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#1768 ルノー・ルーテシアのほうがいいと思っていたのに、アルカナのほうがいいと、評価が変わってしまった、話。

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   以前にも紹介したルノーのアルカナ、ルーテシア(いずれもE-tech)に同時に乗れる機会を得ましたので、その時に強く感じたことをあれやこれやと。ちなみに、両モデルについては、以前に、 #1719ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。 と、 #1730アルカナと印象がずいぶん違っていた、ルノー・ルーテシア E-TECHハイブリッド。 にまとめてありますが、今回テストドライブしたのは、いずれもちょっと刺激的なデザインを採用したエンジニアード。その内容は、走行性能に大きな影響を与える改良もパーツも採用されていませんでしたが、プレゼンでは、アルカナには、ディーラーオプション扱いとなるボディダンパーが発表されていました。  ちなみに、ルーテシア、キャプチャー、アルカナ(いずれもE-tech)の3モデルでは、ルーテシアのバランスがいちばん好みであり、そのことは #1734ルノーのE-TECHですけどね、ルーテシアとの組み合わせが好みでした、という話。 に、まとめとして残してあります。ですから、今回の試乗会では、2モデルの比較とともに、ルーテシアのベストバランスはどこにあるのかを少し探ろうという思いもありました。ところがですね、結論を先に言ってしまうとですね、アルカナ+ボディダンパーのバランスに超感激。このボディダンパーは、YAMAHAが開発して、それをVWやアウディのチューニングメーカーとしてお馴染みのCOXが整えて、ルノーディーラーでのオプションパーツとして提供されているもの。そもそも、その実力は他モデルで体験済みではありましたが、ここまで、分かりやすいほどに性能を、いや、違うな、もっと言えばバランスを引き上げていて、ちょっとびっくりしました。  まず、感じたのはフラットライドなフィーリング。細かなピッチングを感じるはずなのに、ない、ない、ない、見当たらない。そもそも、ボディダンパーは、ボディ縦かつ前後方向(ピッチング)にそれほど影響を与えない、と思っていましたから、自分が感じていた、アルカナのファーストインプレッションに対して、疑いを抱きました。さらにですね、高速走行で、あまりに直進性が良くてですね、明らかに手が入っていることを感じさせまして、んで、そのままに東京湾アクアラインへ入って千葉へ向かうと、海上に出た橋にて、

#1764 ゴルフの真価を確かめるべく、Rもテストドライブしてきました、という話。

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 いつの世代のゴルフもそうなんですが、オーバークオリティであることが、その真価のひとつにあります。それゆえに、ハイパフォーマンスグレードはもちろんなのですが、ボトムグレードの印象がいちばん良かったりもします。さて、今回のゴルフ8はどうかといえば、ボトムグレードの印象はあまり強くなく、そう、悪いわけではないのですが、「 #1763 VW・ゴルフ8(TDI)があまりに良すぎたので、ガソリンターボの1.0Lと1.5Lも乗って、再確認してみました、という、話。 」で記したように、ゴルフ6以前のモデルのような、いいじゃんには届いておらず。それならば、上のグレードはどうなっているんだろうか、と、ほぼ700万円するゴルフRをテストドライブしてみることにしました。そうなんです、ゴルフを3グレード連続で、テストドライブしました。  さて、ゴルフRですが、そのハイパフォーマンスぶりはターゲットをサーキットに絞りつつ、日常での快適性と、ハイスピードでの操縦性と安定性のハイバランスぶりを作り上げています。つまりですね、サーキットスペックを引き出すのは、公道では無理、無理、無理。ドライブモードも、コンフォート、スポーツ、そして、サーキットが設定されていますが、サーキットをセレクトすることはなく、というか、セレクトして、アクセル踏み込んでも、それこそ、その真価を試すことなどできず。ボーよりもドーと表現したくなるドライバーにまで響き渡る排気音と、締め上げられていることを意識させられる、でも、ちょっと快適へと逃げを許したサスペンションとに、そのポテンシャルを読み取れる程度。  まぁ、このままではいわゆるサーキットスペックとしては不足があるのは明らかですが、サーキットで緩く愉しむ分には十二分。見方を変えると、タイムアタック的なかつてのサーキットスペックではなく、いわゆるハイパフォーマンスを愉しめる仕立てと捉えるのが、いいのだろうか、そんなことも感じました。そんな、このゴルフRでも、気になったことがひとつありました。それが室内からのビビリ音が聞こえてくること。そもそも、このRは、ゴルフ8のラインナップとして企画は当初から存在していたはずですから、専用装備を施すことで、プレミアムCセグメントのクオリティを保てていなければなりません。でも、それができていない。かつて、実家のゴルフ5のインパネを外した時に留

