#1533 意外や意外、レベルが高かった、プジョー3008のオフロード性能。

 MINIクロスオーバーが、今年の輸入車でイチバンと発しましたが、ちょっと待ったとしておきます。いや、プジョー3008が思いのほかバランスが良かったもので。結論はロングドライブ後に……、というわけで、まずは試乗会で感じたプジョー3008の話を……、って、オフロード性能の面から詳細に語ります。実のところ、オンロードでしっかりと乗り込める時間がなかったもので。
 って、そもそもですね、#1439#1479にて、2008が意外にもオフロードを走ってしまうという話をしました。そう、FFなのに。そうなのです、4WDではないのに。2008の時とはコースが違いますし、最低地上高が175mmと、2008よりも10mmアップしていますが、それでも175mm。しかも2008よりもフロントオーバーハングは長くなり、車両重量は増えていますから、少なくとも2008よりは走るとは言えないだろうと予想していました。ところが……、って、実際にはフロントのアプローチアングルに厳しさがありましたが、エンジンが1.6Lターボとなりトルクがある分、パワー感での不足がなく、アングルさえクリアできれば、グリップを失うような路面であっても意外にも、まぁ、なんとかといった感も少し残しながら、クリアしました。
 そうなんですね、FFなのに。ちなみにタイヤはオールシーズン、で、グリップコントロールというモード切り替えによる手助けありでの話です。ただ、訊けば、グリップコントロールによって提供される5モードはたんにスリップの量を変えるだけではなく、たとえば、マッドモードなどでは、グリップを失うとあえてスリップさせて泥を吹き飛ばしつつ、路面μを探り、グリップさせて、またグリップを失うとスリップさせてと、そんなこんなを左右輪で行っており、簡潔な言葉でいいますと、細かな制御を行っているとのこと。ですので、砂利の上り坂でもグリップを失いながら、得ながらを繰り返して上っていってしまいますし、右の写真のような段差において、浮いたリアタイヤの対角線にあるフロントタイヤが浮き気味になってしまうようなシーンでも、前進していきます。リアタイヤは駆動していませんから、ただ引きずられているだけ。そう、回っていません(駆動は伝わっていません)。つまりですね、フロントの駆動力だけで、車両を引っぱり上げてしまう、段差を上ってしまう。そんな走っている姿を見ると、不思議、不可思議、そんな印象を受けます、いや、ほんとに。
 今回の試乗会が行われた早川町オートキャンプ場のオフロードコースは、そもそもクロスカントリー4WDが走るコースであり、その中で3008が走れるコースを設定したとのことでしたし、デモンストレーションランのコースは、アプローチアングルギリギリといった設定となっていましたし、さらには、試乗前には低速で走らねばならぬと諸注意(写真左)があるなど、3008のオフロード性能を披露するにギリギリを攻めた演出といった感はありました。しかし、それを差し引いても、天晴れといった感があります。FFですから。そう、いつしか、忘れてしまうんです、FFってことを。
 やっぱりですね、FFだから……という諦めの目は持ってはいけないことを感じました。といいますかね、ここまで試してみないといかんな、体感してみないといかんなとつくづく感じた次第。あ、いうまでもありませんけど、クロカン4WDのレベルには届いていません。トラクションコントロールを生かす前に、クリアランス、特にアプローチアングルが完全に不足しています。でもね、って話ですので。

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