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#1773 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その1

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 今年から、東京モーターショーの名前が、ジャパンモビリティショーへと変わりました。何が変わったかというと、人気アーティスト(自分はすべて知らなかった人たちばかり)やお笑い芸人(なぜか吉本のみ)によるライブ、グルメに詳しい方にグルメプロデュースコーナー、スタートアップ企業とのマッチング、もちろん講演やら、いわゆるクルマやバイクの展示だけではなく、キャンピングカーからスポーツカーまで、ありとあらゆるモビリティライフをつなぐイベントへと変わっていました。ま、イマドキというのでしょうか。自分は、もはやテレビのない生活を送っていますから、イマドキに付いていけない部分も多くあります。ちなみに、ショーに出展されるクルマについては、ショー開幕とほぼ同時に出版される本と、その後に出版される本への仕事を依頼されており、逆に知りすぎているところもあって、このところ、口を閉ざしていました。  今回は、って、まだ終わっていませんが、プレスデーと、特別招待日と銘打たれ、一方で、障がい者手帳を持っている方が見学できる日の2日間に、出掛けてきました。もちろん、両日で、出展内容やレイアウトなどは変えられているのですが、逆にいえば、それぞれに来場者の層が違っており、自分にとってはそれもまた見どころとなっていました。プレスデーの話をしますと、それ、出展されるって聞いていなかったよ、ってモデルが、いくつかありまして。その1台が、日産のハイパーフォース。現行型GT-RのフォルムをベースにしたBEVですが、聞いてなかった。聞いていなかったので、執筆した雑誌には、日産はコンセプトカー4台と書いてしまいました。知らなかったんだから、仕方ないとはいえ。ただまぁ、難しいのは、何かが発表されることが分かっていたとしても、そのブランドが最後まで写真を提供してくれないこともあって、特に、ショー開幕前に出版される雑誌であっても、テールランプだけとか、アンベール幕が掛けられた写真だったりしてしまいます。でも、ショー開催日以降はアンベール幕なんぞ掛かっていないわけですから、なかなか難しいところがあります。  そんなジャパンモビリティショーですが、いわゆる各ブランドのモビリティ出展ブースに焦点を当てますと、どのブースも趣向を凝らしており、色がありました。個人的な想いを入れてしまうと、いちばんいいなと感じたのは、前回同様にマツダブー

#1759 何故に縦置きな直6ユニットを新開発? と思ったけど、そこにマツダの理想たる走りが感じられた、マツダ・CX-60。

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 なぜに、今、直6ユニットなのか。衝突安全の面で不利とされて一時はV型に置き換えられるかと思われたものの、最近では、メルセデス・ベンツでも直6を復活。ま、不利よりも有利な条件が増え、不利だったことがらが技術によってクリアになったから、という理由は見えてきますが、なぜに、マツダが直6を、という疑問が湧きます。EV化が急がれる、いや、加速度的にシフトしはじめた昨今に、そもそも内燃機関を新開発? ま、簡潔に言い切ってしまえば、フルEVに向けて、もう少し時間がかかると見込んでのことで、過渡期にはPHEVを挟む、とのロードマップからでしょう。ただ、昨今の中国マーケットの急激なEVシフトや、北米のEVモデルへの購入補助金を眺めていると、おい、マツダさん、だ、大丈夫か? と、一方で、思ってしまいます。  さて、そこはさておいてですね、このCX-60という商品には、もうひとつの、えっ? がありました。それが、いま、マツダがエンジン縦置きプラットフォームを新開発? というものでした。その操縦性よりも居住性やらが強く求められる昨今のマーケットにおいては、縦置きレイアウトで居住性を確保するためには、そこそこのサイズが必要であり、つまりはDセグメント以上が基本となります。分かりやすくSUVを引き合いに出すと、メルセデス・ベンツGLC以上であり、BMWX3以上であり、サイズが大きいだけではなく、そこにはプレミアムなブランドばかりという共通項があります。そうなんですね、マツダは、大型なだけではなくアッパークラスへの新たなチャレンジ(これまではFFベースだった)もあっての投入だったことが見えてきます。個人的には、ますます、だ、だ、大丈夫か? と思ってしまうのですが、やっちゃえなんたらを堂々と謳っているブランドとは違って、マツダのスタンスには、いい意味でのチャレンジを感じておりまして、応援したくなりますな。  えっと、肝心な乗り味はですね、マツダのFRって、やっぱりいいよね、そこに排気量によるゆとりを特徴とするディーゼルって最高だよね、を感じさせてくるもの。テストドライブへと連れ出したのは、ディーゼル・4WDであり、シーンに応じてフロントタイヤへの駆動を行っていますが、とにかくハンドリングにおいては素直。操舵を楽しませてくれる対話性たるフィーリングと、コーナリングにおける4輪をどっぷりと路面へと押