#1763 VW・ゴルフ8(TDI)があまりに良すぎたので、ガソリンターボの1.0Lと1.5Lも乗って、再確認してみました、という、話。

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 先日、フォルクスワーゲン・ゴルフ8 TDIのテストドライブをした際に、あれ、ゴルフ8って、こんなに良かったっけか? という思いをもって、「 #1761 フォルクスワーゲン・ゴルフは、いつの世代もゴルフしていて、いいなぁ、ってなゴルフ8(ディーゼル)の話 」にまとめました。ただですね、振り返ってみますと「 #1708やっぱり、ゴルフしていた、新型ゴルフ。大絶賛ではなかったりもする、ゴルフ8 」で記した際の一昨年暮れのテストドライブでは、自らが期待したゴルフ像と少々離れているところがあり、それほどまでの高評価をしていませんでした。そして、あの時の評価と、先日の評価に、ここまで違いが生まれてしまったのはなぜだろうかとふと思い、あらためて、テストドライブして確認することにしました。  今回、テストドライブしたのは、1.0Lターボエンジンを搭載したeTSI ACTIVEと、1.5Lターボエンジンを組み合わせたeTSI STYLEです。エンジン排気量がグレード名に入らないのでややこしいのですが、結論を先に述べてしまいますとね、過去に借りたゴルフeTSI ACTIVEは1.0Lユニットとリアサスペンションにトーションビームを採用しており(写真左)、これがあの時には、思ったほど良くないと、感じさせてしまったように思います。え? そもそもゴルフのリアサスペンションって2種類あるの? と問われそうですが、あるんです。ゴルフ5から採用されたリアマルチリンクに対して、ゴルフ7で軽量化とコストダウンとを狙ってボトムグレード専用としてトーションビーム式も追加。ただですね、その軽量化、コストダウンという狙いは、間違っていないと思います。軽量だからつくれる乗り味、というものがありますから。  もちろん、ゴルフ8ではすべてが大きく進化していますので、eTSI ACTIVEとて、チープさは見当たらないですし、写真左の3気筒1.0Lエンジン出力とのバランス、そして、軽快さ、さらにはプライスダウンにも寄与していることまで考慮すると、バランスはすこぶる高いと感じました。ただ、一昨年末に書いたようにゴルフ「らしさ」が見当たらない。なにがそうさせるのかを探るには、やはり、ワインディングを走らせるのがいちばんなのですが、何か不満があるか、といえば、ない。ロールスピードも量もしっかりとコントロールされているし、セ

