投稿

ラベル(仕事)が付いた投稿を表示しています

#1789 もはやエコモードだけでいいと思った、BYDのシールのスポーティサルーンぶり。

イメージ
 つづいては、BYDのシール。日本戦略モデルの第3弾としてデビューしたフルEVモデルですが、ただのサルーンかと思いきや、かなりのスポーティさを演出していまして、ドライバーの感覚がクルマに付いて行くのがやっとといった感じでした。それは、まさに、すげー! を発したくなるほどに素晴らしいのですが、悪い意味で扱い切れない感がありましてね。ドライブモード的なセレクターも、エコ、ノーマル、スポーツの3タイプが設定されているんですが、ノーマルでもアクセルペダルを踏み込むと強烈な加速が発生してその扱いに戸惑いを覚えるほど。といっても、その加速とて、すっ飛んでいくようなフィーリングではなく、路面をタイヤがしっかりとトレースしたままにかっ飛んでいく感じでして、実際には操ることはできるのですが、そのパワーユニットは驚愕といわんほどの緻密さも持ち合わせていて、なんともコメントできないほどの域を表現していました。パワーモードについては語るべくもなく、むしろ、十二分に使えるエコモードに感心を覚え、そして、アクセルを踏み込めばかなりのパワーを発生させていますから、これで十二分じゃん、を感じました。  ちなみにEVを試す時って、たいがいは直線でアクセルを踏んで驚くものですが、今回は、首都高と第三京浜が交わる港北ジャンクションで、少しアクセルを踏み込んでみました。すると、車重はかなり大きくなっているのに、バッテリーといった重量物を低い位置に収めたこともあって、安定したスタンスのまま、ある種、ロールを感じさせぬままに、とんでも勢いでインを付いていきます。まさに、なんじゃ、こりゃといった感覚で。ちなみにタイヤサイズは235/45R19 で、AWDゆえに減衰力を適切に切り替えるダンパーが組み合わされていますが、乗り心地がいいうえに、乗り味がいい。そうなんですね、このAWDたる仕立ては雪道を走るためというよりは、もはやスポーティを謳うためのシステムとなっていました。こういった先進性やらを感じる、EVっていいなぁと思えてくるのですが、自分の使い方を考えると、マンション住まいですし、下道をひたすらに走るロングドライブが好みだったりしますので、まだまだ先かなぁと思ったりもしました。  そうそう、今回のテストドライブ時にふと気付いたのですが、こうしたEV系の「すごさ」を感じさせる時、スポーティさ以外に、そのアドバン

#1788 ミニとしては4世代目ですが、これがまた、いいスタンスをしていまして、すごくイイって、話。

イメージ
 2025年次RJCカー オブ ザ イヤーの第一次選考会(それぞれに6ベストずつを選出→ ■ )が終了しました。新型車をリリースできないとか、ほか、いろいろな都合があったりしたとは思いますが、国産部門で、ホンダとスズキしかラインナップがないという事態は、ちょっと異例かなと感じました。そんな結果にありながら、輸入車部門で気になったモデルを2台紹介しましょうかね。  ということで、まずはミニ・クーパーから。あのですね、まずですね、いいたいのは、BMWオリジナルなミニに関しては、ミニクーパーと呼んでいた方々に対してですね、それは車名ではなく車名とグレード名をつなげた言い方なので、違うのですよ、と散々に説明していたのですが、なんですか、このミニクーパーという表現は。ほかのミニと区別したいのはわかりますが、その迎合してしまうスタンスを含めて、ちょっと違うんじゃないかな、を、感じています。  さてはて、肝心な評価ですが、ICEモデルは、大幅に手が入ったことで、デザインはもちろんですが、走りもすごくいい感じにまとめあげられたなと、思いました。ミニってのは、らしさとされるいわゆるゴーカートフィーリングがあれば、ノイズが聞こえようが、ロールが少なかろうが、乗り心地が多少悪かろうが、それこそ居住性が悪かろうが、すべてを許されてしまってきたもの。しかし、そのあたりの強引さを少しだけ消して、日常性をものすごく丁寧に作り込んできていまして、それらが、心地よさを作り出していましてね。ゴーカートフィールがあるんですが、乗り心地に不足を感じさせないって、そんなふうに。  さらに、EVモデルになると、もう、最初っから狙っていましたといわんばかりの、ダイレクト感あふれる乗り味が表現されていまして、加速だけではなく、その緻密さ含めて、スゲーの嵐。もはや、余分なロールをさせることなく、低扁平率なタイヤでも乗り心地に快適さを作り上げていまして、さらにサイコーの嵐。大型円形メーターはUI含めて、どこまで生かし切れているんだろうかと思いつつ、アニメーションもきれいだし、解像度も高いし、すごくセンスがいい。ただ、Carplayとの連携では、画面サイズを生かし切ることができず、つまり、縦分に表示されないスペースが生まれてしまうなど、仕方ないか……、と思うところがありました。  あとは、車両価格については、高いなぁと

