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#1265 なんだかんだいいながらランドクルーザーは羨ましい、って話。

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 実は東京モーターショーの仕事でどったんばったんでした。まさに、どったんばったん。終わらないんじゃないか、本が出ないんじゃないかというどったんばったん。東京モーターショーの仕事はひと段落つきましたが、ここのところ毎日のように締め切りが連続していまして、もはや、疲労困憊。やっぱり締め切りが連続するのはやはり心労があります。というわけで、今日は締め切りがなかったので丸一日のんびりしてみましたが、先ほどスケジュールを確認したら、のんびりしている場合ではありませんでした。締め切りは来月とはいえ、取材終了しているあれこれがあって、それをまとめている時間がないことが発覚。さて、どうするんでしょうか。と自問自答。  その次の大きな仕事ですが、久しぶりにランドクルーザーだったりします。詳しいことは書けませんが、4名の方々のインタビューと、1台のインプレッションを済ませたところですが、まぁ、ジープオーナーからすれば、過去にランドクルーザーに乗っていたことがある身として、やっぱりランドクルーザーは羨ましいと思うことしきり。その性能にもありますが、やはり値段が下がらないこと、トラブルが少ないこと、たとえトラブルが起きても対処できるとか、あれこれを含めて。ただ、最新のモデルに対してはやっぱり価格が高いことが気になります。中古車価格が落ちないとか、走りを含めた内容を考えたら安いんでしょうけども、でも、高い。もう少し、気軽に乗れるランクルがあればいいのになと思うことしばしば。って、それはエントリーモデルじゃなくって、ベーシックグレードって観点で。ああ、あの頃が懐かしいななんて思いつつ、取材を重ねています。   というわけで、こうご期待、って、これだけの分量の原稿、終わるんだろうか。締め切りは11月中旬のようですが……。あ、写真は、撮影で訪れた富士山。もう、色づいていました。

#1264 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その5)。

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 つづいてフォルクスワーゲン。ディーゼルエンジン排ガス問題から、東京モーターショー出展そのものが危ぶまれる声も聞こえていましたが、参加とのこと。あれだけ広いブースを確保していますから、ある意味良かった、と思いつつ、複雑な気持ちもありますが。  それはさておき、新型車ラッシュということもあって、すでに海外で公開されている新型モデルが多く日本にて初披露となります。次期ティグアンと次期トゥーランと、パサートに追加されるオールトラックとGTEと。日本未導入モデルとしてポロWRCまで出展されるようで、いずれも参考出品と書かれているものの、来年の日本におけるVWは、かなりの新型車攻勢となりましょうかね。それにしても、見事なまでにフロントマスクを整えています。しかし、異なるモデルと認識できるのはなぜなんでしょうか。そこにデザインの妙があるような気がします。  ジャガー・ランドローバーは、ジャガーのSUVモデルF-PACEと、ランドローバーのレンジローバースポーツSVRが日本初公開となります。ジャガーF-PACEは、全くの新しいモデルですが、ジャガーらしいデザインと、SUVたるテイストを上手く組み合わせています。後発ならではといいましょうか、SUVの見せ方はすでにランドローバーで手慣れていたといいましょうか、完成度の高さがあります。ハイパフォーマンスを誇るレンジローバースポーツSVRって……、かつてを知っている者からすると、ランドローバーが、スポーツ性能を誇るところに違和感を覚えつつ、まぁ、それはそれでということで、愉しみでありますな。  アウディも、日本初披露となるモデルが新型モデルとしてA4とQ7とR8と、3台もあります。それにしても、新しいアウディのフロントフェイスは、シンプルさが描かれており、とってもいいと思います。考えさせないといいましょうか、複雑でないといいましょうか、そんなテイストがあって、一転して好印象に。いや、実は最近までのデザインは、ちょっとらしくないといいますか、シンプルでないがゆえに、好みではありませんでしたので。って、それにしても、新しいA4、そのデザインから新しさといいましょうか、走りに期待が持てるといいましょうか、あれこれを感じます。実際に目にすると、さらに印象が良くなりそうな予感があります。  BMWアルピナからは、ワールドプレミア、

