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#1790 この年次って表現が、今年の終わりを感じさせる……、「2025年次」なRJC カー オブ ザ イヤー。結果ね。

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 気がつけば、もう11月も下旬。あっという間に1年は過ぎ去っていきます。ということで、今年次のRJCカー オブ ザ イヤー(←半角アキが正しい)を振り返っての、あれやこれや、を。個人的には、いろいろな事情があってとは理解しつつも、ホンダとスズキという2ブランドになってしまった国産部門の行方、一方の輸入車では、ここのところ連勝となっているメーカーの快勝が続くのか、いや、ここで途切れて、中国や韓国のブランドが評価されるのか、はたまた、フィアットやクライスラーを傘下に収める欧州企業がトップとなるのか、あいかわらず、開票までまったくわからないという状況となりました。 で、結果は、下記のとおりとなりました。   RJC カー オブザ イヤー      スズキ スイフト   RJC インポート オブ ザ イヤー      BMW ミニ・クーパー   RJC テクノロジー オブ ザ イヤー      BYD LFPブレードバッテリーとCTBボディ構造 BYD    RJC 特別賞      三菱自動車工業 トライトン  今年を賑わせたモデルと技術たちですが、ま、いずれも話題を振りまき、それぞれに個性を放っており、今年はこういう結果になりましたか、といった感じ。いつも言っていますが、投票には甲乙つけがたく戸惑いがあり、いつもと同じくどう得点したかは覚えていなかったりもします。開票は、テストデー直後に、メーカーやインポーターの方々が見守る中で行われるのですが、自分が座っていた入り口付近の席(受付席)からはモニタがまったく見えずでして、読み上げられる点数を暗算するにも限界があって、最終的に結果が読み上げられるまで、わからずといった状況。輸入車は、読み上げの途中で、入れ替わりがあったようですが、そんなことも分からず仕舞いでした。  そうそう、ひとつだけ、なぜに、商用車であるトライトンが受賞をしているかについてじれておきましょうかね。基本的にRJC カー オブ ザ イヤーでは、商用車は対象外となっているのですが、過去に三菱ふそうトラック・バスの技術が特別賞として受賞しており、このあたりは特に乗用車系という枠にこだわらず、これからのクルマの発展に寄与してくれる技術やコンセプトにも、与えることがあります。それゆえの特別賞ですな。ま、そういう意味合いでは、現行型トライトンはまさにそん

#1785 BFグッドリッチのオールテレーンT/A KO3、最速試乗記。本日、解禁となりましたので、その裏話を。

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 解禁となりました、オーストラリア取材。今日まで、なんの取材だったかを語れないでおりましたが、内容は、BFグッドリッチブランドからリリースされたオールテレーンT/A KO3のテストドライブでした。ま、インプレッションについては動画を観ていただくとしてですね、それとは直接関係ない話をここではつづりましょうかね。取材地は、オーストラリアだったので、ま、あれです、夜飛んで、朝に到着するというフライトだったのですが、そもそも時差が1時間しかない上に、早朝に到着。取材は翌日だったので、到着日は丸々フリーとなり、レンタカーに乗ってあちこちへと出掛けたのですが、当初はコアラを見に行こうと言われていたものの、流れるままにあちらこちらへ、と。まぁ、分かってはいたことですが、道幅が広いし、人々の心も広い。なにもかもが日本と違って見えるのはなぜだろうと思いながらも、これは海外へと出掛けると、いつも思うこと。そして、もうちっと意志疎通ができる会話ができたらいいのになぁ、と思うところも、いつものことでした。   イベントそのものは、このタイヤブランドのマーケットとされる地域の方々が参加しており、参加した回は、いわゆるアジア地域の方々が集っていました。こういった体験イベントはジャーナリスト向けであることが多く、ましてや、ある程度知識を必要とするこのタイヤように、理解し、解説するのが難しい製品の場合はなおさらのこと。と思っていたんですが、来ている方々の多くはyoutuber的なノリを大切にされている方々ばかり。ま、このあたりは動画を観ていただけるとわかるのですが、もう、みなさん、突然に語り出すは、背景やらは気にすることなく収録を始めるは、で、いわゆる、はーい、静かにしてくださーい、はじめまーす、とか、がない。ない、というか、そのための時間が用意されていない。現場は、もはや雑然としており、収録した者勝ちといった感じ。それに気づいて、うちらチームも、無理矢理に収録していったのですが、こうしてあらためて目にすると後方にほかの国の方々が映っていたり……。ただ、こういうスタイルに慣れていく必要を感じつつ、カメラマンさんの編集もあってそれなりに勢いは出せたのではないか、とも思うております。はい。  あとは、あれか、物価の話をしておいたほうがいいでしょうかね。いわれているとおり、高いです、超高いです。ただ、あ

