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#1773 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その1

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 今年から、東京モーターショーの名前が、ジャパンモビリティショーへと変わりました。何が変わったかというと、人気アーティスト(自分はすべて知らなかった人たちばかり)やお笑い芸人(なぜか吉本のみ)によるライブ、グルメに詳しい方にグルメプロデュースコーナー、スタートアップ企業とのマッチング、もちろん講演やら、いわゆるクルマやバイクの展示だけではなく、キャンピングカーからスポーツカーまで、ありとあらゆるモビリティライフをつなぐイベントへと変わっていました。ま、イマドキというのでしょうか。自分は、もはやテレビのない生活を送っていますから、イマドキに付いていけない部分も多くあります。ちなみに、ショーに出展されるクルマについては、ショー開幕とほぼ同時に出版される本と、その後に出版される本への仕事を依頼されており、逆に知りすぎているところもあって、このところ、口を閉ざしていました。  今回は、って、まだ終わっていませんが、プレスデーと、特別招待日と銘打たれ、一方で、障がい者手帳を持っている方が見学できる日の2日間に、出掛けてきました。もちろん、両日で、出展内容やレイアウトなどは変えられているのですが、逆にいえば、それぞれに来場者の層が違っており、自分にとってはそれもまた見どころとなっていました。プレスデーの話をしますと、それ、出展されるって聞いていなかったよ、ってモデルが、いくつかありまして。その1台が、日産のハイパーフォース。現行型GT-RのフォルムをベースにしたBEVですが、聞いてなかった。聞いていなかったので、執筆した雑誌には、日産はコンセプトカー4台と書いてしまいました。知らなかったんだから、仕方ないとはいえ。ただまぁ、難しいのは、何かが発表されることが分かっていたとしても、そのブランドが最後まで写真を提供してくれないこともあって、特に、ショー開幕前に出版される雑誌であっても、テールランプだけとか、アンベール幕が掛けられた写真だったりしてしまいます。でも、ショー開催日以降はアンベール幕なんぞ掛かっていないわけですから、なかなか難しいところがあります。  そんなジャパンモビリティショーですが、いわゆる各ブランドのモビリティ出展ブースに焦点を当てますと、どのブースも趣向を凝らしており、色がありました。個人的な想いを入れてしまうと、いちばんいいなと感じたのは、前回同様にマツダブー

#1746 スバル・クロストレック(日本仕様)の価格帯から見えている、今後の展開。

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 本日、スバルのクロストレック(旧XV)の日本での販売価格が発表されました。北米と比較すると、意識的に、それも相当に抑え込んでいますので、よくがんばりましたなぁ、といった感があります。一方で、予想どおりの価格帯にラインナップを広げたことは、少し前にリリースされたロッキーのOEMモデルであるREXの価格帯を意識したものでありながら、しかし、間が抜けてしまっているのも、また事実です。  右に表組み(税込金額)としてまとめましたが、眺めていただくと220〜250万円台がすっぽりと抜けていることが分かります。そして、さらに気づくのは、旧モデルの価格帯をカバーしているのが、新たに追加されたFFグレードであること。そうなんですね、このFFグレードには高くなったと感じさせない役割がありますし、もし、それに気づかれたとしても、機能、装備充実を謳うことで、価格アップをフォローできるという、理由付けまでしっかりと織り込まれています。まぁ、それは、事実であり、スバルらしい価格体系とも言えるもの。いずれにしても、その間の空いてしまった価格帯には、後々に、いや、近いうちにか、なにか突っ込んでくることは明白です。それが、ロッキーのターボモデル(4WD)なのか、クロストレックのガソリンモデルなのかはわかりませんが、クロスオーバーモデルとして何かがないとおかしいラインナップになっていることだけは確か。言い換えると、このBセグメントクロスオーバーゾーンはボリュームゾーンですから、抜けたままにはいかないはず。トヨタから、ヤリスクロスを借りてくるとも思えず、さてはて、どうするのでしょうかね。  そうそう、クロストレックの日本仕様は、やはりサスペンションを専用にしているようで、全高1550mmを守ってきました(ルーフレールなどない仕様)。さすがに乗り味に固さは残っていないと期待してしまいますが、どうなんでしょうね。そのうちにレポートしましょうかね。

