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#1278 やっぱり良かった、とっても良かった、VWパサート・ヴァリアント。

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  #1195 にて、やはり大絶賛しました、フォルクスワーゲン・パサートですけどね、借り出してのテストドライブをしております。が、やっぱり、いい。なんだろうな、フォルクスワーゲンらしさ全開というか、ゴルフ7でこれでもかと見せつけたMQBプラットフォームのポテンシャルをさらに引き上げていたとでもいいましょうか、そんな感じ。ボディ剛性が高いことをこれ見よがしに感じさせるというよりは、ボディをしっかりと作り込んでいるといった感にあふれていまして、走りにも大きくプラスになっていることを感じさせるものでした。  って、たとえば、シャシー。取り付け部の剛性がというと、つまらない言い回しになりますが、サスペンションの支持剛性がすこぶる高くてですね、それゆえに、直進性はハイレベルだし、サスの動きの細やかさといったら絶品だし、路面からの衝撃も確実にいなすし、接地感も豊か。路面状況のいいところでは、その良さがさらに引き立てられて、もう、うっとりといった感にあふれていました。ちなみに、グレードはR-Lineで、オプションの19インチタイヤをはいていたこともあって、レギュラーモデルよりは、質感やらスポーティ感は高められていましたが、路面状況が芳しくないところでは、トタトタと硬さが出ていましたし、個人的な好みからするともうちっと緩いほうがいいのになと思うところがありました。たとえば、今日、山道を走ったんですけど、タイヤのグリップ力といいましょうか、クイック感といいましょうかが強くて、想定したステアリング操舵以上に、タイヤがグリップしてインを付くもんですから、わずかとはいえ、修正舵が必要になる。対話を崩されるとでも言いましょうか、そんな感がありました。ま、以前にも書きましたが、サスペンションの設定はひとつで、16〜19インチまで対応させていますから、致し方ないことですな。というわけで、ぜひとも16インチに乗ってみたいと思うわけですが、どうやら広報車の用意はないようで……。  1.4Lターボエンジン? あ、R-lineを期待する人はどうかわかりませんが、もはや十二分。中回転域でのトルク感がしっかりと表現されていまして、そこには楽しさすらあります。不足を感じさせないだけではなく、満足感を覚えさせるとでもいいましょうか、そんなフィーリングをもっています、このエンジン。燃費は、山道を含む下道を16

#1277 スポーツもいいけど、アクティバもいい、ダイハツキャストの話。

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 ダイハツのキャスト アクティバです。大絶賛したスポーツじゃなくって、アクティバ。って、キャスト自体が大絶賛モデルだったりもしますが。 #1273 にてスポーツのことを書いたら、興奮冷めやらぬ感じが伝わってくるねとコメントをもらいましたが、まさにそのとおり。冷めぬうちにと書きました。が、一方では、軽自動車を褒めるなんて珍しいね、と言われましたが、……中略……、珍しくないというか、これはダメ、あれはダメと頭ごなしな表現はしていないつもりなんですけどね……、……。  で、アクティバですが、いろんなシーンを走ったところ試乗会の時( #1250 )とは少々異なる印象が生まれました。まず、ハンドリングについてですが、コーナーであとわずかにロールさせたほうがいいと書きましたが、高速道路の合流手前のカーブを走っていたら、意外にベストバランスなんじゃないか、このロールと感じました。ので、ま、ひとつのバランスとしては整っていることを再確認しました。  あとは、印象が異なるというか、あの時には発見できなかったこととしては、やっぱりタイヤのケース剛性が高いことが気になりました。フラット感が作り込まれているがゆえに、タイヤが起因するコトコトとした動きが、気になってしまう。コンフォート感をもう少し作り込まないと、クロスオーバーたる商品性に期待される……、って、期待されていないんだろうか、コンフォート感って。ま、そんな感じでしょうかね。  エンジンはターボでしたが、アクセルを少し踏み込んだだけでトルクを意図的に立ち上げるフィーリングに、小型車には負けんぜよといわんばかりの意気込みを感じました。不自然なところもあって、好みではないかなと思いつつ、ま、実際にそれによって不足を感じさせるシーンはありませんでしたから、660ccであってもこの仕立ては有効なのかなと感じました。  実はポロブルーモーションからの乗り換えでしたが、それほどに不足を感じませんでした。ま、ステアリングフィールやらあれこれに違いは感じましたが、不足とまでは感じなかったとでも言いましょうか。そのほかは、好印象のまま。ディーラーオプション扱いとなるダイヤトーンサウンドメモリーナビは操作性に不満はないんですが、レスポンスがもう少しよければなと思うところがあった程度でしょうかね。音質については頑張っていますが、もう少しいいス

