投稿

ラベル(仕事)が付いた投稿を表示しています

#1719 ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。

イメージ
 年明けにルノーからデビューしたアルカナの広報試乗会に出掛けてきたので、その時に感じたあれこれを書き連ねましょうかね。端的にいいますと、個人的な好みをベースとしたルノーへの期待感と、この世の中において「売れる」商品という評価との、乖離を強烈に感じましてこれを称して「複雑な気持ち」ともまとめたりもしましたが。  商品としては、フォルム、サイズ感、価格、装備含めたお買い得度、輸入車としては珍しいフルハイブリッドユニット搭載など、ユニークポイントの多いモデルです。まず、写真を見て、それが伝わってくるもので、なんといってもルノー流の端麗なテイストは、クーペでももちろん存在。というか、クーペ的な作り込みが上手いですな、ルノーは。ちなみに、クーペフォルムが美しいなぁと感じているのは、あと、マツダもです、はい。このSUVをクーペに仕立てるテイストは、各ブランドから目新しさとしてあれやこれやと登場していますが、スクエアなクロカンに機能性たるバランスを感じている者としては、この手法に対して亜流を感じていますし、ブランドによっては破綻を感じさせるモデルもあるとまで、評しています。とはいっても、そのパッケージングは4ドアとしつつ、リアゲートのヒンジをかなり前に位置させて、大きく開閉させていますので、ま、雰囲気としては、いわゆる欧州車で流行った5ドアハッチバックスタイルあり、リアシートの居住性を確保しつつ、ラゲッジルームでは奥行きがある! と思わせる演出も相まって、不足を感じさせなかったりもするのですが。  とは言うものの、アルカナのデザインは、テイストだけではなく、そういった機能性を作り込んだ造形となっており、そのバランスも実に美しい、と感じさせます。ま、そう考えると、400万円少しであのデザインが手に入ることに「リーズナブル」感をすら覚えますかね。で、個人的に感心したのはリアシートの作り込み。なんだかんだいってもクーペスタイルゆえに、スポイルされているのでは? と思っていたのですが、さすがはルノーと感心させられた作り込み。ま、欧州モデルの妙でもあるんですが、すっと腰が落ち着き、自然なポジションを取ることができる心地よさが作り込まれており、フロントではなく意外にもリアに座りたくなる魅力を感じたほど。と、なるとですね、すべてガラスといわんばかりの大型グラスルーフが欲しくなりますが、と調べて

#1718 昔は、ふたつのことを同時にこなせることを得意としていました、ってな話。

イメージ
 衰えたなぁと思うことがしばしばあります。脳科学的に人間ってマルチタスクしているのかどうだかわかりませんが、いわゆるふたつのことを同時にこなせなくなりました。なんたらをしながら、別のなんたらをするってなスタイルですな。自分でも、すごいなぁと感心したのは、20年以上前、編集部で誌面作りの相談を受け答えしながら、自分はそれとは関係のない原稿を書いていたこと、さらには、インタビューアーとライターを兼ねながら、取材現場も、原稿も、素晴らしさにあふれていた、なんてことのあれやこれや。って、こうして思い起こしてみると、そのほとんどが、聞きながら、書くというものでした。  なぜ、こんな技が身に付いたかといいますと、あれは中学校2年生の頃。近所の公立中学校に通っていた際、社会科の先生がですね、一切、黒板に文字を書かない主義の人でして、ま、黒板に書かれているのは、生徒が順番にあらかじめ、予習としてまとめておいた内容をそれぞれに書いておいたものだけ。つまりですね、先生が何を言っているのかを聞き取る能力、そして、ノートにどうやったら上手にまとめられるか、さらに、そのスピードに付いて行けるかを養うことを目的とした授業でもありました。ま、こういうのって、たとえば、大学やらでは許されたとしても、中学校じゃね、しかも、公立だったりすると、なおさらに無理を感じ、当初は抗議したものです。といっても、その先生は生活指導担当で、常に竹刀を持っていたこともあり(これについては曖昧。作り話かも)、抗議できる余地などはなく、ただただ従うのみでした。  ただですね、ま、譜面を見ながら鍵盤を叩くことを訓練していたためでしょうか、この授業スタイルにはわりとすんなりと付いていけるようになり、いつしか、ノートやらのまとめ方も上手になり、そして、社会人になった時に特技になっていたことに気付きました。  それがですね、最近、失われてしまった。インタビューでそれができなくなっていたことに気付き……、問を投げ掛けることはできるんですが、耳で受け取った言葉をメモに残せない。ま、そのメモが上の写真だったりしますが、振り返ってみると、なにをメモしたかったんだか、理解できないところが多々あります。だいたい、メモした言葉がそのものが浅すぎるし。さらには、先日のインタビューでは、自分が、あれ、今、誤った単語を発しなかったか、と、気付いたも