#1774 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その2

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 さて、続きです。ということで、それぞれのブース(ブランド)が表現したかったコンセプトは、果たして、どこまで来場者に伝えられたのかは、まったくもって分かりません。たとえば、日産のクレイモデル3台、CG2台という、計5台でコンセプトカーを表現していたことについて、会場に足を運んだという知り合いに話を聞いてみると、分からなかったと。そうなんですね、「ハイパーフォース」に目を奪われ、「ハイパーツアラー」にワクワクを感じたとこまでは強く印象に残っていたようですが、ヨシダイチオシだった「ハイパーパンク」については、ん? ってな、回答。まぁ、3連休の大混雑ぶりの中では、仕方なかったのだろうな、と思いつつ、逆に、ホンダのエリートジェットに乗った? とか、目立つモノに触れられた、それこそ列に並べた、といった言葉が返ってくることが多くありました。  そういう意味合いでは、ダイハツのビジョンコペンあたりはすごく分かりやすく、また、その完成度も実車テイストにものすごく近かったこともあり、人を集めていた理由はストレートに分かりやすかった。まぁ、この表現方法こそが、従来のモーターショーだったのかな、と思うところもありました。ただ、個人的には、ダイハツでは、コンセプトを強く表現していた「OSANPO(オサンポ)」が強く印象に残りましたし、このテーマをうまく市販車に落とし込んで欲しいな、なんてことを感じていました。あ、ダイハツでいえば、考えてみますとね、コンセプトモデルとして、EVモデルでもある「UNIFORM TRUCK/CARGO(ユニフォームトラック/カーゴ)を展示しながら、会場の端には、早々にデビューを予告しているハイゼットのEVモデルが置かれていたことに、今回はひょっとしてなくても良かったのでは? と思わせるところもありました(ちなみにプレスリリースの中に出展車両としては書かれていなかった)。  ブースコンセプトも、出展車両も楽しさがあったのは、三菱ブースでしょうかね。会場入ってすぐのところに位置していたこと、隣の日産ブースで「ハイパーフォース」に人が集まっていたこと、ほぼすべての市販車に乗ることができたBMWブースが目の前にあったことなどから、人が多く集まっていていました。個人的な意見とはなりますが、最近の三菱は、自らの存在価値を広めるのキーを見つめ直し、実直に展開しており、製品もす