#1263 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その4)。

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 東京モーターショーの情報については、公式発表があったらどんどん書いていく予定でしたが、それどころではない状況に追い込まれて……。でも、中途半端はいけませんから、続けます。そのままに、発表順に。  三菱自動車については、前回のSUVコンセプトカー3台で、デザインだけではなく、ブランドとしての方向性を示したイメージが強烈に残っています。いずれも、コンセプトカーでありながら、デリカであったり、パジェロであったりと、具体的な車種といいましょうか、コンセプトが想像できるところも良かったかな、と。で、今回ですが、コンパクトモデルであることを訴えながらも、コンセプト要素はそのままのモデルMITSUBISHI eX Conceptを出展します。コンパクトクロスオーバーであり、次期RVRのポジションを明確にしたかのような、そんなテーマも感じます。写真から判断するとかなり大柄なモデルに見えますが、全長は4240mm、全幅は1780mmと、まぁ、まさにRVRポジションだったりします。コンパクトながら迫力を感じるというデザインの妙も見どころのひとつでしょうか。インターフェイスもポイントですが、タイヤまで張り出したというホイールのリムデザインも要チェックとなっています。  で、ルノー。今回はコンセプトモデルについては何もアナウンスなく、トピックは市販モデルであるトゥインゴが日本初披露ってこととなっています。もちろん、興味津々ではありますが、フランスのブランドってのは、実はブースデザインも見どころのひとつ。前回のルノーブースは凝りに凝った感はなく、ただ、向かい合わせにあったスズキにブルーやオレンジのハスラーが展示されていて、キャプチャーとのコントラスト、いやいや、キャプチャーとともに華やかだったことを覚えていますが。そして、今回は、ブースデザインにも見どころがあることがアナウンスされています。Bump(バンプ)と呼ばれる丘状のフロアと、デザインテーマであるライフステージの移ろいを変化する色で表現したというポール状のシーリングライトで……。これもまた楽しみですな。  そして、レクサス。何やら、ワールドプレミアを飾るコンセプトカーが存在することがアナウンスされていますが、デトロイトではなく、東京で発表するところに何か意味があるんでしょうな。コンパクト? と思ったものの、ジュネーブでLF

#1262 作り込みに感心しつつ、演出に疑問を感じた、ジャガーXE。

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 ジャガーXEに乗る機会もありましたので少々。ご存知のように、ジャガーというブランドも、翻弄されてようやく落ち着き場所を見つけ、オリジナルモデルを発表し、さてとこれからといったところでしょうか。同グループとなるランドローバーにしても、フォードとのコンポートネント共用から離脱するにつれて、いい意味でのオリジナルテイストが強められていて、イギリスからアメリカ、そしてインドの会社となっても、ブランドそのものが揺らいでいない、そのスタンスは好印象に捉えています。  そもそも、ジャガーってコンフォートの中にあるスポーティさ、とか表現すると、メルセデス・ベンツと同じになってしまうんですが、あちらよりも、もう少し緩いコンフォートフィーリングがあって、それがジャガーらしい味となっていました。もちろん、意図的にスポーティに仕立てたモデルもありましたが、ベースになっているのは優雅さに通じるまったり感。と表現すると誤解されそうですが、まぁ、そんな感じ。  さて、このXEですが、最新のジャガーらしく、かといって、もっとも安いジャガーというテイストが見当たらないという、さすがといわんばかりの作り込みが印象的でクルマたる基本性能はとてもいいと感じました。ボディにしても、サスペンションにしても、乗り味にしても。ただですね、クイックさを感じるステアリングフィール、硬さが時折顔を出す乗り心地など、演出された感が強くて、そこが気になりました。ジャガーに対する期待感とズレていたとも言えるのかもしれませんが。まぁ、そもそもスポーティサルーンと謳っていますからいいのでは? と思うところもあるのですが、スポーティというのは基本性能に優れていればスポーティを語ることができるもの。つまり、こういう演出たるスポーティが、スポーティテイストと勘違いされるのは、どうなのかなと思うところもあって……、云々。極限を語らないのならば、スポーティにも快適性にも、緩さという間が必要だと思うのです、個人的に。  ま、その話は、借り出して、もう少し探ってみましょうかね。あ、エンジンは200psがいいと思います(ディーゼルは未試乗での話)が、ゆとりという意味では240psを選ぶ理由があります。V6スーパーチャージャーはこれまた未試乗なので、なんとも言えませんが、769万円となりますから、ほかのモデルが視野に入ってきますな。  