#1731 FR・コンパクト・クーペをダイレクトに表現していた、BMW2シリーズクーペ。

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M240i xDrive Coupe  BMW・2シリーズクーペって、本国では発表になっていたけど、日本でもデビューしていたんだっけ? と、振り返ってみれば、去る3月1日に日本で発売を開始していました。括りとしては、2シリーズに押し込められていますが、その中にあってプラットフォームを共用しないという異端ポジションとなっている、モデル。そうなんですね、どこかでも書いたけど、ほかの2シリーズ(カブリオレ除)がFFであるのに対して、あえてFRを選んだ、モデル。時代の流れからしたら、大きく利益を出せないようなモデルをよくデビューさせたなと、感心しきりな、モデル。ちなみに、しっかりとは調べてはいませんが、北米マーケットに詳しい方によると、あちらにはこのパーソナル志向の強いコンパクトクーペというマーケットがあるとか。ただ、それはかつての安ければいい的なFFなクーペではなく、サーキット的なハイパフォーマンススポーツカーをイメージしたFRなクーペだとか。その火付け役でもあったBRZ/86(あえてこの順!)が北米でかなり売れているとのことで、現行型は北米を優先した発表・発売が行われたほどでした。 220iMスポーツ  ということで、BMWからデビューした2世代目となる2シリーズクーペですが、先のモデルよりも、そのあたりを強く意識したモデルに仕上がっていました。今回は、2.0Lターボエンジンを搭載した220iのMスポーツ仕立てと、直6/3.0Lターボエンジンを搭載してMさん(!)が手を加えたM240iの2台を連続して、日を変えて乗りましたが、結論を言ってしまえば、M240i大絶賛の一方で、220iMスポーツは遠慮したほうがいいモデルだと感じてしまいました。ちなみに価格は220iMスポーツは550万円、M240iは758万円で、その価格差は208万円もあるんですが、まぁ、ここまで出せる方は、200万円差なんてあまり気にならないでしょうから200万円プラスしてM240iを選んだほうが幸せ度はどーんとアップすると思います。下取り価格に、そこまでの差が出てこないことは覚悟の上で。  で、その理由ですが、と、その前に、シャシーの違いに触れておきましょうかね。実は、ともにそれぞれのグレードに合わせたMスポーツサスペンションを搭載しているのですが、駆り出したM240iには、さらにオプション設定されて

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

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 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ

#1683 三栄のMotor-fan webで、再びに、ダイハツ・タフトをトップに選んだ話。

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理想を追求しすぎてて、実現出来ていない面も数多くあれど、アイテムの面やらベンチマークたる存在になるべく意欲的な開発がされてます。はい。  三栄のMotor-fan webからいただくテーマはとてもいいところをついていましてね、発注は800文字でいいと言われているものの、書きたいことが多すぎて、ついつい書きすぎてしまうことが続いています。文字数オーバーったって、倍、いや、3倍近くになってしまうほどの、オーバーランですから。さて、今回いただいたテーマは「 プロが選ぶ最強のお買い得車 」。あれ、コスパのいい……がテーマだったはずが、掲載される段になったらちょっと整えられていましたな。  そもそも、コストパフォーマンスという言葉って、良くも悪くも深く考えていない感がにじみ出ていて、あまり好きではありません。それこそキャッチー過ぎる言い回しそのものに、軽さを感じてしまいますし。まぁ、それはさておき、執筆した内容についての補足を、ちょいとしておきましょうかね。お買い得というのは、評価する者の視点によって大きく変わってくるものです。寄稿のあたまにも記しましたが、自分の場合は、走りが愉しいこと、それを助長してくれる装備に割高感がないこと、ま、すべてはバランス、と、捉えています。そういう観点からすると、ハイパフォーマンスモデルって、その高スペックぶりに対してリーズナブル感がすこぶるありますけどね、絶対的な価格としては安くはない。特に昨今のモデルはその傾向が強く、実は、当初、トヨタ・ヤリスGRを選ぼうかと思ったんですが、そういった見方、そして、さらにはきっとほかの方が選ぶだろうことも考えて、却下。また、ルノー・カングーもあの走りの質感を考えるととんでもなくお買い得なモデルであり、さらにモノスペースゆえの使い勝手の良さまで考慮すると、超がつくほどのお買い得。ただ、このピックアップは絶対にだれかと被るだろうし、狙いすぎといった印象も感じられたので、却下。  ま、却下というよりは、それよりも個人的に買い得だと感じているモデルがあったものですから。あれこれと見渡した時、ユーザーフレンドリーで、かつ、自動車メーカーやディーラーの、無理矢理な押し付け感が見当たらない、そんなモデル。しかも、これからの軽自動車のあり方を提案しているモデル。それが、ダイハツのタフトと。ま、その理由は記事でも、ここでも

