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#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1671 良かった良かったと、語りまくりな、ドライバーなレガシィ動画。

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   さて、前回記しました、八重洲出版ドライバーの記事、3世代目レガシィGT-Bといまのところ現行となるレヴォーグの試乗記事ですが、このたび動画がアップロードされました。されましたが、いや、まぁ、絶賛していたことまでは覚えていますけども、ここまで語ったか? と言わんばかりに語っています。といいますか、収録中は、使える言葉をポンポン発していれば、それを選んで整えてて編集してくれるだろう、そんなつもりで発していましたが、たぶん、全部拾ってくれたんだろうな、そんな感じになっています。  いや、このあたりですね、編集部によって作業方法が違いまして、これまでの動画撮影メインだった4x4マガジンでは、1分の尺でぴったり合わせてください、そういう注文が来るんですが、はっきり言って、無理なんです、それだと。語り切れないし、まずは……、といったコメントを並べたところで終わってしまう。だから、語り切れていないというストレスが貯まる。ところが、このドライバー編集部の場合は逆で、とりあえず、語るだけ語ってくれぃとばかりに動画を撮影します。ですから、収録終了した頃には、語り疲れているほどで、先とは全くといっていいほどに逆となりますな。  あと、ドライバー編集部の撮影の場合は、インタビュアーたる編集者の上手さというのもあります。今回のムービーを訊いていると、ほとんどを吉田が語っているように思えますが、インタビュアー部分はかなりカットされており、だからこその、この語りっぷり。そんな演出も、絶妙だったりします。 個人的には、このラジオ的なノリとでもいいましょうかね、とってもオモシロイと思うんですけどね、なんか番組できないものでしょうかね、そんなことを感じました。

#1670 3世代目レガシィA型、こんなに良かったっけ? ってな話。

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 で、仕事の話。それでも、いくつか取材ものがありまして、いずれも公開されていないので、先に書いてしまうのもなんですので、ま、冊子やweb閲覧を邪魔しない、アシストするような内容をちょっと記しておきましょうかね。八重洲出版のドライバーの取材の話。以前、スバルGTの系譜ということで展開した記事の第2弾。取材のきっかけは、前回の時にはまだ用意されていなかったモデルが、その後に追加となったことにあります。その車種は3世代目レガシィのGT-B(A型)。んで、それをきっかけに、新型レヴォーグへと繋ぐストーリーを作ろうという企画でした。  3世代目レガシィは、三栄(当時はニューズ出版)のクラブレガシィにてD型から深く関わるようになったこともあり、今でも強く印象に残っているのは、やはりD型以降。その中でも強烈な印象として残っているのは、S401だったりもしますが、なんだかんだで後期モデルですな。さて、久しぶりに乗ったA型のGT-Bですが、こんなに良かったっけか、と思うほどのバランスに感心しました。シャシーには、あれこれ改良の果てのD型までの変遷で手に入れたシャキッとした感はまだ見当たりませんでしたが、ビルシュタインダンパーによる緻密な規制によって、分かりやすいリズムがあってですね、あのー、曖昧さがありながら、これはこれでトータルバランスが凄くいい。つまり、気持ちよさがある。で、コーナーでは、スタンスを作ってしまうと、そこからグイグイとインをついていく。あれ、こんなに回頭性が良かったっけか? と思うほどに、ついていく。伝わってくるグリップ感もやる気にさせてくれるフィーリングで、ついついアクセルを開けてしまう。当時はあれだけ段付が気になったエンジンフィールもその間の部分を上手く使うことに愉しさがあって、何よりも、低回転域からのトルクが太くて、レスポンスもいいもんだから、そうなんですね、扱いやすさがありました。これで4速でなければな、と、いう面はありますが、もちろん。これらは、当時と逆の印象……、ま、自分が成長したってことなんでしょうか。いや、歳をとって好みが変わっただけ、ともいいますやね。というように、大絶賛状態。いやー、E-tuneじゃないのに、スゴイ、そんな感じでしょうかね。あ、ひょっとして、E-tuneじゃないから、評価が高いのかもしれません。逆に、今、E-tune(もしくはRS

