOXと共用していますが、実はN-BOXの軽量化も、このN-VANで重たくなることまで見越したものだったとか。といったことからも分かるとおり、商用軽バンに求められる性能をFFプラットフォームでしっかりと実現していまして、その練り込みようったらスゴイことだらけ。皆が諦めていた快適性やハンドリングなんかは、ベースポテンシャルから想像されるように意図も簡単にクリアしています。たとえば、商用軽バンでは荷物を積んだ際、つまり、サスペンションが沈み込んでいるシーンで発生する路面からの突き上げがあります。あるんですが、このN-VANでは、プログレッシブレートのコイルを採用することで、乗り心地を確保したままに、突き上げを確実にいなしておりまして、商用軽バンたる当たり前(ウィークポイント)が見当たらない。御法度とされてきたCVTを搭載したことで、エンジンのトルクを上手く活用して、燃費とパワー感をバランスしていまして、ワイドレシオとしたこともあって発進から加速まで、NAなのに不足なし(商用軽バンとして)

#1564 今年もいつしか過ぎ去っていった、2018年次RJCカー オブ ザ イヤー。

イメージ
 早いもので、って、口癖のようになっている気がしてきましたが、ほんと、早いもので、今年のRJCカー オブ ザ イヤー選考の季節がやってきました。ってか、過ぎ去ったんですけどね。結果は以下のとおり。   2018年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ スイフト   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート ボルボ V90/V90クロスカントリー   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   ホンダ 新型N-BOXの軽量化技術   RJCパーソン オブ ザ イヤー     光岡 進 氏(株式会社光岡自動車取締役会長)   RJC特別賞             名車のレストアサービス(マツダ、ボルボ)  となりました。まぁ、例年言っていますが、視点を変えると、評価もがらりと変わる、つまり採点も変わるもので、甲乙つけがたく。そして、これもいつもと同じく、最初から決めずに、試乗後の直感に従い、どう採点したかを覚えていなかったりします。ただ、個人的にはトヨタ・カムリに対して、日本向けかどうかはさておき、仕上がりに良さを感じていましたので高評価でしたし、シトロエンC3に対しては、クルマの良さはもちろん、楽しさ、おもしろさといった面でも評価していました。ま、いずれも最高点にしたかどうかはさておき、得点と自分の評価に違いを感じたこともまた事実。  さて、COTYはどのクルマ、技術を選出するのでしょうか。こちらに左右されることはないとは思いますが、個人的にはいつものことながら、興味津々です。いや、RJC会員としてではなく、ひとりのクルマファンとしてね。

#1552 装備から走りに至るまで、想像以上に攻めていた、ホンダN-BOX。

イメージ
 ここ、これだけ放置したのは初めてではないでしょうか。その理由はなんとなくあるんですけど、ま、いいや。と、久しぶりに書いてみますが、ほかにも記さなければならないコトがあれこれありつつも、昨日テストドライブしてきたホンダN-BOXを採り上げておきます。いや、採り上げておかぬほどの衝撃があったもので。  で、ホンダのN-BOXですが、どこが変わったの? と思えるエクステリア(ノーマル)、売れているならば早々に変える必要はなかったのではないか? そんな疑問がありましたが、今回のフルモデルチェンジの理由がわかりました。すべては先制といいましょうか、投資といいましょうか、ホンダなりの策がありまして、そのヤル気といいましょうか、本気に、かなり打ちのめされて帰ってきました。あのですね、いい。とても、いい。違いが明確なほどに、いい。所詮軽自動車じゃんと言われてしまう部分もあります、ありますけど、もはや、それ、どうでもいいんじゃない? と感じさせるあれこれがあります。  まずは、インテリア。なんだか分からないけど、居心地がいい、という快適さがあります。なんていうんでしょうね、分かりやすさをこれでもかとアピールしていないという、媚びていない感。デザイナーはニュートラルな感覚を大切にしたといいますが、まさに、そんな感じ。メーター類を高くに配置し、シンプルなデザインとしたことで、すっと目に入ってきますし、先進安全装備系の表示もそれに連続してセンターに配置されていて、これもいい。標準車のツートーンも嫌みがない。ま、言ってしまえば、普通の感覚なのですが、こちらが気兼ねしなくていい分、楽である、そんな快適性があります。まぁ、ただ、ひとつだけ言ってしまうと、ナビやらのインフォテイメント系モニタが手で操作できる位置にありまして、これがメーター類と距離がある。つまりですね、老眼には焦点を合わせるのに、意図的に眼球を動かさねばならないという、面倒があります。ま、操作させるパネル、視線移動を少ないままに見えるパネル、そんな位置関係ですから、仕方ないことなのですが。  で、走り。あのですね、初代がウィークポイントとされていたことを払拭し、さらに先まで手に入れているといった感がありました。ま、要素的なことを簡潔に述べてしまいますと、真っすぐ走るようになった。あとは、コーナーにおけるスタビリティがとんでも