#1715 周囲で、納車続々。でも、気付いたら、みな、大幅にダウンサイジングしていた、という話。

イメージ
 昨年より友達3人にクルマ購入の相談を受けており、そのうちのふたりが今週に納車となりました。ひとりは、ダイハツ・ロッキー、もうひとりはスズキ・ジムニーでした。ロッキーを購入した知人は、それまでは再販版なガソリンのナナマルに乗っていましたから、2クラス以上のダウンンサイジングになるでしょうか。ちなみに契約時期は、昨年のマイナーチェンジ後(EV、NAエンジン追加)でしたが、もともとクロカン志向もあって、ヨンクが絶対的な条件、となると、自然とターボエンジンとの組み合わせとなりました。届いたインプレッションによると、アクセル踏みすぎには注意せねばとありましたので、驚愕のパワフルさに感激している様子。グレードはボトムのようですが、ま、イマドキの国産モデルで、あえてボトムを選ぶとかえって割高になったり、オプションで差別されたりと、虐げられるところが多々あるものの、あえて選択。それでも、想像以上の設えに、驚いているようです。   ジムニーオーナーのほうは、ジムニー(写真)が納車されるまでに代車として軽自動車に乗ってはいましたが、自分所有のクルマとしてはゴルフ6からの乗り換えに。こちらは、車両選びからの相談でしたが、山梨県在住であること、同じ農学部出身であること、パワー不足があるわけじゃない、まったり乗れるってなことから、ジムニーがいいんじゃないか? と進言。で、決意して注文したのが昨年の1月末で、1年経過して納車となりました。これでも、コロナ禍による半導体不足が表立っていなかった時期でしたし、ましてや、さらに先の読めない侵略戦争前のことでしたから、あれよりも遅くに注文していたら……、なんて話にもなりました。   それにしても、こうしてこのふたりの選択を眺めてみると、同年代においてダウンサイジングどころか、極端ともいえるダウンサイジングが、進んでいるように感じました。ま、自分も振り返ったら、5年前にグランドチェロキーからジムニー&フィエスタにスイッチ、つまり、E(あの世代のグランドチェロキーはDか)セグからBもしくは軽へと移行していますから、極端なダウンサイジングそのものをしていたりします。  さて、ジムニーが手元から離れてはや3か月ほどが経過しました。今は、フィエスタ1台体制で過ごしていますが、やはり、雪を走れるモデルがないと、寂しい、というか、悔しい。この場合は、スノードライブ

#1714 アウトランダーとしては3代目、PHEVとしては2代目の、最新型アウトランダーPHEVの原稿から、こぼれた言葉を拾ってみました。

イメージ
 昨日、どたばたな中、最新型アウトランダーPHEVの原稿を仕上げました。吉田はたいがい書き始めると暴走(文字数が多くなる)するんですが、付き合いの長い編集者の方々は、あらかじめ、多め、かつ、増減がきくような調整幅を設けて、発注してくれます。とはいっても、指定文字数が多ければ多いだけ、それを上回る文章を書き上げてしまうのが、吉田の常だったりもします。で、今回は、インプレッションメイン試乗会だったにもかかわらず、書き始めたらアウトランダーとはなんぞやとか、ここがすげーとか、前座的なヨタをツラツラと書き始めてしまって、結果、2000W(指定文字数は2600Wだった)を書いてしまうという始末。いかんいかんと、それらをばっさりと捨ててインプレッションだけに集中したもののそれだけで4000Wとか書き上げてしまうという、さらなる暴走ぶり。結果としては、無慈悲といわんばかりの大鉈をふるって指示文字数に収めましたが、あらためて、切り捨てた文章を振り返ってみたところ、捨て去ってしまうには惜しい内容ばかり。ということで、今回は、そんな文章のいくつかをピックアップして、そこに解説をつけて、記してみることにしました。えっと、校正前の文体なので、ワヤワヤなところがあるのがご了承ください。 ■その1■ 「日本でアウトランダーといえばPHEVという印象が強いかもしれないが、登場したのはアウトランダー2世代目モデルからだったので、最新型アウトランダーPHEVとしては2世代目となる。アウトランダーPHEVのユーザー、もしくは詳しい方からこの最新型を眺めると、デザインや質感が大幅にアップしたことは理解できても、PHEVシステムについては、熟成した様子はうかがえても、何がどう変わったのか、極端な話、旧型ユーザーは買い替えるまでのことか? といった疑問が湧くはず。これについて、先に結論を述べておくと、買い替えたほうがいい、と、いい切れるほどの進化を遂げている。」  そもそもアウトランダーはガソリンモデルからスタートし、2世代目からPHEVを追加。そして、3世代目はPHEVのみになるのか? という振りをしようとした下り。そして、旧型ユーザーは買い替えるほどの魅力があるという結論も導こうとしていた文章ですな。これをカットしたことで、結論も変更しています。 ■その2■ 「これだけの人気を集めているのは、端的にいえ