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1671 良かった良かったと、語りまくりな、ドライバーなレガシィ動画。

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   さて、前回記しました、八重洲出版ドライバーの記事、3世代目レガシィGT-Bといまのところ現行となるレヴォーグの試乗記事ですが、このたび動画がアップロードされました。されましたが、いや、まぁ、絶賛していたことまでは覚えていますけども、ここまで語ったか? と言わんばかりに語っています。といいますか、収録中は、使える言葉をポンポン発していれば、それを選んで整えてて編集してくれるだろう、そんなつもりで発していましたが、たぶん、全部拾ってくれたんだろうな、そんな感じになっています。  いや、このあたりですね、編集部によって作業方法が違いまして、これまでの動画撮影メインだった4x4マガジンでは、1分の尺でぴったり合わせてください、そういう注文が来るんですが、はっきり言って、無理なんです、それだと。語り切れないし、まずは……、といったコメントを並べたところで終わってしまう。だから、語り切れていないというストレスが貯まる。ところが、このドライバー編集部の場合は逆で、とりあえず、語るだけ語ってくれぃとばかりに動画を撮影します。ですから、収録終了した頃には、語り疲れているほどで、先とは全くといっていいほどに逆となりますな。  あと、ドライバー編集部の撮影の場合は、インタビュアーたる編集者の上手さというのもあります。今回のムービーを訊いていると、ほとんどを吉田が語っているように思えますが、インタビュアー部分はかなりカットされており、だからこその、この語りっぷり。そんな演出も、絶妙だったりします。 個人的には、このラジオ的なノリとでもいいましょうかね、とってもオモシロイと思うんですけどね、なんか番組できないものでしょうかね、そんなことを感じました。