#1261 想像以上のアッパークラス感を備えていた、MINIクラブマン。

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 さて、MINI CLUBMANに早々に乗る機会がありましたので、あれこれをお伝えしましょうかね。 #1248 で書きましたように、ボディサイズを広げただけではなく、質感を高め、つまりはアッパークラス感を表現していました。それはインテリアから走りに至るまで、すべてにおいて。まぁ、Cセグメントハッチバックと張り合っていくというか、属するわけですから、必要であり、当たり前のこと。といいますか、3ドア/5ドアと、このクラブマンとで、商品をきっちりと作り分けてくるスタンスにビックリしました。   走りについては、ミニらしさをちゃんと作り込んでいまして、ハンドリング含めて、MINIしていますから、これもまた驚きだったことのひとつ。というのも、ほら、ベースになったのは新型X1とか2シリーズアクティブツアラーですから、既存のシャシーを用いながら、片やストローク感をしっかりと作り込み、こちらではストロークフィールにMINIを感じさせるという、チューニングの妙といいましょうか、そのあたり。もう少し、ごく一般的なCセグハッチ的かと思っていましたので。ちなみに、何に感心したかって、あのストロークフィールでしょうな。分かりやすいところでいいますと、バネレートを高めつつ、しなやかに動かすという、あのトレース性。下り坂などで、速度を落としなさいといわんばかりに路面にμの高い舗装が組み合わされたゼブラ状路面となっている路面があるじゃないですが、ああいうところでも、すべてきっちりとトレースしていく。飛ぶとか、逃げるとか、遅れるとか、ない。すべて路面どおりにトレースしていく。これって、実は走りへ誘うだけではなく、路面状況が分かりやすいという意味での安心感を覚えるものだったりもします。それでいながら、乗り心地が破綻していない。たとえ入力が大きかろうともリバウンドストロークで逃げることなく、18インチ(40扁平)タイヤであっても、突き上げ感が見当たらない。もちろん、タイヤサイズなりの、MINIなりの硬さはあります、でもね、って話ではありますけれども、それにしても、良く仕立てているなぁと感心しきりでした。   ワインディング? いうまでもなく、楽しさにあふれています。高速道路? フラット感もちゃんと持ち合わせていまして快適。渋滞? MINIドライビングモードのエコモードを利用することで、クーパーS

#1260 イメージを変えずに、変わったことをアピールしている、新しいXV。

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 そして、XVです。今回は、デザインについて、ちょっと深く聞いてきました。XVのエクステリアデザインについては、そもそも評価が高いですから難しかったんじゃないですか? という問いからインタビューはスタートしたのですが、XVのイメージを変えることなく、新しくなったことをアピールしなければならないという命題を与えられたようで、かなり難しかったようです。  改良にあたっての課題は、フロントマスクだったそうです。というのも、プロから見ますと、サイドやリアの動きのあるデザインと比べて、フロントとインテリアが弱い、と捉えられていたようで。ま、販売店からの声もあったようですが。それでも、がらりとイメージを変えた感はなく、バンパーサイドに加えられたクロームメッキ+フォグランプユニットによって、ちょっとワイド感と精悍さが加えられたかな、といった程度。あまり変わっていない感があります。  しかしですね、それだけではなく、バンパーデザインはもちろん、ヘッドランプユニットにあれこれと細工が施されていました。ランプユニット内のCシェイプ(デザイナーさんはこう呼んでいた)の上を、20mmほどフロントへと伸ばしつつ、ガソリンではCシェイプに隈取りをしたそうで、って、なんでそんな細かいことをするのかなと思って訊いてみれば、点灯した時に、様々な機能が組み合わされた感、つまり、高機能であることを表現したかったからとか。LEDにしても、HIDにしても、あまりに強い光源ゆえに、実は照射範囲以外が見づらくなることから(光のない道を走るとその先がほんと見えづらい)、ハロゲンのぼんやり感のほうが好ましいと言っているような者からすると、ふーん、というところもありますが、昨今のランプデザインの流行ってのは、そういうものなんだそうです。  そのほかにも、フロントバンパーセンター部のブラック部分は、これまではストレート形状となっていましたが、改良モデルでは、フェンダーアーチのように動きのあるデザインを採用して、ちょいと凹凸を設けていました。これまではマスキングの工程が増えることもあってストレートにしていたとのことですが、今回は、工程を複雑にしない方法が見つかったようで、この凹凸デザインが実現したそうです。  ふーん、なるほどね、と話を訊いていたんですが、そうなると、やっぱり、フェンダーアーチのデザインの話にな