#1655 歴代レガシィに試乗して感じた、レヴォーグに引き継がれたもの。

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 歴代のスバル・レガシィ、といっても最新世代のひとつ前となる5世代目までに乗る機会がありました。レガシィといえば、三栄書房のクラブレガシィであれやこれやと携わり、これやそれやと取材し、ああでもないこうでもないと執筆の機会をいただいてきました。そもそも、レガシィとの付き合いは長く……、といっても、購入したことはないんですが、初代のRSを知人が購入してスキーに出掛けたり、やはり初代ツーリングワゴンを所有していた知人とともにあちこち出掛けたり。2世代目は後期モデルのプレス向け事前撮影会でそのポテンシャルに感激して、見積もりを取るまでに至り……。直接的な付き合いにはならずともなんだかんだと付き合いの長いモデルです。  で、5世代目までに乗ったという話。やっぱり乗り比べてみるとですね、それぞれの世代に味があり、キャラクターがあり、とてもいい。それは何か。ま、簡単にいえば、速いだけではなく、ドライビングにゆったりとした気分を愉しませてくれる、そんなグランドツーリング性能ですな。スポーティという言葉で限ってしまうそれとは異なる、その先にある、どこまでも走って行きたくなる衝動とでもいいましょうか、ま、そんな感じ。  ただまぁ、今回の試乗において用意されたモデルは、1世代ごとに1モデル。パワーユニットもターボだけではなく、NAもあって、横並び比較にはできませんでした。できませんでしたけどね、それぞれに個性があって、当時の考え方があって、とてもおもしろかった。個人的にいちばん、いや、同着いちばんかな、とばかりに印象に残ったのは、まずは、写真にある初代のツーリングワゴンGT TypeS2(左)。ボディ剛性やらサスフィールやらステアフィールやら、全てが過去なんですが、路面トレース性とハンドリングのバランスが絶妙。路面を捉えて離さないといったフィールは格別であり、それが直進性を導き、いざ、コーナーともなれば穏やかなロールとともに踏ん張るスタンスを作り上げ、コーナリング中なのにボディをどっしと構えたままに、サスペンションだけ動かして、駆け抜けていってしまう。高速走行では、先のトレース性そのままに速度を上げていくとボディはフラット感を増していくという、なんともかんともな美な仕立て。これ、偶然ではなく、仕組まれた仕立て。専用とされたスポーツサスペンションがですね、実に美味といった感じ。

#1651 こんな仕事しています、紹介編。世界文化社のMen's-EXオンラインへの執筆。

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 なんだかんだ言いながらも、ここの更新が続かないのは、MacOS Catalina(10.15)のβ版をメインディスクにインストールしてしまったから。もうすぐ公開になりますが、今回のアップデートはかなり大掛かりでして、32bitアプリは切られるし、iTunesは分解されるは、PhotosもSiriなMachine Learning関連のためか、画像ファイルを1から読み込み直しているようで、自由が効きません。特に、写真については、過去の写真を引っ張り出すの容易ではなくて、つまり、ここに貼る写真をピックアップするのもひと苦労なもので、ついつい、遠のいてしまっています。  さて、今回は、ちょっと自分の仕事について。あのですね、先日も書いたと思うんですが、たぶん、ここ、今ですね、吉田って、どんなヤツなんだ? ってことで、検索して、たどり着いている方が多数と思われます。人と出会うことが多く、新規な仕事も増えているもので。ですからして、ココナッツサブレや、貝印のカミソリのことやら書いていないで、こんな仕事しているアピールもしておかねばならないと、思い立ち、仕事について書くことにしました。自己アピールは好きではないんですが。  今、クルマをメインに執筆していますが、かつては、アスキーにてデジタルを題材としたカルチャー誌の制作に携わったこともあり、クルマだけの狭い世界に馴染むことが不得手だったりします。もう少し言ってしまいますと、学生時代にテレビ局で制作のアシストをしていたこともあり、そもそも、マスコミに居残ることを希望していました。ただ、それは出版ではなく映像でしたので、なおさらに、今の現状に、自らに対して不思議を感じていたりもします。といいつつ、自動車雑誌のバイトからスタートした社会人人生は、年齢とともにクルマ専門ライターというスタイルとなり、今に至ります。脱したいけど、なかなか脱せない、でも、努力を嫌うキャラクターから、つまり、グータラな性格から、日々流されるままに生きてきました。それが許された時世だったんでしょうね。過去形になっていますけども。  さてと、そんなこんなの、去年だったかな、世界文化社のMen's-EX オンラインに執筆しませんか? というお誘いをいただきました。まぁ、自分では購入することがなかった男性ファッション誌への執筆ですな。自由にどう

#1514 もう少し、スバル・XVについて、語っておきましょうか、ね。

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 まとまりの良さといいましょうかね、バランスがいい、整えられ過ぎている感がとっても強く残りましてね。って、それは、発表会で感じた、計算され尽くした感すらあるものでした。つまり、演出から、走行性能から、そして、デザインに至るまで。  ま、結論としては、上手く仕立てましたね、という #1511 で書いたことに流れていくわけですが、実のところ、試乗会で開発陣と話をして、それがクリアになっていったという流れもありました。そう、実は。ひとつは、X-MODEの話で、これはまた後日に語ることにして、もうひとつは、デザインについて。かつて、クラブレガシィの取材で幾度かお話をさせていただいた方がいらしていたのですが、あの頃のレガシィを懐かしむのではなく、先代XVから新型XVへのステップアップといいましょうか、比較について、あれこれと話をしました。  すでに語りましたが、新型XVは、スバルの中でかなりウェイトを占める商品として、インプレッサの開発と同時に横でスタートしています。ちなみに、先代XVは、インプレッサがあって、それに足すという手法で、作り上げられていますから、そこに大きな違いがあります。で、素人目で眺めた時に、それがデザインの違いとなって何かを訴えてきておりまして、そこに違和感というか、なんだかわからない感を覚えたもので、少々深く聞いてみたというわけです。感じたのは、先代は良くも悪くも後付け感があって、それが愉しさを生んでいたものの、新型はあまりに整い過ぎており、クラッティングパネルにしても馴染み過ぎている、と感じまして。あまりに整い過ぎた出で立ちに対して、ハンサムになったという表現を使われていましたが、まさにそのとおり。では、先代が不細工かといえば、そんなことはなく、あれはあれでバランスが取れていました。後付け感による下品さを全くといっていいほどに感じさせない、そんなセンスに長けていました。だから、デザインが高く評価され、そこから入って、オーナーになる人も多かったんだと思います。  で、新型。先代を超えなければ、でも、先代のテイストは残さなきゃという、期待に応えなきゃとばかりに、頑張り過ぎたんだと思います。デザイナーが愉しんで線を引いていないとは言いませんが、弾けていない感がもう少し欲しかったと思うところがあります、個人的に。たとえば、それがいちばん分かりやすいなと感