#1276 安くはないポロなのに、ポロが不足していた、ポロ ブルーモーション。

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 フォルクスワーゲンのポロに追加された3気筒ターボエンジン搭載モデル、ポロ ブルーモーション。あれ、ブルーなんたら、ってあったんじゃなかったけか? と思われた方、それはブルーGTで、あちらは1.4Lターボを搭載しながら、スポーティな走りと燃費・環境性能をハイバランスしたモデル。で、こちらは、1.0Lターボエンジンを搭載して、十分なパワーを備えながら、燃費・環境性能を高めたモデルと、そんな違いがあります。なるほどね、価格を抑えたベーシックモデルかと思いきや、これが、269.9万円と、レギュラーモデルより高い設定。どうして? なぜ? と思って聞いてみたら、空気抵抗を低減する専用エアロパーツやらが付いていたり、装備があれこれ云々、となもし。なるほどね、なるほどね、なるほどね、……、ま、エコ=安いというイメージはいかんですから、なるほどね、なるほどね……。  ま、肝心なのは走りだと走ってみれば、あれ? タイヤの空気圧が高すぎるフィーリングが。サスペンションのストローク感はポロしているんですが、空気圧が高いがゆえの硬さとタイヤにおける反発を強く感じまして、あれ? おや? があります。分かりやすい表現をしますと、ボールにパンパンに空気を入れてしまった時のあの感じ。剛性感はあるんですけど、反発も強く出るというあのフィーリング。タイヤはもちろんエコをキャラクターとしていますが、グリップ力はそれなりにあります、ありますが、グリップ感のほうがポロしていない。このグレードの狙いは分かるんですが、理解できるんですが、ポロらしさが失われていないかい? と思うところがあるわけです。なんだろうな、ワインディングを走り込むと感じるポロらしい楽しさがあふれてこないって表現すればいいでしょうか。って、まだ、エンジンを語らずして。  で、エンジン。これは良かった。パワーは十二分。高回転域までパワーを出しますが、そこでのエンジンサウンドがね、ちょっとね、雑なのが気になるかなといった感じでしょうかね。3気筒なりの振動は回転域によってありますが、MINI(ナロー)ほどではなく、好印象。といいますか、DSGが振動が出る回転数(1400回転以下)をあえて避けてシフトしていますので、マニュアルで無理矢理に高いギアをセレクトしない限り、振動を感じることはないでしょう。ただ、その分ですね、燃費が犠牲になっています。

#1275 意外に早い登場でした、BMWのFFコンパクトセダン(コンセプト)。

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 以前にも書きましたが、BMWのFFプラットフォーム戦略の要となるセダンモデルが、果たしていつ出てくるのかと思ったら、いきなり来ました。って、コンセプトモデルですが。詳細は明らかにされていませんが、まぁ、2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーやら、X1と同じでしょう、あれこれ。  どのブランドも、スタンダードサルーンをアッパークラスへと移行させてしまったがゆえに、空白となってしまったポジションをどう埋めるかがキーとなっていました。ところが、FFコンパクトモデルが作り出したキャビンスペースがもはや基準となってしまった昨今において、いまさらFRベースで作ることなどできず。というわけで、FFベースでメルセデス・ベンツも、アウディも投入してきたわけですが……、って、これってCセグセダンとなるわけか。もはや、シェアを大きく落としている日本におけるCセグ(のセダン)において、これらモデルって受け入れられるのでしょうか……、ま、メインターゲットは日本ではないのでしょうな。  今回、発表されたのはデザインケーススタディモデルですが、ま、わりとこのままに市販される作り込みだと思われます。サイドは要素を詰め込み過ぎた感があり、いわゆる寸詰まり感がありますが、それは1シリーズクーペ(FRだけど)にも見られたことですから、たぶん、意図していることなのでしょう(と受け取った)。パッケージにおいてクーペテイストを強めていませんが、デザイン的にはクーペを感じさせるところがキーなんでしょうね、このモデル。  フロントでは、ヘッドランプにシャープさを与えつつ、ボトムグリルにVシェープを与え、リアではテールランプやリアフェンダーを随分とワイドとしているだけではなく、テールランプに新しいL字ラインを与えるなど、あれこれと新しさがあります。ま、これからのBMWテイストなのでしょうね、これが。ちなみにこのテイスト、好きだったりします。