#1773 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その1

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 今年から、東京モーターショーの名前が、ジャパンモビリティショーへと変わりました。何が変わったかというと、人気アーティスト(自分はすべて知らなかった人たちばかり)やお笑い芸人(なぜか吉本のみ)によるライブ、グルメに詳しい方にグルメプロデュースコーナー、スタートアップ企業とのマッチング、もちろん講演やら、いわゆるクルマやバイクの展示だけではなく、キャンピングカーからスポーツカーまで、ありとあらゆるモビリティライフをつなぐイベントへと変わっていました。ま、イマドキというのでしょうか。自分は、もはやテレビのない生活を送っていますから、イマドキに付いていけない部分も多くあります。ちなみに、ショーに出展されるクルマについては、ショー開幕とほぼ同時に出版される本と、その後に出版される本への仕事を依頼されており、逆に知りすぎているところもあって、このところ、口を閉ざしていました。  今回は、って、まだ終わっていませんが、プレスデーと、特別招待日と銘打たれ、一方で、障がい者手帳を持っている方が見学できる日の2日間に、出掛けてきました。もちろん、両日で、出展内容やレイアウトなどは変えられているのですが、逆にいえば、それぞれに来場者の層が違っており、自分にとってはそれもまた見どころとなっていました。プレスデーの話をしますと、それ、出展されるって聞いていなかったよ、ってモデルが、いくつかありまして。その1台が、日産のハイパーフォース。現行型GT-RのフォルムをベースにしたBEVですが、聞いてなかった。聞いていなかったので、執筆した雑誌には、日産はコンセプトカー4台と書いてしまいました。知らなかったんだから、仕方ないとはいえ。ただまぁ、難しいのは、何かが発表されることが分かっていたとしても、そのブランドが最後まで写真を提供してくれないこともあって、特に、ショー開幕前に出版される雑誌であっても、テールランプだけとか、アンベール幕が掛けられた写真だったりしてしまいます。でも、ショー開催日以降はアンベール幕なんぞ掛かっていないわけですから、なかなか難しいところがあります。  そんなジャパンモビリティショーですが、いわゆる各ブランドのモビリティ出展ブースに焦点を当てますと、どのブースも趣向を凝らしており、色がありました。個人的な想いを入れてしまうと、いちばんいいなと感じたのは、前回同様にマツダブー

#1772 三菱・トライトンは、扱いやすさと愉しさとが同居してて、ちょっと、いい。

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 北海道でテストドライブしてきたトライトンプロトタイプ、そのほか三菱モデルのオフロード試乗会での原稿が、あちこちで公開されています。とりあえずすべての納品は済んでいますが、いまだに納得いかないようなモヤモヤが残っている媒体がひとつあります。それが、世界文化社のMen's-EX Online( 前編 、 後編 )への寄稿。この媒体については、以前から、文体をクルマクルマ(メカメカ)しないで欲しいというリクエストが編集部より言われています。まぁ、ライフスタイル的なテイストを大切にしている媒体ですから、そこに、メカな話ばかり入れても興味を持たれないことはよくわかります。ただですね、今回のオフロードテストドライブは、オフロードを走れるとはいっても、モデルごとのポジションはバラバラですし、その上に、ヨンクたるメカニズムも異なっていますから、簡単であってもメカを説明しないわけにはいきませんし、なんとなくでオフロード性能を語るわけにもいきません。  ということで、結果としてですね、頭でそれぞれのメカを語りながら、オフロードでの性能を伝えましたが、これがなかなか難しい。指定文字数が少ないからという理由もありましたが、なんだかんだで指定文字数の倍となる3000Wは書いてしまいましたが、それでも、自分としてはものすごく中途半端。いいんだろうかと思いつつも、納品し、そして公開されています。ま、そんな苦労があることを思い浮かべつつ、眺めていただけるといいかなと思いますが。  さてはて、で、今回、そうやってあちこちに書いているうちに、自分にはトライトンがピッタリだ、と、あらためて思いました。三菱の中で見渡してみると、アウトランダーPHEVも、デリカD:5もいいんですが、オフロード走破性が、自分が求めるレベルに達していない。トライトンならば、モーグルであっても、ヒルクライムであっても、ダートであっても、どんなオフロードシーンであっても。そして、走ってはいませんが、あのポテンシャルはオンロードで相当に愉しさを持ち合わせていることも想像できます。ここまで来ると、ピックアップトラックであることは、どうでもよくって。ベッドは使わないけど、せっかくだから、使おうかなという気にもなってくるような気もしますしね。ただね、ひとつだけ難点が。車庫証明が取れないのですよ。全長が……、ね。