#1427 昔のスバルから最新のスバルへと引き継がれたもの、……、云々。

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 スバルの360から次期インプレッサまで、試乗するという、とても貴重な機会をいただきました。その台数、9台、時間は短いといえども、一気乗り。これ、プレス向けの試乗会でして、これからデビューする次期インプレッサにまで息づいている、スバルの血統といいましょうか、DNAといいましょうか、根幹といいましょうか、哲学(フィロソフィ)といいましょうか、それを感じ取って欲しいという狙いが、スバル側にはありました。ありました。そう、ありましたが……、まぁ、散々、今や一時休刊となってしまったクラブレガシィを通じて散々にスバルに触れてきた者としては、少々厳しい目で見つめてしまうだろうなと、思いつつの参加となりました。  1台あたり5分前後の試乗時間ゆえに、細かくまでは観察できなかったり、はたまた、連続しての試乗だったため、すでに忘れ去っているところもありますが、今回の試乗会では、これからデビューを果たす次期インプレッサへとスバルらしさが続いていることを、感心をもって、感じた次第。それは、端的に表現すれば、素直たる操縦性でしょうな。意のままに、とは、まさにこのこと、と言わんばかりの操縦性。そこに、やがてAWDならではの安定性が加えられ、バランスさせていく、という、そんなスバルらしさですな。そういう観点からすると息づいているというよりも、進化を続けているといった表現のほうが的確かもしれませんな。  さて、そんなスバル試乗会にあって、今回、最も印象深く、最も感激したモデルは、写真いちばん上のアルシオーネでした。路面からの豊かな情報がドライバーにダイレクトに伝わって来ます。クーペ、つまりラグジュアリィテイストを与えたモデルゆえに、そのあたりは曖昧にされているかと思いきや、スポーティさを消し去ることをしておらず、コストを掛けられた時代がゆえのアッパークラス感もあいまって、まさに質感を覚えさせるもの。アルシオーネに限らず、試乗前に構えていたのは、ハンドリングにあるだろう曖昧さであったり、ボディ剛性の不足でしたが、意外にもそれらを不満に思うことはなく、それどころか、それらがしっかりと作り込まれており、感心を覚えたほど。オーバーな表現を用いますとね、絶対的なポテンシャル(数値)は最新モデルのほうが上でしょうけど、フィーリングとしては最新のモデルよりも断然いい。簡潔な表現を用いますとね、対話性が

#1345 その仕上がりから、絶対的な性能の高さすら感じた、次期型インプレッサ。

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 すでにニューヨーク国際オートショーで発表され、今年デビューすることが予告されている新型インプレッサを見てきました。実際に目にしておいたほうがいいと感じ、当日取材の予定を午後へとずらして出掛けてきましたが、あ、これ、スゴかった。あのですね、広報写真から感じていた、写真ならではの質感とは異なる、見てすぐに感じ取れる高い質感が表現されていまして、ちょっと驚きでした。  それは素材の使い方、組み合わせ方だけではなく、デザインによるところが大きかったように感じます。たとえば、シート。見ただけで、ホールド感と心地良さがバランスされていることがすぐに伝わってくるもので、まさに、触れてみたくなる、座ってみたくなる、そんなテイストに仕上がっていました。で、座ってみれば、スポーツ走行に求めたくなるようなサポート性がありながらも、包み込まれるという不可思議なフィーリングをバランスしていて、これが好印象。特にショルダー部の作り込みは、よくぞここまでのサイズを確保しましたねと思わせるものなんですが、実サイズは大げさ過ぎずという、まさに心地よさをデザインしていていました。また、運転席、助手席における距離を広げていていまして、これもクラス感を超えているなぁと感じさせるポイントとなっていました。US仕様でしたから、センターコンソールにはレバー式のサイドブレーキが存在していましたが、電動パーキングブレーキ仕様ではカップホルダーが横置き……、されるんでしょうね、きっと、と思わせるほどの、ゆとりがありました。  リアシートは足下スペースのゆとりがとても印象的でした。シートポジションはちょっとゆったり目としながらも、腰からショルダーまでをしっかりとサポートしているという、これもまたクラス感を超えた快適性をデザイン。ところがふと気付けば、座面長はこぶしひとつ分不足。といっても、それに気付いたのは、足をフロントシート下に入れたゆったりポジションを取った時に、座面先端部に圧を感じたから。実のところ、長さは不足していながらも、それを不満とは感じなかったのは、シートポジションが良かったからにほかなりません。そういう意味では、ルーフラインがかなり抑えられたことで、リアシートへの乗降性とリアシートでのサイドへの視界がちょいと犠牲になっていましたが、ドアを閉めてもらうと、実のところ、心地よい包まれ感があって、むしろ

