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#1790 この年次って表現が、今年の終わりを感じさせる……、「2025年次」なRJC カー オブ ザ イヤー。結果ね。

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 気がつけば、もう11月も下旬。あっという間に1年は過ぎ去っていきます。ということで、今年次のRJCカー オブ ザ イヤー(←半角アキが正しい)を振り返っての、あれやこれや、を。個人的には、いろいろな事情があってとは理解しつつも、ホンダとスズキという2ブランドになってしまった国産部門の行方、一方の輸入車では、ここのところ連勝となっているメーカーの快勝が続くのか、いや、ここで途切れて、中国や韓国のブランドが評価されるのか、はたまた、フィアットやクライスラーを傘下に収める欧州企業がトップとなるのか、あいかわらず、開票までまったくわからないという状況となりました。 で、結果は、下記のとおりとなりました。   RJC カー オブザ イヤー      スズキ スイフト   RJC インポート オブ ザ イヤー      BMW ミニ・クーパー   RJC テクノロジー オブ ザ イヤー      BYD LFPブレードバッテリーとCTBボディ構造 BYD    RJC 特別賞      三菱自動車工業 トライトン  今年を賑わせたモデルと技術たちですが、ま、いずれも話題を振りまき、それぞれに個性を放っており、今年はこういう結果になりましたか、といった感じ。いつも言っていますが、投票には甲乙つけがたく戸惑いがあり、いつもと同じくどう得点したかは覚えていなかったりもします。開票は、テストデー直後に、メーカーやインポーターの方々が見守る中で行われるのですが、自分が座っていた入り口付近の席(受付席)からはモニタがまったく見えずでして、読み上げられる点数を暗算するにも限界があって、最終的に結果が読み上げられるまで、わからずといった状況。輸入車は、読み上げの途中で、入れ替わりがあったようですが、そんなことも分からず仕舞いでした。  そうそう、ひとつだけ、なぜに、商用車であるトライトンが受賞をしているかについてじれておきましょうかね。基本的にRJC カー オブ ザ イヤーでは、商用車は対象外となっているのですが、過去に三菱ふそうトラック・バスの技術が特別賞として受賞しており、このあたりは特に乗用車系という枠にこだわらず、これからのクルマの発展に寄与してくれる技術やコンセプトにも、与えることがあります。それゆえの特別賞ですな。ま、そういう意味合いでは、現行型トライトンはまさにそん

#1786 ランクル300よりも好印象だったりする、ランドクルーザー250に表現された、ストレートな素直さ。

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 三菱のトライトンにビックリしたって話を書いていますが、トヨタのランドクルーザー250にもビックリしました。現在のところ、ランドクルーザーラインナップは、300、250、70の3モデルとなっていますが、前回のモビリティショーでモノコックボディベースモデルの存在が明らかにされ、もう1台、コンパクトであるモデルの存在が公になっています。やがて5機種展開になりますので、現在の3モデルだけで否定をしちゃならんのですが、250は大き過ぎる、と、まず感じました。それもそのはずで、300とプラットフォームを共用しているために、そこに乗っけたボディサイズも、250GX以外では、300のZXと比較すると全長4925mm(−60mm)、全幅1980mm(±0)と、まさに同等となっています。いわゆるアメリカンフルサイズ僅かに欠けるといったサイズ感ですが、こんなドデカイボディを気軽に国内で走らせる人はいるんだろうか、と思ったものの、抽選販売とされながらも予定台数を大きく上回る申し込みがあったとか。いやはや、いやはや、といった感じです。  さて、そんな中途半端な状況にあるランドクルーザーですが、4月にランクル群として、この3モデルのプレス向けオフロード試乗会が行われました。そこで感じたのは、300と250ってボディサイズだけではない、乗り味の違いがあったこと。全幅は同じなのですが、250はフェンダーを張り出させた(相対的にドアパネルを引っ込めている)造形としており、小さく見えます。  今回は、オンロード中心の試乗となりましたが、このコンパクト「感」たるイメージが扱いやすさを作り上げていました。右の写真のようなドアパネル上部に手を乗せられるというスタイルはもちろん、室内サイズにゆとりがありまして、さらにはボンネットも見渡せるし、インパネも直線基調で整えられており、すっきり感があり、それもプラスでした。乗り味については、電動パワーステアリング採用もあって、操縦性にちょうどいいがあったのですが、個人的には、それは乗用車的というよりは、ラダーフレーム付き、かつ、フロント:ダブルウィッシュボーン+リア:リジッドというサスペンションとしての、進化系ともいえる、好印象ぶり。なんていうんでしょうかね、アッパークラスのプラットフォームならではのゆとりを存分に使い切っていて、タイヤのドタバタとした動きはやはりゆ