#1787 やっぱり、ゴルフ、されど、ゴルフ。スタンダードたる乗り味は、やっぱり、ゴルフ。

イメージ
 来年早々に、ビッグマイナーチェンジモデルの日本導入が発表されているフォルクスワーゲンゴルフですが、そういえば、ステーションワゴンモデルに試乗していないことに気付き、このタイミングで、復習を含めて借り出してみることにしました。ふと気が付くと、自分が住んでいる東京西側ではゴルフやポロ人気は以前ほどではなく、一方で、クロスオーバーモデルであるT-CrossやT-ROCへとスイッチしたなぁと、感じさせることがあります。  そんなこともあっての、ゴルフマイナーチェンジ前モデルへの試乗でしたが、何か不足を感じさせるかと思いきや、そんなことはまったくなく、スタンダードモデルとしての基準がしっかりと作り込まれており、いやはや、このブランドはあいかわらずにスゴイなぁと感心させてくれました。借り出したのは、1.5Lガソリンターボユニットを搭載したeTSI。1.0Lターボも悪くはないのですが、ステーションワゴンとなると1.5Lターボがもたらすゆとりがあったほうがいいのかな、と思うこと多々。なんだかんだ言っても、低回転から中回転域へのトルクは魅力的で、そこには爽快感を導きだすような気持ちよさがあって、DSGによるダイレクト感も相まって、もう、超・イイって感じ。そこにクイックすぎないハンドリングが相まって、それもまた、イイ感じを作りだしており、最高。さらには、モーターでのアシストもありますので発進時のレスポンスの良さが相まって、これもまた、イイ。ちなみに、タイヤはミシュランのプライマシー4でして、17インチ45扁平なサイズゆえに乗り心地は固めをベースとなりますが、そこにしなやかさを作り込んでいで、そのバランスもすごくイイ……。そして、全幅を1790mmに止めているところも、アドバンテージとなっています。  と、いいことづくめなんですが、ナビ・オーディオにおけるCarplay連携でオーディオだけ繋がらなくなるというちょいとエラーがありました。このあたりは、購入される方はしっかりと確かめたほうがいいと思われます。ま、ほとんど、在庫も残っていないとは思われますが。

#1786 ランクル300よりも好印象だったりする、ランドクルーザー250に表現された、ストレートな素直さ。

イメージ
 三菱のトライトンにビックリしたって話を書いていますが、トヨタのランドクルーザー250にもビックリしました。現在のところ、ランドクルーザーラインナップは、300、250、70の3モデルとなっていますが、前回のモビリティショーでモノコックボディベースモデルの存在が明らかにされ、もう1台、コンパクトであるモデルの存在が公になっています。やがて5機種展開になりますので、現在の3モデルだけで否定をしちゃならんのですが、250は大き過ぎる、と、まず感じました。それもそのはずで、300とプラットフォームを共用しているために、そこに乗っけたボディサイズも、250GX以外では、300のZXと比較すると全長4925mm(−60mm)、全幅1980mm(±0)と、まさに同等となっています。いわゆるアメリカンフルサイズ僅かに欠けるといったサイズ感ですが、こんなドデカイボディを気軽に国内で走らせる人はいるんだろうか、と思ったものの、抽選販売とされながらも予定台数を大きく上回る申し込みがあったとか。いやはや、いやはや、といった感じです。  さて、そんな中途半端な状況にあるランドクルーザーですが、4月にランクル群として、この3モデルのプレス向けオフロード試乗会が行われました。そこで感じたのは、300と250ってボディサイズだけではない、乗り味の違いがあったこと。全幅は同じなのですが、250はフェンダーを張り出させた(相対的にドアパネルを引っ込めている)造形としており、小さく見えます。  今回は、オンロード中心の試乗となりましたが、このコンパクト「感」たるイメージが扱いやすさを作り上げていました。右の写真のようなドアパネル上部に手を乗せられるというスタイルはもちろん、室内サイズにゆとりがありまして、さらにはボンネットも見渡せるし、インパネも直線基調で整えられており、すっきり感があり、それもプラスでした。乗り味については、電動パワーステアリング採用もあって、操縦性にちょうどいいがあったのですが、個人的には、それは乗用車的というよりは、ラダーフレーム付き、かつ、フロント:ダブルウィッシュボーン+リア:リジッドというサスペンションとしての、進化系ともいえる、好印象ぶり。なんていうんでしょうかね、アッパークラスのプラットフォームならではのゆとりを存分に使い切っていて、タイヤのドタバタとした動きはやはりゆ