#1771 新型トライトン(プロト)が手に入れていた乗用車的な感覚と、ほか三菱車のオフ走破性の高さに驚いた、話。

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 三菱自動車の、オフロードを走れるモデルの、オフロードテストドライブへと出かけてきました。場所は、三菱の北海道十勝研究所内にある十勝アドベンチャートレイル。ここは、現在ではクローズドとなっているオフロードコースですが、あの増岡 浩氏が、重機とチェーンソーを駆使して作り上げた渾身のコースだったりもします。と聞くと、ハードなシーンばかりが連続すると思われるかもしれませんが、そんなことはなく。地形のアップダウンをうまく利用しつつ、あちこちに先の見えないタイトコーナーを設定し、ところにどころにハードなオブスタクルを用意。もちろん、ハードなシーンを迂回できるルートも用意されていますから、車種のレベルに応じたテストができる内容でして、一見、特徴がないと思われてしまうかもしれませんが、実はよく練られたコースとなっていました。  で、今回テストドライブしたのは、来年初頭の発売を予告されたピックアップトラックのトライトンプロトタイプのほか、デリカD:5、アウトランダーPHEV、そしてデリカミニの4車種。先方の狙いは、それぞれのオフにおけるポテンシャルを確認してもらうことにあったようで、それゆえに、モデルによっては迂回路が設定されているものの基本的に同じコースが設定され、比較できるようになっていました。ただまぁ、たとえばモーグルではトライトンでは余裕ありあり、でも、デリカミニではギリギリといった感じもありましたが、トライトンがチャレンジしたヒルクライム(フラットだったけども)をアウトランダーPHEVでもアタックできるなど、比較することで優劣を感じさせるのではなく、ほかの三菱モデルの見えづらいオフポテンシャルを試すことができた、という面で、実に「愉しい」試乗会でした。  ということで、今回は、このコースを走った4車種を交えて書いてみましょうかね。コースレベルは、モーグルは全モデルで下回りを擦らない程度とされ、ロックセクションはトライトンのみ3レベルある真ん中を走り、ヒルクライムはトライトンとアウトランダーPHEVのみ許されていました。ちなみに、路面状況は、前日に大雨が降ったためぬたぬただった、でも、早めに雨が止んだおかげで乾きつつあるけど、水たまりもあるってな感じでした。この試乗会で印象に残ったのはタイヤがグリップを失った際の制御でしょうかね。自らの感覚にもっとも近かったのがトライトンで

#1767 あれこれ考えると、よく製品化できましたね、と感心しきりだった、三菱・デリカミニ。

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 書いていなかったじゃん、という新型車試乗会が2つありました。ということで、その1台目、三菱のデリカミニについて。このモデルは、いろんな意味でよくできていました。昨今の、スタイルだけを変えてSUV風を装うモデルがメインストリームになりつつある中、現在の三菱ブランドにおいて、できること、できないことを明確にしながら、三菱らしさとは何かを自問し、まずは、上手に表現できていたところは高く評価できると思います。デザイン、走りともに、ね。  ベースとなったのは、eK Xスペースですが、意外にもオリジナルたるトピックは数多くあります。デザインでは、ひと目見ただけで強烈な印象を与えるフロントマスクを組み合わせ、あんまり変わっていない感を覚えつつも比較するとずいぶんと手を加えましたね、と言いたくなるリアセクションをトピックとしていますが、このデザインについては賛否両論あるかと思いきや、周囲からはマイナスな意見は出てきていませんし、自分も、いいんじゃない、これ、と捉えています。ただ、冷静に眺めると、このフェイスって、最新型デリカD:5ではなく、フェイスリフト前のテイストでして、ファミリーとしての整合性があるような、ないような、微妙なところ。いや、旧フェイステイストが強いように感じます。でも、不思議なのはデリカファミリーの一員であると認識させられてしまうところ。なぜなんでしょうかね、これ。あとは、ボディカラーについては、新色のグリーン系のイメージが強烈なのですが、ほかの色合いを目にすると、意外にそれぞれにスポーティとか、やんちゃとか、イメージが変わるもので、感心しきり。まぁ、これ、造形が、デザインがなせる技なんだろうなと、デザイン素人は感じています。  もう一つの、その走り(以下4WD)ですが、ダンパーの低速域と高速域での動きを、よりリニアに感じる方向へとチューニングを行い、さらにタイヤのハイトを1サイズとはいえアップさせた165/60R15を採用したこともあって、結果として、ストレスなく動き、かつ、路面からの大きな入力に対しては懐の深さを感じさせる、質感を与えています。これ、ベースモデルのeK X スペースも倣っていいんじゃないかと思いましたが、ま、あちらは街乗り重視であることから、異なるセッティングが必要なようです。ま、コストもありますしね。ワインディングでは、ロール量が減ったとい