#1259 ハンドリングと乗り心地とをブラッシュアップしていた、フォレスター。

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 東京モーターショーのプレスデーで正式発表されることが、10月6日に発表された、……、ちょっとややこしい経緯の、スバル・フォレスターとXVシリーズ。なんですが、本日、プレス向け試乗会がありまして……、って、こういった事前試乗会は、発表まで公表できないんですが、公表してもよろしいということなので、書きます。まだ、店頭には並んでいないモデルです。  さて、フォレスター。シャシーの改良とアイサイトVer.3と、いちばん最後まで待たされたモデルでしたが、ようやく搭載しましたというだけではなく、待たせたおわびとばかりに、スバル初となる機能を2つほど搭載しての登場となりました。ひとつは、ヘッドランプユニット、もうひとつはアダプティブドライビングビームの採用です。後者については、先頃追加された単眼カメラを加えたハイビームアシストとほぼ同じ機能ではありますが、こちらはなんと単眼カメラを用いず、アイサイトのステレオカメラのみで、周囲の明かりや対向車の検知を行います。どうして、こんな2パターンを作ってしまったのか、って、まぁ、車種適合に時間を要しているのと、ランプユニットまで変えなければならないとか、そういった事情からで、この世代差も、また、スバルらしさ。……、……。いずれにしても、アイサイト+単眼カメラと、アイサイトのみという2パターンが生まれてしまったわけで。って、そんな話はさておき、今日はクローズドコースでのインプレッションとなりましたので、走りについて書いておきましょうか。  そもそも、フォレスターは、スバルの中では、ストローク感を生かした乗り味にあふれていまして、コンフォート感を大切に作り込んでいました。それは、ベースモデルに乗ると分かります。そこにスポーティさを色濃く演出していたのが、ターボモデルでした。そんなフォレスターですが、今回は、インプレッサ同様に、サスペンションの動きにしなやかさを与えるために、ダンパーの減衰力を変え、バネレートを上げ、取り付け部の剛性を上げ、ブッシュのレートも変更し、……、って、個々にピックアップすると、締め上げているかのような印象を受けるかもしれませんが、全体でバランスを上手くとったといった感がありました。つまり、走りはもちろん、乗り心地までブラッシュアップしていた、と。  インレッサシリーズ同様にステアリングギア比が15.5→14となり

#1258 車高だけはなく、あれこれアップしていた、Cross up!(クロス アップ)。

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 フォルクスワーゲンのup!に追加された、クロスup!の話です。up!をベースにして、クロスオーバーテイストをデザインしたモデルで、そのほかにも10mmアップさせた最低地上高やら、16インチタイヤの採用やら、トピックは数多くあります。しかし、今回のチェックポイントは、それだけではなく、6月にup!そのものが大きく変わっていたあれこれをチェックするためのテストドライブとなりました。そしたらですね、やっぱり、あれこれが改良されていました。もちろん、リリースに謳われていないような数々が。  まずは、アイドリングストップ機能の追加ですが、デュアルクラッチのDSGでも当初あれだけ戸惑いがありましたから、シングルクラッチのASGではさぞかしたいへんなことになっているだろうと思いきや、これが、実にスムーズ。いや、アイドリングストップ直後に発進するといったような特別なシーンでは、多少のギクシャクはあります。でも、普通のシーンでは、ギクシャクが見当たらず、しかもローギアであることもあって、しっかりと加速していく。ところが、スムーズに発進したのに、その後すぐに訪れる1→2速へのシフトアップに間があって、そこにおっとと……、という、出鼻を挫かれるかのような、違和感を覚えてしまうのです。と、まぁ、それほどいい仕上がりとなっていました。  そして、シャシーが大きく進化していました。とにもかくにも、しなやか。デビュー当初、その気配は感じていたけど、見当たらなかった、しなやかさ。それは路面をしっかりとつぶさにトレースしてくれるもんですから、ドライバーはもとより、乗員までもが、その動きにうっとりしてしまう、といったフィーリング。サスペンションたる設定としては、硬めとしていまして、路面が荒れたところでは、それとタイヤサイズが起因したコトコト感を見せます。しかし、その分、路面にしっかりとタイヤを押し付けていること、そして、きれいにバウンドさせて、美しくリバウンドさせて返してくるといった仕立てがあり、このクラスとしては上出来を超えたレベルにひたすらに感心した次第。といったところでしょうか。はい、驚きました。  ドライブしながら感じたのですが、このクルマの価値は、ビートルよりも、これで十分だからを常に教えてくれ、そして、のんびり行こうよ、を愉しめるところにあるような気がします。緩いではなく