#1785 BFグッドリッチのオールテレーンT/A KO3、最速試乗記。本日、解禁となりましたので、その裏話を。

イメージ
 解禁となりました、オーストラリア取材。今日まで、なんの取材だったかを語れないでおりましたが、内容は、BFグッドリッチブランドからリリースされたオールテレーンT/A KO3のテストドライブでした。ま、インプレッションについては動画を観ていただくとしてですね、それとは直接関係ない話をここではつづりましょうかね。取材地は、オーストラリアだったので、ま、あれです、夜飛んで、朝に到着するというフライトだったのですが、そもそも時差が1時間しかない上に、早朝に到着。取材は翌日だったので、到着日は丸々フリーとなり、レンタカーに乗ってあちこちへと出掛けたのですが、当初はコアラを見に行こうと言われていたものの、流れるままにあちらこちらへ、と。まぁ、分かってはいたことですが、道幅が広いし、人々の心も広い。なにもかもが日本と違って見えるのはなぜだろうと思いながらも、これは海外へと出掛けると、いつも思うこと。そして、もうちっと意志疎通ができる会話ができたらいいのになぁ、と思うところも、いつものことでした。   イベントそのものは、このタイヤブランドのマーケットとされる地域の方々が参加しており、参加した回は、いわゆるアジア地域の方々が集っていました。こういった体験イベントはジャーナリスト向けであることが多く、ましてや、ある程度知識を必要とするこのタイヤように、理解し、解説するのが難しい製品の場合はなおさらのこと。と思っていたんですが、来ている方々の多くはyoutuber的なノリを大切にされている方々ばかり。ま、このあたりは動画を観ていただけるとわかるのですが、もう、みなさん、突然に語り出すは、背景やらは気にすることなく収録を始めるは、で、いわゆる、はーい、静かにしてくださーい、はじめまーす、とか、がない。ない、というか、そのための時間が用意されていない。現場は、もはや雑然としており、収録した者勝ちといった感じ。それに気づいて、うちらチームも、無理矢理に収録していったのですが、こうしてあらためて目にすると後方にほかの国の方々が映っていたり……。ただ、こういうスタイルに慣れていく必要を感じつつ、カメラマンさんの編集もあってそれなりに勢いは出せたのではないか、とも思うております。はい。  あとは、あれか、物価の話をしておいたほうがいいでしょうかね。いわれているとおり、高いです、超高いです。ただ、あ

#1784 求めていたクオリティを備えている、キーボードに出逢えた、という話。

イメージ
 キーボードにはこだわりがあります。ライターですから、そりゃ当たり前のこと。ただ、かつてからMacway(ブランド)を愛用してきた者としては、その最終モデルにおける若干のチープさをもってしても、まったくもってこれに変わるレベルは見当たらず。ということで、生産中止になっても、新品やら中古を探して使い続けてきました。  とはいっても、ハードウェアですからヤレてしまいますし、また、キーを叩く力が強いこともあって壊してしまう傾向もあり、とうとう使いモノにならなくなり……。で、評判がとてもよかったキーボードへと買い替えることにしました。あれは何年ぐらいだったのかな、って、調べてみたら、なんと2003年でしたのでなんとなんと21年も前のこと。しかも、その価格は2万5000円+消費税。まぁ、いまだからいいますけど、イイモノならば仕方ないと払いましたが、そのキーボードに対しての評価は自分としてはあまり高くなく、かといって、ほかにいいキーボードがあるかといえば、そんなこともなく、仕方なく、そう、21年も使い続けていました。ってか、そうですか、21年ですか。いやはや、いやはや。ま、そう考えると、よくぞ、耐え抜いてくれましたな、って、褒めてあげたいところも出てきますな。  で、この度、新しいキーボードへとスイッチしました(写真いちばん上)。最近デビューしたばかりのキーボードなんですが、まずもって、このグレーとホワイトという色合い含めた、デザインがいい! さらに、Macで使うことを考えた設計になっており、キーを外して交換できますし、外せますから掃除も簡単にできるなど、惚れ込みまくり。昨今のキーボードといえばWindows用がメインとなっていますから、この心遣いにはものすごくうれしさがあります。ちなみに、テンキーレスですが、以前のキーボードですっかり慣れてしまっていたので、まったくもって問題なし。肝心な使い心地については漏れ聞こえてくる”評判”によればかなり好評とのこと。んー、スイッチさせてもいいんじゃないかな……、と思ったものの、立ちはだかるのは円安すぎる為替レート。しかも、そもそも本国での定価は安くない。安くないといっても$99ですから、前に使っていたキーボードの価格と比較すると、高くはないか。高くはないんですが、160円やらで計算され、そこに税金やら手数料やら乗っけられてしまうと、もは

#1782 オーストラリアだから赤が映えるのか、日本では映えないのか、でも、赤はすごくいいよね、と思った、ジムニー(シエラの5ドアバージョン)。

イメージ
 仕事でオーストラリアにおりました。その内容は、もうしばらくは話せないので、それ以外の話をば。ということで、ジムニー5ドアが結構走っておりましたって話をしようかと思います。あれですよ、あれ、日本でいうシエラの5ドアバージョンで、インドで生産されたモデル。日本への導入が渇望されるものの、導入を含めて、どうなるのかさっぱり分からないという、あのモデル。ただ、こうして市街地を走っている実車を目にすると、ストレッチされたといっても思ったほどにそのバランスは崩れていないし、サイズ感を含めて、ちょうどいいんじゃないか、と、感じさせるマジックがありました。ふーん、いいんじゃない? ってな、感じで。  ただ、ちょいと調べたところ、車両販売価格は5ドアで$40,000以上。今朝の為替レートが$1(以下au)=105円ですから、えっと、日本円にして420万円。ちなみにジムニーシエラ(以下ジムニー)3ドアのボトムグレードでも$34,990ですので、日本での販売価格には超リーズナブル感があります。そう考えると、3ドアは日本で生産できたとしても、5ドアはインドからの輸入になりますので、5ドアが日本で販売されたとしても、その販売価格は決して安くはないんだろうな、という妄想も沸いてきます。ただですね、ほか、オーストラリアで販売されているモデルの価格を調べてみると、たとえばトヨタ・ヤリスは$32,674であり、ジムニーの割高感は「それほど」強くはないことも見えてきます。ランチの価格が日本円で2000円を超えてしまう国と考えると、なおさらのこと。  それはさておき、不可思議に感じたのは、彼らがジムニーサイズ、つまり、いくら5ドアになろうともジムニーのキャビンスペースを認めて、選んでいるところ。そう、狭いとは感じないのだろうか、ということ。そういう観点からすると、5ドアが選ばれる理由は分かるのですが、3ドアもラインナップされており、意外にも選ばれていまして、ちょっと、驚きを覚えました。ま、ジープ・ラングラーとて2ドアを用意していることからも、需要があるんでしょうな。そんな妄想をしていると、ランドクルーザーにもショートボディがあったらいいのにな、とか、3ドアモデル好きとしては、あれこれと考えてしまいます。  あれこれと妄想していると、やっぱり、ジムニー5ドアを、ローンチできなかったスズキのスタンスに、い