#1670 3世代目レガシィA型、こんなに良かったっけ? ってな話。

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 で、仕事の話。それでも、いくつか取材ものがありまして、いずれも公開されていないので、先に書いてしまうのもなんですので、ま、冊子やweb閲覧を邪魔しない、アシストするような内容をちょっと記しておきましょうかね。八重洲出版のドライバーの取材の話。以前、スバルGTの系譜ということで展開した記事の第2弾。取材のきっかけは、前回の時にはまだ用意されていなかったモデルが、その後に追加となったことにあります。その車種は3世代目レガシィのGT-B(A型)。んで、それをきっかけに、新型レヴォーグへと繋ぐストーリーを作ろうという企画でした。  3世代目レガシィは、三栄(当時はニューズ出版)のクラブレガシィにてD型から深く関わるようになったこともあり、今でも強く印象に残っているのは、やはりD型以降。その中でも強烈な印象として残っているのは、S401だったりもしますが、なんだかんだで後期モデルですな。さて、久しぶりに乗ったA型のGT-Bですが、こんなに良かったっけか、と思うほどのバランスに感心しました。シャシーには、あれこれ改良の果てのD型までの変遷で手に入れたシャキッとした感はまだ見当たりませんでしたが、ビルシュタインダンパーによる緻密な規制によって、分かりやすいリズムがあってですね、あのー、曖昧さがありながら、これはこれでトータルバランスが凄くいい。つまり、気持ちよさがある。で、コーナーでは、スタンスを作ってしまうと、そこからグイグイとインをついていく。あれ、こんなに回頭性が良かったっけか? と思うほどに、ついていく。伝わってくるグリップ感もやる気にさせてくれるフィーリングで、ついついアクセルを開けてしまう。当時はあれだけ段付が気になったエンジンフィールもその間の部分を上手く使うことに愉しさがあって、何よりも、低回転域からのトルクが太くて、レスポンスもいいもんだから、そうなんですね、扱いやすさがありました。これで4速でなければな、と、いう面はありますが、もちろん。これらは、当時と逆の印象……、ま、自分が成長したってことなんでしょうか。いや、歳をとって好みが変わっただけ、ともいいますやね。というように、大絶賛状態。いやー、E-tuneじゃないのに、スゴイ、そんな感じでしょうかね。あ、ひょっとして、E-tuneじゃないから、評価が高いのかもしれません。逆に、今、E-tune(もしくはRS

#1655 歴代レガシィに試乗して感じた、レヴォーグに引き継がれたもの。

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 歴代のスバル・レガシィ、といっても最新世代のひとつ前となる5世代目までに乗る機会がありました。レガシィといえば、三栄書房のクラブレガシィであれやこれやと携わり、これやそれやと取材し、ああでもないこうでもないと執筆の機会をいただいてきました。そもそも、レガシィとの付き合いは長く……、といっても、購入したことはないんですが、初代のRSを知人が購入してスキーに出掛けたり、やはり初代ツーリングワゴンを所有していた知人とともにあちこち出掛けたり。2世代目は後期モデルのプレス向け事前撮影会でそのポテンシャルに感激して、見積もりを取るまでに至り……。直接的な付き合いにはならずともなんだかんだと付き合いの長いモデルです。  で、5世代目までに乗ったという話。やっぱり乗り比べてみるとですね、それぞれの世代に味があり、キャラクターがあり、とてもいい。それは何か。ま、簡単にいえば、速いだけではなく、ドライビングにゆったりとした気分を愉しませてくれる、そんなグランドツーリング性能ですな。スポーティという言葉で限ってしまうそれとは異なる、その先にある、どこまでも走って行きたくなる衝動とでもいいましょうか、ま、そんな感じ。  ただまぁ、今回の試乗において用意されたモデルは、1世代ごとに1モデル。パワーユニットもターボだけではなく、NAもあって、横並び比較にはできませんでした。できませんでしたけどね、それぞれに個性があって、当時の考え方があって、とてもおもしろかった。個人的にいちばん、いや、同着いちばんかな、とばかりに印象に残ったのは、まずは、写真にある初代のツーリングワゴンGT TypeS2(左)。ボディ剛性やらサスフィールやらステアフィールやら、全てが過去なんですが、路面トレース性とハンドリングのバランスが絶妙。路面を捉えて離さないといったフィールは格別であり、それが直進性を導き、いざ、コーナーともなれば穏やかなロールとともに踏ん張るスタンスを作り上げ、コーナリング中なのにボディをどっしと構えたままに、サスペンションだけ動かして、駆け抜けていってしまう。高速走行では、先のトレース性そのままに速度を上げていくとボディはフラット感を増していくという、なんともかんともな美な仕立て。これ、偶然ではなく、仕組まれた仕立て。専用とされたスポーツサスペンションがですね、実に美味といった感じ。