#1454 イマドキを感じた、2017年次RJCカー オブ ザ イヤーの結果。

イメージ
 今年も早いもので、RJCカーオブザイヤー決定の時期となりました。11月16日に最終選考会があり、即日開票が行われました。で、毎年のことですが、6、5、4、3、2、1のいずれかの点数を入れねばならぬことは、難しく。いつものごとく、書き込む瞬間まで、順位など付けることはできず、迷いました。といっても、迷うのは、6点ではなく、それ以下、特に、1点。個人的にはですね、1点など付けたくないわけですよ。付けたくないんですが、付けないと、票そのものが無効になってしまいますので、付けねばなりません。ま、考えますにね、順位を決定するわけではありませんから、すべてに点数をいれなくてもいいと思うわけです。極端な話、1台(1技術)を選ぶわけですから、点数ではなく、いずれを評価するかだけでもいいような気がします。あれですな、選挙でひとりを選ぶのと同じ感覚ですな。ま、母数が多くないがゆえに、無理ではありますが、いずれにしても、1点を入れるのは難しい。というか、できることならしたくないと思っています。  で、結果は下記のようになりました。  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー        日産自動車  セレナ  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー = インポート  ボルボ    XC90  2017年次RJCテクノロジー オブ ザ イヤー     日産自動車  プロパイロット (セレナ)  ファミリーをターゲットとしたモデルがイヤー賞となったのは、今の時代を反映した結果であり、774万円からのモデルがインポートに選ばれたのは、価格だけでは語れない価値が評価された結果、と、受け止めています。国産モデルでは、日本らしさ、日本向きを語れるムーヴキャンバスやフリードシリーズ、グローバルに戦える新世代さを感じさせるインプレッサ、トルクがもたらす扱いやすさと質感にあふれるアクセラスポーツ15XD、なんだかんだ言っても売れているという事実(人気)があるプリウス、いずれも、観点を変えると、その評価は変わるものです。  それはインポートもしかり。アウディA4の豊かさあふれる質感、プジョー308ディーゼルのコンフォートとスポーティのハイバランスぶり、MINIコンバーチブルのとにもかくにもと言わんばかりの愉しさ、メルセデス・ベンツEクラスが作り上げた新しいアッパークラス感、SUVの本

#1270 いつもながらのらしさがある、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー選考結果。

イメージ
 本日、栃木県にあるツインリンクもてぎにて、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会が開催されました。って、イベントニュースを報告するかのような書き出しですが、……、開催されました。例年ですと、朝、フロントウインドウについた露が凍ってしまうほどの寒さなのですが、今日は、曇り空が広がっていたせいか、そこまで気温が下がることはなく、ただ、時折強い雨に見舞われました。前置きはいいから、さっさと結果を書きまししょうかね。結果は以下のとおりとなりました。  RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ アルト/アルト ラパン  RJCカー オブ ザ イヤー インポート   MINI クラブマン  RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   トヨタ フューエル セル システム  (トヨタ MIRAI)  開票そのものは公開としていますが、開票詳細についてはRJC側から公表はしていないようなので細かな分析は避けますが、開票を見ていて感じたのは、最高点(6点)がいずれのクルマ、技術にも入っていたこと。たとえば、国産車では、ロードスターと得点を争いつつも、S660も奮闘しましたし、エクストレイルHVやシエンタに高得点を入れた方もいました。そうそう、中にはCX-3、ロードスターともに高得点だったり、どちらかが高得点だったりもありました。  輸入車ではXEを高く評価する人もいれば、TTや308に最高点を入れた人もいました。ディーゼルエンジンを搭載して魅力を増したV40シリーズ(2014年次に受賞)も、点を集めていましたし、BMWの初のFFモデルである2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーも高評価も見られました。 技術では、ディーゼルエンジンをハイブリットユニットに組み込んだメルセデスのディーゼルハイブリッドに点数が入りつつも、トヨタのフューエル セル システムが、それを上回る評価を得、そしてロードスターやアルトの軽量化に関する技術に高得点が入りつつ、ボルボのディーゼルやホンダの3モーターハイブリッドシステムにも最高点が入っていました。  つまりですね、どれが受賞してもおかしくないクルマ、技術でした。見方次第といいましょうか、捉え方次第といいましょうか、でも、そこには、広くに勧めたいクルマ、技術と想うというベースがあってこそ。いろんな見方があっていい