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

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 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ

#1719 ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。

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 年明けにルノーからデビューしたアルカナの広報試乗会に出掛けてきたので、その時に感じたあれこれを書き連ねましょうかね。端的にいいますと、個人的な好みをベースとしたルノーへの期待感と、この世の中において「売れる」商品という評価との、乖離を強烈に感じましてこれを称して「複雑な気持ち」ともまとめたりもしましたが。  商品としては、フォルム、サイズ感、価格、装備含めたお買い得度、輸入車としては珍しいフルハイブリッドユニット搭載など、ユニークポイントの多いモデルです。まず、写真を見て、それが伝わってくるもので、なんといってもルノー流の端麗なテイストは、クーペでももちろん存在。というか、クーペ的な作り込みが上手いですな、ルノーは。ちなみに、クーペフォルムが美しいなぁと感じているのは、あと、マツダもです、はい。このSUVをクーペに仕立てるテイストは、各ブランドから目新しさとしてあれやこれやと登場していますが、スクエアなクロカンに機能性たるバランスを感じている者としては、この手法に対して亜流を感じていますし、ブランドによっては破綻を感じさせるモデルもあるとまで、評しています。とはいっても、そのパッケージングは4ドアとしつつ、リアゲートのヒンジをかなり前に位置させて、大きく開閉させていますので、ま、雰囲気としては、いわゆる欧州車で流行った5ドアハッチバックスタイルあり、リアシートの居住性を確保しつつ、ラゲッジルームでは奥行きがある! と思わせる演出も相まって、不足を感じさせなかったりもするのですが。  とは言うものの、アルカナのデザインは、テイストだけではなく、そういった機能性を作り込んだ造形となっており、そのバランスも実に美しい、と感じさせます。ま、そう考えると、400万円少しであのデザインが手に入ることに「リーズナブル」感をすら覚えますかね。で、個人的に感心したのはリアシートの作り込み。なんだかんだいってもクーペスタイルゆえに、スポイルされているのでは? と思っていたのですが、さすがはルノーと感心させられた作り込み。ま、欧州モデルの妙でもあるんですが、すっと腰が落ち着き、自然なポジションを取ることができる心地よさが作り込まれており、フロントではなく意外にもリアに座りたくなる魅力を感じたほど。と、なるとですね、すべてガラスといわんばかりの大型グラスルーフが欲しくなりますが、と調べて

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1662 ひとつを除いて、すべてが整っていた、マツダ3(スカイアクティブX)の話。