#1324 フォレスターに表現されていたハンドリング性能に見えた、スバルたる理想。

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 突然に思ったわけですよ、スバルの新世代プラットフォームがスゴイのは分かった、では、最新というか、その手前の最終というか、今のスバルはどうなんだろうか、って。というわけで、スバルの中で、最新となる改良が施されたフォレスターを借り出して、あれやこれやと観察してみることにしたわけです、はい。   #1283 で書きましたように……、って、あ、この車両、試乗会で乗った個体そのものでした。そうでしたか、御無沙汰でしたな。って、えっと、試乗会で感じた印象は変わっていません、そのままです。ただですね、大絶賛だったプジョー208から乗り換えたものですから、当初、戸惑いを覚えたのも事実。クルマたる愉しさといいますか、理想を求めるならば、接地感とグリップ感は、やっぱり優先すべき要件であることを再確認したりして……。  が、昨日、400km近く、半分以上を下道を走ったらば、新たな発見といいましょうか、スバルが何を求めていたのかが、突然に見えた気がしました。とにもかくにも最優先されているのはハンドリング性能。ワインディングから交差点を曲がるといったシーンにおけるステアリング操作で、とにかもかくにも、リアが素直に、そして、遅れを感じさせることなく付いてくる。言い過ぎかもしれませんが、フロントと一心同体といった感じで付いてくる。それは速度域が変わっても、変わりません。今回の改良で、素直に動くようになったサスペンションフィールがそれを助長しておりまして、これがいい。とてもいい。何をいまさらいうかね、と思われたかもしれませんが、ま、いまさらに全てを理解できた感があります。それはボディだけではなく、シャシーも含めた剛性の高さと、そのバランスがもたらすもの。つまり、理想をしっかりと見極め、その理想へと近づけていた、そんな集大成ともいわんべき仕立てでした。なるほどね、なるほど。  となるとですね、208からの乗り換えで何を戸惑ったのかって話になりますが、最初に言いましたように、ハンドリングを最優先した結果、つまり、シャシー剛性を求めた結果、バランスしきれていなかったのが、接地感、グリップ感、さらには、乗り心地。前者2つは、ステアリングを切り足してみると分かりますが、グリップ感が読み取りづらい。クルマは素直に、まさに意のままに動くんですが、操舵しているフィーリングが薄い……、と。で、乗り心地ですが

#1322 話題を途切らせないという、スバルらしからぬ新たな戦略。

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  #1318 にて、新世代スバルのプラットフォーム発表会の話を書いたと思ったらば……、あの発表会、話題を途切らせることなく提供する目的もあったようです。というわけで、いきなりニューヨーク国際自動車ショーで新型インプレッサ発表の予告が飛び込んできました。年内後半に発売というので、もう少し遅いかと思っていましたが、まぁ、北米がターゲットマーケットのモデルであると考えると、当たり前ですな、当たり前。  まぁ、最近のスバルのデザインスタディに関しては、どこをどう引くと市販車のスタイルになるかが、ほぼ決まりごとかのようになっていますから……、そうなんです、想像できます。今の流れをそのままに、昇華(!)させるデザインですから、好意的に取られることでしょう。走りについては、先に述べたとおりで、不足どころか、驚かしがあるでしょうな。  って、まぁ、それは愉しみとしてとっておいていいんですが、ふと考えるとですね、コンセプトモデルも、ハッチバック、セダン、XVという順序で発表されていますから、市販車もズレていくんでしょうなぁ。って、まぁ、話題を途切れさせないという面では、いいことだと思いますが、まずいのは、それに伴って技術の世代がズレてしまうこと。もちろん、発表時期によってズレることは致し方ありません、しかし、あっちが、現行型XVのように、ハイブリッドはVer.2のままで、ガソリンのみver.3というのは、好ましくないというか、購入側に立ってみれば、ハイブリッドモデルは購入のブレーキになりますからして。  というわけで、新世代スバル商品群に対して個人的な心配はそんな程度。なんて書きつつ、ふと、レヴォーグのフルモデルチェンジのタイミングはどうするんでしょうね。この5月でようやくC型ですから、来年マイナーチェンジ……、って、これまでのレガシィのサイクルを当てはめてはいかんですな。あ、レガシィはどうするんでしょうね。いちばん最後になるんでしょうけど、って、WRXは……。さてはて。  そうそう、新しいプラットフォーム、FRは考えていないとのことでした。どうするんでしょうね、BRZ。