#1266 楽しさとオモシロさにあふれていた、東京モーターショー。

イメージ
 ここを放置していたのは、忙しかったこと、体調不良など、あれこれと重なってのこと。ただ、日々の取材やら、執筆やらは続いていましたので、あれこれとネタはあります。というわけで、まずは東京モーターショーのあれこれから。どのメーカー、ブランドのブースも見どころがあって、おもしろさがありました。今回の注目は、やはりマツダのRX-VISIONでしょうな。チラ見せから始まって、公開しても、詳細を語らないというスタンスは、まさに演出であり、仕掛けであり、その手法も好印象。ただ、このモデルを見ると、市販前提ではないコンセプトモデルは出品しないって話、大丈夫かなぁと思いつつ、ま、そんなあれこれを考えさせるところもポイント。個人的には、コンセプト、サイズともにスケールダウンさせることなく、手が届かない価格でもかまわないから実現して欲しいものだなと感じましたが。スポーツカーたる定義をすべてデザインしているこのモデル、とにもかくにも美し過ぎます。  ブースデザインで印象的だったのは、ルノー。前回はマツダでしたが、今回はルノー。というか、今回のマツダのブースデザインにあまりおもしろさを感じませんでした。期待していたんですけどね。で、ルノーの話。バンプと呼ばれる丘を表現したブースはセンターが盛り上がったデザインなのですが、これが、寝転がって昼寝したくなるような緩さにあふれていまして、とても良かった。いや、褒め言葉です、褒め言葉。ちなみに、海外のモーターショーでは、もっと広いスペースを使うことができるため、こぶが連続するそうですが。もちろん、新型トゥインゴも良かった。デザインの妙といいましょうか、RRらしさとルノーらしさとを上手くバランスさせていて好印象。気になるのは、その価格。これだとルーテシアとの価格帯に重ねてくるのかな……、とちょっと心配。下の価格帯にしたら天晴れですが。  トヨタのKIKAIは、実際に目にすると、写真では感じ取れなかったような作り込みに感心します。ショーモデルだからということもありますが、見せるところを見せるというか、見たいところを見せる、らしいところをアピールする、そんなデザイン性にひたすら感心。それでいながら、そのままに走り出しそうな作り込みもとてもいい。今の感覚をもった人たちも、昔の感覚から抜けだせない人たちも納得させられる、そんな1台です。  そういった意

#1253 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その1)。

イメージ
 さて、今年は2年に一度開催されている東京モーターショー(→ ■ )の開催年です。会期は10月29日〜11月8日で、一般公開日は10月30日〜11月8日となります。場所は、前回と同じ東京お台場の東京ビッグサイト。実は、モーターショー関連の本を製作真っ最中なのですが、すでに公開された情報がありますので、東京モーターショーのあれこれ、第1弾を書いてみましょうかね。   まずは、シトロエン、プジョー、DS。DSがブランドとして初参加となることがトピックですが、個人的には、シトロエンのカクタス(画像右上)の出品にちょいと興奮気味。日本市販までも予告されており、さらに大注目。デザインどおりに走りも緩さがあふれているようなので、かなり気になる存在となっています。ただ、予告された導入予定は2017年とのこと。デビュー時にはインパクトが薄れてしまいそうで、ちょっと心配。ま、イギリス仕様とて、現在、MTがメインで、ETGしかありませんから、6ATの登場まで待つしかないことなのでしょう。あ、あとは、プジョーブースのディーゼルの508GTの登場も気になりますし、DSブランドがどういうブースデザインをしてくるかは、さらに気になっています。  マツダが公開したスポーツコンセプト(ワールドプレミア)の存在は、東京モーターショーのトップレベルの話題になるでしょう。マツダは、これからのモーターショーでは、ケーススタディモデル、つまりコンセプトカーは出品しないと言っていましたから、そのままのスタイルではないにせよ、近い将来にデビューは確実。見どころは、そのコンセプトやらデザインもですけど、パワーユニットを発表するかどうか。ロータリーエンジン復活なのか、ガソリンなのか、ハイブリッドなのか。本を製作している我々も、まだ知りません。 まさに、モーターショー開幕までのドキドキも、マツダたる演出なのです。  ホンダは新型FCV(仮称)のワールドプレミア、NSXとシビックタイプRのジャパンプレミア予告していますが、個人的には、フランクフルト国際モーターショーに出品されていたHonda Project 2&4 powered by RC213Vに興味津々。ホンダらしさ全開といったモデルで、これぞ、ワクワクさせてくれるコンセプトカーといった感があります。クルマを持つことが当たり前となった時代におい