#1257 SUVらしさにあふれる、最新型フォード・エクスプローラー。

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 そして、次にエクスプローラー。現行世代は、乗用車のプラットフォーム、しかも、FFモデルをベースにしたことで、快適性を一気に乗用車レベルへと引き上げてしまっていました。というわけで、オフロード走破性という観点からは……、って、もともと、ロックセクションをガンガン登るようなモデルではなかったので、先を見据えたいいタイミングでの進化というか、クロカン系ハードウェアからの脱出だったと思います。  さて、そのエクスプローラーがフェイスリフトをして、登場。10年デビューでしたから、そろそろフルモデルチェンジだったりするんだろうかと思ったら、違った。今回、かなりの規模の改良を行っておりまして、つまり、まだまだ、販売は続くようです。で、今回のトピックは数多く、静粛性を含めた快適性を大きく高めたことのほか、その中でも、エクスプローラーの中で67%の構成比率の、FFモデルのエンジンが2.0Lから2.3Lへと排気量アップを果たしたこと。もちろん、ターボのまま。そもそも、2.0Lターボを不足を感じさせることなく引っ張ってくれていましたが、300ccの排気量アップ分+改良によって、最大トルクは420Nm/3000rpmを手に入れており、軽快さにトルクフルさが加わっていました。いわゆる豪快さにまでは届いていませんが、十二分を感じさせてくれるフィーリングですな。  今回の改良では、いわゆるNVHに主眼が置かれていることが謳われており、走り出した途端にそれを感じ取れるのですが、乗って行くうちにハンドリングは正確性を増し、先の静粛性 に、乗り心地の豊かさも見合っていることを見つけ出せます。といっても、それは、乗用車的になったというよりは、根底にSUVフィーリング、つまり、まったり&ゆったり感がありながら、正確性を増したという印象。ま、何よりも軽量ゆえの軽快感があって、FFモデルでもいいんじゃないと、そんなことを思いました。  ところがですね、その後、確認とばかりにV6/3.5L(NA)+4WDモデルに乗ったら、エクスプローラーらしさである、まったり感がさらに極められていまして……、って、なんていうんでしょうかね、サスペンションストロークでも、ストロークフィーリングにおいてΔtを突き詰めていけるといいましょうか、つまりきめ細やかさがありまして、質感を大きく高めてくれていました。これは、たんに重