#1653 東京モーターショー2019で、感じた、あれやこれや。その2

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 個人的にですね、東京モーターショー2019で話題になったモデルに、あまり興味ないといいますか、惹かれるところは強くありませんでした。むしろ、世間であまり注目されていないモデルに惹かれたところがあります。2台ほど。いずれもワールドプレミアではなく、ジャパンプレミアなんですが。  その1台が、スバルのVIZIV ADRENALINE CONCEPT。クロスオーバーテイストや、個々のデザイン表現にXVを感じるので、XVのケーススタディであることは伝わってくるんですが、現行型XVって、来年D型でビッグマイナーチェンジというライフサイクルにありますから、まったくの次期型となるとあと3年、もしくは2年後にこれになる? そう考えると……、ま、まさか、ビッグマイナーで、このコンセプトにスタディされたテイストを織り込んでくるんでしょうか。いやー、それはないでしょ、特にフェイスがさ、と思いつつ、次期レヴォーグがあのフェイスですから、わりと近いテイストでデザインされてくるんでしょうか。となると、今月デビューしたインプレッサD型の立場は? ってなってしまうんですが。  それはさておき、このモデルで惹かれるところは、そのまとまり感でしょうね。かたまり感、金属削り出し的な表現ってのは、どのブランドでも多かれ少なかれ用いられているデザイン手法ですが、このコンセプトモデルはそれが分かりやすい。キャラクターラインの存在はあまり好みではありませんが。キャビンのボリュームとタイヤの存在感とボンネットとのバランスとがとてもいい。フロントフェンダーまでブラックにしてしまう表現もオモシロイですし。新たにBOLDという言葉、テイストを加えたスバルデザインですが、嫌みのような強調ではなく、素性の良さを強めるというBOLDを感じ、拍手喝采でした。  で、もう1台が、三菱自動車のMITSUBISHI ENGELBERG TOURER。電動SUVコンセプトであることはさておき、デザインがですね、あのフェイスデザインコンセプトがですね、個人的にですね、試行錯誤を繰り返していくうちに、また、目にする側も目に馴染んできたことも含めてですね、違和感なく収めることができたとでもいいましょうか、ようやく違和感なくデザインすることができました感にあふれていて、とてもいいと感じました。ま、これは、フェイスリフトした

#1634 もっとアナウンスしたほうがいい、スバルのACT-4とX-MODEの実力の話。

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 2月は新型といいますか、新車に触れる機会が多く、ここに記したいことも多くあります。というわけで、ここからは、輸入車試乗会と雪上試乗会でのレポートが入り交じります。ということで、まずは、スバルの雪上試乗会の話から。この時期に開催されるプレス向けの雪上試乗会は、それこそブランドによって内容は様々。スバルは、御自由にどうぞとばかりに約200kmを走ってくださいというものでした。山形県は酒田市から山形市まで、道中は御自由にと。  で、今回は、最新型XVのガソリン車とe-BOXERに乗ることになったんですが……、あれです、X-MODEが付いた、B型モデルですな。スバルの4WDシステムは、最近、ここぞと強く謳わなくなり、システム名も随分と変わっていないことから、なんら進化をしていないように思われがちです。ですが、いつの間にかかなり進化していまして。  なかでも感心したのは、VSCオンのままでですね、きっかけを与えて、つまりは、ヨーを意図的に出してですね、リアがツツーーと流れてもですね、アクセルを開けたままでいますとね、クルマを前進させたままにグリップを探ることが可能なんですね。そう、パワーオフへと導かない。表現を変えると、とりあえず、ドライバーを信じるよ、といった、見守り感そのもの。ステアリングをちょちょいとコントロールして、タイヤのグリップが伝わってきたところで、アクセルを踏んで行くと、まさに力強く、クルマは前進していきます。  そして、少々深い積雪路における走破性。雪の深さは最低地上高未満でありながら、パートタイム4WDでないから突っ込みたくない、そんなシーンでの走破性。乗用車系4WDだと進めなくシーンですな。XVに採用されているACT-4は前後トルク配分を状況に応じて制御しますが、まぁ、この手の4WDシステムは、CVT側の都合もあって、無理をさせない、のが常。常なんですが、XVはかなり負荷を掛けることを許してくれまして、雪を踏み固めながらクルマを前進させていきます。って、X-MODEでの話ね、かつて、フォレスターにX-MODEが採用された際には、オフロードコースでの少しの段差を乗り越えられず、うーむを感じましたが、最新のX-MODEはそのあたりが大きく改善されていました。   ま、それらレベルを引き上げていたのが、e-BOXER。そういったシーンでのアクセルコ