#1712 すべてにうっとり。ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT。後編

イメージ
 なぜ、前編で止めて、後編をすぐに公開しなかったのか。それは、三栄のMotor-Fan webにて、 【2021年の推しカー|ルノー・カングー】ディーゼル+MT。最後の限定車にふさわしい名車だ!(吉田直志) という記事の公開を控えていたからでした。で、前編を読んでいただけるとわかるかと思いますが、このモデルに対してはMotor-Fan webでは収まりきらないほどの感激が控えていまして、それを後編に叩きつけようと考えていました。が、前編を読み返してみたら、あまりの文字数に、自分でもうんざり。ということで、後編は、その記事を受けつつ、ライトに流すことを心掛けたいと思います。  前編では、走りについては、ほぼ書き切りましたが、そのほかの美点としては……、やはりシートについて触れておかねばならないでしょうかね。ぱっと目にしたところでは大柄(大げさ)だと感じさせないんですが、座ってみると、なんじゃこのゆとりは、と感じさせてくれます。実際、クルマ(に限らず)のシートってのは、サイド部もそうですが、特にショルダー部分をサポートする造形を加えることで、すげーをダイレクトに感じさせてくれるものです。そう、分かりやすさ。つまりですね、言い換えますと、ショルダー部をサポートする造形はあってもいいんですが、なくても、シートの本質、真価は変わらないものだとも感じています。実は、所有していたグランドチェロキー(2世代目)が、まさにそれ。当時のジープはイマドキのSUVようにそのサイズ感を威張るのではなく、オフロードではコンパクトなサイズこそ大切だという考え方からデザインされており、それゆえにキャビンもボディサイズの割に広くなく、それがシートデザインにも影響していました。そうなんですね、ショルダー部の造形が大きなクルマのはずなのになく、でもですね、シートそのものの本質を語る上でショルダー部の造形の「強弱」は、あまり関係ないことを気付かせてくれました。あ、シートといえば、フォードは違った意味合いですごくいいです。もちろん、モデルにもよりますが、フォードのシートは背もたれで座るのではなく、腰で座ります。もうちょっといいますと、ケツで座ります。え? 何それ? と思われたかもしれませんけど、分かりやすく表現するならば、極端な話、シートバックがなくても(いやないとダメだけど)いいといえるほどのものでして、

#1707 パワーユニットだけではなく、熟成にもトピックがあった、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ。

イメージ
 ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズにモータードライブモデル、さらに、そのガソリンユニットをベースとしたNAモデルに試乗してきました。先に言ってしまいますけども、個人的にフォーカスしていたのは、DNGAによるシャシーにどこまでしなやかさをチューニングできたかにありました。そう、モータードライブそのものよりも、NAのポテンシャルよりも。そしたらですね、すべてひっくり返された感に通じる、驚きだらけで、まぁ、驚きました。  まず、試乗したのは、ハイブリッドモデルと称された、ガソリンエンジンを発電のみに利用するシリーズ式を採用したモデル。プレゼンであれこれうかがうも、Aセグのこっちと、Bセグのあっちを比較するという手法が見られ、これは好ましくはないと感じましたが、そういった仕掛けがこれまでのトヨタ/ダイハツには不足したので、ようやく、か、といった思いもあります。何が言いたいのか。もし、比較をするならば、その素性、クラスをはっきりと明確にしておくことが大切になります。ちなみに、全幅/車両重量はあっちは1760mm/1350kg、こっちは1695mm/1070kg。同クラスと思われていたかもしれませんけど、こうしてサイズと重量で比較すると、大きく違いますやね。  さて、で、そのハイブリッドモデルですが、モータードライブとしての仕立ては、低回転からトルクが太く、走り出しからのスムーズさがあるものの、かといって、モーター駆動を叩きつけるような扱い難さは見当たらず。ただし、高回転域でのパワー感に頭打ちを感じてしまい(これはシリーズ式ゆえにもあって致し方ない)、何よりも、モータージェネレーターから1音だけと言わんばかりに硬質かつ高音がキャビンに入ってくるところに、惜しいを感じました。このノイズについては、アクセルを踏み込んでいけば発電用エンジン回転数も上がって行きますので、隠れていくんですが、常用域で耳に届いてしまう。まぁ、このあたりは、Aセグであることを考えたら、この価格帯を考えたら、不満と言えないところ、と捉えてください。  で、ですね、感心したのが、乗り味。これまでのDNGAベースのモデルに対して、シャシー&ボディ剛性を最優先したこともあり、乗り心地に硬さがありまして、そこを、ウィークポイントと捉えていました。ところが、今回の重量増と改良もあって、なんとしなやかになっていましてね