#1318 スバルは、自身をもう少しアピールしてもいいと思う、って話。

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 本日プレス向けに開催された「次世代SUBARU説明会2016」へと足を運びました。スバルは、昨年の東京モーターショーを皮切りに、インプレッサ、セダン、XVとコンセプトカーを発表していますが、そのベースとなる次世代プラットフォームについての説明会ですな。ただ、説明会といっても、理想であり、掲げている目標(値)を公開したといった内容で、具体的にはボディが公開されたことがトピックでした。って、新型インプレッサが今年後半に発表されるタイミングを考えると、ま、この程度の公開が当たり前ですな。  その内容については、すでにあちこちで書かれているでしょうから、ここでは書かないでおきましょうか。ま、説明会で見聞きしたことから想像するに、新型インプレッサは、相当なポテンシャルが与えられたモデルであることが想像できますし、たぶん、試乗すると、その期待は、いい意味で裏切られることでしょう。ただですね、、これまでのスバルを知っているから、あと少し……を感じているからこそ、想像できること。これ、一般の人に、プレスリリースのままに、説明会のままに伝えた時、どういった印象をもつのだろうかと感じました。たとえば、説明会でも、プレスリリース同様にまっすぐ走れるとか、世界最高水準の安全性能といった言葉が使われていたのですが、これらの単語は、どのメーカーもブランドも使っているもの。目標であることは事実なんですが、その先を見据えていること、その到達ポイントの高さをアピールしきれていないところがあったように感じました。  たとえばですね、VWのMQBプラットフォームでは、トランスミッションが将来どうなるか、だから、こうしたのだという、先を見据えた話、理由がありましたし、パワーユニットに関する話もありまして、それほど具体的ではなくても、明確なロードマップを示したことで、MQBプラットフォームの価値、意義を、しっかりとアピールしていた。つまりですね、なんとなく、電動化も見据えた設計ですだけでは、やっぱりアピールとしては弱いかなと感じたというわけですが……、ってこのあと、今後の話題として残してあるんでしょう、きっと。  さて、それとは逆に、よくがんばってアピールしましたねという内容もありました。それがアイサイト関連。左は、説明会で配布された資料でアイサイト装着車の有効性を示していた表現

#1285 理解するに必要なキーはスポーティさにある、レヴォーグ1.6GT・B型。

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 さらにさらに、スバル車ネタが続きます。でも、試乗会ネタではありません。ロングインプレッション中のレヴォーグについて。ですレヴォーグに、散々に取材してきましたし、開発陣に話をうかがってきましたし、分かっているつもりなんですが、ついつい、スポーティたる意図的な演出が施されたモデルであることを忘れてしまいます。なぜなんでしょうかね、これ。レガシィ(4世代目)の2.0i的なスタンダードを重ねてしまうのです、ついつい。それはエンジンパワーじゃなくって、シャシーのほう。というわけで、試乗する度に、違和感からスタートするんですが、ま、すぐに思い出します、あ、スポーティに仕立てたモデルだったんだ、と。  試乗したのは、B型で改良型ダンパーを採用し、燃費改善を図った1.6GT。で、ファーストインプレッションですが、低速域での渋さが薄くなったというよりは、よく動くようになった感のほうが先に飛び込んできましてね、なんていうんでしょうかね、……、よく動くんですよ。いいことなんです、いいことなんですけど、でも、バネレートは高め、ストローク量は少なめ。つまりですね、フラット感が薄くなった印象があり、ストローク量だけではなく、底づきな雰囲気も感じさせる。言い換えますと、バネレート高め、でも、乗り心地をしっかりと確保している、という乗り味であり、これも、ひとつのバランス、か。ただ、これは日常における低〜中速域での話で、高速域に行きますとフラット感がここぞとばかりに全面、前面に出てきます。  もう少し、乗り込んでみると、あれこれと見つけられるかなと思いつつ、本日、フォレスターやXVの最新の仕立てを感じたら、ますます、あれやこれやを感じつつ。でもね、いいんです、これで。スポーティさを極めたステーションワゴンですから。って、考えると、もっとスタンダードなこのサイズのワゴンがあったら、いいのにな、と感じたのも、また事実ですが。  というわけで、後日、燃費を含めて、また、語ります。

