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#1366 タイヤのキャラクターとサイズによって期待と少しズレていた、DS5。

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 DS3(カブリオ)→DS4(クロスバック)と試乗して、路面トレース性を優先し、乗り心地とハンドリングをバランスさせるという、シトロエン的な、でも、その先をちょっと走っているようなフィーリングに、DSらしい乗り味を見出していましたから、DS5もそうなっているに決まっていると、感じていました。  ただ、以前にも書きましたように、DS5に対しては、アッパークラスというポジション、ラグジュアリィGTというコンセプトと、硬さのある乗り心地に、不可思議を感じていました。ま、ただ、あの時は、デビューしたばかりですし、改良されていくんだろうなとも思っていましたので、まさにこのタイミングは、期待あふれんばかり。  で、結論。これがですね、以前のような硬さは見当たらなくなっているものの、想像のラインにはなかった。DSラインらしい乗り味とも、DS5というキャラクターとも異なる、この乗り味は、果たしてDSが望んだものなのか、望んだにしても、何をしたかったが理解できませんでした。具体的にいいますと、50km/hで走っていても、路面が荒れたシーンでは、タイヤを抑え切れず、バタバタが顔を出します。これ、バネ下が重すぎるといったフィーリングで、まさに抑え切れていないといったもの。DS3やDS4で狙っていたはずのトレース性が見当たらなかったのです。  しかしですね、速度域となだらかな路面によっては、DSらしいトレース性が突然に顔を出したりもします。と、いろいろなシーンを走っていて気付き、タイヤの銘柄をチェックして、ほほぅ、と納得。あのですね、フランスでの標準仕様に対して1インチアップの18インチになっている上に、組み合わされていたタイヤがミシュランのパイロットスポーツ3でした。サイズだけではなく、タイヤのキャラクターによって、乗り味が変えられていました。  18インチ+パイロットスポーツの狙いは、ずばりスポーティさですから、レギュラーを捨ててまでスポーティをオーナーが求めたならば、それは理解できる乗り味。しかしですね、この乗り味が標準となってしまうと、話は変わってきます。ただですね、DS5のスタイリングを考えると、18インチを組み合わせたくなるのも理解できます。このあたりは、日本法人も迷ったようですが、デザインを優先したという結論になっています。まぁ、個人的にはとってももったいないといいま

#1365 走りにもDSらしさがあった、DS3カブリオとDS4クロスバック。

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 DSのフルラインナップ試乗会がありました。シトロエンから独立したことを謳いながらも、商品的にはモデルサイクルを考えると、最新ではないという揃いに、おや? を感じつつ、でも、プジョーの改良内容から察するに、悪いわけはない、ブランド化されたDSに対しては、そんなふうに捉えていました。ただですね、 #1319 でDS3カブリオに感じたやんちゃっぷりに、らしくないといいましょうか、DSって、こういう路線なのかな、と戸惑いを覚えていたものも、また事実。DS3カブリオって、導入当初、こうじゃなかった気もしていましたし、アヴァンギャルドってのは走りに表現するにしても、こうじゃないんじゃないかと思っていたもので。  で、試乗したところですね、これ、フェイスリフトだけに止まらない、改良メニューがそこにはありました。これ、どう考えてもボディとシャシーになんらかの手が加わっています、たぶん。って、例のごとく公には発表されていませんが、変わっていると思います。と、それぐらいに良かった。もちろん、オープンボディならではの剛性不足からくるウィークポイントはあります、ありますけど、シャシーそのもののセッティングは路面トレース性を最優先している感にあふれておりまして、また、先に感じた曲がらないフィーリングも消え去っており……、つまりは、好印象。細かな入力に対してボディは追従しきれていませんが、シャシーはしっかりと付いてきている、表現としては矛盾がありますが、そんな仕立てとなっていました。コーナーでは、路面を捉え切れていないフィーリングがありながら、グリップ感を見失うことがない、そんな不可思議なフィーリングがありました。そう、導入当初に感じた、あのフィーリングですな。で、この1.2Lターボと6ATは、素性はもちろん、相性がいい。2000回転からのトルク感、的確な回転数セレクトなど、まさに愉しさを最優先したセッティングとなっています。  エンジンを変更したこともありますが、304万円といつしかプライスダウンさせているところも、また、好印象。スタイリングも、ま、あとでまとめて書きますが、後付け感を増しているにも関わらず、これが、好印象。なんでしょうね、このデザインの妙。  さて、続いては、DS4ですが、新たに加わったクロスバック。レギュラーモデルに対して30mmのアップを果たしていましたが……、