#1256 なんだかんだで大絶賛は変わらない、最新型フォードフォーカス。

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 東京モーターショーネタから離れて新型車の話。フォードのフォーカスとエクスプローラーです。いずれも、マイナーチェンジモデルですが、フォードらしい進化を果たしていました。  まず、フォーカスから。13年より日本へ導入されている3世代目フォーカスに対しては、フォーカスらしいシャシー性能に感激したものですが、一方で、快適性とのトレードオフがありまして、そこにもったいなさを感じていました。走行性能に惚れてしまうのに、買う段になって躊躇してしまうといった、もったいなさ。で、マイナーチェンジを受けたフォーカスは、装いを変えただけではなく、乗り味にコンフォート感を大きく高めていました。サスペンションがしなやかに動くだけではなく、そこに衝撃をダイレクトに伝えないという仕立てを加えています。言い方はありきたりですが、アッパークラス感が表現されていて、ちょっと驚きました。つまり、快適。もちろん、アジリティやスタビリティの感激はそのままに。タイヤが路面を細かにトレースしていくフィーリングにうっとりといった感じでした。ゴトゴト感もありませんでしたし。  ただ、ステアリングフィールが期待とずれていました(その後、納得しますが)。以前より、フォーカス含めて、フォードのFFモデルのステアリングフィールに関しては、ベタ褒めです、ワタクシ。それは、インフォメーションが明確過ぎること、そして、それがコントロール性に繋がっていることにあるんですが、なんていうんでしょうかね、ステアリングからタイヤまで、シャフトを介して繋がっているのが、透けて見えるようとでもいいましょうか、足下の先にタイヤがあって、それがどういう状況にあるかが手に取るように分かるよう、といった感じ、か。  ところがですね、これが薄れた。どのブランドもいつかは通なければならない通過点とでもいいましょうか、つまりは、操舵をイマドキの軽さを与えていました。ま、言い換えれば、ようやくといった感がありましょうか。ただ、その分、という話です。  このことについては、実はフォーカスだけ試乗していたらこのままで終わったのですが、その後、ヨシダ好みのハンドリングフィールが色濃く残るクーガに試乗して、あれこれ比較したら、フォーカスが目指したモノが見えてきました。クーガのハンドリングはですね、ダイレクト感があるんです。あるんですけど、そこにはブッシュに

#1255 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その3)。

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 東京モーターショー関連の話は、各ブランドの発表後に次々と書いていく予定でした。ところが、それどころではない仕事量に追いかけられ、プツンと途切れました。って、今もですが。というか、もっと追いかけられていますが。 ただ、中途半端もいかんので、休憩の間に、思うところをあれこれと。発表順に書いていきます。  そして、ダイハツ。すべてワールドプレミア4台、すべて軽自動車、すべて自走可能、すべて既存の技術を用いたており、その現実を見据えたところがポイント。もちろん、そのままでの市販は無理でしょうけども、ホールベースやらパッケージやらは、現実的にありうることを意味しています。その中でも個人的に、おもしろいと感じたのは……、って、4台とも。ま、その中でも、イマドキの緩さを存分に表現したHINATAなんてのは、好みとは異なりますが、おもしろい。パーソナルではなく、イマドキの母と娘の関係(服を貸し借りしたり、出掛けたりってことらしい)を、さらに深めてくれるといったテーマもあって、ふーん、そうなんですか、という感心しきり。FFながら移動販売車スタイルを実現し、店舗とテンポ(リズム感という意味)をかけた、TEMPOもおもしろい。ブランドとしてのテーマ性が出ています。  で、スバル。コンセプトカーってのは、近い将来のケーススタディか、コンセプトやデザイン性だけを表現したモデルやらあれこれありますが、ま、そのものが連続し、進化していくことはあまり多くありません。そんな中、発表時から注目していたVIZIVコンセプトが、かなり、今後のスバルのテーマを強め、さらに現実的な要素を加えています。そこにある技術のあれこれは少し先を表現していますが、デザインにたいしてはわりと現実感を覚えます。あとは、想像以上に早かったのが、次期インプレッサのケーススタディ。去年マイナーチェンジしたばかりだし、XVシリーズが近々マイナーチェンジを発表したばかりなのに……、と思いつつ、ま、ライフサイクルを考えると、早くもないんですな。ただ、次期インプレッサは、生産拠点も含めてグローバルモデルたるスタンスを明確にしていたので、てっきり、来年1月のデトロイトショーでのワールドプレミアかと思っていましたので。って、あちらではわりと具体的なスタイルにて出てくるのでしょうな。昨年のレヴォーグ発表のような派手さはありませんが、この先