#1599 課題もあるけど、いいんじゃないでしょうか、トヨタ・C-HR。

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 さて、トヨタC-HRの話。昨年のSUV販売台数トップを飾ったなんて話もありましたが、個人的には、実用性重要視される現在の日本のマーケットにおいて、このC-HRトップという事実は、一時的なブームだと捉えています。いや、売れちゃいけないクルマと言っているわけではないんですよ、ないんですが、流行から購入している人が多いといった印象を受けておりまして、それゆえに、待っていましたとばかりに飛びついた方々、または流行がひと段落すると、販売台数は落ち着いていくと思われます。プリウスから流れてきた層、あの手のデザインを待ち焦がれていた人にとっては、飛びつきたくなる魅力がありますが、今後のプリウスはフェイスリフトを含めた、大改良がありますし、このクラスのSUVとて、フォレスターが出てきますから。  ま、そんなC-HRですが、取材で1日乗ってきました。ただ、例のトヨタレンタリースの仕事でしたので、レンタカーで。というわけで、HV、だけど、タイヤは17インチ。走行距離6万km近い個体のテストドライブとなりました。ちなみにですね、C-HRの売れ筋は18インチですが、この17インチ仕様がなかなかいい。行き過ぎていなくて、いい。このプラットフォームで抑え込めるギリギリかなっといった印象で、タイヤをドタバタさせないところも好印象。ワインディングでも緩さがいい方向へと働いていて、愉しさがとても強いといった印象があります。さて、200kmとちょい走ってきましたが、まずもって、燃費が25.7km/L。取材であちこちうろつきながら、標高約600mの山に登ったり、ワインディングを駆け抜けての結果ですから、予想以上でした。って、何が予想以上かって、EV走行可能な速度域が大きく広がっていることでしょうか。上限まではしっかりと確認できませんでしたが、法定速度内ならば、つまり100km/h近くまで、状況によってEV表示となりました。というわけで、高速を苦手としているモーター走行ですが、まぁ、国内であれば、燃費を伸ばすにかなり有効な手段となっているようです。あ、燃費には関係ありませんが、C-HRの瞬間燃費計、EV走行中は表示上限の40km/hとなります。ハイブリッドモデルのほうは、これ、EV走行中といった表示に変えたほうがいいんでないか、そのほうが、燃費を強く意識するんじゃないか、そんなことを感じましたが。

#1581 想い出のたくさんある奥志賀まで、雪を求めて出掛けてきた話。

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 ここ、放置しすぎました。いや、携帯キャリアを代えたのを機に自宅のインターネット回線もソフトバンク光に変更するので、いいきっかけとばかりに、サーバーを借りてここを作り直そうと思って更新を止め……、って、思っただけで終わってしまいました。結局、Googleのままです。あ、過去のサイトは置き場(So-net)が消え去ったので、アクセスしても404が出ていると思われます。さて、そんな2月でしたが、なんだかんだで雪を求めて出掛ける機会が幾度かありました。ひとつめが、スバルアウトバックにて奥志賀を訪れたこと。スタッドレスタイヤ+アウトバックのインプレッション企画だったのですが、取材日は、丁度、まさに雪の合間でして、路面から雪が消えてしまうギリギリといった感じでした。翌日はドカユキになったようですが。それにしても、旧世代のスタッドレスタイヤを評価している者にとって、最新中の最新ではないとはいえ、ブリヂストンのDM-Z2は良かった。というか、やっぱりですね、最新のスタッドレスはいいです。止まりますし、流れません。過信しすぎなければ、って前提は付きますけども。アウトバックはですね、熟成によって随分と良くなったとはいえ、やっぱり世代の古さを感じさせるところがありまして、はたして、今、買いなのだろうか、このモデル、と思うところ、あちこちに。なんていうんでしょうかね、これだという、魅力に乏しいといいましょうかね。ま、価格もあるんでしょうけども。  で、そんなアウトバックで訪れた奥志賀でしたが、奥志賀というと、この世代の者が必ず口にするのが、奥志賀スーパー林道でしょうな。全長70kmオーバーの有料スーパー林道で、すべてを走り切ることに憧れを覚えていました。だいたい、上信越道もまだ走っていませんでしたから、アクセスったって、長野道の豊科ICから下道で長野経由で入るか、関越道の塩沢石打ICから、つまり新潟側から入るかしかありませんでしたから。って、あれ、今、豊科ICって、名称を変えて、安曇野ICになったんですね、いやはや、なんか、寂しいぞ。で、ようやくの思いでたどり着いて奥志賀林道へ入ってみると、すべての区間を走ると3000円近くだったかかかる費用に唖然としつつ、あまりに整備され過ぎたフラットたる林道に感激。まぁ、今、思うとですね、なぜあそこまで憧れたのだろうかと、不思議に思うところもあり