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 マツダ3ですよ、マツダ3。かつて、ファミリアを3台購入したことがある者としてはですね、随分立派になってしまったとはいえ、ファミリアの後継であるマツダ3に対して、かなりの想い入れがあります。いや、それはアクセラ時代からでしたし、ターボだけじゃなく、スポルト20やら、限定のマツダスピードバージョンやらにも狂喜乱舞してきました。で、なんでしたっけけ、そうそう、マツダ3。周囲では高評価です、このクルマ。そもそも自分の周囲は、クルマに対して、乗降性がどうのこうのなんてことを語る人が少ないってのもあって、高評価。だから、デザインは、皆、大絶賛。どう考えたって、Cピラー周辺の作り込みは好き嫌いが分かれそうなもんですが、皆、好印象。美しい、美し過ぎます。これ、すごくお高い価格帯のモデルならばまだしも、ファミリアですよ、ファミリア……、と、ついつい言葉にしてしまいますが、スタンダードモデル、メインストリームとなるモデルで、実現してしまったところ含めて、もう、天晴れ、としか、言葉にできません。  さて、そんなマツダ3ですが、例のスカイアクティブXユニット搭載モデルを借りる機会があり、ちょっと乗ってきました。スカイアクティブXに対してはですね、試乗するまではですね、環境・燃費性能とパワーをさらにハイバランスさせるとか、ガソリンのいいところと、ディーゼルのいいところを両方取りするなんて、謳い文句に、疑いを感じていたところもあったんですが、乗ってみるとですね、あ、なるほど、こういうことね、としっくりきました。とにかく、トルクが太い。全域で太い。大排気量エンジンのように太い。それでいながら、フィーリングがNA的、つまり、トルク変動が連続的であり、さらにそのきめ細やかさったら美しいったらありゃしないといった感じ。しかも、それが高回転まですっーっと続いていく。いやー、素晴らしい。燃費とか、価格とか、そんな数値にこだわっていることが、実にツマラナイと言わんばかりの価値が、そこには表現されていまして、もはや、うっとり。ちなみに燃費は、高速半分(リード気味)、バイパス的な国道半分といった道のりで、ラフではないけど、丁寧過ぎないドライビングで、17.8km/L。もちろん、そこにはエンジンと対話しながらといった走らせ方が求められます。しかしですね、燃費が悪化するところでフォローに入るというこのユニットの

#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

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 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1652 東京モーターショー2019で、感じた、あれやこれや。その1

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 まだまだ先だと思っていた東京モーターショーも、あれやこれやと執筆の依頼があって、ようやくひと段落しました。途中で、ショーに出展されるモデルについてあれこれと思うところはあったのですが、それぞれにエンバーゴがあって、つまりは、発表より先に書いてしまうといかんので、黙っておくことにしました。なので、ここではそんな想いを存分に記してみたいと想います。そう、モーターショーの執筆は客観的な紹介に徹しているので、感じたことまで書けませんでしたから。まず、全体ですが、事前に知らされた時に、やっぱりですね、テーマパーク的なコンセプトに違うんじゃないかなを感じました。で、実際に会場をおとずれてみれば、そのテーマパークとて、近未来を体験するという、なんか高校生の時に足を運んだつくば万博的なテイストが重なりまして、しっくり来なかった。個々のモデルはさておき、こうなるだろうという近未来モビリティ社会に対して、クルマが空飛ぶ的な、非現実的な未来に、うーむを感じたということですな。  ただですね、モビリティ社会の表現手法にそれ無理だろうを感じながらも、個々のコンセプトモデルには近い未来に訪れそうな現実味を見出しまして、そこに楽しさを感じました。その流れで印象に強く残ったのがマツダのMX-30。ケーススタディ的なコンセプトではなく量産を謳ったマツダ初のEVですな。フロアにバッテリーを備えたパッケージングを上手くクロスオーバーフォルムに仕立てていますが、いわゆるクーペSUVとは違う、目新しさを感じるルーフラインがスポーティさを、ま、そもそもロングホイールベース&ショートオーバーハングがEVらしさを作り上げていてとてもいい。で、これぞシンプルであり、クリーン。マツダのデザインコンセプトはマツダ3からフェーズ2に入ったと謳われていますが、デザイン素人な自分としては、MX-30のデザインにフェーズ3的な脱皮を感じ、先ほど書いた、このシンプル&クリーンの表現に新しさを感じました。ほかブランドも同じテイストを言葉にしますけどね、なんかね、いまいちね、を感じていましたもんで。  そうそう、マツダと言えばですね、相変わらずブースもかっこよかったのですが、メルセデス・ベンツ、レクサスと同じホールに陣取るという、マツダの自信とは異なる、同じテイストとばかりに囲われ、そして巻きこまれた感に、うーむ