#1785 BFグッドリッチのオールテレーンT/A KO3、最速試乗記。本日、解禁となりましたので、その裏話を。

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 解禁となりました、オーストラリア取材。今日まで、なんの取材だったかを語れないでおりましたが、内容は、BFグッドリッチブランドからリリースされたオールテレーンT/A KO3のテストドライブでした。ま、インプレッションについては動画を観ていただくとしてですね、それとは直接関係ない話をここではつづりましょうかね。取材地は、オーストラリアだったので、ま、あれです、夜飛んで、朝に到着するというフライトだったのですが、そもそも時差が1時間しかない上に、早朝に到着。取材は翌日だったので、到着日は丸々フリーとなり、レンタカーに乗ってあちこちへと出掛けたのですが、当初はコアラを見に行こうと言われていたものの、流れるままにあちらこちらへ、と。まぁ、分かってはいたことですが、道幅が広いし、人々の心も広い。なにもかもが日本と違って見えるのはなぜだろうと思いながらも、これは海外へと出掛けると、いつも思うこと。そして、もうちっと意志疎通ができる会話ができたらいいのになぁ、と思うところも、いつものことでした。   イベントそのものは、このタイヤブランドのマーケットとされる地域の方々が参加しており、参加した回は、いわゆるアジア地域の方々が集っていました。こういった体験イベントはジャーナリスト向けであることが多く、ましてや、ある程度知識を必要とするこのタイヤように、理解し、解説するのが難しい製品の場合はなおさらのこと。と思っていたんですが、来ている方々の多くはyoutuber的なノリを大切にされている方々ばかり。ま、このあたりは動画を観ていただけるとわかるのですが、もう、みなさん、突然に語り出すは、背景やらは気にすることなく収録を始めるは、で、いわゆる、はーい、静かにしてくださーい、はじめまーす、とか、がない。ない、というか、そのための時間が用意されていない。現場は、もはや雑然としており、収録した者勝ちといった感じ。それに気づいて、うちらチームも、無理矢理に収録していったのですが、こうしてあらためて目にすると後方にほかの国の方々が映っていたり……。ただ、こういうスタイルに慣れていく必要を感じつつ、カメラマンさんの編集もあってそれなりに勢いは出せたのではないか、とも思うております。はい。  あとは、あれか、物価の話をしておいたほうがいいでしょうかね。いわれているとおり、高いです、超高いです。ただ、あ

#1782 オーストラリアだから赤が映えるのか、日本では映えないのか、でも、赤はすごくいいよね、と思った、ジムニー(シエラの5ドアバージョン)。

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 仕事でオーストラリアにおりました。その内容は、もうしばらくは話せないので、それ以外の話をば。ということで、ジムニー5ドアが結構走っておりましたって話をしようかと思います。あれですよ、あれ、日本でいうシエラの5ドアバージョンで、インドで生産されたモデル。日本への導入が渇望されるものの、導入を含めて、どうなるのかさっぱり分からないという、あのモデル。ただ、こうして市街地を走っている実車を目にすると、ストレッチされたといっても思ったほどにそのバランスは崩れていないし、サイズ感を含めて、ちょうどいいんじゃないか、と、感じさせるマジックがありました。ふーん、いいんじゃない? ってな、感じで。  ただ、ちょいと調べたところ、車両販売価格は5ドアで$40,000以上。今朝の為替レートが$1(以下au)=105円ですから、えっと、日本円にして420万円。ちなみにジムニーシエラ(以下ジムニー)3ドアのボトムグレードでも$34,990ですので、日本での販売価格には超リーズナブル感があります。そう考えると、3ドアは日本で生産できたとしても、5ドアはインドからの輸入になりますので、5ドアが日本で販売されたとしても、その販売価格は決して安くはないんだろうな、という妄想も沸いてきます。ただですね、ほか、オーストラリアで販売されているモデルの価格を調べてみると、たとえばトヨタ・ヤリスは$32,674であり、ジムニーの割高感は「それほど」強くはないことも見えてきます。ランチの価格が日本円で2000円を超えてしまう国と考えると、なおさらのこと。  それはさておき、不可思議に感じたのは、彼らがジムニーサイズ、つまり、いくら5ドアになろうともジムニーのキャビンスペースを認めて、選んでいるところ。そう、狭いとは感じないのだろうか、ということ。そういう観点からすると、5ドアが選ばれる理由は分かるのですが、3ドアもラインナップされており、意外にも選ばれていまして、ちょっと、驚きを覚えました。ま、ジープ・ラングラーとて2ドアを用意していることからも、需要があるんでしょうな。そんな妄想をしていると、ランドクルーザーにもショートボディがあったらいいのにな、とか、3ドアモデル好きとしては、あれこれと考えてしまいます。  あれこれと妄想していると、やっぱり、ジムニー5ドアを、ローンチできなかったスズキのスタンスに、い