#1777 支えるのも、寄りそうのも、あえて言葉にする、そのスタンスは好きじゃない。だから、奥能登に関しては、いままでと変わらぬ、スタンスでいます、ってな、話。

 能登のことは、自らで、何か具体的な活動を起こしてから語ることにします。現在の、現地のことを知ったつもりになっている者たちが、あーでもない、こーでもない、言っているだけの、外野からのスタンスに辟易としています。ネット情報を元に発信している者たちの「寄り添っている」感にも、うんざりとしています。そして、自らも、奥能登へと出掛けないで、東京にいて「眺めて」いるだけですから、同類です。でも、奥能登のことを忘れたわけではありませんし、能登半島とひと括りにして欲しくないことは、ここに記しておきます。  東日本大震災の1年半後に、被災地を訪れて紹介する企画に携わったことがあります。発災後、足を運ばなかった者としては、当時のままの風景は見当たらずだろうな、と勝手に思い込んでいました。しかし、出掛けてみれば、ガレキがまとめられているシーンを目にしてまだまだを感じ、手のつけようがなく放置されている景色に元に戻らぬ悲しさを覚え、復興を旗印に前を向いている人たちにこちらが勇気づけられ、もともと現地では誰しもが知っていた、でも、誰も触れようとしなかったことが浮き彫りになっていることを耳にして、足を運ばないと分からないことだらけで強くショックを受けた覚えがあります。  そして、現地の方々のダイレクトな声にショックもありました。撮影のために訪れた食事処にて、現地の方との雑談の中で、自らをあえて傍観者に仕立てて「今、なにを希望されますか?」的な質問をしたところ、「ここに来て、今を目にして欲しい。忘れないで欲しい。そして、お金を落として欲しい」、と、実直すぎる回答を受けました。そして、昨年11月末に奥能登を訪れた際、現地の方から「仕事をしていると気が紛れる」、と、そんな言葉が返ってきました。被災直後は再建のためにいろんなことやモノが必要でしょう。でも、ずっと生活は続いていきます。そこを支えるのも、つまり、忘れないでいることも、大切なこと。だから、自分は、いままでと変わらぬスタンスでいようと、思っています。

#1774 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その2

イメージ
 さて、続きです。ということで、それぞれのブース(ブランド)が表現したかったコンセプトは、果たして、どこまで来場者に伝えられたのかは、まったくもって分かりません。たとえば、日産のクレイモデル3台、CG2台という、計5台でコンセプトカーを表現していたことについて、会場に足を運んだという知り合いに話を聞いてみると、分からなかったと。そうなんですね、「ハイパーフォース」に目を奪われ、「ハイパーツアラー」にワクワクを感じたとこまでは強く印象に残っていたようですが、ヨシダイチオシだった「ハイパーパンク」については、ん? ってな、回答。まぁ、3連休の大混雑ぶりの中では、仕方なかったのだろうな、と思いつつ、逆に、ホンダのエリートジェットに乗った? とか、目立つモノに触れられた、それこそ列に並べた、といった言葉が返ってくることが多くありました。  そういう意味合いでは、ダイハツのビジョンコペンあたりはすごく分かりやすく、また、その完成度も実車テイストにものすごく近かったこともあり、人を集めていた理由はストレートに分かりやすかった。まぁ、この表現方法こそが、従来のモーターショーだったのかな、と思うところもありました。ただ、個人的には、ダイハツでは、コンセプトを強く表現していた「OSANPO(オサンポ)」が強く印象に残りましたし、このテーマをうまく市販車に落とし込んで欲しいな、なんてことを感じていました。あ、ダイハツでいえば、考えてみますとね、コンセプトモデルとして、EVモデルでもある「UNIFORM TRUCK/CARGO(ユニフォームトラック/カーゴ)を展示しながら、会場の端には、早々にデビューを予告しているハイゼットのEVモデルが置かれていたことに、今回はひょっとしてなくても良かったのでは? と思わせるところもありました(ちなみにプレスリリースの中に出展車両としては書かれていなかった)。  ブースコンセプトも、出展車両も楽しさがあったのは、三菱ブースでしょうかね。会場入ってすぐのところに位置していたこと、隣の日産ブースで「ハイパーフォース」に人が集まっていたこと、ほぼすべての市販車に乗ることができたBMWブースが目の前にあったことなどから、人が多く集まっていていました。個人的な意見とはなりますが、最近の三菱は、自らの存在価値を広めるのキーを見つめ直し、実直に展開しており、製品もす