#1599 課題もあるけど、いいんじゃないでしょうか、トヨタ・C-HR。

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 さて、トヨタC-HRの話。昨年のSUV販売台数トップを飾ったなんて話もありましたが、個人的には、実用性重要視される現在の日本のマーケットにおいて、このC-HRトップという事実は、一時的なブームだと捉えています。いや、売れちゃいけないクルマと言っているわけではないんですよ、ないんですが、流行から購入している人が多いといった印象を受けておりまして、それゆえに、待っていましたとばかりに飛びついた方々、または流行がひと段落すると、販売台数は落ち着いていくと思われます。プリウスから流れてきた層、あの手のデザインを待ち焦がれていた人にとっては、飛びつきたくなる魅力がありますが、今後のプリウスはフェイスリフトを含めた、大改良がありますし、このクラスのSUVとて、フォレスターが出てきますから。  ま、そんなC-HRですが、取材で1日乗ってきました。ただ、例のトヨタレンタリースの仕事でしたので、レンタカーで。というわけで、HV、だけど、タイヤは17インチ。走行距離6万km近い個体のテストドライブとなりました。ちなみにですね、C-HRの売れ筋は18インチですが、この17インチ仕様がなかなかいい。行き過ぎていなくて、いい。このプラットフォームで抑え込めるギリギリかなっといった印象で、タイヤをドタバタさせないところも好印象。ワインディングでも緩さがいい方向へと働いていて、愉しさがとても強いといった印象があります。さて、200kmとちょい走ってきましたが、まずもって、燃費が25.7km/L。取材であちこちうろつきながら、標高約600mの山に登ったり、ワインディングを駆け抜けての結果ですから、予想以上でした。って、何が予想以上かって、EV走行可能な速度域が大きく広がっていることでしょうか。上限まではしっかりと確認できませんでしたが、法定速度内ならば、つまり100km/h近くまで、状況によってEV表示となりました。というわけで、高速を苦手としているモーター走行ですが、まぁ、国内であれば、燃費を伸ばすにかなり有効な手段となっているようです。あ、燃費には関係ありませんが、C-HRの瞬間燃費計、EV走行中は表示上限の40km/hとなります。ハイブリッドモデルのほうは、これ、EV走行中といった表示に変えたほうがいいんでないか、そのほうが、燃費を強く意識するんじゃないか、そんなことを感じましたが。

#1564 今年もいつしか過ぎ去っていった、2018年次RJCカー オブ ザ イヤー。

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 早いもので、って、口癖のようになっている気がしてきましたが、ほんと、早いもので、今年のRJCカー オブ ザ イヤー選考の季節がやってきました。ってか、過ぎ去ったんですけどね。結果は以下のとおり。   2018年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ スイフト   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート ボルボ V90/V90クロスカントリー   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   ホンダ 新型N-BOXの軽量化技術   RJCパーソン オブ ザ イヤー     光岡 進 氏(株式会社光岡自動車取締役会長)   RJC特別賞             名車のレストアサービス(マツダ、ボルボ)  となりました。まぁ、例年言っていますが、視点を変えると、評価もがらりと変わる、つまり採点も変わるもので、甲乙つけがたく。そして、これもいつもと同じく、最初から決めずに、試乗後の直感に従い、どう採点したかを覚えていなかったりします。ただ、個人的にはトヨタ・カムリに対して、日本向けかどうかはさておき、仕上がりに良さを感じていましたので高評価でしたし、シトロエンC3に対しては、クルマの良さはもちろん、楽しさ、おもしろさといった面でも評価していました。ま、いずれも最高点にしたかどうかはさておき、得点と自分の評価に違いを感じたこともまた事実。  さて、COTYはどのクルマ、技術を選出するのでしょうか。こちらに左右されることはないとは思いますが、個人的にはいつものことながら、興味津々です。いや、RJC会員としてではなく、ひとりのクルマファンとしてね。