#1761 フォルクスワーゲン・ゴルフは、いつの世代もゴルフしていて、いいなぁ、ってなゴルフ8(ディーゼル)の話。

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 さて、続いては、ずっと気になっていました、ゴルフ8のディーゼルモデル。ちなみに、この直前にテストドライブしたポロ・GTI( #1760らしさを残したままに正常進化を果たしていた、フォルクスワーゲン・ポロGTI。でもね、ってな話 )と、このゴルフディーゼル(TDI Style)の価格は、前者が411.3万円、後者が421.8万円と、約10万円差に過ぎません。ですので、選ぶなら、どちらにするか、という視点でもチェックをしました。ま、その結論としては、善し悪しではなく、自分好みかどうかで選ぶと、ゴルフディーゼルとなりましょうかね。その理由は、先に書いたようにポロGTIに演出されたやんちゃなハイパフォーマンステイストよりも、ゴルフディーゼルにて仕立てられていたバランスのよさのほうが「好み」だったからに過ぎません。まずもってクラスが異なるわけですから、乗り味に違いがあるのは当たり前。ただ、素材そのものだけではなく、その仕立ての違いに惹きつけられた、とでもいえば、お分かりいただけますでしょうかね。  とにかくですね、ゴルフは、発進から、加速から、ワインディングまで、言い訳が見当たらないといった感にあふれていました。絶対的な性能に優れているのではなく、優等生的な面を作り上げているという意味合いであり、これぞ、ゴルフらしさといわんばかりの仕立てとなっています。ディーゼルユニットからの燃焼音はキャビン内へと侵入してきます。それは静か、とは言えないレベルであり、もう少し厳しいことを言えば、耳障りな音域を消し切れていません。いませんが、消し去ることはもはや無理と捉えるべきですし、そもそもかつてのガラガラサウンドではありませんから、すこぶる抑え込まれているな、と評価できます。何よりも、気になったとしてもそれは日常域だけであり、高速域では耳に届きませんし、ワインディングでは、聞こえているはずなのに、愉しさにかき消されているもので。もちろん、ディーゼルですから走り出しからトルクにあふれていますが、2.0Lという排気量もあって低回転域から必要にして十二分のトルクがあり、加速性能と扱いやすさについての不満はまったくもってありません。そんなフィーリングですから、一旦加速を始めると、そのままに法定速度を突破しそうなところまで簡単に引っ張っていってしまいます。そして、さらに驚くのは、そのフィーリングが

#1760 らしさを残したままに正常進化を果たしていた、フォルクスワーゲン・ポロGTI。でもね、ってな話。

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 個人的に欧州のコンパクトハッチはすごく好きなジャンルです。かつてはそこにカッ飛び系というキーワードを求めていましたが、最近ではスピードというスリルに興味を抱かなくなり、言い換えますと、緊張感を強いるような速度域はもう不要と思うようになりました。歳を重ねてしまったためでしょうか。いや、速度域にこだわらなくなったのは、昨今のことではなく、とある欧州のハッチバックモデルに出会ってからなので、かれこれ20年前のことになるでしょうかね。歳じゃないですな。では、なにを重要視しているのかといえば、対話性、クルマとの対話性。もう少し条件をつけると、高速域になってようやく顔を出す対話性ではなく、日常域からしっかりと愉しめる対話性。そういったモデルは速度域が高くなると緊張感を伴うこともありますけども、それもまた対話性のひとつでして、ここから先、速度を上げないほうがいいぞ、というアラートとなっていますので、いつまで経っても対話が見えてこないクルマとは、大きな違いがあります。つまり、それもまた、クルマとの距離を縮めてくれるものだったりしますな。  で、昨今の欧州のコンパクトハッチはどうなっているか。いわゆるCセグメントモデルでは、もはやコンパクトではないサイズへと拡大された上に、そこにプレミアムという言葉がくっついてしまっておりまして、クルマとしての仕上がりはよくても、所有したいという欲に駆られないモデルが多くなったと感じています。ま、当たり前な進化とも言えるのですけどね。そんなこともあって、今、注目しているのはBセグメントになるんですが、こちらも昨今はプレミアムテイストを取り入れており、自分の好みよりも、行き過ぎを感じるモデルを多々見かけます。と、文句ばっかり言っていてもはじまらないので、フォルクスワーゲン・ポロのGTIをテストドライブして、最新のBセグメントハイパフォーマンスモデルを試してみることにしました。ちなみに、先代モデルは、どう捉えていたのだろうかとここを探ってみたら、ありました、ありました( #1159ウィークポイントを改良し、らしさを強めた、でもね……、VWポロGTI )。なるほどね、その評価と感想は、先代モデルと基本的に変わっていませんでした。  簡単にいいますとね、クルマはいいんです、すばらしいのです。2.0Lターボユニットは、低回転域から発進加速に十二分のトルクを提