#1772 三菱・トライトンは、扱いやすさと愉しさとが同居してて、ちょっと、いい。

イメージ
 北海道でテストドライブしてきたトライトンプロトタイプ、そのほか三菱モデルのオフロード試乗会での原稿が、あちこちで公開されています。とりあえずすべての納品は済んでいますが、いまだに納得いかないようなモヤモヤが残っている媒体がひとつあります。それが、世界文化社のMen's-EX Online( 前編 、 後編 )への寄稿。この媒体については、以前から、文体をクルマクルマ(メカメカ)しないで欲しいというリクエストが編集部より言われています。まぁ、ライフスタイル的なテイストを大切にしている媒体ですから、そこに、メカな話ばかり入れても興味を持たれないことはよくわかります。ただですね、今回のオフロードテストドライブは、オフロードを走れるとはいっても、モデルごとのポジションはバラバラですし、その上に、ヨンクたるメカニズムも異なっていますから、簡単であってもメカを説明しないわけにはいきませんし、なんとなくでオフロード性能を語るわけにもいきません。  ということで、結果としてですね、頭でそれぞれのメカを語りながら、オフロードでの性能を伝えましたが、これがなかなか難しい。指定文字数が少ないからという理由もありましたが、なんだかんだで指定文字数の倍となる3000Wは書いてしまいましたが、それでも、自分としてはものすごく中途半端。いいんだろうかと思いつつも、納品し、そして公開されています。ま、そんな苦労があることを思い浮かべつつ、眺めていただけるといいかなと思いますが。  さてはて、で、今回、そうやってあちこちに書いているうちに、自分にはトライトンがピッタリだ、と、あらためて思いました。三菱の中で見渡してみると、アウトランダーPHEVも、デリカD:5もいいんですが、オフロード走破性が、自分が求めるレベルに達していない。トライトンならば、モーグルであっても、ヒルクライムであっても、ダートであっても、どんなオフロードシーンであっても。そして、走ってはいませんが、あのポテンシャルはオンロードで相当に愉しさを持ち合わせていることも想像できます。ここまで来ると、ピックアップトラックであることは、どうでもよくって。ベッドは使わないけど、せっかくだから、使おうかなという気にもなってくるような気もしますしね。ただね、ひとつだけ難点が。車庫証明が取れないのですよ。全長が……、ね。

#1769 日本自動車研究者 ジャーナリスト会議(RJC)へと戻った話をそろそろ書きましょうかね。

 2020年に、所属していた日本自動車研究者 ジャーナリスト会議、略称RJCを退会しました。フリーランスになった2001年(ごろ)に入会しましたから、約20年お世話になった団体でした。振り返ってみますと、モータージャーナリストの大御所からあれこれと教えてもらったことはもちろんですが、業界に関わっているいろいろな人たちとの出会いもありましたし、それこそ、そうかー、一見派手に見える舞台の裏側はこうなっているのか、と、あれこれを知ることもできました。自分の性格のままに、後先を考えることなく、フリーランスを続けていたら、今の自分はありませんから、そういった意味でも、RJCに対しては、感謝が多く残っています。  では、なんで辞めたのか、って話になるのですが、端的に言いますとね、いくら、自分のような大したことない者であっても、そこに、長年留まっていると、狎れ(なれ)が出てきてしまうものでして。そして、それは、言葉では理解していても、実際に、その場を離れてみないと、わからないことだったりもします。慣れではなくって、狎れ。ま、これは瀬戸内寂聴さんが言葉にしていたのですが、実際に、離れてみれば、自身が当たり前になってしまっていて勘違いしていたことをたくさん発見。そして、離れている間に、会として、このままじゃまずいんじゃないの? と思うこともたくさん見つけました。  で、今回、戻ったわけですが、その理由はあれこれとあります。先に記した、先輩からの恩を、会へと返さねばという想いも強くありました。そして、退会してから時間が経過しているのに、会の外側から、第一次投票の結果、どうなりましたー、と、こちらに電話があったり、そのほかにも、こまめに気を遣ってくださる方がいたりと、それらもまたきっかけとなっています。まぁ、長年の在籍によっていつしか小間使い的な「顔」になっていたがゆえのことであり、これもまたありがたいことだ、と、捉えられた、とでも言いましょうかね。  自らに対しては、執筆や動画で吉田を紹介する際に、そういった肩書きがあるかないかは大きいと、言われましたこともありました。肩書きの有無で自らが評価されるだなんてまっぴらごめんだ、と思っていましたが、最近では、あー、世間ってのは、そういうものなのか、だったら、ないよりはあったほうがいいよね、と、受け取れるようになっていましたし。  ということ