#1280 なんだかんだ言われた先代であっても、レガシィ最終型は高値安定。

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 もうしばらくで届く原稿依頼を待ちつつ、去年の今ごろは何をしていたんだろうかと振り返ってみれば、今日、12/2はBMWのオールラインナップ試乗会が千葉であって、終了後に翌日の取材のために金沢まで走るというたいへんな1日でした。横浜市金沢区じゃなくって、石川県金沢市ね。ちなみに、取材班は先に金沢入りして、あとから追いかけることになったんですが、まさかの吹雪かつ圧雪路となった北陸道を走ったことは、いまでも強烈に覚えています。そう、強烈にね。その金沢行きとは、三栄書房のクラブレガシィの一時休刊となる最後の号での取材でした(画像上)。現行型レガシィを連れたっての取材。そうか、1年前はクラブレガシィがあったんだなぁと思いつつ、連載で受けていた中古車相場リサーチの企画のことを思い出しました。そう、あれからレガシィの中古車相場って、追いかけていませんでしたので。  で、先代レガシィ生産終了から1年以上が経過してさてどうなったかと調べてみれば、やっぱり高値傾向にありました。注目は、新型では消滅してしまったツーリングワゴン。その最終型となるE型の2.5LNAに設定されていた特別仕様車B-SPORT EyeSight、その中でもさらにG Package(写真左)の価格は、予想どおりな高値。車両の状態にもよるんでしょうけど、検索した中でいちばん高かったのは248.4万円。ちなみに、新車時の価格は278万2500円+塗装代で281.4万円。つまりですね、新車時から33万円しか下がっていないと。なるほどねー、ナビとか、オプション満載かと思ったら、ナビレス。そうか、最後の最後の最後の登録ゆえのプレミアム価格かと思ったら、26年1月登録ですから、まだ受注を受けていた頃の車両。つまりですね、ほぼ2年落ち。あ、走行距離が極端に少ないのかと思ったら、走行距離2.0万kmと、2年で2.0万kmは平均的(レガシィツーリングワゴンでは少ないほうですが)。  なんだろ、この個体と調べてみたら、詳細の記載に、車両価値を削ぐ方向への誤りを発見。Gパッケージだからパワーシート付きなのにレスになっているし、17インチホイールなのに16インチという表記。それなのに強気の高値表記。で、もう少し調べたら、同じ店舗で、それこそ最終の最終の最終の最後な登録と思われる、14年12月登録、つまり1年前登録で、距離は1.6万

#1207 SUV的なだけではなく、クルマたる完成度も高いゴルフオールトラック。

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 で、 #1206 の続き、試乗会のメインのゴルフオールトラックの話です。ゴルフRヴァリアントの直後という試乗順では、このオールトラックに不足を感じてしまうかなと思ったものの、実際には、あれこれに違いを感じても、それを優劣とは捉えませんでした。むしろ、ゴルフヴァリアントをベースにして、Rとオールトラックと2機種のバリエーションを作ってきたことに感心したと。ちょっと、これは自分でも意外だった部分で、って、まぁ、そう捉えないように意識的になっていたところもありますが。  たとえば、ハンドリング。その操舵感は、SUV的という以前に、これ、ユニット違うでしょ、といわんばかりの差がありました。が、オールトラックのそれを悪いとは思わなかった。操舵感に曖昧さはありますし、特に戻しに対しては、Rとの違いを強く感じましたが、それはオールトラックのしなやかなサスフィールと、豊かな路面トレース性とに見合ったものであり、違いは感じても不足とは感じなかった。エンジンフィールも、Rとは全くもって、パワーもトルクも異なるにも関わらず、こちらの1.8Lターボの扱いやすい仕立てと、パンチを加えたフィーリングに感心しましたし。そして、コントロール性がいいことを発見。重心が上がっているにも関わらず、それを上手くシャシーフィールに転換していて、つまりは、ロールやグリップを感じながらのワインディング走行に愉しさがありました。  では、SUVとしてどうなのさ、という点について確認すべく、ちゃんと砂利道も走ってきました。といっても、非常識なスピードで走るようなことはせずに。で、感じたのは、SUV的な仕立てというよりも、やっぱり、このプラットフォームの懐の深さに感心しました。仕立てのいいサスペンションとは、路面トレース性に長けており、速度域や路面状況を選びません。ま、ある性能に特化させたサスペンションは別にして。というわけで、オールトラックのシャシーは、路面をトレースしているフィーリングに長けていまして、少々、凹凸があろうとも、グリップを失うことなく、乗り心地に対しても、余計なリバウンドを見せることもなく、優秀でした。  そして、ここでも、頭の中に比較対象として浮かんでいたのはスバル車。具体的には、レガシィ・アウトバック。クラスが違いますし、もちろん、ボディサイズが違いますし、グランドクリアランスも違

#1179 それでも書き足りなかった、新型レガシィの話、その3。

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 あれだけ書いたレガシィ話( #1176 )ですが、振り返ると、あれを書いていないやとか、表現が不足していたかなと思うことが、次々と浮かんできます。書き足したり、書き直したりしようかと思ったのですが、アクセス数が飛び上がっていまして、大掛かりな修正はやめておいたほうがよさそうなので、あらたにアーティクルを作ることにしました。ちなみに、アクセス数は、夏みかんジャムの20倍。後から訊きましたが、 クラブレガシィのFacebookページ でリンクしてくれまして、Facebookからのアクセスが多くあったようです。ただ、調べてみると、割合としてはダントツにはなっていないようで、いずれにしても、いまだもってしても、レガシィへの注目度の高さを感じますな。  で、書き足しの件。まずは、リバウンドフィールが大きく感じる件について。あれこれと考えたのですが、あらためて観察してみると、日常的なドライビングといいますか、普段のシーンでは、気になることはありませんでした。少々スピードを上げて、かなり荒れた路面で顔を出すものであり、重箱の隅をつつき過ぎな気もしました。と、同時に、ティアナはどうだったっけか? と振り返ったのですが、あちらは、京都往復がメイン、しかも、高速道路、さらには、新東名と新名神の印象が強く残っていまして……、分からず。といいますか、テストしていませんので、分からず。  いずれのモデルにしても、速度を上げると途端に表情を変え、ハイレベルのスタビリティを強く感じるところは同じ、か。って、話がずれてきた、その件で、もう少し、レガシィ(17インチ)について語りますとね、フラット感が急に高まることは事実なんですが、それと同時に、トレース性が突然豊かになることのほうが好印象であって、ここに、18インチのスタブレックスよりも、17インチ標準サスが好みという理由の根本があります。路面のすべてをタイヤの広い接地面をもってトレース、つまり、タイヤが路面を離すことなく、走りゆくあのフィーリング。そこでのサスペンションのしなやかさは、絶品といわんばかりと。これが、書き足し部分ですな。  それを強く感じたシーンは山坂道系の広域農道。ところが、これが乗鞍へ上っていくルートへ入ったら、ちょっと違う印象を持ちました。タイトなワインディングですな。といっても、それは トレース性ではなく、挙動のほう