#1756 改良と仕立てでかなり良くなっていた、フォルクスワーゲン・T-Roc R。

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 ファーストインプレッションがあまり良くなかったモデルがありました。20年夏に導入された、フォルクスワーゲン・T-Rocです。当初はディーゼルユニットだけだったこと、組み合わされていたタイヤサイズがVWらしいシャシーフィールを乱していたこと、そこに演出しすぎたスポーティ感があって、うーむ、を感じてしまっていました。そのため、その年末(翌年だったか?)のドライバー誌の輸入車選び企画では、高得点を付けられなかったことを覚えています。そのT-Rocがですね、昨年マイナーチェンジを行いまして、併せて、ハイパフォーマンスモデルである「R」を導入したというので、さて、どう変わったかをテストドライブしてみることにしました。というわけで、ここでは最新モデルの「R」だけのインプレッションとなります。  結論からいいますとね、あー、コンパクトクロスオーバーモデルとして、Rとして、こういう走りを目指していたのか、が、ダイレクトに表現されていました。もちろん、Rですから、路面が整えられていないシーンでは、意図的に規制されたサスストロークと、ハイトの少ないタイヤサイズから、キャビンへとゴトゴトといった音、振動が伝わってきまして、スポーティたる素質を感じさせてくれます。ただですね、これがですね、いやー、普段遣いで不満をそれほどに感じないレベルに抑えられていまして、ゴトゴトったって、カドの取れたゴトゴトで、ゴとコの間レベルであり、そこにまずもって感心を覚えました。もちろん、この手のモデルとしては……、という前提ありきの話ですので、人によっては、固さと捉える人もいるやもしれませんが。で、で、どんなタイヤをはいているのかとチェックしてみると、そのサイズは235/40R19。このシャシーに、これだけ大きなホイールを採用していることを考えると、よくあれだけの乗り心地を確保しているなと、感心しきり。で、タイヤ銘柄を見てみれば、なんと、ハンコックのventus S1 evo2。愛車、フォード・フィエスタの標準タイヤが、ventus S1 evoでしたので、剛性感を丁寧に作り込んだ上に、快適性を表現したあのフィールに懐かしさを感じました。あ、今はもうはいていないもので……。  エンジンは2.0Lガソリンターボでハイパフォーマンス仕立てがされており、その最高出力も300PS/5300-6500rpm、最大トルク