#1774 東京モーターショーあらため、ジャパンモビリティショー2023に感じた、あれやこれや。その2

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 さて、続きです。ということで、それぞれのブース(ブランド)が表現したかったコンセプトは、果たして、どこまで来場者に伝えられたのかは、まったくもって分かりません。たとえば、日産のクレイモデル3台、CG2台という、計5台でコンセプトカーを表現していたことについて、会場に足を運んだという知り合いに話を聞いてみると、分からなかったと。そうなんですね、「ハイパーフォース」に目を奪われ、「ハイパーツアラー」にワクワクを感じたとこまでは強く印象に残っていたようですが、ヨシダイチオシだった「ハイパーパンク」については、ん? ってな、回答。まぁ、3連休の大混雑ぶりの中では、仕方なかったのだろうな、と思いつつ、逆に、ホンダのエリートジェットに乗った? とか、目立つモノに触れられた、それこそ列に並べた、といった言葉が返ってくることが多くありました。  そういう意味合いでは、ダイハツのビジョンコペンあたりはすごく分かりやすく、また、その完成度も実車テイストにものすごく近かったこともあり、人を集めていた理由はストレートに分かりやすかった。まぁ、この表現方法こそが、従来のモーターショーだったのかな、と思うところもありました。ただ、個人的には、ダイハツでは、コンセプトを強く表現していた「OSANPO(オサンポ)」が強く印象に残りましたし、このテーマをうまく市販車に落とし込んで欲しいな、なんてことを感じていました。あ、ダイハツでいえば、考えてみますとね、コンセプトモデルとして、EVモデルでもある「UNIFORM TRUCK/CARGO(ユニフォームトラック/カーゴ)を展示しながら、会場の端には、早々にデビューを予告しているハイゼットのEVモデルが置かれていたことに、今回はひょっとしてなくても良かったのでは? と思わせるところもありました(ちなみにプレスリリースの中に出展車両としては書かれていなかった)。  ブースコンセプトも、出展車両も楽しさがあったのは、三菱ブースでしょうかね。会場入ってすぐのところに位置していたこと、隣の日産ブースで「ハイパーフォース」に人が集まっていたこと、ほぼすべての市販車に乗ることができたBMWブースが目の前にあったことなどから、人が多く集まっていていました。個人的な意見とはなりますが、最近の三菱は、自らの存在価値を広めるのキーを見つめ直し、実直に展開しており、製品もす

#1772 三菱・トライトンは、扱いやすさと愉しさとが同居してて、ちょっと、いい。

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 北海道でテストドライブしてきたトライトンプロトタイプ、そのほか三菱モデルのオフロード試乗会での原稿が、あちこちで公開されています。とりあえずすべての納品は済んでいますが、いまだに納得いかないようなモヤモヤが残っている媒体がひとつあります。それが、世界文化社のMen's-EX Online( 前編 、 後編 )への寄稿。この媒体については、以前から、文体をクルマクルマ(メカメカ)しないで欲しいというリクエストが編集部より言われています。まぁ、ライフスタイル的なテイストを大切にしている媒体ですから、そこに、メカな話ばかり入れても興味を持たれないことはよくわかります。ただですね、今回のオフロードテストドライブは、オフロードを走れるとはいっても、モデルごとのポジションはバラバラですし、その上に、ヨンクたるメカニズムも異なっていますから、簡単であってもメカを説明しないわけにはいきませんし、なんとなくでオフロード性能を語るわけにもいきません。  ということで、結果としてですね、頭でそれぞれのメカを語りながら、オフロードでの性能を伝えましたが、これがなかなか難しい。指定文字数が少ないからという理由もありましたが、なんだかんだで指定文字数の倍となる3000Wは書いてしまいましたが、それでも、自分としてはものすごく中途半端。いいんだろうかと思いつつも、納品し、そして公開されています。ま、そんな苦労があることを思い浮かべつつ、眺めていただけるといいかなと思いますが。  さてはて、で、今回、そうやってあちこちに書いているうちに、自分にはトライトンがピッタリだ、と、あらためて思いました。三菱の中で見渡してみると、アウトランダーPHEVも、デリカD:5もいいんですが、オフロード走破性が、自分が求めるレベルに達していない。トライトンならば、モーグルであっても、ヒルクライムであっても、ダートであっても、どんなオフロードシーンであっても。そして、走ってはいませんが、あのポテンシャルはオンロードで相当に愉しさを持ち合わせていることも想像できます。ここまで来ると、ピックアップトラックであることは、どうでもよくって。ベッドは使わないけど、せっかくだから、使おうかなという気にもなってくるような気もしますしね。ただね、ひとつだけ難点が。車庫証明が取れないのですよ。全長が……、ね。