#1703 CセグプレミアムどころかDセグまでターゲットとしていた、新型アウトランダー。

イメージ
 先日発売になった、三菱自動車の新型アウトランダー。ほぼ市販レベルなコンセプトモデルに見て、触れて、試乗してきました、先月、サーキットで。そもそもどこかで見たことあるなぁと思ったら、こやつ、前回の東京モーターショーにも出展されていた「エンゲルベルグツアラー」が、この最新型アウトランダーのスタディとなっていました。あの重厚感はパジェロラインをイメージさせたので、ほうほう、こうなりましたか、といったところもあって、好印象。ただ、販売モデルはモチーフをあれこれ採用しているものの、気に入っていた重厚感はあそこまではありませんでした。ま、当たり前です、デザインケーススタディですから、ショーモデルっつーのは。 ただ、アウトランダーというポジションから眺めると「アッパークラス」感を備えていて、ああー、キミも手の届かないところへ行ってしまったのだね、と思わせました。取材時は、まだ価格帯も発表になっていなかったこともあって、高くなるんだろうなという妄想がありましたし。ところが、発表になった価格帯は、大きくは上昇させておらず、逆に良くこの価格帯で収めましたね、と褒めたくなる、そんなふうに、今は捉えています。  それはインテリアにおける質感も含めての話でして、ずいぶんと立派になりましたねって印象をあたえるリアシートは、乗り込みたくなる魅惑を備えており、まさにそれ。ところが、短い試乗時間を削って途中、編集長に運転を替わってもらってリアシートに座ってみたところ、とにかく落ち着かない。足の置き場と腿のサポートに違和感を覚えながら、そしてシートバックの強烈なサポート性とのバランスに? を感じる。これは、リアシートを立派に見せなきゃいけないとことと、PHEVモデルでもサードシート装着を可能にしなきゃいけないという、相反する性能(機能)を両立させるひとつの解なのですが、座るという、シートとしての最重要ポイントが少々疎かになってしまったといった印象。ちなみに、ショルダー形状ってのは、肩をオーバーするようなデザインにすると、その存在を強く感じ、そして、なんとなく豊かな気分すら感じさせてくれますが、実際に必要なサポートは肩甲骨部分。なんて話はまたの機会に。  ちなみに、先代アウトランダーが使ってきたプラットフォームのウィークポイントであった、リアシートにおける乗り心地(先のポジションの話は別)はすこぶ

#1701 新型はもう少し先、でも、ベストを感じた、最新型な最終型MINI.

イメージ
 新しいsafari(Ver.15)とカーソル系といいましょうか、日本語変換システムとの相性が最悪で、safari上で文字を書くことがほぼ不可能だったこともあり、ここを更新することできず、しばらく時間が空きました。空きましたところ、SafariもBug fixが行われて、だいぶ改善されたものの、それでもまだ使えず(すらすらと書けず)。そうか、今後、この日本語変換システムは弾かれるのかと思いきや、Safari Technology Previewだと、これが問題なく使えていまして、普通、逆じゃないか? と思うわけですが、これ、最近のAppleにありがちな、他部署との連絡が上手く取れていないというオチだったりもします。ま、悪い意味でのいい加減さですな。ということで、新たな入力手段を得たので、再開します、ここ。  で、まずは、最後のフェイスリフトと言われているBMWミニについて。現行世代は、変わっていないようで、ONEのガソリンエンジンは1.2Lから1.5Lになっているし、2ペダルトランスミッションもATからDCTになっていたりと、目紛しく変更を行ってきました。で、このままに、来年の3月2日あたりに次期型へスイッチかと思いきや、今年、いわゆるビッグマイナーチェンジかと思われるような大改良を受けました。そうですか、まだまだ、この世代で売るつもりなんですな。たぶん、コロナ禍ゆえの延期に次ぐ延期とEVシフトへのロードマップありきでしょうから、そう考えると、次の次のミニは完全にEVになるんでしょうな、なんてことも見えてきます。そんな妄想をしていて思うにですね、内燃機関の良さは……と言っているような自分を含めたおやじ連中はEVシフトで一気に取り残されることを覚悟しておいたほうがいい、そんなことを感じます。なんつーんですかね、Intel Macはまだまだ生き残ると言っているような人たちに重なっている像、とでも言いましょうか。  というわけで、最新のMINIですが、これがですね、ただのフェイスリフトに止まっていなかった。駆り出したのは、ディーゼルのクーパーで、ホイールサイズは17インチ。そもそもが15インチ設定ですから、シャシーに行き過ぎ感ありあり。ありありなんですが、硬さが不快感に届くギリギリを攻めておりまして、それよりもトレース性と操縦性のバランスに心地よさがありまして、ドライバー