#1730 アルカナと印象がずいぶん違っていた、ルノー・ルーテシア E-TECHハイブリッド。

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 気がついたら1か月が空いていました。ここに残しておきたいネタはたくさんあったのですが、あれやこれやとエンバーゴが掛かっていて、そこに多忙が重なり、タイミングを見失っていまして。ということで、まずは……と思って、写真ライブラリを探ってみると、おっと、ここからですか……、ルノー・ルーテシアに設定されたE-TECHハイブリッド搭載モデルから。 同ユニットは、ひと足先とばかりにアルカナに搭載され、そのインプレッションは #1719ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。  にて、残していますが、あのですね、えっとですね、印象が違った。あちらはどちらかというと、あれこれと初だったこともあって、特別であることを演出しすぎたかのような違和感を覚えましたが、こちら、ルーテシアは違った。すべてが素直、といった印象で、つまり絶賛系。同じユニットなんですが、商品性やらバランスの取り方によって、こうも印象が異なるものかと、驚いていたりします。ま、言い換えると、ルノーらしさでもあり、海外ブランドの場合、こうした仕様違いで、好みかどうかは大きく変わって来るものだったりもしますけど。  で、ルーテシア。そもそものガソリンエンジン搭載モデルに対して、その実直たる設計に打ちのめされ、そしてオーバークオリティ加減に、ここまでは不要だろう? いや、でも、この走りは、ボディ、シャシー、シート、デザインまで、ひとつでも欠けたら成立しないよな、と感じさせるものでした。つまりですね、ベースポテンシャルはすこぶる高く、Cセグにプレミアムを感じさせるモデルという手法は、もはやBセグまで降りてきたといった感がありました。そんな高いポテンシャルがルーテシアにありますから、新しいユニットを搭載したところで、悪いわけはなかった。たとえば、ステアリングフィール。そこには行き過ぎたクイック感などなく、素直な印象でして、具体的にいいますと、ステアリング切り始めから操舵感がしっかりとあり、もちろん、タイミング遅れはありますけどそれを消し去ろうとしたというよりも、全体のバランスから、このぐらい残しておこうか、という開発者の対話が見えるかのよう。コーナリング時のアクセル踏み増しに対しても実にリニア。パワーフィールそのものも、ステアリング操舵量やペダル踏み込み量に応じた、そうな

#1722 現行型MINIの中で、ベストバランスじゃないか? を感じた、MINI COOPER S CLUBMAN ALL4。

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 乗り込んでいたつもりが、乗り込んでいなかったモデルを乗り込んでいます。そう、公道試乗会という短時間では分からないポテンシャルを観察する(したい)と思う車種を選んで、テストドライブしています。そんな1台が、このMINI COOPER S CLUBMAN ALL4。ってか、このMINIの車名表記、グレード名が先に来るので、ぱっと見、分かり辛さがありまして……、云々。というわけで、でっかいほうのMINIの、クーパーSですな。ちなみに、MINIにはでっかいのと、ちっさいのと、2ラインあると語っても、良くも悪くも理解されません。でっかいの=5ドアと思われてしまう節がありますし、セグメント分けって感覚が広く一般にはないこともあって。ま、現行型CLUBMANは、いわゆるプレミアムCセグメントに属するモデルで、ほかブランドのモデルでいえば、フォルクスワーゲンのゴルフにあたります(小さいほうはVWでいえばポロね)。  さて、クーパーSといいますか、昨今の高出力かつスポーティサスペンションを組み合わせたグレードとして、BMWでは2シリーズグランクーペM235iにて、相当な感激を受けましたが、今回も同様でした。アダプティブサスペンションがプラスされていることもありますけどね、組み合わされている18インチは、標準の17インチよりも行き過ぎなはずなんですが、それを感じさせないどころか、路面トレースが実に美しい。アンジュレーションを心地よくなぞり、もう、4輪がばらばらに動く様が気持ちいい。もちろん、工事後の継ぎはぎ路面では、落ち着きのなさを感じさせるところもありますが、気にならない。深くストロークした際のリバウンドフィールには、確実に突き上げ感から逃げようとした仕立てが意図的に込められていることを感じさせますが、よくやってるじゃんと評価したくなるほど。なんていうんでしょうかね、クーパーSたる走りを確立しながら、日常使いに言い訳をしない、このスタンス、もう天晴れです。    といいつつ、助手席Aピラー付近からビビリ音が出ているあたりに現行型デビューからの年月(登録年月日じゃなくってね)を感じさせたりしますが、いや、いいでしょ、このバランスと、すべてのマイナス面が吹き飛びます。そして、この仕立て。この車両にはMINI YOURS TRIMというパッケージが採用されており、スポーツシートはもちろん

