#1524 予想以上にいい仕上がりだった、新型MINIクロスオーバー。

 MINIクロスオーバーのプレス向け試乗会がありました、本日。ベースとなったClubmanがあれだけの仕上がりを見せていましたから、まぁ、悪いわけはないですわな……、と、意気込んで出掛けてみれば、打ちのめされて帰ってくることになりました。
 あのですね、このモデルですね、SUVスタイル(BMWが言うところのSAV)に設えたこと、以前に、クルマとしての進化、熟成を大きく果たして。ボディの剛性感からシャシーの剛性感、そしてトルクを生かした走りがベースにあって、その上にSUVテイストがあるとでも言いましょうか、そんな感じであって、クルマとしての仕上がりが実にいい。快適性をしっかりと設えてあるという点からしても、クーパーSDを堂々と選べる。いわゆるMINI的なヤンチャっぷりは影を潜め、スタビリティ重視といった印象が強くあり……、なんていうんですかね、後部座席に人を乗せて、皆で楽しみながらのドライブをしたくなる、と、そんな感じにあふれていました。
 で、何に感心したって……、まぁ、全て。で、で、特に感心したのはハンドリング。FFなのにハンドリング。コーナーではクイックを感じさせることなく、素直に曲がるといった印象をドライバーに伝え、粘りに長けているとでも言いたくなるシャシーが、路面を捉えて離さない。そう、離そうとしない。ロールを許しますが、スピードと剛性とハイバランス。ストロークにもこまやかな質感がありまして、って、ストレスなく動きながら、徹底的に手懐けられているといったフィーリング。もう、うっとり。ちなみに試乗したクーパーSDは、225/50R18サイズのタイヤを採用していたのですが、バネ下がドタバタ動く印象は見られず、ゴトンという固さをキャビンに伝えてこなかった。たとえ固さらしきを伝えてきても、ストローク1往復でいなし、ボディを僅かに震わせて、すぐに収束させる。ちなみにタイヤの銘柄はピレリーのPZERO。最近、書きましたやね、同銘柄のタイヤゆえに固いとか。あれ、タイヤだけではありませんな。それを調えるシャシーさえあれば、なんら問題なく、タイヤだけのせいにするのは早急だったことまで実感しました。エンジンフィールも400Nmというトルクも叩きつけるのではなく、フラットに仕立てて、どこからでも意のままの加速を可能にしています。トルク好きにはまさにうっとりといったフィーリング。ブレーキングも踏んだ分だけ制動力が立ち上がるかのようなフィーリングと、まぁ、とにもかくにも好印象。
 今回、燃費は計測できませんでしたが、クーパーSDであっても悪くはなさそうな気配。これは買い……、って、冷静に考えると483万円は安くないけど、それなりの価値はあると思います。って、やっぱり、高いか。500万円のMINIって。先進安全装備もナビも最新となっていたり、と書いていると、やっぱり買いの要素が実の多いなと思います。いや、高いですけどね。……。
 そうそう、#1496にて、サブネームをカントリーマンに戻したほうがいいのではないか? と記しましたが、あれ、登録商標されているそうで。さらに、ヨーロッパでディーゼルが売れている理由を、ドイツから来た方に訊いたら、約2万km/年となる走行距離に対して、やっぱり燃料代を安くあげられることが、いちばんだそうで。なるほどね、事情はどこも似たようなもんなんですな。

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