#1274 ここぞと新機能を搭載してデビューした、BMW・7シリーズ。

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 キャスト・スポーツへの感激ぶりから、前日にあったBMW7シリーズの試乗会のことを書くのを忘れておりました、すっかり。というわけで、新しい7シリーズです。すでに、紹介原稿も幾度か書いていますが、とにかく新技術によるトピックが多すぎて、書き切れない。紹介をあれこれして、機能をふたつも含めたら、400Wなんて文字数は簡単に埋まってしまうもの。それでいながら、トピックも優劣付けがたいというか、新技術が関わっているので落とすに落とせない。  ボディはカーボンを多用して軽量化を果たしたことが謳われつつ、実はアルミやスチールとの接合にもトピックがありますし、2アクスル・エア・サスペンション(セルフ・レベリング機能付)は、機能名がすでに長いだけではなく、具体的な車高に触れようとすると文字数オーバーとなります。エグゼクティブ・ドライブ・プロだって、ステレオカメラによって前方の路面を検知して、電動式アクティブ・スタビライザーによって、乗り味とハンドリングをコントロールしつつ……、なんて書いたらすでに80文字。外からリモコン操作で駐車可能なリモート・コントロール・パーキングも書かねばならんと思っても、具体的にどんな駐車に対応するのかまで書けない。レーザーライト、ジェスチャーコントロール、さらには大きくなった10.2インチモニタから……、云々。  というわけで、最新の技術、機能をこれでもかと"盛って"デビューを果たした7シリーズですが、とってもいい。それは、単純に技術や装備がということだけではなく、走りがいい。試乗したのは、新型3.0Lターボエンジンを搭載した740iのMスポーツでしたが、とっても良かった。何が良かったかといえば、分かりやすいラグジュアリィテイストと、BMWらしいスポーティさを上手くバランスさせつつ、大きく引き上げていたことでしょうか。簡単に表現しますと、トニモカクニモ、フラットライド感にあふれていまして、とことんコンフォート。それでいながら、ハンドリングはストレスを全く感じさせることなく、エンジンパワーについては低・中回転域のトルクに富み過ぎていて、文句の付けようなく。  タイヤからのロードノイズが大きめかなと思ったものの、銘柄をチェックしたらポテンザS001。そうですか、そうでしたか、それは失礼しました、といった感じ。といいま