#1549 いいんだけどね、うーむが残っている、トヨタ・ハリアー。

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 早いもので現行型ハリアーがデビューしてからいつしか4年目を迎えていたようで。実は、発売前の秋だったかにトヨタ本社までインタビューへ出掛けたのですが、つい先日だと思っていたら、それもほぼ4年前のことだったようです。いやはや、月日が経つのは早いものです。さて、で、そのハリアーがマイナーチェンジを行いました。人気があるから改良は不要ではないかと思っていましたが、先進安全装備やら、2.0Lターボエンジンへの期待やらありますから、ここでのてこ入れは必要だったんでしょうね。プレス向け試乗会では2.0Lターボに乗り込んで来ましたが、あれ、こうだっけ? と思うところがあちこちに。デビュー時の試乗会で感じたことを忘れ去っていたのか、印象が薄かったのか、よく分かりませんが、そんな、あれこれ。ハリアーそのものの印象は #776 に記していますので、そちらに任せて、ここでは今回感じたあれこれを並べてみましょうかね。  まず、といいますか、これがわりと強く感じたことなんですが、リアサスのつっぱりが気になりました。つまり、硬さですな。しかしですね、過去のアーティクルにも記していますが、デビュー時にはタイヤが起因した硬さを感じていたのですが、どうやらフィーリングが異なる。いや、似ているんですけど、なんか違う。なんだろうと思いつつ、観察したところ、今回、シャシー面で剛性感としなやかさを向上させていますから、なんで、この硬さが出てくるのかが分からない。で、問うてみたところ、リアサスペンションの構造上、入力速度域によって縮まない領域があって、それをタイヤでもいなしきれずに、ダイレクトにキャビンに硬さとして伝えてくる、と。これ、TNGAコンセプトを採り入れていないモデルだから、といった言い訳ができないところでして、なかなか難しい。フラット感につながる快適性を追求していったら顕著になってしまったという、まさにそんなフィーリング。ちなみに、リアシートに座るとこれが顕著に感じられまして、穏やかな中に存在する角ゆえに、かなり気になります。タイヤサイズを落としたところで残るものだそうで、……、云々。  そのほか、印象に残ったといえば、ハンドリング。そのものの剛性感が高められた上に、ステアリングの切りはじめから情報量が豊か、かつ、操舵感もあって、すごくいい。コーナーでスタンスを決めた時に伝わってくるタイヤ

#1546 アウディらしさあるコンパクトクロスオーバー、アウディQ2。

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 試乗記に話を戻しましょう。続いては、アウディのQ2。試乗したのは1.4Lターボエンジンを搭載した1stエディションで、S-lineパッケージまで備えた特別な設えのモデルでした。ちなみにタイヤサイズは215/50R18で、サスペンションは専用となるスポーツサスペンションが組み合わされていました。ま、悪いわけないでしょ、前提で乗りましたが、悪いわけはありませんでした。何がって、最新が調えられた感がありまして、いきなり細かな話になりますが、DSGとアイドリングストップの相性についても、400km少し走って、一度もおや? を感じさせない。それどころか、アイドリングストップに関しては最新世代を採用したようで、停止前からエンジンを止めるという技まで手に入れていましてね。1.4Lエンジンはトルクフルであり、十二分のパワーを発生します。そう、これで十分といいましょうか、十二分であって、これ未満でもいいんじゃないかな、を感じさせます。いうまでもありませんが、先に少し触れたDSGのクラッチの繋ぎ具合を含めて、発進時からスムーズさがありまして、これもまた好印象。ターボラグ? まぁ、大排気量エンジンが好みの人には受け入れられないのかもしれませんが、もはやそれを語ることは、今の流れに乗るか、それとも……、といった感すら覚えます。って、自分も大排気量エンジン搭載モデルに13年乗りました、そう、自動車税8万8000円×13年(最後の2年は1割増)を払ってきましたが、そんな立場からしても、もはや、これで十分を感じます。  ハンドリングは、しっかりとアウディしていました。オンセンター付近からの切り足していくようなシーンまで実に穏やかであり、滑らか。サスペンションについては、50扁平のタイヤに合わせたのかい? といった印象があり、低速域ではタイヤの硬さが目立ちます。なんていうんでしょうかね、タイヤ(ホイール)のサイズありきでデザインされ、このタイヤサイズながら乗り心地を確保したといった印象。つまり、リバウンドストロークで不快感を逃がしているところが強くありまして、単調な言葉を用いれば、サスペンションが動きすぎといった印象があり、少しだけ専門的な表現をすればフラット感に欠けるといった印象があります。これ、高速域に入れば収まるかなと思ったんですが、収まらず。S-lineについては、もう少しの熟成が