#1719 ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。

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 年明けにルノーからデビューしたアルカナの広報試乗会に出掛けてきたので、その時に感じたあれこれを書き連ねましょうかね。端的にいいますと、個人的な好みをベースとしたルノーへの期待感と、この世の中において「売れる」商品という評価との、乖離を強烈に感じましてこれを称して「複雑な気持ち」ともまとめたりもしましたが。  商品としては、フォルム、サイズ感、価格、装備含めたお買い得度、輸入車としては珍しいフルハイブリッドユニット搭載など、ユニークポイントの多いモデルです。まず、写真を見て、それが伝わってくるもので、なんといってもルノー流の端麗なテイストは、クーペでももちろん存在。というか、クーペ的な作り込みが上手いですな、ルノーは。ちなみに、クーペフォルムが美しいなぁと感じているのは、あと、マツダもです、はい。このSUVをクーペに仕立てるテイストは、各ブランドから目新しさとしてあれやこれやと登場していますが、スクエアなクロカンに機能性たるバランスを感じている者としては、この手法に対して亜流を感じていますし、ブランドによっては破綻を感じさせるモデルもあるとまで、評しています。とはいっても、そのパッケージングは4ドアとしつつ、リアゲートのヒンジをかなり前に位置させて、大きく開閉させていますので、ま、雰囲気としては、いわゆる欧州車で流行った5ドアハッチバックスタイルあり、リアシートの居住性を確保しつつ、ラゲッジルームでは奥行きがある! と思わせる演出も相まって、不足を感じさせなかったりもするのですが。  とは言うものの、アルカナのデザインは、テイストだけではなく、そういった機能性を作り込んだ造形となっており、そのバランスも実に美しい、と感じさせます。ま、そう考えると、400万円少しであのデザインが手に入ることに「リーズナブル」感をすら覚えますかね。で、個人的に感心したのはリアシートの作り込み。なんだかんだいってもクーペスタイルゆえに、スポイルされているのでは? と思っていたのですが、さすがはルノーと感心させられた作り込み。ま、欧州モデルの妙でもあるんですが、すっと腰が落ち着き、自然なポジションを取ることができる心地よさが作り込まれており、フロントではなく意外にもリアに座りたくなる魅力を感じたほど。と、なるとですね、すべてガラスといわんばかりの大型グラスルーフが欲しくなりますが、と調べて

#1709 すべてにうっとり。ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT。前編

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 クルマの評価をする際、対話性があるかないか、を重視しています。つまりは、愉しさがあるか、ないか。それはサーキットやオフロードコースといった閉じられたシーンだけではなく、それこそ発進直後の低速域から、高速走行、さらにはワインディングまで、すべてのシーンで感じられるか、そこに焦点を当てています。速いから凄いではない、愉しさですな。で、それにぴたりとハマったモデルを振り返ってみますとね、いすゞ・2世代目ビッグホーン、フォルクスワーゲン・パサートの5.5世代目、同・ゴルフ5、ジープ・グランドチェロキー、フォード・フォーカスST、同・フォーカスC-MAX、ルノー・トゥインゴ(現行型)、スズキ・ジムニーシエラ(現行型)など、新旧は関係なく、また、ジャンルも関係なくといった感があります。パワーユニットのフィールももちろん大切ですが、どこを重視かといわれたらシャシーになるのか、な。たとえば、理想を設計に落とし込めているシャシーって、走行シーンに限らず、好印象が存在します。それを理解できたのは、BMW・初代X5のMスポーツ仕立てに乗り、ダートを走った際。そうなんですね、いいサスペンションってのは、って、この場合はオンロード仕立てなんだけど、ラフロード(オフロードではない)であっても、つまりシーンが変わったとしても接地感が大きく失われることなく、そのドライビングは実に愉しいものだったりします。  さて、前置きが長くなりましたが、その愉しさがとんでもなく表現されているクルマが、今年発売されていました。そう、過去形、限定車。それが、このルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT(以下、カングーディーゼル)で、発売は7月でしたが、用意された400台は即完売した、あのモデル。って、ほとんどの方が試乗せずに契約したんでしょうかね、でも、それ、正解だったと思います。そもそも、現行型カングーに対しては、センスあるデザイン、ゆったりとした乗り味とクッション性に富んだシートに代表される、いわゆるルノーの美点が詰まったモデルであり、ここから先の電動化・自動化を考えると、ルノーらしさがあふれている最後のモデルなんて揶揄もされていました。あ、自分にとっては高評価なモデルです。ちゃんとMTも設定していましたしね。  そんなカングーの最終モデルに、なんとディーゼルユニットを投入。ま、ほかのフランスブランド