#1254 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その2)。

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 以前、その2(日産編)を書いたのですが、誤って上書き。web上を探しましたが、キャッシュも残っておらず。ただ、じっくりと書いた内容なので、時間がない時に適当に書き直すんじゃなくって、しっかり書こうと少々放置となりました。というわけで、東京モーターショー話、日産編。  ワールドプレミアとなるテアトロ for デイズですが、軽自動車のコンセプトモデルだそうで、その日本市場をターゲットとしたケーススタディに、感心しつつ、日産が軽自動車のコンセプトカーを表現したことに、ちょっと驚きも覚えつつ、時代を感じつつ……。ただ、このモデル、ターゲットは2020年以降に運転免許を取得する方々向けの提案がつまったモデル。ゆえに、理解できないことだらけなのですが、携わった方々からそこに描いたテーマを訊いたところ、なるほどなー、そうなのかー、を感じました。  ターゲットとされた世代を、日産ではShare Nativesと定義し、インターネットが当たり前にある時代の次、SNSやらメールやらといったコミュニケーション手段をフル活用する世代が求めるクルマの像を作り上げています。そして、繋がることが最優先である彼らにとっては、運転中はそういったコミュニケーションが遮断されてしまうクルマは、実はある意味遠い存在にあるそうで。と、すでにここで理解できないのですが、我慢、我慢。ということから、常に繋がっていられるガジェットである、そんなクルマを作り上げたというわけです。ガジェットを充電するために、バッテリーを搭載したEVとしたという理由になんだかなと思いつつ、なるほどなを感じたりします。  クルマたる概念をできるだけ薄めようと、クルマらしさである操作系は限りなく排除され、インテリアの多くはカスタマイズ自由な、真っ白なキャンバスとしたそうで。ここまで来ますと、素材は? とか、安全性は? とか、そういった質問が愚問に思えてきます。ま、コンセプトカーですから、あくまでも。  ま、今の時代というか、先の時代に求められる像を表現したモデルですが、今と昔って何が違うのでしょうかね。と思って、その辺りを訊いたところ、たとえば、昔は、デートするにもクルマが必要で、って、送り迎えから、どこかへ出掛けるにしても。しかし、今は、逢いたいからとクルマで会いに行くのではなく、メールなりSNSでまさに気軽に繋がることができ

#1253 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その1)。

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 さて、今年は2年に一度開催されている東京モーターショー(→ ■ )の開催年です。会期は10月29日〜11月8日で、一般公開日は10月30日〜11月8日となります。場所は、前回と同じ東京お台場の東京ビッグサイト。実は、モーターショー関連の本を製作真っ最中なのですが、すでに公開された情報がありますので、東京モーターショーのあれこれ、第1弾を書いてみましょうかね。   まずは、シトロエン、プジョー、DS。DSがブランドとして初参加となることがトピックですが、個人的には、シトロエンのカクタス(画像右上)の出品にちょいと興奮気味。日本市販までも予告されており、さらに大注目。デザインどおりに走りも緩さがあふれているようなので、かなり気になる存在となっています。ただ、予告された導入予定は2017年とのこと。デビュー時にはインパクトが薄れてしまいそうで、ちょっと心配。ま、イギリス仕様とて、現在、MTがメインで、ETGしかありませんから、6ATの登場まで待つしかないことなのでしょう。あ、あとは、プジョーブースのディーゼルの508GTの登場も気になりますし、DSブランドがどういうブースデザインをしてくるかは、さらに気になっています。  マツダが公開したスポーツコンセプト(ワールドプレミア)の存在は、東京モーターショーのトップレベルの話題になるでしょう。マツダは、これからのモーターショーでは、ケーススタディモデル、つまりコンセプトカーは出品しないと言っていましたから、そのままのスタイルではないにせよ、近い将来にデビューは確実。見どころは、そのコンセプトやらデザインもですけど、パワーユニットを発表するかどうか。ロータリーエンジン復活なのか、ガソリンなのか、ハイブリッドなのか。本を製作している我々も、まだ知りません。 まさに、モーターショー開幕までのドキドキも、マツダたる演出なのです。  ホンダは新型FCV(仮称)のワールドプレミア、NSXとシビックタイプRのジャパンプレミア予告していますが、個人的には、フランクフルト国際モーターショーに出品されていたHonda Project 2&4 powered by RC213Vに興味津々。ホンダらしさ全開といったモデルで、これぞ、ワクワクさせてくれるコンセプトカーといった感があります。クルマを持つことが当たり前となった時代におい