#1177 スバルの理想が仕立てられている、レガシィの2.5LエンジンとCVT。

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 レガシィ話の続きです。今回「も」、有料高速道路を利用することなく、すべて下道(一部自動車専用道路を利用)で走ってきました。いつものルート、八ヶ岳のパン屋経由、乗鞍温泉までの、往復ですな。ですから、峠は、大垂水峠、小仏峠を越えて、甲府盆地を走って、八ヶ岳の麓を走って、下りて、諏訪、塩尻、松本市街地を抜けて、乗鞍越えならぬ、乗鞍上り。って、まぁ、峠っていったって、大垂水はレベルとしては小さいですし、甲府盆地ったって、平地を走らず、丘陵を上って下ってを繰り返していますから、低燃費を期待するには不利なシーンばかりですな。  さて、エンジンについて少々。新しいFB25型(2.5LNA)は、中回転域のトルクをしっかりと出しておりまして、とっても好印象。高回転でのパンチは期待できずとも、そこに届く前に、とんでもないスピードに到達していますので、別に気にならないといった感があります。そう意味からしますと、S#へとスイッチさせたら、とんでもないパンチが出てくるという期待には、応えきれていないかもしれません。  で、このFB25、CVTを含めた新型レガシィの2.5Lユニットは、FB20(2.0LNA)に感じたあれこれ( #1145 )は見当たらずといったことからも扱いやすさが好印象。たとえば、発進時に気を遣う件は少しアクセルペダルを踏んだだけで2000回転へとは飛び込まず、1500回転で止まってくれますし、1200回転以下をキープしたいという理想のペダル操作は……、できる、というか、難しくない。考えるにですね、スバルの理想を求めるに優先されたのは発進時のパワーであり、そこだけを観察してみると、実は、2.0L、2.5Lともに、そのフィーリングは、エンジン排気量差ほどの違いを感じさせません。つまり、同じように発進し、加速していきます。そう考えると、2.0LNA+CVTの仕立ては優先順位を明確にしただけの話であり、 低燃費を諦めたわけではなく、それに対して安直に ダメ出しをするのも酷であるのかなと。そんなことを感じました(反省)。  というわけで、この2.5Lユニットは1200回転以下でのアクセルコントロール(走り)をしやすく仕立てられていまして、そこを意識する、つまり、アクセルわずかに踏んでロックアップさせて1000回転少しをかなり保つことで、低燃費を引き出せます(左写真)

#1176 最新型レガシィB4に見つけた、新しい走りと、あと少し感。

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 最新型レガシィに対して、クラブレガシィで何を書いたっけかなと読み返したところ、17インチがいいこと、B4が好みであると書いています。そして、その後、 #1117 にてあれこれを感じつつ、再確認しようと、今回の日帰り・下道・ロングドライブへと連れ出しました。残念ながら、能登行きではありませんでしたな。 で、いつもの ヨシダインプレルートを走ったら、新たなる発見がありました。  そもそも、レガシィは、先代モデルでグローバルなモデルへと進化しましたが、そう言いながらも日本市場にかなり気を遣っていて、それが中途半端さを生んでいたところもあったような気がします。そして、最新型では、レヴォーグにその役割を渡すことで、まさに足枷が外れたかのように、生き生きとしていました。デザインはもちろん、走りに至るまで、質感の大幅なアップですな。結論を先に述べるならば、この手のアメリカのスタンダードセダン、つまり、ミドルクラスサルーンクラス(FF)の中ではトップであることを感じました(新しいVW・パサートに乗っていないので、パサート除いての話とはなりますけども……)。  そんな新しいレガシィの美点は数多くありますが、実のところ、トピックとなりうる真価のいくつかは日常の走行だけでは17インチ仕様であっても見えてきません。どこで分かるかというと高速度域での走行ですな。日常では、路面が少し荒れているとバタバタ感を見せつつ、それでも、その動きに細やかさがあり、さらには滑らかな転がりも手伝って、アッパークラス感と人によっては硬さとを同時に感じるという不可思議なフィーリングがあります。ところがですね、これが、速度域を上げて高速道路のようなフラットな路面へと移った途端に、フラットライドに変わり、うっとりするような路面トレース性を披露します。路面の全てをなめるようにトレースするフィーリングから、そのサスペンションの動きに心地よさを感じるという、あのフィーリング。左のようなシーンは、まさにレガシィの真価を楽しめるシーンですな。このフィーリングは、これまでのスバル車にあったらいいなと感じていたものですので、ようやく手に入れましたな、拍手喝采といった感があります。  ただ、日常では大きくストロークさせることなく硬さすら感じさせたサスペンションでしたが、修復を放置されたような路面ではストロークを許さ