#1535 2.0Lという排気量に安堵した、CX-3ガソリンモデル導入の話。

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 これを出したらダメだと思っていました。でも、やっぱり出すことになりました。ただ、追加するにしても、廉価とか、何かと比較して選ぶのではなく、積極的にこれでなければダメなのです、的な理由を付けて、さらには話題性までも誘ってのデビューとなります。そう、日本市場のマツダCX-3にガソリンモデル追加される件(写真はディーゼル)。  個人的には、ディーゼルエンジンだけでどこまで踏ん張れるか、に期待していましたが、折れましたか。まぁ、仕方ないでしょう。そもそもですね、CX-3ってのは、価格やサイズ、ユーテリティ性能をアドバンテージとして作られたモデルではなく、そこにクロスオーバーという曖昧なカテゴリーを当てはめることすら憚られると思っています。コンパクトゆえの取り回しの良さをベースとしながら、適度に積めることをトピックとしながらも、街中を乗り回すことに価値があるモデルではなく、どこかへ出掛けたくなる魅惑を備えたモデル。ですから、ランニングコストに長け、ロングドライブでも疲れ知らずである、ディーゼルエンジンだけが組み合わされたわけです、価格上昇はさておき。さらには、自在の操作性を仕立てていますから、さらにそれを愉しめるMTも設定。で、どこかへ出掛けるようになると、どこでも走ってみたくなりますから、4WDも用意しておきましょう、と。実に、ストーリーが明確であり、このCX-3のスタンスに共感し、個人的には大好きなモデルだったりします。  まぁ、言い換えると、クルマの価値を、価格やユーテリティ性能やらだけで、決めてしまわない。といいますか、昨今のクルマに対してのアンチテーゼ的な、どこまでも走っていきたくなる魅力、というクルマたる走りの魅力を存分に表現したモデルとも言えましょうかね。なので、デミオがベースになっているとはいえ、デミオとはスタンスが違います。ですから、CX-3に対して、あれが欲しいこれが欲しいとか、これがあれば売れるのに、といった、外野の声をそれほど採り入れることなく、というか、採り入れてはならないモデルだと捉えていました。  結果、ここに来て、ガソリンモデル投入となったわけですが、まぁ、よくよく考えてみますと、それが先のストーリーから外れたものかといえば、そんなことはなく。そもそも日本以外ではガソリンエンジンを組み合わせたモデルは存在していましたし、それとて、1