#1708 やっぱり、ゴルフしていた、新型ゴルフ。大絶賛ではなかったりもする、ゴルフ8。

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 ようやく試乗の機会を得ました、フォルクスワーゲンのゴルフの8世代目モデル。実家でゴルフ5を所有していましたし、自分にとってのベンチマークとしていましたので、まさに、ようやくといった感がありました。ただ、聞こえてくる評価はさまざま。もちろん、あまり見聞きしないようにしていますが、らしくないという声が存在していたことがちょっと気になっていました。  で、結論から行きますとね、期待のラインにはなかった、ってところでしょうか。よく言われるのが、6→7(世代目)ほどのステップアップ感がない、つまり、期待していた驚かしがなかった、と、それに尽きるのかな。コンフォートに寄り過ぎたという意見は、ちょっと違うかなと捉えています。そもそも、ベーシックモデルはコンフォートテイストが強くありましたし、7ではそれをより強く表現していましたから。ただですね、言い換えると、その辺りを払拭してモータードライブモデルへの対応を見据えた設計だったのかな、と、捉えると、ま、これもありなのかな、と思えるところがあります。  なぜなら、速度域を上げて行くと、ターゲットとした性能がここぞとばかりに顔を出すから。シャシーの動きに渋さはないのだけど、日常(速度)域で許されるストロークが少ないがゆえに伝えてくる硬さ(とまではいえないレベル)が存在するものの、高速域ではそれがきれいに消え去り、きめ細やかに連続するトレース性がここぞとばかりに出てくる。それは、ただ快適性が高いというレベルではなく、完全モータードライブで感じさせたいあの緻密なフィーリング。そう、意図的に仕立てられたフィーリング。でも、それって、従来のゴルフにも少なからず存在していたもので、8世代目リリースにあたって、強く顔を出してきたところ、といった感じ。 高速道路走らずの燃費。  そんな観点から探っていくと、高速走行はもちろんですが、ワインディングにおいてですね、そのハンドリングはシャシーに見合ったものに設えてあり、スポーツ仕様ではないのに超・スポーティというゴルフライクがあります。そう、ワインディングがとんでもなく愉しいという、あのゴルフテイスト。さらに、ガソリンユニットは排気量1Lとはいえ3気筒とは思えない、言い換えると、存在を感じさせないところ(振動や音が伝わってこない)、そして、モーターアシストもあってのトルク感とシームレス感に圧倒されま