#1117 アッパークラス感を評価しつつ、おや? も感じた、最新型レガシィ。

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 さてと、レガシィですな。今回の試乗会では、最後に乗ったのですが、実のところ、おや? がありました。いや、アッパークラス感たるレガシィらしさをまずは感じましたが、 そのほかに、先代のA型に感じた、おや?  これでいいのだろうか……、に近い、おや? とでも言いましょうかね。 最新型レガシィには、 クラブレガシィでの取材もあって ロングドライブ試乗をしていますが、その時以上におや? を感じました。レヴォーグに乗った直後だったからか? と思いつつ、クラブレガシィでは、新型レガシィとレヴォーグを連れたっての取材があり、その時にはそう感じなかったので、それも違うと。ま、ありうるとしたら、しなやかさを得たインプレッサの印象と、どこかで比較していたってことぐらいか。といいつつ、クラス感が異なりますし……。と、その理由は定かではありません。  そもそも、何に対して、おや? を感じたかといいますと、日常域の乗り味。高速域はいいんです、とてもいいんです、ハイレベルなスタビリティがもたらすグランドツーリング性能をとことん表現していまして。ところが日常域では、タイヤが落ち着くことなくコトコト……、というよりは、路面をトレースしきれていないといったフィーリングですから、トコトコといった表現のほうが的確か、を見せる。これ、アウトバックでの話なのですが、好みだと思っていた17インチタイヤ+ノーマルサス仕様で感じたものですから、自分の中では意外なこと、でもありました。ちなみに、18インチはスタブレックスダンパー採用によって広い速度域でフラット感に長けているものの、18インチサイズゆえの硬さが気になったのも、また事実。ってな、グレード違いによる印象のあれこれは、クラブレガシィ取材時とは変わっていませんでしたが……。  B4に乗り換えたところ、そのトコトコ感は薄まっていました。そもそも、セダンたる基本性能をしっかりと作り込んでいるという意味合いもあって、新型レガシィにおいては、アウトバックよりもB4のほうが好印象でしたが、あれこれを 考えていくと、アウトバックのあれこれに対しては、もう少し煮詰めを期待したくなる、って感じでしょうかね。B4ではちゃんと仕立てられているわけですから。  と、いきなりにネガティブなことをあれやこれやと書き連ねましたが、レガシィが目指そうとしている方向性がダイレクト

#1072 クラブレガシィを振り返って思うあれやこれや、その2。

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 さて、その2。C型が登場した05年は、クラブレガシィ 以外でも3台まとめて取材へ連れ出すという企画が重なりました。BMW3シリーズ(E36、E46、E90)、プジョー(206、307CC、406)、ジープ(ラングラー、チェロキー、グランドチェロキー)、そして、クラブレガシィでは、2、3、4世代での比較企画(Vol027・p140 )がありました。世代違いやブランド内 で比較することで、それぞれに込められた想いを探し出し、そして、ブランド性という流れやコンセプトを見つけ出すことが、とても楽しい、そんな取材でした。 右の写真はレガシィの世代比較企画時ですが、レガシィにおいては、新世代へとスイッチする際に 先代を否定するのではなく、先代でできなかったことを実現する、そんなステップが見られたことが強く印象に残っています。ただ、一方で、快適性を求めた進化に対しておや? と感じさせるところもあり、無理に時代についていこうとしているレガシィをそこに見つけました。  ビッグマイナーチェンジとなったD型の取材は、大改良過ぎて、試乗とインプレッションとで、ドタバタだった記憶があります(Vol028・p15・写真左)。この時は、向後さんがちょいと刺激ある写真を撮影していたこともあって、文章も意識的に自動車雑誌的ではない表現を用いています。 クラブレガシィで、BMWやらレクサスやらを意図的に引き合いに出したのも、この時が初めてではないか、と。今更に読み返してみると、ほかブランドとの比較を含めながら、肯定的な表現方法や、流れがあって、いい文章ではないかと感じますな。デザインも、クラブレガシィとしては異例といいますか意図的なチャレンジが見られ、企画のすっきり感含めて、今でも最も好みなページだったりします。 それにしてもこの号でのカバーカーズ(Vol028・p9)の写真は、とってもいいですな。とっても。これも向後一宏氏。  この頃、レガシィ以外にも刺激を与えてくれるクルマに出会っています。 プジョー406からは快適を語るリアシートの仕立て方を、 ゴルフ5からは乗り味の質感アップたる手法を、Aクラスの ボディサイズと質感は比例しない仕立て などなど。自ずと、レガシィに足りないモノも見えてきて、バランスやら質感やらをやたらと語るようになるのも、この頃でした。  また、このD