#1771 新型トライトン(プロト)が手に入れていた乗用車的な感覚と、ほか三菱車のオフ走破性の高さに驚いた、話。

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 三菱自動車の、オフロードを走れるモデルの、オフロードテストドライブへと出かけてきました。場所は、三菱の北海道十勝研究所内にある十勝アドベンチャートレイル。ここは、現在ではクローズドとなっているオフロードコースですが、あの増岡 浩氏が、重機とチェーンソーを駆使して作り上げた渾身のコースだったりもします。と聞くと、ハードなシーンばかりが連続すると思われるかもしれませんが、そんなことはなく。地形のアップダウンをうまく利用しつつ、あちこちに先の見えないタイトコーナーを設定し、ところにどころにハードなオブスタクルを用意。もちろん、ハードなシーンを迂回できるルートも用意されていますから、車種のレベルに応じたテストができる内容でして、一見、特徴がないと思われてしまうかもしれませんが、実はよく練られたコースとなっていました。  で、今回テストドライブしたのは、来年初頭の発売を予告されたピックアップトラックのトライトンプロトタイプのほか、デリカD:5、アウトランダーPHEV、そしてデリカミニの4車種。先方の狙いは、それぞれのオフにおけるポテンシャルを確認してもらうことにあったようで、それゆえに、モデルによっては迂回路が設定されているものの基本的に同じコースが設定され、比較できるようになっていました。ただまぁ、たとえばモーグルではトライトンでは余裕ありあり、でも、デリカミニではギリギリといった感じもありましたが、トライトンがチャレンジしたヒルクライム(フラットだったけども)をアウトランダーPHEVでもアタックできるなど、比較することで優劣を感じさせるのではなく、ほかの三菱モデルの見えづらいオフポテンシャルを試すことができた、という面で、実に「愉しい」試乗会でした。  ということで、今回は、このコースを走った4車種を交えて書いてみましょうかね。コースレベルは、モーグルは全モデルで下回りを擦らない程度とされ、ロックセクションはトライトンのみ3レベルある真ん中を走り、ヒルクライムはトライトンとアウトランダーPHEVのみ許されていました。ちなみに、路面状況は、前日に大雨が降ったためぬたぬただった、でも、早めに雨が止んだおかげで乾きつつあるけど、水たまりもあるってな感じでした。この試乗会で印象に残ったのはタイヤがグリップを失った際の制御でしょうかね。自らの感覚にもっとも近かったのがトライトンで

#1767 あれこれ考えると、よく製品化できましたね、と感心しきりだった、三菱・デリカミニ。

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 書いていなかったじゃん、という新型車試乗会が2つありました。ということで、その1台目、三菱のデリカミニについて。このモデルは、いろんな意味でよくできていました。昨今の、スタイルだけを変えてSUV風を装うモデルがメインストリームになりつつある中、現在の三菱ブランドにおいて、できること、できないことを明確にしながら、三菱らしさとは何かを自問し、まずは、上手に表現できていたところは高く評価できると思います。デザイン、走りともに、ね。  ベースとなったのは、eK Xスペースですが、意外にもオリジナルたるトピックは数多くあります。デザインでは、ひと目見ただけで強烈な印象を与えるフロントマスクを組み合わせ、あんまり変わっていない感を覚えつつも比較するとずいぶんと手を加えましたね、と言いたくなるリアセクションをトピックとしていますが、このデザインについては賛否両論あるかと思いきや、周囲からはマイナスな意見は出てきていませんし、自分も、いいんじゃない、これ、と捉えています。ただ、冷静に眺めると、このフェイスって、最新型デリカD:5ではなく、フェイスリフト前のテイストでして、ファミリーとしての整合性があるような、ないような、微妙なところ。いや、旧フェイステイストが強いように感じます。でも、不思議なのはデリカファミリーの一員であると認識させられてしまうところ。なぜなんでしょうかね、これ。あとは、ボディカラーについては、新色のグリーン系のイメージが強烈なのですが、ほかの色合いを目にすると、意外にそれぞれにスポーティとか、やんちゃとか、イメージが変わるもので、感心しきり。まぁ、これ、造形が、デザインがなせる技なんだろうなと、デザイン素人は感じています。  もう一つの、その走り(以下4WD)ですが、ダンパーの低速域と高速域での動きを、よりリニアに感じる方向へとチューニングを行い、さらにタイヤのハイトを1サイズとはいえアップさせた165/60R15を採用したこともあって、結果として、ストレスなく動き、かつ、路面からの大きな入力に対しては懐の深さを感じさせる、質感を与えています。これ、ベースモデルのeK X スペースも倣っていいんじゃないかと思いましたが、ま、あちらは街乗り重視であることから、異なるセッティングが必要なようです。ま、コストもありますしね。ワインディングでは、ロール量が減ったとい

