#1534 アクアがあるのに、何故にヴィッツでハイブリッドなのか。

 以前少し書きかけましたが、ヴィッツハイブリッドの話。昨今のトヨタは、好き嫌い、善し悪しは別にして、デザインや走りに一貫性を調えようというスタンスが感じられ、そこに好印象を感じています。ただですね、ヴィッツハイブリッドに対してだけは、? を感じます。アクアというハイブリッドユニットを搭載することを前提としたパッケージを作り上げ、ガソリンはヴィッツと棲み分けをしたはず、なのに、どうして今更に、ヴィッツにハイブリッドを組み合わせるのか。スペース効率、車両重量という観点からアドバンテージはないのに、どうしてヴィッツにハイブリッドなのか。ひょっとして、サイズ(全長)が大きく違うのか? いや、そんなことはなかったはずと調べてみれば、アクアのほうが50mm長いだけで、それでも4mに届かず。そう、全長で価格が変わってしまうフェリー料金にも差はありませんな。まぁ、考えるに、そこには大人の事情があるんでしょうな、たぶん。
 というわけで、さっぱり解せないヴィッツハイブリッドですが、テストドライブすることになり、ちょいと500kmほど、日帰りで出掛けてきました。そしたら、やっぱりですね、解せない。ま、いちばん分かりやすいのは実燃費。8割近くを高速道路を走ったのですが、27.0km/Lに留まりました。あのですね、とにかく感じたのは、低燃費貢献にダイレクトに効くEVモードを維持しての走行が辛いこと。ユルユルのヨシダ走りであっても、後少しの加速が欲しいと思うところまで引っ張れない。って、高速道路ではほぼ関係ない話ではありますが。アクアはもう少しEVモードでの走行を許してくれたような気がするんですが、ヴィッツはわりと早くからエンジンが始動します。ま、高速道路を多く走ったこともありますが、アクアとは実燃費という面で、大きく差が生まれます。
 となるとですね、そこまでしてヴィッツを選ぶ理由ってのが、ますます見えません。そうか、車両本体価格が大きく違うのだなと比較しても、約176万円からスタートするアクアに対して、ヴィッツは約182万円からと、劇的な差にはなっておらず(値引きは知らず)。ブランド力ももはやデビュー当時のような強さもなくなってきていますし。はてさて。ま、大人の事情なんでしょう、大人の。
 走りについては、昨今、Bセグにやたらと乗っていること、ま、そもそもフィエスタに乗っていることもあって、かなり厳しい目で見つめましたが、ずばり、古さを感じます。特に操縦性。曖昧さがあり、タイヤのインフォメーションが分かり辛い。シートもしかり。ただですね、昨今のトヨタを感じたのは、コーナーでの挙動というか、動きでしょうかね。コーナー手前でフロントに荷重を乗せて、ステアリングを切っていくときれいにロールが出てきて、スタンスをちゃんと作る。グリップ感は強くはありませんが、グリップ力に不足はありませんし、妙なトーインも顔を出さずにコーナーをきれいに駆け抜けていきます。そう、これは、逆に意外というか、ほほぅと感心したところ。
 それにしても、今回のマイナーチェンジでの、フロント、リアのデザインの変貌ぶりに凄さを感じます。ま、トヨタだからできたとでも言いましょうか。ただですね、インパクトを与えようとしただけの感があり、ヴィッツをどうしたいのかが見えてこない。中期モデルのフロントマスク、覚えています? というか、現行型デビュー時のフロントフェイス、書けます? あ、そうか、マイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジしたかのようなインパクトを与えたかったってこと、と、理解すると、この変貌ぶりも納得できますかね。はい。

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