#1273 想像以上の仕上がりとなっていた、ダイハツのキャストのスポーツ。

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 あのですね、打ちのめされましたよ、ほんと、打ちのめされました。ダイハツのキャスト・スポーツに。 #1250 で、キャストの走りの良さを語りましたが、あのキャストをベースにしながら、ボディに手を加えることなく、専用タイヤと専用サスペンションで作り上げてきた、スポーツはとんでもなく、楽しいクルマに仕立てられていました。  簡単にいいますとね、重心高がある分を上手くいかしたセッティングといいましょうか、そういう意味合いでは、低重心を謳う正統派スポーツカーであるコペンとは、アプローチが違うんですが、その分、荷重移動を楽しませてくれるというか、隙とは異なる余地があるというか、マッタリとも違う緩さがありつつ、でも、ボディ、シャシーの剛性感に不足など見当たらず、といった感じ。よく分からないですね。えっとですね、単なるスポーティを狙ったというよりは、キャストに与えた質感をうまくスポーティに仕立てたモデルであって、素性に優れているし、重心高ある分を楽しめてしまう、それでいながら緩さはなくって、でも、乗り心地に硬さはあるけど、サスペンションのしなやかな動きがもたらすフラット感が快適性を感じるという……。ますます、分からないですね。  具体的に書いてみましょうかね。えっと、シャシー剛性がとんでもなく高いんです。でも、ステアリングを切り足したところでボディは動きます。ヨー→ロールと的確に、そして流れるように移行したかと思うと、タイヤのグリップが立ち上がってステアリングに操舵感が加わって、で、ロール量をきっちりとコントロール。グリップ感は、以前、書きましたように、タイヤのグリップ感以前の、シャシーのグリップ感が高い、どころか、さらに引き上げられていて、とんでもなくハイレベル。アンダーを引き出すにはかなりラフなハンドリングか、かなりの速度域にもっていかないと無理でしょうな、といった懐の深さがあります。それでいながら、軽自動車なのに、インをグイグイついていくという、そのシャシー性能に、まさにうっとりといった感じでした。  路面の凹凸を細やかにトレースしていくフィーリングは、軽自動車的フィーリングではなく、スポーツカー的でありながら、質感があるという、ハイバランスぶり。もちろん、それはダンパーの減衰力とバネレートのバランスが美しさによるもの。もちろん、タイヤのキャラクターゆえの硬さはありま

#1272 やっぱり能登、それでも能登、でも、なかなか行くことができない能登。

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 秋になったら能登へ行こうと思ってました。でも、連続する大きな仕事に翻弄され、10月になったらが、11月になって、11月に入っても行けそうもなくって、乗鞍に雪が降る前(下道で行くもので)の11月末までにはなんとかと思っていたものの、とうとう11月最終週にも仕事を入れなければならなくなり、断念。ま、スタッドレスタイヤをはいておけばいいだけの話なんですが、乗鞍越えして行く道中は、やっぱり雪があると1日で到着するにはきついもので。えっと、高速道路なんぞ、使いませぬ、そんな道中、まったくもっておもしろくないものですから。  なぜ、能登へ出掛けたかったか。仕事であれこれあって、考えることもあって、心はすっかり荒んでいるってのもありますが、いらっしゃいませんか? と一枚のハガキに誘われたこともあっての、能登でした。もう少し、何故能登かについて考えてみたんですが、まぁ、思い浮かぶのはこの写真の情景。心打たれ、素っ裸にされるあの感覚。で、もっと思い出そうと思って、ここに描いた能登話(→ 能登 )を読み返したら……、あれ、文章、とっても上手いじゃん、この人。自分で感心するのもなんですが、ストレートな表現のあれこれに、やっぱり、能登の素晴らしさを思い起こすわけですが……。  そうそう、少し前から考えているんですが、ここには駄文と称しながらも、残しておきたい文章といいましょうか、紙に印刷しておきたい文章が、いくつもあります。そのうちに、冊子としてまとめようかと思っていますが。  あ、話のオチ? あえて真冬に行ってみようと思っています、能登。スタッドレスタイヤをはいて行くか、飛行機で行くかは、まだ分かりませんが。たぶん、荒々しい日本海に、打ちのめされて、ますます、好きになると思います。台風直撃な日ですら、感激していましたから……。