#1765 FFだからという言い訳が見当たらない、新型BMW・X1。たださ、乗り心地に固さがあるのだな。

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 BMWのボトムモデルであり、でっかいMINIとプラットフォームを共有している1シリーズ、2シリーズアクティブツアラー、X1、あと、ほかにあったっけか、あ、X2ですが、 #1753とんでもないどころの騒ぎではなかった、BMW2シリーズアクティブツアラーの話。 で、記したように、2シリーズアクティブツアラーから、プラットフォームは大改良を受けておりまして、その進化はデザインや走りだけではなく、操作系から表示部までに見られるものとなっていました。もちろん、そこにはEV化も見据えたあれこれがデザインされていまして、具体的には、現行型X1シリーズベースモデルとしてEV専用iX1がラインナップされています。  今回、テストドライブをしたのは、ガソリン2.0Lターボを搭載したxDrive20i xLine。つまり、4WDで、現時点でボトムとなるグレードです。ちなみに、ガソリンモデルとて、海外では、18i(1.5Lターボ)や23i(2.0Lターボ高出力版)がありますから、日本ではどのタイミングでどのユニットを導入するのか、しないのか、見どころになってくるかと思います。ただまぁ、中途半端な価格に落とし込んだところで、数を見込めるわけでもありませんから、現在のガソリン、ディーゼル1機ずつでもいいような気もしています。というのも、この2.0Lがですね、7速DCTとの協調制御も含めて、日常シーンから、高速域まで幅広い性能を得ていまして、不足が見当たらない。ま、あるとすれば、トルクがあるので、ついつい踏んで愉しんでしまうこと、そして、2.0Lゆえの自動車税でしょうか。あ、昨今のカーリースは自動車税込みなんでしたっけか? なんだかな、そういうところまで、「意識」しなくていいように、なってしまっているから、あんまり関係ないのでしょうかね。いやはや、いやはや。  さて、少し話がずれましたが、X1の話。まず、先の2シリーズアクティブツアラーで感じていた新プラットフォームに対しての印象は大きく変わらずでした。具体的にはハイパフォーマンスを引き出せるポテンシャルに驚きつつも、まさかのベースモデルではギアセレクトをできない不満(BMWがこれでいいのか! 的な)、AppleCarPlayの認識が速すぎるといいたくなるほどに速いこと、そして、初期制動力の立ち上がりが強すぎてブレーキペダルを踏み込む際にかなり