#1744 三菱eKクロスEV、日常でどこまで使えるか、どんな乗り方をするならオススメか、検証してきました。その3

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 自宅から湯河原まで出掛けましたが、その距離は80kmと少しですから、航続距離180kmを謳うeKクロスEVにおいてはそこそこに充電してあれば問題ないのですが、ないのですが、ないのですが……、あえて苦難を強いるのが吉田流。ということで、圏央道と小田原厚木道路を走って行けばいいものを、そもそも、下道派であることも手伝って、丹沢山麓にほど近いワインディング路を選びました。もちろん、アップダウンありです。ただ、この道をセレクトしたのは、途中にある道の駅に急速充電器があったから、そう、何かあっても対処できると考えたからでした。  ところがですね、標高のそこそこにある八王子からいくらか上ったとはいえ、どちらかといえば海岸線まで下り基調だったこともあってか、予想外の低電費となりました。自宅から約50km走ってわりと平坦な地へと出た際の記録ですが、バッテリー残量は63%もあり、この条件に近い感じで走れば満充電仮定で約165km走れることを示しています、簡単にいいますと。回生ブレーキを積極的に使うBモードをセレクトしていたことも多少なりともプラスになったのかとは思いますが、それにしてもね、ワインディングを、そこそこに快調に走りゆく軽トラックについていっての数値ですから、そういった意味でも驚きがプラスされました。で、結局のところ、途中の急速充電スタンドは利用せず、そのままに相模湾へと出て、湯河原までは充電せずに到着しました  そして、湯河原まで来たならば、大観山まで県道(無料)を利用して上ってみようということになり、湯河原の美術館にあった急速充電スタンドを利用して充電した後に、いざ、アタック。ただ、アタックといっても、法定速度以上は出さず、穏やかなロールを愉しみ、そして、後方からのバイクや走り屋さんには、すんなりと道を譲るドライビングスタイル。上では少しスピードを乗せて爽快に走って、下りは都合によって上りよりさらにのんびりドライビングを行ったところ、85%あったバッテリー残量は15kmを走行して61%になっており、標高差約1000mの上り下り(距離は15km)にバッテリー容量の24%ほどを要しました。これ、たとえ大観山のあたりに住んでいて、日々、湯河原まで降りてくるライフスタイルであっても、1往復は確実にできますし、アクセルペダルを踏み込んだ走りをしたとしても、少なくとも1往復は可能