#1271 ランドクルーザーを執筆していて、ふと思ったことあれこれ。

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 ただいま、ランクル三昧となっています。書けども書けども終わらないランクル。いや、依頼ページ数が多いからなのですが、それにしても終わらない。というわけで、小休止です。  あれこれと、資料には出てこない話や、開発の方の言葉を拾っていたらですね、ランクルはどこへ行こうとしているのか、ってことがふと、頭に浮かびました。実のところ、日本のランクル事情は、グローバルから見ると特殊。だいたい、ランクル200系において、トップグレードがいちばん売れているという状況が、まず特殊。中近東地域でもそうじゃないの? と思われたかもしれませんが、実は、日本仕様でボトムとなっているグレードよりも、さらに下のグレード人気が高いそうで。つまり、エンジンはV8ではなく、V6。ATじゃなくて、MT。しかも、それを実用的に使うだけではなく、走ることを目的とした、つまり遊びに使うというのだから、とても羨ましい。  一方のプラドは、トップグレードではなく、ミドルグレードが最量販となるそうで、逆にトップグレードの割合はそれほど多くなく。まぁ、ずばりはオーナー層が異なっているゆえのこと。ただ、いずれにしても、ボトムグレードがたんなる見せかけではなく、選びやすくなっていることが、個人的にとてもとてもプラスに捉えています。記事内で書いていますが、200系のGXは、販売比率でいったら1%だとか。それでも、ラインナップ落ちさせることなく、今回のマイナーチェンジでもしっかりと残しているスタンスに、おおらかさを感じます。だから、それをうちらクルマのあれこれを伝える者も、ちゃんと伝えていかねばならんと思うわけです。はい。  いずれの写真も、例のごとく、グラビア的な企画での撮影時のもの。といっても、実際に使われる向後さんの写真の数々とは、全く異なりますので、 こうご 期待あれ。というか、今回も、スゴイです、写真が。打ちのめされました。

#1270 いつもながらのらしさがある、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー選考結果。

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 本日、栃木県にあるツインリンクもてぎにて、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会が開催されました。って、イベントニュースを報告するかのような書き出しですが、……、開催されました。例年ですと、朝、フロントウインドウについた露が凍ってしまうほどの寒さなのですが、今日は、曇り空が広がっていたせいか、そこまで気温が下がることはなく、ただ、時折強い雨に見舞われました。前置きはいいから、さっさと結果を書きまししょうかね。結果は以下のとおりとなりました。  RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ アルト/アルト ラパン  RJCカー オブ ザ イヤー インポート   MINI クラブマン  RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   トヨタ フューエル セル システム  (トヨタ MIRAI)  開票そのものは公開としていますが、開票詳細についてはRJC側から公表はしていないようなので細かな分析は避けますが、開票を見ていて感じたのは、最高点(6点)がいずれのクルマ、技術にも入っていたこと。たとえば、国産車では、ロードスターと得点を争いつつも、S660も奮闘しましたし、エクストレイルHVやシエンタに高得点を入れた方もいました。そうそう、中にはCX-3、ロードスターともに高得点だったり、どちらかが高得点だったりもありました。  輸入車ではXEを高く評価する人もいれば、TTや308に最高点を入れた人もいました。ディーゼルエンジンを搭載して魅力を増したV40シリーズ(2014年次に受賞)も、点を集めていましたし、BMWの初のFFモデルである2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーも高評価も見られました。 技術では、ディーゼルエンジンをハイブリットユニットに組み込んだメルセデスのディーゼルハイブリッドに点数が入りつつも、トヨタのフューエル セル システムが、それを上回る評価を得、そしてロードスターやアルトの軽量化に関する技術に高得点が入りつつ、ボルボのディーゼルやホンダの3モーターハイブリッドシステムにも最高点が入っていました。  つまりですね、どれが受賞してもおかしくないクルマ、技術でした。見方次第といいましょうか、捉え方次第といいましょうか、でも、そこには、広くに勧めたいクルマ、技術と想うというベースがあってこそ。いろんな見方があっていい