#1516 アバルトらしさが表現されていた、アバルト・124スパイダー。

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 続いてはアバルトの124スパイダー。マツダのロードスターベースであることは御存知のとおりですが、まぁ、チェックポイントはロードスターとの違いであって、多くの人がそこを知りたいんだろうな、なんてことを思います。結論から言いますとね、感じたことはふたつ。ひとつは、アバルトテイストである、やんちゃパフォーマンスを得ていること、もうひとつは、ロードスターのバランスの良さ。そうなんですね、ロードスターに対しての捉え方も、また、プラスとなりました。  昨今のアバルトについては #1309 にて書きましたとおり。中途半端さがないんですね。って、その分、価格もそれなりだったりしますが。ただ、その中途半端さがないといっても、何でもかんでもレース仕様というわけではなく、意外にも日常で使えるというテイストを残しているところがとってもいい。この124スパイダーはそんなアバルトが仕立てたモデルですから悪いわけがない。ただ、ターボエンジンに過激さはありませんでしたし、ビルシュタインを用いたサスペンションも想像していたほどにスパルタンに届いていませんでした。って、それらは期待とのズレであって、逆にいえば、先に書いたアバルト流の仕立てそのもの、つまり日常でも使える感にあふれたモデル。まぁ、その分、刺激不足とも表現できるのですが、124スパイダー第一段としてはいいんじゃないでしょうか。ほら、刺激的なモデルが用意されているでしょうから、きっと。  ただですね、ひとつだけがっかりしたことがありました。それがインテリアの仕立て。わりとどころか、ほとんどロードスターのままでして、400万円を切った価格づけからすると、ここにコストを掛けられないことは理解できます。とっても理解できるんですが、運転していると、どうしてもロードスターが思い浮かんでしまう。となると、あと100万円プラスしてでも、ロードスターのイメージが残っていない124スパイダーを期待してしまいます。  そうそう、ロードスターのバランスの良さを感じたと書きましたが、先日のRFテストドライブでも感じたのですが、1.5LNAエンジンとシャシー、ボディとの組み合わせがとってもいい。ライトウェイトスポーツカーを大切に作り込みたかったが明確であり、そこにやっぱりブレがないことを痛感しました。どちらを買うかと問われたら、ロードスター。やっぱり、RFでし

#1508 選びたく理由をさらに深めていた、マツダ・CX-3。

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 マツダ、3台目は、CX-3。 #1435 で、一部改良に対してリリースを読み込んだだけで絶賛していましたが、実際はどうかをチェックしないわけにはいきません。なんて言いながら、一部改良の内容はすっかりと忘れ去ったままに、テストドライブとなりました。ら、これが良かった。えっとですね、質感を大きく高めていまして、って、今回の改良とは直接に関係ないところでもあるとは思うんですが、あのですね、タイヤの接地感と乗り心地とハンドリングを上手くバランスさせていてですね、とてもいい。簡単な単語を使うと、しっとり感にあふれているとでもいいましょうか、そんな感じ。無理をしていないともいうか。サスペンションにしなやかさをさらに与えつつ、その動きをしっかりとしつけて、乗り心地に必要なパートと、ハンドリングに求められる領域をしっかりと作り込んでいるといった印象。ちょっと驚きました。  実は、ロードスターRF直後に乗ることになったため、特にハンドリングに対しては、ロードスターの印象が残ってしまい、曖昧さが気になるんだろうな、と思っていたんですが、それを感じなかった。いや、緩さは感じましたよ、感じましたけど、そこにいい加減と曖昧といったマイナスイメージを見つけなかった。この点はちょいと自分でも驚きました。  ただ、乗り心地を確保した分、つまり、リバウンドストロークを緩くしてしなやかさを感じさせつつも、大きな入力に対してドンという音・振動を残してしまうところがあり、そうなんですね、相対的に固さが残ってしまっていると感じさせてしまう。このあたりは、チューニングの限界なのかなといった印象を受けます。このシャシーに18インチは少しばかり荷が重いのかもしれないといった感じ。ただ、それとて、マイナスイメージというよりは、先に書いた、18インチタイヤがもたらすクオリティを考えると、不足とは感じないところ。そう、このあたりの作り込み加減が、とってもいい。そんなことを感じました。  あとは、なんだ、やっぱりですね、MTはいい。ディーゼルエンジンをMTに乗れるという、この贅沢。しかも、4WDを選べる。あのですね、こんな贅沢を愉しめるのに、選ばないのは、まったくもってもったいない。ひたすらに、もったいない。そんなことを感じつつ、すみません、選びませんでしたけど。って、余裕があるなら、手に入れたい1台、そんな