#1762 サードシートを備えたFFジープのフラッグシップモデル、コマンダー。でもさ、あのさ、これさ……。

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 ジープに限らず、SUVにもサードシートを求める方が多くいますが、ヘビーデューティなヨンクは3ドアがいちばんカッコイイと思っている者としては、昨今のこの流れに乗れずにいます。SUVたるゆとりを感じさせるジャンルに、シートを無理矢理に押し込めるパッケージングは、なんかね、違うな、と思うのですよ。まぁ、実際に、SUVでキャビンを広げようとも、重心高のあるモデルですから、サードシート付きパッケージングを整えて、取り回しまで含めた、満足感を得ることはヒジョーに難しいものがあり、いずれにしてもミニバンのような居住性には遠く及びません。で、振り返ってみると、かつて、オフロードも走れるモデルをベースとして、三菱のデリカ・スペースギアにおいてフラットフロアと不満の少ないサードシートまでを、具現化したことがありました。ただ、あまりにミニバンを意識してフラットフロアにこだわりすぎたため、フロア高は乗降に面倒を感じさせるレベルとなり、かといって全高へと逃げられず、つまりは、キャビン高を稼ぐことができず。結果として、このチャレンジングなパッケージングは、モノコックにしちゃえばできるよね、でも、オフロード走破性はスポイルね、という、イマドキな結論を導き出し、そのコンセプトは、現行型デリカD:5へと引き継がれて「は」います。  で、振り返ると、ジープは、少し前に2世代目グランドチェロキーをベースとしてサードシートをプラスしたコマンダーをラインナップしていましたが、その後、経営難により次期型は消滅。現状では、ステランティスグループ傘下となってジープたるフルラインを取り揃え、最近では、サードシート付きモデルを追加。このサードシート付きジープが出てくることは、マーケットを眺めていれば予測できたもので、ようやく、現行型グランドチェロキー(ワゴニアも同様)にサードシートを備えたロングホイールベースバージョンを追加し、矢継ぎ早に、昨年、FFモデルにも同様にサードシート付きモデルをラインナップしました。これが、このコマンダーですな。まぁ、ジープに限らず、実は、このFFのCDセグメントモデルにサードシートは必須パッケージングとなっており、ジープも世の流れに乗ったと考えると妥当なところ。ただ、なぜか、このモデル、本国だけではなく、豪州・欧州でラインナップしないという不可思議がありまして……、……、……、あ、なる

#1759 何故に縦置きな直6ユニットを新開発? と思ったけど、そこにマツダの理想たる走りが感じられた、マツダ・CX-60。

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 なぜに、今、直6ユニットなのか。衝突安全の面で不利とされて一時はV型に置き換えられるかと思われたものの、最近では、メルセデス・ベンツでも直6を復活。ま、不利よりも有利な条件が増え、不利だったことがらが技術によってクリアになったから、という理由は見えてきますが、なぜに、マツダが直6を、という疑問が湧きます。EV化が急がれる、いや、加速度的にシフトしはじめた昨今に、そもそも内燃機関を新開発? ま、簡潔に言い切ってしまえば、フルEVに向けて、もう少し時間がかかると見込んでのことで、過渡期にはPHEVを挟む、とのロードマップからでしょう。ただ、昨今の中国マーケットの急激なEVシフトや、北米のEVモデルへの購入補助金を眺めていると、おい、マツダさん、だ、大丈夫か? と、一方で、思ってしまいます。  さて、そこはさておいてですね、このCX-60という商品には、もうひとつの、えっ? がありました。それが、いま、マツダがエンジン縦置きプラットフォームを新開発? というものでした。その操縦性よりも居住性やらが強く求められる昨今のマーケットにおいては、縦置きレイアウトで居住性を確保するためには、そこそこのサイズが必要であり、つまりはDセグメント以上が基本となります。分かりやすくSUVを引き合いに出すと、メルセデス・ベンツGLC以上であり、BMWX3以上であり、サイズが大きいだけではなく、そこにはプレミアムなブランドばかりという共通項があります。そうなんですね、マツダは、大型なだけではなくアッパークラスへの新たなチャレンジ(これまではFFベースだった)もあっての投入だったことが見えてきます。個人的には、ますます、だ、だ、大丈夫か? と思ってしまうのですが、やっちゃえなんたらを堂々と謳っているブランドとは違って、マツダのスタンスには、いい意味でのチャレンジを感じておりまして、応援したくなりますな。  えっと、肝心な乗り味はですね、マツダのFRって、やっぱりいいよね、そこに排気量によるゆとりを特徴とするディーゼルって最高だよね、を感じさせてくるもの。テストドライブへと連れ出したのは、ディーゼル・4WDであり、シーンに応じてフロントタイヤへの駆動を行っていますが、とにかくハンドリングにおいては素直。操舵を楽しませてくれる対話性たるフィーリングと、コーナリングにおける4輪をどっぷりと路面へと押