#1743 三菱eKクロスEV、日常でどこまで使えるか、どんな乗り方をするならオススメか、検証してきました。その2

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 その後、自宅へ帰るために、千葉からアクアラインを利用して川崎へと渡ったわけですが、フルを目指して充電していなかったこともあり、八王子まで戻るにはどこかで充電しなければなりませんでした。調べると、アクアラインの海ほたるにひとつあるのですが、それこそ、戻りの観光客に巻き込まれそうだったので期待せずに通過し、川崎市内にある三菱ディーラーを目指しました。街道沿いにあるディーラーでしたが、時刻は20:30にも関わらず、真っ暗。といいますか、まぁ、ディーラーは閉まっている時間帯ですから、充電スタンドも真っ暗。あまりに真っ暗すぎて、ロープが張ってあるんじゃないだろうかと目を凝らすほどに見えないくらいに真っ暗。それでも、入って行くと「侵入」を検知されて照明オン(写真はその状況)。できれば、入ってからではなく、入る前からある程度照らしておいて欲しいなとは思うのですが、ただ、ムダな電力消費にもなりますから、あれでいいのでしょうかね。  とはいえ、やはり照明がなにもないディーラーへと入って行くのは少々怖いもの。男性でもこう思うわけですから、女性はなおさらのことでしょう。ちなみに、この真っ暗な中での充電は、以前、BMWi3で無料充電スポットを巡るドライブを行った際にも体験しています。あの時は、どこかの市役所でしたが、それこそ、入り口も分からなければ、スタンド場所も分からずでしたっけ。今回は、充電を開始してクルマを置いたままに、近隣のスーパー(徒歩10分ほど)へトイレと買い物のために出掛けましたが、途中、24時間、充電スタンドを開放している日産ディーラー(写真右上)を発見。もちろん、真っ暗でして、そう、三菱も敷地内に入るまでは、こんな感じの暗さでした。入り難いでしょ?  翌日は、湯河原に住んでいる知人を訪ねつつのドライブを予定していました。ですので、朝、出掛けにフル充電していこうと思っていたのですが、こういう面倒って、先延ばしするんじゃなくって、その日のうちにやっておくとラクチンだからと、自宅近くのENEOSへと立ち寄りました。ここ、普通のガソリンスタンドなんですが、なんと、急速充電スタンドもあります。さらには、この敷地の端にはミニストップ(スタンドとは経営は別)があり、充電時間をコンビニで過ごすことができるのです  このガソリンスタンドにコンビニやカフェがあるスタイル、最近、よく目にしま

#1742 三菱eKクロスEV、日常でどこまで使えるか、どんな乗り方をするならオススメか、検証してきました。

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 三菱からデビューしたeKクロスEVの動画の製作をしてみようと、素材をあれこれ撮影してあるのですが、どうつなげようか、どう表現しようかと、戸惑っており、いまだにアップできていません。いや、何もできていません。でも、考えたら、文字でもアップできていませんでしたので、とりあえずは文字でまとめてみます。そうすれば、動画を作るきっかけになりそうな気もしますので。車両のインプレッションは #1732 に残したとおり大絶賛です。バッテリーを含めたEVユニットによって増した車両重量が、シャシーにしっとりとした動きを与えていまして、軽乗用車が不得意としていたリアシートにおける乗り心地に大きく改善したところなんて、怪我の功名(といったら怒られそう)的で、こういう設え、すごく好きなアプローチだったりします。あ、パワーやレスポンスはいうまでもありませんな。とはいってもですね、いくら個々のスペックが優れていようとも、実際に、どこまで日常で使えるかは、数日試してみないとわからないもの。ということで、三菱のeKクロスEVを借り出して、あれやこれやとテストしました。  まずは、パワーユニットに関するスペックを。    駆動用バッテリー容量 ……  20kWh    充電時間 普通充電  ……  約8時間で満充電         急速充電  ……  約40分で約80%充電    一充電航行距離    ……  約180km(WLTCモード)    モーター出力     ……  最大トルク 195Nm  となっています。今回は、数日の付き合いになりますから、充電はどこかでしなければなりません。なので、いちばんのキーは、どこで、どのタイミングで、充電するか、にありました。で、まず確かめたかったのは、本当に約180kmも走れるのか、そこまで走れなくともどこまでその距離に近づけるのか、でした。借り出した後は、少しの下道を走った後にいきなり有料道路に乗った、つまり、電力消費の面では不得意とされる高速での走行を行うこととなり、少しの心配がありました。ただ、目的地までの距離は約40kmほど。ま、大丈夫だろうと、有料道路に乗ったらですね、途中チェックをすると、約20kmを走行したところで、バッテリーは12%減(バッテリー100%分に換算すると約167km走行可能)、目的地へと到着してみれば45.2kmを走行してバッ