#1323 15インチのStyle(AT)も天晴れだった、プジョー208(1.2Lターボ)。

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 改良を受けたDS3に続きまして、同様の改良がされたプジョー208をテストドライブしてきました。 #1305 にて大絶賛したものの、短時間の試乗だったため、つぶさな観察までできなかったものですから。前回はAllure Cielo Packageでしたが、今回はStyleのAT。つまり、1.2Lターボエンジン+6ATとユニットは同じながら15インチスチールホイールを採用したリーズナブルなモデル。そうなんですね、たぶん、この15インチのほうが好みだろうなと思っての、指名でした。  まず、観察したのはタイヤサイズの好みついてですが……、実のところ、15インチサイズながらケース剛性をしっかりと確保しており、つまりシャシー剛性が高かった。これは、クルマの基本性能という観点からすると評価されるべきことなのですが、緩さを求めていた個人的な好みとは違っていました。といっても、悪くない、悪くないどころか、とってもいい。というか、15インチなんですか? といわんばかりのシャシー剛性(この場合はバランスか)に、ちょっと驚きました。  さらにですね、シャシー剛性の高さだけではなく、そこにしなやかさがバランスされており、コーナリングが素晴らしいこと、素晴らしいこと。コーナー手前で減速してフロントへと荷重を移しつつ、ステアリングを切り足していく際に、ヨーからロールがきれいに出てくる、出てくる。いや、きれいというよりも、美しいといった感じ。で、アクセルを踏み込んでいくと、リアが沈み込みつつ、しっかりと路面を捉えてクルマを前進させていく(曲げていく、か)。いわゆる、リアのグリップ感をお尻で感じ取れるという、あのフィーリング。なんたる、バランス感でしょうか。と、そこで、さらにはシート座面のサイドサポートが的確であることに気付きます。つまんでみると、いわゆるウレタン加減が強くて、たいしたことないと感じるんですが、コーナリングにおいては、これが絶妙。ここまでのフィーリングを作り上げていると、フォードのシートのように腰だけで体を支え切れていないことに不足を感じますが、このあたり、プジョーはシートバックに任せているところもあり、フォードのシートの作り込みとは、考え方の違いがあることも発見できます。  で、驚きはそれだけに止まらない。このシャシー、とにかくフラットライド。といっても、それは路面の情報が伝

#1319 1.2L+6ATによって元気良さを手に入れていた、DS3カブリオ。

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  #1305 にて、イチオシになってもおかしくないポテンシャルを得ていたと書きました、プジョー208。あのパワートレイン、つまり、1.2Lターボ+新6ATという組み合わせは、シトロエンやDSまで、一気に展開していまして、果たして、その組合わせたるやいかがなものか、そして、どうバランスさせているんだろうかと気になっていました。ちなみに、輸入車試乗会ではシトロエンD4にも乗りましたが、モデル末期なりの熟成に合わせたセッティングが施してあって、ほほぅ、これはこれで魅力あるじゃない、と感心しました。  ということで、そのユニットを搭載したモデルである、DS3カブリオも試さないわけにはいきません。これまでは、MTのみというユーザーを限るラインナップでしたが、このATを導入したこと、価格を抑えられたことで、広く一般に受け入れられるモデルへと変わっていました。そもそも、DS3カブリオの乗り味は好みであり、オープンであることも相まって、好きなモデルの1台でした。しかし、久しぶりに乗ったらば、その乗り味は随分と元気さが際立っていまして、おや、あれ、違う、なんだ、そうか、なるほどね、こうしてきたか、と、理解するまでに少々の時間を要しました。  この1.2L+6ATですね、元気の良さを強く押し出していまして、ターボラグもあるし、ATではシフトショックも伴うことがあります、ってぐらいに元気を表現しています。そう、ひとつのキャラクターですな。言い換えると、まったり感が見られず、元気良く走らせたくなる衝動に駆られます。そして、このDS3カブリオのハンドリングは、そのやんちゃっぷりに応えるかのように、かなりクイックに仕立てられていまして、曲がろうとクルマが誘います。ただですね、カブリオの場合は、速度域が高かったり、ステアリングを大きく切り足すシーンなどでは、曲がらないという印象が残る。いや、実際には曲がっているんですけど、印象として曲がらない、そこに愉しさがあふれていないという、そういう一瞬があるんです。これ、ハッチバックだったら、すごくバランスしているんだろうな、という感じとも言えましょうかね。たぶん、ボディ剛性が……、って弱いっていうんじゃなく、バランスなのかな、と。  ということから、個人的にはカブリオは、もっとまったり感を与えても良かったのではないかなと感じました。って、実際に、

#1253 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その1)。

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 さて、今年は2年に一度開催されている東京モーターショー(→ ■ )の開催年です。会期は10月29日〜11月8日で、一般公開日は10月30日〜11月8日となります。場所は、前回と同じ東京お台場の東京ビッグサイト。実は、モーターショー関連の本を製作真っ最中なのですが、すでに公開された情報がありますので、東京モーターショーのあれこれ、第1弾を書いてみましょうかね。   まずは、シトロエン、プジョー、DS。DSがブランドとして初参加となることがトピックですが、個人的には、シトロエンのカクタス(画像右上)の出品にちょいと興奮気味。日本市販までも予告されており、さらに大注目。デザインどおりに走りも緩さがあふれているようなので、かなり気になる存在となっています。ただ、予告された導入予定は2017年とのこと。デビュー時にはインパクトが薄れてしまいそうで、ちょっと心配。ま、イギリス仕様とて、現在、MTがメインで、ETGしかありませんから、6ATの登場まで待つしかないことなのでしょう。あ、あとは、プジョーブースのディーゼルの508GTの登場も気になりますし、DSブランドがどういうブースデザインをしてくるかは、さらに気になっています。  マツダが公開したスポーツコンセプト(ワールドプレミア)の存在は、東京モーターショーのトップレベルの話題になるでしょう。マツダは、これからのモーターショーでは、ケーススタディモデル、つまりコンセプトカーは出品しないと言っていましたから、そのままのスタイルではないにせよ、近い将来にデビューは確実。見どころは、そのコンセプトやらデザインもですけど、パワーユニットを発表するかどうか。ロータリーエンジン復活なのか、ガソリンなのか、ハイブリッドなのか。本を製作している我々も、まだ知りません。 まさに、モーターショー開幕までのドキドキも、マツダたる演出なのです。  ホンダは新型FCV(仮称)のワールドプレミア、NSXとシビックタイプRのジャパンプレミア予告していますが、個人的には、フランクフルト国際モーターショーに出品されていたHonda Project 2&4 powered by RC213Vに興味津々。ホンダらしさ全開といったモデルで、これぞ、ワクワクさせてくれるコンセプトカーといった感があります。クルマを持つことが当たり前となった時代におい