#1269 見方次第で良くも悪くも捉えられてしまう、レクサスLX570。

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 そして、レクサスLX570です。ランクル200をベースに、レクサステイストを表現したモデル。いわゆるフルサイズモデルで、V8/5.7Lエンジンを搭載していることからも、ま、日本向きではありませんな。今回は、レクサスのフルラインナップ試乗会の1台として試乗したのですが、このモデル、やっぱり、レクサスらしさにあふれながら、レクサスらしくないところに価値があるモデルだなとつくづく感じました。あれですな、メルセデス・ベンツにあって、ちょっと外れているという、Gクラス的。ただ、あちらの特殊性はオフローダーかつ設計が古いままということにありますが、こちらの特殊性は、最新世代ではあるもののオフローダーたる乗り味がベースにあってというもので、世代というところが違います。  で、そのLX570。ベースモデルであるランクル200を意識させます。そりゃそうです、ラダーフレームやらリジッドサスを採用していますから、仕方ない。ただ、ランクル200たるゆったりとした乗り味に、節度感を与えていまして、具体的には、サスペンションストローク量を確保しながらも、その動きに制限を与えています。分かりやすくいいますと、街乗りモデルであることを意識させつつ、スポーティさを語る一歩手前といいましょうか、そんな仕立て。チューニングとしては上手く作り込んだなと感じます。ただ、試乗車に採用されていたオプションの21インチタイヤは、ゴトゴト手前のコトコトがありまして、ボディへの振動も相まって、フレーム付き+リジッドサスの限界をそこに感じました。ただ、これはLX570がダメというのではなく、北米のフルサイズモデルあたりも同じ課題を抱えています。そして、これが、標準の20インチタイヤ、さらにはオプションの18インチタイヤだったら悪くないんだろうなと感じさせるところもありましたから、チューニングとしてはかなりいいバランスになっていると思いました。  で、期待のV8/5.7Lエンジン。アクセルを強く踏み込むと8速ATが割と下のギアをセレクトしてドンと加速しますが、排気量から期待されるような激しさはなく。また、普通に踏み込んでいると、ATの存在を忘れさせるほどにジェントルだったりします。不足はありませんが、もう少し刺激が欲しいなと感じつつ、そんな過激さ、いったいどこで使うんだろうと気付くと、この仕立てで十分だな

#1268 RXらしさを極めるという正常進化を果たしていた新型レクサスRX。

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 さて、レクサスの新型RXについて。レクサスにNXが登場したことで、RXはそのポジションを明確にできたといいいますか、広いレンジをカバーしなくてよくなった分、それが商品性にも色濃く表現されていました。  あのですね、走りがいい。RXってのは、スポーティなSUVという捉え方をされているようですが、いわゆるオフローダーSUVばかりの中、登場したモデルであって、彼らと比較すると乗用車のプラットフォームをベースとした分スポーティさがあるというところに生い立ちがありまして、その乗り味はいわゆるスポーツ系SUVとは異なっています。個人的には、今回の新型がそのラインを超えるか、超えないかが、心配だったのですが、超えることなく、RXたる姿を極めていました。分かりやすくいえば、コンフォートスポーティといった感じでしょうかね。  今回、何がしびれたってハンドリングとサスペンション。フロントデフにプレロードを与えるLSDを組み込んでいまして、それがオンセンター部のフィーリングを格段に引き上げています。といっても、それだけが引き上げられているというよりは、サスペンションのストローク感から静粛性に至るまで、そういった全体のフィーリングに合わせてあるといった感じ。つまり、質感が高く、バランスに優れていました。乗り心地はもはやいうまでもなく、フラット感に富んでいて、極上。試乗車は20インチ(55扁平)タイヤを穿いていましたが、よくぞこれだけのタイヤを抑え込んでいますなと感心したほどでした。まさに、コンフォートスポーティ感にあふれていました。  エンジンは、2.0Lターボもいいんですが、大改良を受けたV6ハイブリッドもいい。そういえば、V6の4WDは、リアモーターの配分をフロントよりも強くできるモードを備えたそうで、雪道で、ちょっとアクセルを踏んでリアを出して向きを変えるなんて芸当も可能とか。どちらを選ぶかといえば、V6ハイブリッドなんですが、FFの2.0Lターボの仕上がりも良くって……、って、495万円のボトムグレード(FF+2.0Lターボ)でも自分にとっては装備やら含めて全くもって不足なく。実のところベストバイかなと感じましたほどでした。