#1767 あれこれ考えると、よく製品化できましたね、と感心しきりだった、三菱・デリカミニ。

イメージ
 書いていなかったじゃん、という新型車試乗会が2つありました。ということで、その1台目、三菱のデリカミニについて。このモデルは、いろんな意味でよくできていました。昨今の、スタイルだけを変えてSUV風を装うモデルがメインストリームになりつつある中、現在の三菱ブランドにおいて、できること、できないことを明確にしながら、三菱らしさとは何かを自問し、まずは、上手に表現できていたところは高く評価できると思います。デザイン、走りともに、ね。  ベースとなったのは、eK Xスペースですが、意外にもオリジナルたるトピックは数多くあります。デザインでは、ひと目見ただけで強烈な印象を与えるフロントマスクを組み合わせ、あんまり変わっていない感を覚えつつも比較するとずいぶんと手を加えましたね、と言いたくなるリアセクションをトピックとしていますが、このデザインについては賛否両論あるかと思いきや、周囲からはマイナスな意見は出てきていませんし、自分も、いいんじゃない、これ、と捉えています。ただ、冷静に眺めると、このフェイスって、最新型デリカD:5ではなく、フェイスリフト前のテイストでして、ファミリーとしての整合性があるような、ないような、微妙なところ。いや、旧フェイステイストが強いように感じます。でも、不思議なのはデリカファミリーの一員であると認識させられてしまうところ。なぜなんでしょうかね、これ。あとは、ボディカラーについては、新色のグリーン系のイメージが強烈なのですが、ほかの色合いを目にすると、意外にそれぞれにスポーティとか、やんちゃとか、イメージが変わるもので、感心しきり。まぁ、これ、造形が、デザインがなせる技なんだろうなと、デザイン素人は感じています。  もう一つの、その走り(以下4WD)ですが、ダンパーの低速域と高速域での動きを、よりリニアに感じる方向へとチューニングを行い、さらにタイヤのハイトを1サイズとはいえアップさせた165/60R15を採用したこともあって、結果として、ストレスなく動き、かつ、路面からの大きな入力に対しては懐の深さを感じさせる、質感を与えています。これ、ベースモデルのeK X スペースも倣っていいんじゃないかと思いましたが、ま、あちらは街乗り重視であることから、異なるセッティングが必要なようです。ま、コストもありますしね。ワインディングでは、ロール量が減ったとい

#1765 FFだからという言い訳が見当たらない、新型BMW・X1。たださ、乗り心地に固さがあるのだな。

イメージ
 BMWのボトムモデルであり、でっかいMINIとプラットフォームを共有している1シリーズ、2シリーズアクティブツアラー、X1、あと、ほかにあったっけか、あ、X2ですが、 #1753とんでもないどころの騒ぎではなかった、BMW2シリーズアクティブツアラーの話。 で、記したように、2シリーズアクティブツアラーから、プラットフォームは大改良を受けておりまして、その進化はデザインや走りだけではなく、操作系から表示部までに見られるものとなっていました。もちろん、そこにはEV化も見据えたあれこれがデザインされていまして、具体的には、現行型X1シリーズベースモデルとしてEV専用iX1がラインナップされています。  今回、テストドライブをしたのは、ガソリン2.0Lターボを搭載したxDrive20i xLine。つまり、4WDで、現時点でボトムとなるグレードです。ちなみに、ガソリンモデルとて、海外では、18i(1.5Lターボ)や23i(2.0Lターボ高出力版)がありますから、日本ではどのタイミングでどのユニットを導入するのか、しないのか、見どころになってくるかと思います。ただまぁ、中途半端な価格に落とし込んだところで、数を見込めるわけでもありませんから、現在のガソリン、ディーゼル1機ずつでもいいような気もしています。というのも、この2.0Lがですね、7速DCTとの協調制御も含めて、日常シーンから、高速域まで幅広い性能を得ていまして、不足が見当たらない。ま、あるとすれば、トルクがあるので、ついつい踏んで愉しんでしまうこと、そして、2.0Lゆえの自動車税でしょうか。あ、昨今のカーリースは自動車税込みなんでしたっけか? なんだかな、そういうところまで、「意識」しなくていいように、なってしまっているから、あんまり関係ないのでしょうかね。いやはや、いやはや。  さて、少し話がずれましたが、X1の話。まず、先の2シリーズアクティブツアラーで感じていた新プラットフォームに対しての印象は大きく変わらずでした。具体的にはハイパフォーマンスを引き出せるポテンシャルに驚きつつも、まさかのベースモデルではギアセレクトをできない不満(BMWがこれでいいのか! 的な)、AppleCarPlayの認識が速すぎるといいたくなるほどに速いこと、そして、初期制動力の立ち上がりが強すぎてブレーキペダルを踏み込む際にかなり

#1764 ゴルフの真価を確かめるべく、Rもテストドライブしてきました、という話。

イメージ
 いつの世代のゴルフもそうなんですが、オーバークオリティであることが、その真価のひとつにあります。それゆえに、ハイパフォーマンスグレードはもちろんなのですが、ボトムグレードの印象がいちばん良かったりもします。さて、今回のゴルフ8はどうかといえば、ボトムグレードの印象はあまり強くなく、そう、悪いわけではないのですが、「 #1763 VW・ゴルフ8(TDI)があまりに良すぎたので、ガソリンターボの1.0Lと1.5Lも乗って、再確認してみました、という、話。 」で記したように、ゴルフ6以前のモデルのような、いいじゃんには届いておらず。それならば、上のグレードはどうなっているんだろうか、と、ほぼ700万円するゴルフRをテストドライブしてみることにしました。そうなんです、ゴルフを3グレード連続で、テストドライブしました。  さて、ゴルフRですが、そのハイパフォーマンスぶりはターゲットをサーキットに絞りつつ、日常での快適性と、ハイスピードでの操縦性と安定性のハイバランスぶりを作り上げています。つまりですね、サーキットスペックを引き出すのは、公道では無理、無理、無理。ドライブモードも、コンフォート、スポーツ、そして、サーキットが設定されていますが、サーキットをセレクトすることはなく、というか、セレクトして、アクセル踏み込んでも、それこそ、その真価を試すことなどできず。ボーよりもドーと表現したくなるドライバーにまで響き渡る排気音と、締め上げられていることを意識させられる、でも、ちょっと快適へと逃げを許したサスペンションとに、そのポテンシャルを読み取れる程度。  まぁ、このままではいわゆるサーキットスペックとしては不足があるのは明らかですが、サーキットで緩く愉しむ分には十二分。見方を変えると、タイムアタック的なかつてのサーキットスペックではなく、いわゆるハイパフォーマンスを愉しめる仕立てと捉えるのが、いいのだろうか、そんなことも感じました。そんな、このゴルフRでも、気になったことがひとつありました。それが室内からのビビリ音が聞こえてくること。そもそも、このRは、ゴルフ8のラインナップとして企画は当初から存在していたはずですから、専用装備を施すことで、プレミアムCセグメントのクオリティを保てていなければなりません。でも、それができていない。かつて、実家のゴルフ5のインパネを外した時に留