#1741 乗用車用タイヤと違って、SUV用タイヤは走行シーンによって3タイプがあります、ってな、動画撮影。と、その裏話。ダンロップ・グラントレックシリーズ(MT2、AT5、PT3)の紹介。

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 夏に、もうひとつ動画の仕事がありました。当初、社内用もしくは販売店用の撮影だと聞いていたのですが、気付いたらYouTubeに公開されてようで、それを身近な人から教えてもらいました。ただ、特別に社内用向けを意識した語りをしていないので、一般公開されてもなんら問題はないのですが。動画の内容は、ダンロップのSUV向けタイヤであるグラントレックシリーズの3タイプの紹介でした。クロカンモデルに長く携わっていると、SUV用タイヤには大きく3タイプがあることをあらためて紹介したほうがいいと思うことがあります。なぜならば、これまでSUVに触れてこなかった人たちは、タイヤは、エコか、スポーツか、コンフォートか、で捉えるのがフツーであり、このSUV用タイヤの、走行シーンによってタイヤを選ぶという感覚を知らないからです。ということで、この手の解説は、いまさらでありながらも、続けねばならんことだもと思っています。ちなみに、同じくタイヤを紹介している #1737のタフト+ジオランダーX-AT では、MTとATの間に位置する毛色の変わったモデルをインプレッションしていますが、ああいった動画での語りも、前提として今回のような3ジャンルの説明をしたほうがいいなと、あらためて感じています。  さて、動画撮影の話を。撮影班は前泊してほかのシーンを撮影していたようですが、自分は指定されたとおり当日の朝に集合しました。なんか、先生みたいじゃん、とか思いつつ。で、撮影前に、開発者の方に助手席に乗っていただきあれこれと話をうかがいつつ、改めてのチェックを行いながら……、あれ、いつしか、撮影されていたという、そんな流れでした。動画の中で語った自分の意見は、脚色することなく素直に思った言葉であり、一方で、開発者とのやりとり部はあちらの回答を意識した質問を先に投げ掛けたりもしています。ということでビギナーさんでも分かりやすい内容としたのですが(企画の意図どおり)、この動画を目にした、うちの母親(自動車免許なし、クルマのこと知らず)がですね、視聴後に、ヨンク用のタイヤは3種類あるのね、と語っていたので、内容、構成についてはバッチリだったと思われます。  そのほかの撮影裏話としては、今回のカメラマンさん、これまでスチールで散々にお世話になっていた方なのですが、動画撮影は初めて。で、この人、自由に語ってください