#1267 思うところはあるけど、時代に即した正常進化だった新型エスクード。

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 書かねばならないといいますか、書いておきたいネタが積もり積もって、という状況ですが、ま、ひとつずつ、ひとつずつ。というわけで、スズキ新型エスクードです。初代モデルを、トータルで4台ほど所有というか、購入というか、したことがありますが、ま、初代はシートポジションにしても、リアサスの設定にしても、エンジンパワーにしても、クルマとしてどうなんだろうと思うところがありました。1.6Lなのに中央道談合坂の上り坂でスピードをキープするのがやっとってどういうクルマだったんだろうか、と、談合坂を走る度に思いますが、ま、あの頃はそんなもんでしたっけね。  さて、その4世代目モデルが登場しましたが、とうとう、完全なる乗用車ベースのモデルへとスイッチしてしまいました。オフロードを走らないならば縦置きエンジンレイアウト+パートタイム4WDベースにこだわる必要もありませんし、FFになれば何よりも室内空間を確保できますから、コンパクトを謳うモデルとしては、ある意味正当な進化だったわけですが……、ま、過去を知っている者としては寂しさはありますな。  とか言いながらですね、クルマとしての完成度はとても高く、ちょっとビックリしましたし、ベースとなったSX-4よりも重心高がある分を、シャシーフィールに上手く転換していまして、とてもいい。個人的には、SX-4よりも好印象。たとえば、ロール。ロール量を抑えるのではなく、ロールさせながら、ロールスピードを上手くコントロールしていまして、ハンドリングフィールに実に見合ったもの。つまり、バランスがいい。それでいて、グリップ感もしっかりと伝わってくるので、そうなんですね、ワインディングが楽しい。もちろん、乗用車ベースとなったことで余計な動きを見せることなくなりまして、スポーティさを楽しめるといった感があります。  エンジンは、SX-4と同じM16A型1.6L。パワースペック的には117PS/151Nmと大したことないんですが、これが高回転までしっかりと回る。SX-4ではCVTでしたが、今回は6ATになったことでそれを体感できます。発進時の加速で、ちょっと驚いたほどといいいますか、やっぱり、段付きギアがいいよね、と感じた次第。あ、思うにですね、ダウンサイジングターボを早々に搭載してくれたら、おもしろいのになと思うのは……、って、やっているんでしょうね。ただ、

#1266 楽しさとオモシロさにあふれていた、東京モーターショー。

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 ここを放置していたのは、忙しかったこと、体調不良など、あれこれと重なってのこと。ただ、日々の取材やら、執筆やらは続いていましたので、あれこれとネタはあります。というわけで、まずは東京モーターショーのあれこれから。どのメーカー、ブランドのブースも見どころがあって、おもしろさがありました。今回の注目は、やはりマツダのRX-VISIONでしょうな。チラ見せから始まって、公開しても、詳細を語らないというスタンスは、まさに演出であり、仕掛けであり、その手法も好印象。ただ、このモデルを見ると、市販前提ではないコンセプトモデルは出品しないって話、大丈夫かなぁと思いつつ、ま、そんなあれこれを考えさせるところもポイント。個人的には、コンセプト、サイズともにスケールダウンさせることなく、手が届かない価格でもかまわないから実現して欲しいものだなと感じましたが。スポーツカーたる定義をすべてデザインしているこのモデル、とにもかくにも美し過ぎます。  ブースデザインで印象的だったのは、ルノー。前回はマツダでしたが、今回はルノー。というか、今回のマツダのブースデザインにあまりおもしろさを感じませんでした。期待していたんですけどね。で、ルノーの話。バンプと呼ばれる丘を表現したブースはセンターが盛り上がったデザインなのですが、これが、寝転がって昼寝したくなるような緩さにあふれていまして、とても良かった。いや、褒め言葉です、褒め言葉。ちなみに、海外のモーターショーでは、もっと広いスペースを使うことができるため、こぶが連続するそうですが。もちろん、新型トゥインゴも良かった。デザインの妙といいましょうか、RRらしさとルノーらしさとを上手くバランスさせていて好印象。気になるのは、その価格。これだとルーテシアとの価格帯に重ねてくるのかな……、とちょっと心配。下の価格帯にしたら天晴れですが。  トヨタのKIKAIは、実際に目にすると、写真では感じ取れなかったような作り込みに感心します。ショーモデルだからということもありますが、見せるところを見せるというか、見たいところを見せる、らしいところをアピールする、そんなデザイン性にひたすら感心。それでいながら、そのままに走り出しそうな作り込みもとてもいい。今の感覚をもった人たちも、昔の感覚から抜けだせない人たちも納得させられる、そんな1台です。  そういった意