#1760 らしさを残したままに正常進化を果たしていた、フォルクスワーゲン・ポロGTI。でもね、ってな話。

イメージ
 個人的に欧州のコンパクトハッチはすごく好きなジャンルです。かつてはそこにカッ飛び系というキーワードを求めていましたが、最近ではスピードというスリルに興味を抱かなくなり、言い換えますと、緊張感を強いるような速度域はもう不要と思うようになりました。歳を重ねてしまったためでしょうか。いや、速度域にこだわらなくなったのは、昨今のことではなく、とある欧州のハッチバックモデルに出会ってからなので、かれこれ20年前のことになるでしょうかね。歳じゃないですな。では、なにを重要視しているのかといえば、対話性、クルマとの対話性。もう少し条件をつけると、高速域になってようやく顔を出す対話性ではなく、日常域からしっかりと愉しめる対話性。そういったモデルは速度域が高くなると緊張感を伴うこともありますけども、それもまた対話性のひとつでして、ここから先、速度を上げないほうがいいぞ、というアラートとなっていますので、いつまで経っても対話が見えてこないクルマとは、大きな違いがあります。つまり、それもまた、クルマとの距離を縮めてくれるものだったりしますな。  で、昨今の欧州のコンパクトハッチはどうなっているか。いわゆるCセグメントモデルでは、もはやコンパクトではないサイズへと拡大された上に、そこにプレミアムという言葉がくっついてしまっておりまして、クルマとしての仕上がりはよくても、所有したいという欲に駆られないモデルが多くなったと感じています。ま、当たり前な進化とも言えるのですけどね。そんなこともあって、今、注目しているのはBセグメントになるんですが、こちらも昨今はプレミアムテイストを取り入れており、自分の好みよりも、行き過ぎを感じるモデルを多々見かけます。と、文句ばっかり言っていてもはじまらないので、フォルクスワーゲン・ポロのGTIをテストドライブして、最新のBセグメントハイパフォーマンスモデルを試してみることにしました。ちなみに、先代モデルは、どう捉えていたのだろうかとここを探ってみたら、ありました、ありました( #1159ウィークポイントを改良し、らしさを強めた、でもね……、VWポロGTI )。なるほどね、その評価と感想は、先代モデルと基本的に変わっていませんでした。  簡単にいいますとね、クルマはいいんです、すばらしいのです。2.0Lターボユニットは、低回転域から発進加速に十二分のトルクを提

#1759 何故に縦置きな直6ユニットを新開発? と思ったけど、そこにマツダの理想たる走りが感じられた、マツダ・CX-60。

イメージ
 なぜに、今、直6ユニットなのか。衝突安全の面で不利とされて一時はV型に置き換えられるかと思われたものの、最近では、メルセデス・ベンツでも直6を復活。ま、不利よりも有利な条件が増え、不利だったことがらが技術によってクリアになったから、という理由は見えてきますが、なぜに、マツダが直6を、という疑問が湧きます。EV化が急がれる、いや、加速度的にシフトしはじめた昨今に、そもそも内燃機関を新開発? ま、簡潔に言い切ってしまえば、フルEVに向けて、もう少し時間がかかると見込んでのことで、過渡期にはPHEVを挟む、とのロードマップからでしょう。ただ、昨今の中国マーケットの急激なEVシフトや、北米のEVモデルへの購入補助金を眺めていると、おい、マツダさん、だ、大丈夫か? と、一方で、思ってしまいます。  さて、そこはさておいてですね、このCX-60という商品には、もうひとつの、えっ? がありました。それが、いま、マツダがエンジン縦置きプラットフォームを新開発? というものでした。その操縦性よりも居住性やらが強く求められる昨今のマーケットにおいては、縦置きレイアウトで居住性を確保するためには、そこそこのサイズが必要であり、つまりはDセグメント以上が基本となります。分かりやすくSUVを引き合いに出すと、メルセデス・ベンツGLC以上であり、BMWX3以上であり、サイズが大きいだけではなく、そこにはプレミアムなブランドばかりという共通項があります。そうなんですね、マツダは、大型なだけではなくアッパークラスへの新たなチャレンジ(これまではFFベースだった)もあっての投入だったことが見えてきます。個人的には、ますます、だ、だ、大丈夫か? と思ってしまうのですが、やっちゃえなんたらを堂々と謳っているブランドとは違って、マツダのスタンスには、いい意味でのチャレンジを感じておりまして、応援したくなりますな。  えっと、肝心な乗り味はですね、マツダのFRって、やっぱりいいよね、そこに排気量によるゆとりを特徴とするディーゼルって最高だよね、を感じさせてくるもの。テストドライブへと連れ出したのは、ディーゼル・4WDであり、シーンに応じてフロントタイヤへの駆動を行っていますが、とにかくハンドリングにおいては素直。操舵を楽しませてくれる対話性たるフィーリングと、コーナリングにおける4輪をどっぷりと路面へと押