#1757 上がりのクルマを、ジムニーにするか、ジムニー・シエラにするか、ちょっと考えてみた、話。

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 さてと、ジムニーの話をしましょうかね。我が家からジムニーが去って1年が経過して、今、フォード・フィエスタ1台では満足できないどころか、不整地へと気軽に足を踏み入れられないストレスがどんどんと膨らみつつある状況にあります。実は、これ、30年前にも感じたことでした。あの時は、クロカン(風)ヨンクを手放して、ワゴンRの4WD、続いてファミリアGT-X(4WD)へと乗り換えたものの、いずれもいわゆる乗用車4WDであり、クロカン走行できないどころか、砂浜でスタックする始末でしたから。かといって、フィエスタにどこか不満があるわけでもなく、むしろ、スタッドレスタイヤから夏タイヤへと履き替えたところ、やっぱ、ヨーロッパフォードっていいよね、が、溢れてでていまして、手放す気にもなれません。つまりですね、やはり、理想は2台体制であることを痛感としまして、ならば、フィエスタはそのままに、またも軽自動車のジムニー(以下ジムニー)との2台持ちはどうだろうか。ついでに、シエラ1台になることが自分としては納得できるのだろうかを探るべく、久しぶりにジムニーシリーズに試乗することにしました。  そもそも両車は、ボディやそのほかを共用としながら、シエラではワイドトレッド化とエンジン排気量アップ(NA)という大きな違いを与えていますが、そのアプローチは先代も現行型も変わっていません。そして、その分、シエラにはゆとり的フィーリングが演出されており、それがアドバンテージだと語ってきました。ところですね、現行型では別モデルを作ろうとしたかのような作り込みが見られます。分かりやすい表現をすると、先代までがジムニーを作ってから海外モデルたるシエラを作ったのに対して、今回は、シエラをグローバル戦略モデルに定めて開発し、ついでに軽自動車のジムニーも作ってみました、といった感じ。なので、完成度が高いこと、目指した走りが色濃く表現されているのは、シエラのほうであって、ジムニーには言い訳がたくさん見られます。もちろん、軽自動車という枠に収めばならず、この場合の言い訳は致し方ないと、捉えられますし、不満をいかに感じさせないかという仕立てが行われていますから、一概にウィークポイントと攻めたくなるのもちょっと違います。そうなんです、シエラのバランスが際立っているだけ、と、捉えてもらうといいかと思います。  その美点、ひとつ目は

#1755 軽商用車で、縦置きCVTを採用した、ダイハツ・アトレーとハイゼットトラックの話。

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 クルマの、喫緊の課題である、いや、命題となっている、燃費と環境性能の向上は、もはや、良いほうがいい、ではなく、ひと銘柄ごとではなく、自動車メーカーとしてトータルで下げなければならず、どのメーカーも苦慮しています。そんな観点もあって、FR系の軽商用車の2ペダルトランスミッションについては、はたして、どうしていくのか、各社で提案が行われています。  スズキは2014年に、2ペダルトランスミッションとしてASG(オートギアシフト)を組み合わせたものの、あの間を与えるシフトフィーリングに共感を得られず、現在ではキャリイではATのみに。といっても、黙っているわけではなく、ほかモデルのASGには、その空白の間をモーター駆動でアシストし、フィーリングとしては、上手く消し去っています。商用車に対応できないのは、耐久性やらの面で、まだ課題が残っているから、でしょうな。では、ダイハツはどうしたかといえば、一昨年暮れのフルモデルチェンジで縦置きCVTを発表。どこまでラフな使い方に対応できるのか、燃費はどう変わったか、ということで、軽トラックのハイゼットトラックと、パーソナルユースをターゲットとしたアトレー(今回すべてが4ナンバー化)をテストドライブすることにしました。それにしても、つい先日発売されたばかりと思っていましたけど、気づいたら、発売から1年以上が経過していたようで……。ちなみにハイゼットトラックは、CVTを組み合わせたついでにあれこれと改良を行った、いわゆるビッグマイナーチェンジ、アトレーはフルモデルチェンジという扱いとなっています。  肝心なCVTたるフィーリングはですね、これまで組み合わされてきた軽乗用車では、乗用ゆえに、パワーユニット、ドライブトレインからのノイズがキャビンへと伝わりづらくされていましたが、こちらは、キャブオーバー、セミキャブオーバーレイアウトゆえに、ダイレクトにキャビンへと侵入してきます。低回転域でのトルク感、ダイレクト感を求めて、ローギアードにした設定もあるんですが、それよりも中回転域以降のノイズが急激に盛り上がりまして、意識的にアクセルペダルを踏み込んでいると少々気恥ずかしさを覚えるほど。ただですね、トルク感はかなりなもので、まさにグイグイと走って行くフィーリングがあり、頼もしさを覚えたほど。ま、空荷状態とはいえ、比較しなければターボはいらないかな

#1741 乗用車用タイヤと違って、SUV用タイヤは走行シーンによって3タイプがあります、ってな、動画撮影。と、その裏話。ダンロップ・グラントレックシリーズ(MT2、AT5、PT3)の紹介。