#1734 ルノーのE-TECHですけどね、ルーテシアとの組み合わせが好みでした、という話。

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キャプチャー E-TECH   アルカナ からスタートして、 ルーテシア 、そして、このキャプチャーと、ルノーのハイブリッドシステムであるE-techユニット搭載3モデルすべてが日本デビューを果たしました。当初、プラットフォームが同じですから、フィーリング差はそれほどないだろうと思われましたが、これがですね、さすが、ルノーと唸らせるほどに作り分けをしています。最近のクルマ作りには、エアロ違いな別車種扱いでも同じサスペンションとか、ターボであろうとNAであろうと同じパーツとか、クルマ好きにとっては好ましくない集約化が見られます。今回、ルノーもその手法に倣った作り込みをしているんですけどね、結果ですね、とんでもないものを作り分けてしまいました。そう、それぞれの世界観を、性能差という面でもしっかりと提供しています、この三兄弟。 アルカナ かっこいいんだけどね  このハイブリッドユニットの解説は述べてきたとおりなので、省きますが、さて、どの組み合わせがいちばん好みかについて、記していきたいと思います。想像としては、キャプチャーに乗るまではキャプチャーかなと思っていましたが、通して比較すると、ルーテシアでした。やっぱりですね、基本となるモデルだけに、しっかりと作り込んでいて、その手順書どおりといわんばかりの設計を行っている。つまりですね妥協がない、というか、ここまでを見据えて作り込んでいるので、破綻がない。アルカナのようなアッパークラス感に繋がるようなスポーティさの演出をしなくていいし、キャプチャーのようなやんちゃ的なテイストも不要であり、まさにお手本となるようなベンチマークをしっかりと作り込んだ、そのスタンスに、ルノーらしさを感じたりもしました。 ルーテシア E-TECH  もう少し具体的にいいますとね、現行型ルーテシアはそもそもオーバーパフォーマンスを手に入れていまして、それを高く評価して、振り返ると、 月刊ドライバーの輸入車ドライバー大賞2020-2021にて トップに選んでいました。そして、今、それが、ルノースポールのベースになることだけではなく、このハイブリッドユニットを搭載した際のバランスまで考慮しただったことが分かると、なるほどなー、ここに帰結していたのか、と納得し、あの時残っていたモヤモヤが澄み渡っていきます。って、ぜんぜん具体的になっていないな、えっとですね

#1732 軽自動車にEVってすごくありだよね、を感じさせた、日産・サクラ、三菱・eKクロスEV。

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 何か書いていないなと思ったら、日産と三菱からデビューした軽乗用車EVのことについてでした。前回の東京モーターショーにて、日産がその存在を予告していましたので、あれから3年近くが経過してようやくかといった感がありますが、同時に、え、専用プラットフォームではなかったことに驚きを覚えました。ま、深く考えてみたら、現在、パワーユニットは、内燃機関から完全モーターへの移行期ですし、軽自動車枠がこの先どうなるかも分かりませんから、当たり前といえば、当たり前のことでしたけども。  というわけで、日産からは「サクラ」、三菱からは「eKクロスEV」というネーミングでデビューした両モデルですが、デザインや装備の組み合わせ方に違いはあれど、プラットフォームを共用していることはご存知のとおり。ってか、この話をすると、この事実を意外にご存知でない方も多いようで。えっと、両社の合弁会社であるNMKVが手掛けたモデルとなっていまして、モーターやバッテリーといったパワーユニット関連はもちろんのこと、シャシーまで共用しており、サスペンション形式が同じであるだけではなく、使っているパーツも同じ。ま、外装デザインや装備差によって、車両重量が下グレードでは10kgという差になって現れていますが。  ということで、ここでは両モデルをまとめて評価します。特に感心したことは3つありました。ひとつ目は、エアコンをオンにしようと、少々ラフなドライビングを行おうと、つまり、EVにとって意地悪なことをしようとも、バッテリー残量表示に「突然」の落ち込みが見られないこと。これは公道走行でのレベルであり、もっともっと意地悪をすれば、知りませんよ、知りませんけど、日常使いでは不満を感じるレベルではなく、そういった唐突感がないところまで、しっかりと設計していることに、イマドキを感じました。メーカーとしては、高速走行をした場合、エアコンをオンにした場合、さらにはバッテリーが劣化した状況などを、かなり想定して、180kmという航続可能距離を設定したとのこと。そうなんですね、あの180kmという距離には、かなりのゆとりが与えられた数値となっていまして、目指せ180kmなんて走り方も可能であり、そこにおもしろさがあるかな、とも感じました。  ふたつ目は、軽乗用車とEVの相性の良さなんですが、それを語る前に、まずもって、このボディに対し

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

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 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