#1757 上がりのクルマを、ジムニーにするか、ジムニー・シエラにするか、ちょっと考えてみた、話。

イメージ
 さてと、ジムニーの話をしましょうかね。我が家からジムニーが去って1年が経過して、今、フォード・フィエスタ1台では満足できないどころか、不整地へと気軽に足を踏み入れられないストレスがどんどんと膨らみつつある状況にあります。実は、これ、30年前にも感じたことでした。あの時は、クロカン(風)ヨンクを手放して、ワゴンRの4WD、続いてファミリアGT-X(4WD)へと乗り換えたものの、いずれもいわゆる乗用車4WDであり、クロカン走行できないどころか、砂浜でスタックする始末でしたから。かといって、フィエスタにどこか不満があるわけでもなく、むしろ、スタッドレスタイヤから夏タイヤへと履き替えたところ、やっぱ、ヨーロッパフォードっていいよね、が、溢れてでていまして、手放す気にもなれません。つまりですね、やはり、理想は2台体制であることを痛感としまして、ならば、フィエスタはそのままに、またも軽自動車のジムニー(以下ジムニー)との2台持ちはどうだろうか。ついでに、シエラ1台になることが自分としては納得できるのだろうかを探るべく、久しぶりにジムニーシリーズに試乗することにしました。  そもそも両車は、ボディやそのほかを共用としながら、シエラではワイドトレッド化とエンジン排気量アップ(NA)という大きな違いを与えていますが、そのアプローチは先代も現行型も変わっていません。そして、その分、シエラにはゆとり的フィーリングが演出されており、それがアドバンテージだと語ってきました。ところですね、現行型では別モデルを作ろうとしたかのような作り込みが見られます。分かりやすい表現をすると、先代までがジムニーを作ってから海外モデルたるシエラを作ったのに対して、今回は、シエラをグローバル戦略モデルに定めて開発し、ついでに軽自動車のジムニーも作ってみました、といった感じ。なので、完成度が高いこと、目指した走りが色濃く表現されているのは、シエラのほうであって、ジムニーには言い訳がたくさん見られます。もちろん、軽自動車という枠に収めばならず、この場合の言い訳は致し方ないと、捉えられますし、不満をいかに感じさせないかという仕立てが行われていますから、一概にウィークポイントと攻めたくなるのもちょっと違います。そうなんです、シエラのバランスが際立っているだけ、と、捉えてもらうといいかと思います。  その美点、ひとつ目は

#1755 軽商用車で、縦置きCVTを採用した、ダイハツ・アトレーとハイゼットトラックの話。

イメージ
 クルマの、喫緊の課題である、いや、命題となっている、燃費と環境性能の向上は、もはや、良いほうがいい、ではなく、ひと銘柄ごとではなく、自動車メーカーとしてトータルで下げなければならず、どのメーカーも苦慮しています。そんな観点もあって、FR系の軽商用車の2ペダルトランスミッションについては、はたして、どうしていくのか、各社で提案が行われています。  スズキは2014年に、2ペダルトランスミッションとしてASG(オートギアシフト)を組み合わせたものの、あの間を与えるシフトフィーリングに共感を得られず、現在ではキャリイではATのみに。といっても、黙っているわけではなく、ほかモデルのASGには、その空白の間をモーター駆動でアシストし、フィーリングとしては、上手く消し去っています。商用車に対応できないのは、耐久性やらの面で、まだ課題が残っているから、でしょうな。では、ダイハツはどうしたかといえば、一昨年暮れのフルモデルチェンジで縦置きCVTを発表。どこまでラフな使い方に対応できるのか、燃費はどう変わったか、ということで、軽トラックのハイゼットトラックと、パーソナルユースをターゲットとしたアトレー(今回すべてが4ナンバー化)をテストドライブすることにしました。それにしても、つい先日発売されたばかりと思っていましたけど、気づいたら、発売から1年以上が経過していたようで……。ちなみにハイゼットトラックは、CVTを組み合わせたついでにあれこれと改良を行った、いわゆるビッグマイナーチェンジ、アトレーはフルモデルチェンジという扱いとなっています。  肝心なCVTたるフィーリングはですね、これまで組み合わされてきた軽乗用車では、乗用ゆえに、パワーユニット、ドライブトレインからのノイズがキャビンへと伝わりづらくされていましたが、こちらは、キャブオーバー、セミキャブオーバーレイアウトゆえに、ダイレクトにキャビンへと侵入してきます。低回転域でのトルク感、ダイレクト感を求めて、ローギアードにした設定もあるんですが、それよりも中回転域以降のノイズが急激に盛り上がりまして、意識的にアクセルペダルを踏み込んでいると少々気恥ずかしさを覚えるほど。ただですね、トルク感はかなりなもので、まさにグイグイと走って行くフィーリングがあり、頼もしさを覚えたほど。ま、空荷状態とはいえ、比較しなければターボはいらないかな