#1550 熟成によって大きく進化していた、スバル・レヴォーグとSTIシリーズ。

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 納品したままに、こちらに記していない試乗記がいくつかありました。納品して、ほっとしてしまったとでもいいましょうか、特段、こちらに書くことがないほどに書ききったがゆえのこと、とも言えますが。ま、思い出しながら、書いてみましょうかね。まずは、最近、大改良が行われたスバルのモデルについて。現在のスバルのラインナップは、インプレッサから新プラットフォームであるSGP(スバルグローバルプラットフォーム)が採用されており、つまりですね、旧世代と新世代が混ざっています。旧世代は、もう1サイクル使われる予定でしたから、異例ともいえる改良となったわけですが、わけですが、そうするには、時代に着いていく、時代の先を行かねばならぬ、そんな英断があったから。それは、乗り味だけではなく、先進安全技術における対応も含めてのこと。ですが、だからといってそれをお客さんに対しての言い訳として使ってはならぬ、そんなスタンスもあって、ま、各モデルのライフサイクルもあっての、今回のレヴォーグ、WRXシリーズの大改良となりました。そう、大改良。つまり、まだまだ旧プラットフォームベースのままに販売が続けられることが宣言された、とも受け取れるわけですな。  さて、ここではキーとなった乗り味、それを実現するための熟成について書いてみましょうかね。なんといっても、まずはレヴォーグから。過去にも書いていますが、運動性能と快適性をハイバランスさせること、そこにこのクルマの命題があったわけですが、昨今のモデルと比較すると、どっち付かず感がありました。快適性を重視したというわりにフラット感を見失うシーンはあるし、ハンドリングを語るわりに操舵感に曖昧さがあって、接地感にも曖昧さ、というか表情がない。エンジンも、トルクはあるようなんだけど、トルク感が薄いとか、そんなあれこれ。悪くはないんだけど、特化するまでに至らない、あれこれ。ま、これもバランスを取った最善の回答だったとも言えるんですが、評価し辛い。とはいえ、国産車を見渡すと、そこに届いているモデルも少なく、評価はできる、と。  なんてことは、スバルも承知でして、そこを今回改良してきました。これも語ってきましたが、サスペンションのストロークをですね、量、質ともに確保し、剛性感を高めました。結果、シャシーはしなやかさを大きく高めており、コーナーでの姿勢の作りやすさな