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 夏に、もうひとつ動画の仕事がありました。当初、社内用もしくは販売店用の撮影だと聞いていたのですが、気付いたらYouTubeに公開されてようで、それを身近な人から教えてもらいました。ただ、特別に社内用向けを意識した語りをしていないので、一般公開されてもなんら問題はないのですが。動画の内容は、ダンロップのSUV向けタイヤであるグラントレックシリーズの3タイプの紹介でした。クロカンモデルに長く携わっていると、SUV用タイヤには大きく3タイプがあることをあらためて紹介したほうがいいと思うことがあります。なぜならば、これまでSUVに触れてこなかった人たちは、タイヤは、エコか、スポーツか、コンフォートか、で捉えるのがフツーであり、このSUV用タイヤの、走行シーンによってタイヤを選ぶという感覚を知らないからです。ということで、この手の解説は、いまさらでありながらも、続けねばならんことだもと思っています。ちなみに、同じくタイヤを紹介している #1737のタフト+ジオランダーX-AT では、MTとATの間に位置する毛色の変わったモデルをインプレッションしていますが、ああいった動画での語りも、前提として今回のような3ジャンルの説明をしたほうがいいなと、あらためて感じています。  さて、動画撮影の話を。撮影班は前泊してほかのシーンを撮影していたようですが、自分は指定されたとおり当日の朝に集合しました。なんか、先生みたいじゃん、とか思いつつ。で、撮影前に、開発者の方に助手席に乗っていただきあれこれと話をうかがいつつ、改めてのチェックを行いながら……、あれ、いつしか、撮影されていたという、そんな流れでした。動画の中で語った自分の意見は、脚色することなく素直に思った言葉であり、一方で、開発者とのやりとり部はあちらの回答を意識した質問を先に投げ掛けたりもしています。ということでビギナーさんでも分かりやすい内容としたのですが(企画の意図どおり)、この動画を目にした、うちの母親(自動車免許なし、クルマのこと知らず)がですね、視聴後に、ヨンク用のタイヤは3種類あるのね、と語っていたので、内容、構成についてはバッチリだったと思われます。  そのほかの撮影裏話としては、今回のカメラマンさん、これまでスチールで散々にお世話になっていた方なのですが、動画撮影は初めて。で、この人、自由に語ってください

#1740 ジープ・グラディエーター、すごくいいんだけど、ネックは価格。そうそう、八重洲出版のJeep spirit vol.2発売しました。

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 執筆したムックが発売の運びとなったようなので、そこで取材したジープ・グラディエーターの話を。このクルマですね、ラングラーのホイールベースをさらにストレッチし、アンリミテッド(5ドア)のラゲッジルームをばっさりと切り落としてそこをベッドにしてしまったモデルで、つまりは、ダブルキャブなピックアップトラック。ただし、その全長は5600mmもありまして、アンリミテッドでは4870mmでしたからなんと730mmも長くなっています。ちなみに、ホイールベースは3010→3490mmと480mmもストレッチされていますので、デザイン上ではなんかバランスに欠けるなぁといった印象もあります。ラングラーを見慣れていますしね。で、この全長、ドライビングという面では、乗りづらさを感じるだろうと思ったのですが、想像していたほどには感じない。そもそも、現行ラングラーは最小回転半径が小さくなっており、取り回しにそれほど苦労しないことも功を奏しているのでしょうな。とはいっても、全幅は1900mm近くありますので、狭い路地でのすれ違いなどには気を遣いますけども。あとは、時間貸し駐車場を探すのに苦労します。さらに、賃貸に住んでいる方は車庫証明を出せる駐車場を探すに苦労するでしょうね。  そんなグラディエーターですが、トラックゆえにどこまで不快さがあるかと思いきや、むしろ快適性にあふれていました。それはレギュラーモデルのラングラー以上かもと感じたほど。本来、ピックアップトラックのリアサスペンションは相当な荷重に対応させるためにリジッド式を採用し、そこにリーフスプリングを組み合わせるのが常。そして、荷重が掛かることを想定したセッティングが行われているために、空荷では、ひたすらにリアがはねてしまう、つまり、乗り心地がよろしくないものです。ところが、このグラディエーターは、ラングラーをベースにしているため、そうなのですよ、リアサスペンションにコイルスプリングを組み合わせたコイルリジッド式を採用おり、空荷であっても乗り心地が悪くない。そして、さらにはロングホイールベース化により直進性が高められていることはもちろん、それなのに曲がるじゃん、という、まさにフツーな感覚にあふれています。このあたりは、トヨタ・ハイラックスとは作り込みに対する考え方が大きく異なっているところで、あちらは、実用性を最優先したモデルであり、