#1689 しなやかさを得た、フォルクスワーゲン・ティグアンの改良モデルの話。

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 つづいて、フォルクスワーゲンのティグアンです。2世代目のマイナーチェンジが行われ、1.5Lガソリンターボエンジンを搭載したというので、ワクワクに似た期待をもっての試乗となりました。ちなみに、ティグアンに対してはとても好意的に捉えていました。なかなかいいパッケージング、そして、サイズ感、さらには価格に対してですな。あ、もちろん、ハンドリングを含めた乗り味についても。しかし、MQBプラットフォームを採用した最新型に対しては、ゴルフ7に感じたしなやかさに乏しいこともあって、自分が妄想していたティグアン像とにズレを感じ、なんだかなぁを覚えていました。ただ、まぁ、フォルクスワーゲンですから。改良の度に、アナウンスも特にしないままにシャシーを改良してきますからして、今回の大改良に大きな期待を抱いていたわけです。  で、ファーストインプレッションですが、なんじゃ、このしなやかさは、と、驚きを超えた、感激。あ、試乗したのは、エレガンスというグレードで、18インチタイヤを組み合わせています。19インチ採用の1Stエディションも選べましたが、……中略……、意図的にこの18インチを選びました。で、駆り出して、そのまま首都高へ入って行ったこともあって、好印象ぶりはどんどんと上昇。路面からの刺激を受けて4輪がうねうねと動いている様が伝わってくる。そんなフィーリングに対してやればできるじゃんを感じ、フォルクスワーゲン流のまじめさを感じ取りました。ところがですね、路面に継ぎ接ぎのあるシーンへと移ると、つまり、下道に入ると、さきほどのしなやかさはわずかなストローク量に限ることが発覚。そして、そこを外すと、マンホールといった段差はもちろんですが、路面の継ぎ接ぎといった、突然の路面変化で、顕著に、硬さとして現れてきます。  こういうのが気になると、次々とあれこれと気になりすぎる。下道だからってこともあったんですが、アイドリングストップからの復帰で、トルク変動がありまして、アクセルワークにかなり気を遣う。具体的な表現をしますとね、発進時に滑らかな発進を期待してアクセルを踏み込むのですが、ターボ側、DSG側、それぞれの都合もあるのでしょう、タイムラグとも言える、前に進まない間が存在します。んー、踏み込み量が少ないかなと、アクセルペダルを踏む足に力を入れると、ターボの過給が強く入り、飛び出し感が出てしまう

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1681 八重洲出版月刊ドライバーで、今年の輸入車選びに参加した、話。

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散々に悩みましたけど、トップはルノー・ルーテシア。  今、発売中なのかな、八重洲出版のドライバー誌の企画、輸入車ドライバー大賞2020-2021に参加しましたって話を書いておきましょうかね。書き切れなかった想いがすごく残っているもので。あ、そうそう、えっとですね、ワタクシですね、何事においてもですね、点数付けすることでその評価を平易にしてしまうスタイルが好きではありません。それゆえに点数付けする執筆は基本引き受けないようにしているんですが、今回は、引き受けました。まぁ、わざわざ、ワタクシなんぞを、ご指名いただいたスタイルに、何かを感じたというところもありまして。 甲乙付け難かったリフター  ちなみに、点数付け評価においてですね、ま、そのものをしたくないだけではなく、絶対にしたくないことがありました。それがですね、どこかひとつに必ず最低点を入れなければならないこと。順位付けという評価は、まさに分かりやすいという意で表現としては有効ですが、それだけでは評価できない部分があるものです。ちなみに、RJCカー オブ ザ イヤーの最終選考会では、第1次選考会で選ばれた6台に対して、6、5、4、3、2、1と全てに点数をつけなければならず、1点を付けなきゃいけない車種(技術)がありました。しかしですね、RJCカー オブ ザ イヤーってのは一等賞を選ぶ顕彰であって、2位以下の順位付けに意味を与えていません(順位付けしていません)。ですから、トップ以外は6ベスト受賞となり、すべて同じ扱いとしています。 2シリーズグランクーペも良かった  で、ドライバーでは「1位に10点。残り30点をほか8台に分配(最低でも1点配点)」となっており、やはり、ボトムにも配点をしなければならず、うーむを覚えました。覚えましたが、トップ以外は、持ち点を自在に配分できることに自分なりの表現ができそうだし、ボトムを複数台選ぶことも可能だったので、、引き受けることにしました。 いちばん左の数字は便宜上ふられたもの  で、右がその採点表。採点してから気付いたんですが、いちばんなモデルに10点をつけると、残り(30点)をなんと8台に振り分けねばならず、採点をはじめてから、しまったーと思いました。ちなみに、残り8台に与えられた点数を平均するとですね、1台あたり3.75点となります。ところがですねー、いちばんとしたルノー