#1522 ひたすらに生真面目だった、スバル・インプレッサG4。

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 さて、スバルのインプレッサ。そう、先日、新型XVに試乗して、あまりに調えられたそのバランスに感心したもので、果たして、ベースモデルであるインプレッサはいかがなものだったかを再チェックすることに。スポーツ(ハッチバック)でも、G4でもどちらでもいいとリクエストしたら、2.0LのG4に乗ることになりました。  それにしても、このG4、正統派といった印象が強く、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する理由も良くわかります。実に良くできている。ハンドリングも操舵(アシスト)力も的確だし、オンセンターからの移行も実に繋がりがいい。タイヤのグリップは少々高いかなと思うところもありつつ、まぁ、これもひとつの解と捉えられる、と。ロールは剛性感、スピードともに素直。サスペンションが自在に動いている感があって、これまたいい。ストローク感があるものの、実際のストローク範囲は狭められたといった感があり、つまりですね、大きな入力に対してはトタンが顔を出す。ドタンではなく、ト・タン。ただ、205/50R16サイズのタイヤを装備していたことを考えると、上出来。入力を支えるボディも剛性感に富んでいますし、ドライバーに違和感として伝えてこない。ただ、リバウンドストロークで乗り心地を作っているところ(当たり前)に、もう少し減衰を与えて、質感を出せたらいいのになぁと思うところがあったのも事実。って、そこまで作り上げると、Dセグレベルに届いてしますが。  つまりですね、走り込んでいくうちに、かなりスポーティな躾けを見つけましてね。って、いや、それは意図的なスポーティな仕立てではなく、素によるスポーティさ。実のところそれほどに期待していなかった2.0LNAエンジンも、レギュラー仕様ながら、ずいぶんとトルクとパワーを手に入れていまして、それをフラットに仕立てているところが好印象。特に2000回転あたりからのトルク感はすこぶる高く、かつてのEJ20型NA(レギュラー仕様)からは想像できぬほど。  言い換えますとね、燃費悪化はこのあたりにありますので……、って、やはり従来どおり、1500回転以下、無理でしたら2000回転を超えぬところでのアクセルワークが、実燃費向上には大きく貢献します。そう考えると、ACC使用時にコンフォートをセレクトしても、先行車の動き次第とはいえ発進時に2000回転を上回ってそこから落と

#1514 もう少し、スバル・XVについて、語っておきましょうか、ね。

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 まとまりの良さといいましょうかね、バランスがいい、整えられ過ぎている感がとっても強く残りましてね。って、それは、発表会で感じた、計算され尽くした感すらあるものでした。つまり、演出から、走行性能から、そして、デザインに至るまで。  ま、結論としては、上手く仕立てましたね、という #1511 で書いたことに流れていくわけですが、実のところ、試乗会で開発陣と話をして、それがクリアになっていったという流れもありました。そう、実は。ひとつは、X-MODEの話で、これはまた後日に語ることにして、もうひとつは、デザインについて。かつて、クラブレガシィの取材で幾度かお話をさせていただいた方がいらしていたのですが、あの頃のレガシィを懐かしむのではなく、先代XVから新型XVへのステップアップといいましょうか、比較について、あれこれと話をしました。  すでに語りましたが、新型XVは、スバルの中でかなりウェイトを占める商品として、インプレッサの開発と同時に横でスタートしています。ちなみに、先代XVは、インプレッサがあって、それに足すという手法で、作り上げられていますから、そこに大きな違いがあります。で、素人目で眺めた時に、それがデザインの違いとなって何かを訴えてきておりまして、そこに違和感というか、なんだかわからない感を覚えたもので、少々深く聞いてみたというわけです。感じたのは、先代は良くも悪くも後付け感があって、それが愉しさを生んでいたものの、新型はあまりに整い過ぎており、クラッティングパネルにしても馴染み過ぎている、と感じまして。あまりに整い過ぎた出で立ちに対して、ハンサムになったという表現を使われていましたが、まさにそのとおり。では、先代が不細工かといえば、そんなことはなく、あれはあれでバランスが取れていました。後付け感による下品さを全くといっていいほどに感じさせない、そんなセンスに長けていました。だから、デザインが高く評価され、そこから入って、オーナーになる人も多かったんだと思います。  で、新型。先代を超えなければ、でも、先代のテイストは残さなきゃという、期待に応えなきゃとばかりに、頑張り過ぎたんだと思います。デザイナーが愉しんで線を引いていないとは言いませんが、弾けていない感がもう少し欲しかったと思うところがあります、個人的に。たとえば、それがいちばん分かりやすいなと感