#1507 美しさと、丁度いいバランスと、ロードスターRF。

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 マツダが続きますと予告して、間が空きました。続いては、ロードスターRF。 #1434 にて触れましたが、美しいといわんばかりのクーペスタイルを作れること、これもマツダのアドバンテージだと感じています、つくづく。父親がファミリアロータリークーペから続いて、マツダのクーペを好んで乗っていたことも影響しているんだろうとは思いますが、それにしてもこのスタイリング、まさにうっとりといった感にあふれています。それ以上、表現のしようがないといった感じともいえましょうか。  今回、借り出したのはVSのMT。ATのほうが良かったかなと思いつつ、購入するなら、これになるのだろうかと選択。乗り味については、重量が増した分もあるのでしょう、しっとり感が増していまして、快適性が高められていました。ハンドリングに関しても違和感に届くようなシャープさはなく、かといって緩さなど見当たらず、ただ、乗り味に固さは残るものの、それとてロードスターを操っている感の演出をしており、まったくもって不快に感じることはなく。そう、バランスがいい。  エンジンとて、1.5LNAで十分であり、十二分。むしろ、軽快さというか、軽やかさを愉しめるという意味合いから、これ以上のパワーやトルクは不要。中回転域のトルクをしっかりと確保してあるし、高回転までそこそこに伸びていく。つまり、扱いやすし、愉しさがある。もちろん、これ以上のパワーをもったモデルの存在を否定したりはしません。これはこれで、ひとつの解といいましょうか、バランスを奏でており、無理しないという愉しさがあることを改めて感じた次第。前に書きました、アバルト124とは別物、まさにそれを感じました。そういった観点から、自分は、ロードスターのほうが好みかな、と。  それにしても、美しい。でも、価格はそれなり。セカンドカーとして所有するには、難しいですな。あ、ルーフの開閉作動速度10km/h以下となっており、もう少し高い速度までOKかと思っていたので、走行中に操作して作動停止となり、ちょっと恥ずかしい想いをしました。

#1506 すでに今年のベストを感じた、2世代目マツダ・CX-5。

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  さて、マツダのクルマが3台続きます。そう、3台連続で借りているもので。まずは、昨年末にモデルチェンジを果たしたCX-5から。あのですね、これまでのマツダの流れ、開発陣との会話から見えていたあれこれから、悪いわけはないと思っていましたが、悪いわけはないどころではないレベルに到達していました。はい、打ちのめされました。  まずは、デザイン。好き嫌いが分かれるとは言いますが、好みかどうかで言えば、好み。ですし、取材であれこれと眺めていたらですね、この新色の赤やら、ガンメタリックという色味そのものも仕立てが上手いんですが、マツダって、黒の使い方が上手いことに気付きました。そう、黒があっての赤。そこにアクセントとしてのメッキ加飾。昨今の国産モデルの、なんでも付ければいい的な、ゴテゴテ、いや、もっといえば、グチャグチャ感などとは全くの別物といわんばかりの、調え。そんな仕立て。  で、シートに座ってみれば、そうだろなとは思っていましたが、そのとおりだった、シートポジション。CX-3でしっくりこないという違和感を消し、ロードスターで仕立ての良さを感じさせていましたが、その延長線上ともいえる心地良さまで作り上げていました。フットレストに左足を乗せて、ぐっとシートに腰を押し付け、ステアリングホイールに手を当てるとですね、これがですね、破綻していないんですね、言い訳が見当たらないとでもいいましょうか、そんな感じ。走り出せば、クッション性とサポート性が絶妙にこれまたバランスしていて、ここにも言い訳が見当たらない。分かりやすくいいますとね、シートという存在を消し去るかのような感触に満ちています。あえて言葉にするまでもなく、疲れない。インパネのデザインもシンプルさと質感を上手くバランスしていて、嫌みがない。いちばんの感心はセンターコンソールの仕立てでしょうかん。面といい、造形といい、高級車たる作り方という面では、レクサス以上を感じます。ま、このあたりの評価は、好みにもよるとは思いますけど。強いて言えば、不足は、ナビゲーションシステムとバックカメラの解像度とか、そんなところでしょうかね。  ディーゼルエンジンは先代からのキャリーオーバーですが、質感が高められているといった印象で、極低回転域での唐突なトルク変動など見られず、ディーゼルターボとは思えない美しい加速をしていきます。フィー