#1252 地味だけど、使ってみると便利な、OSX El capitan(10.11)のSplit View。

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 MacOSも新しいバージョンが公開されたようで……、というこの関心のないような書き始めは、ひと足お先にPublicβ版を使っていたから。で、その新しいOSですが、機能が加わったというよりは、使い勝手が良くなったかつ安定した感がトピックとなっています。って、実のところ安定感については、Publicβ版を使い続けているため、もはや不安定さはデフォルトとなっており、本来の安定感までは分かっていなかったりしますが。  で、その新しいOSであるEl capitan(10.11)で最も気に入っている機能が、Split View(上の画像)。訊くところによると、どっかで先に使えた機能らしいですが、ま、そんなのはどうでもいいことで……。って、この機能が、うちのMacmini2012でも使えることに最近気付いたんですが……。って、話は飛んで、飛んで……、そうそう、El capitanの新機能のほとんどがうちのMacmini2012でも使えるようで、さすがにMetalまで対応だったとはちょっと驚きでした。というか、妹のところのMacbook2009までが対応可能だったことはさらなる驚きでしたが。  話を戻してSplit Viewですな。これ、ウインドウを2分割して異なるアプリケーションを表示できる機能ですが、使う前は、これってデスクトップのアレンジ次第、つまりウインドウを並べればいいだけじゃんと思っていました。原稿書きなんぞしていると、モニタ上に資料を表示してエディターにて書くという作業はもはや当たり前で、その区別をするために、さらにデュアルモニタ構成にしているほど。ま、異なるモニタに表示している時はいいんですが、同じモニタで2つ表示している場合ってのは、固定していないで並べただけなので、ちょっとしたことで端っこが見えなくなったり、サイドバー的な表示を隠すために、エディターのウインドウをそこに重ねて隠したり、でも操作していると、エディターの上に資料が重なって表示されたりと、ゴタゴタしてしまうものです。って、これを、分かりやすく書きますとね、机の上に原稿と資料を並べていたものの、資料を引っ張り出したら、原稿の上に載ってしまって、原稿を書けなくなって、そのために、また資料を下へともっていったりという、そういうゴタゴタですな。  で、このSplit Viewは、きっちりと境界線

#1251 Apple謹製Pagesの文字カウントは文字数とワード数が混じってますって話。

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 執筆業に携わる者にとって、大切な道具とは、昔は鉛筆であったり、ペンだったりしましたが、最近は、PCであって、もっといいますと、日本入力システムだったり、エディターアプリケーションだったりします。自分はアプリケーションとしてiText Expressを愛用してきました。その理由は、余計な機能がなく、文字数カウントが簡単にできる上に、設定をいじることなく、ウインドウサイズ調節するだけで、1行の文字数を変更でき、さらには行数表示を常時行ってくれることからでした。MacOS標準のテキストエディットでも1行の文字数変更を同じように簡単にできますが、行数表示をしてくれません。  さて、その愛用してきたiText Expressですが、少し前よりApp Storeに置かれるようになってから、ファイルを開くたびにApp Storeでは承認していないというセキュリティ警告がされるようになり、そこに煩わしさを感じていました。そこで代わるアプリケーションを探していたわけですが、Apple謹製のPagesなら我慢できるかなと最近使うようになりました。ただし、文字数表示はしてくれるものの、行数表示がないので、書き上げた後に、iText Expressにて行数を確認する作業が必要になりましたけども。ちなみに、Pagesはデビューした時からずっと愛用していますが、これまでは執筆作業をする、つまり、文字を書くだけのエディターとしては使っていませんでした。  ま、そんな作業にも慣れてきた昨今、そのPagesにて書いた原稿どれもが、指定文字数を大きくオーバーしていることに気付きましてた。文字数をカウントしてくれる機能というのは、先にも書きましたように、ライターにとって、アプリケーションに求める機能のひとつであり、重要なポイント。ところが、Pagesでは、全角であろうと半角であろうと、ひらがな、カタカナ、漢字を1文字=1語とカウントし、英数字になると単語で1語とカウントしていました(上の画像参照)。  ただ、これはバグではありませぬ。海外では、文字数ではなくワード数でカウントするのが常で、Pagesでは、日本仕様のカウントと、英語(そのほかも)仕様のカウントとが入り交じっていたわけで……。たとえば、左の画像は、意図的に数値を入れ込んで適当に書いた文章ですが、Pagesだと90語となるのですが、