#1699 走りはオンもオフも完敗。でもね、といいたくなる、ジムニー、新旧紹介。

イメージ
 ここのところなかなか愉しい取材が続いていました。といっても、最近は愉しくない取材っつーのがほとんどありません。そうほとんど。ただ、文章にまとめるのに面倒があることが程度で、それも、いざ、やる気になれば、愉しかった取材ゆえに、すらすらと進むものです。ただ、新旧モデルの紹介ですから、横並び比較はしないようにと気をつけながらも、なんだかんだいいながらしてしまう。そのあたりの加減には苦労しましたが、先代を半ば自虐的な表現を用いて貶めてしまうという手法を用いればいいだけのこと。ご存知のように、新旧ジムニーの走りにおいて、先代に褒められるポイントはないですから、性能的な比較をされてしまうと。まぁ、強いていえば、まったり走れるとか、クルマとしてのノイジーさがあって心和ませてくれるとか、無理矢理感ありありですな。  ということで、はっきり書きました、新旧に感じていたあれこれを、新型はひたすらに羨ましい、でも、デザインは好きではないという観点から。ジムニーのデザインってですね、みなさん、新型をべた褒めするんですが、自分は、その逆。あっちにラングラーが見え、こっちにディフェンダーを感じさせ、そっちではGクラスっぽさを、意図的に組み合わせている。そう、何かを感じさせる、何かに似ているデザインって、そもそも好きではなくてですね、そんな見方もあって、好みではありません。  とはいっても、先代が登場した20年以上前、あのデザインにはびっくりしました。ただ、なれていった。そのスピードは、ひと目見てびっくり、でも、1時間もしないうちに馴染んでしまったデリカD;5よりはかかりましたし、見た瞬間にこれ、十分にありでしょうを感じた現行型チェロキー(フェイスリフト前)よりはるかにかかっています。ちなみに、先代の場合、自分で理解ができるようになったのはグリル変更を受けた4型が登場する頃だったか。あの時は、なんでようやくいいなぁと思えてきたのに、どうしていまさらマスクを戻すんだろうか、と感じましたから。  そう考えると、フリーに成り立ての頃は、クルマのデザインとはなんぞやが分からず、好き嫌いで語っていました。そもそも、クルマは、自分が欲しいか、欲しくないかに、評価軸があると思っていた頃。そんなことを振り返りながらの執筆は、駄文ばかり並べる自分であっても、商品を紹介するというスタンスにおいて、ずいぶんと変わっ

#1698 夏前から続いていたジープ本への執筆で、自らのスタンスをあらためて認識できた、という話。

イメージ
 ジープな原稿書きが続いてきましたが、ようやく脱稿(したと思われる)。それぞれに異なる出版社から夏前から依頼をいただき、それはそれでありがたいことなのですが、書き分けがなかなか難しくありました。特にジープとはなんぞやというテーマが与えられまして、まぁ、たぶん、これは自分らしさを表現できる場と認識しながらも、過去にジープユーザー、でも、今のジープに何か違うを感じている者としては、ヒジョーに書き辛いテーマでもありました。ただ、幾度も書いていくうちに、ユーザーあったからだからこれ知ってるとかですね、教えてあげるよ、というスタンスで、限られた文字数内に収めようとすればするほど、自分好みではない文章になってしまっていました。ただ、あるとき、そういったパートをすべて取り除いてみたところ、むしろ上手く言いたいことを伝えられていることに気付きました。一方で、その省いたことっつーのは、体験や経験に基づいたものであり自己アピールに繋がっているのも、また、事実。ただ、取り除いた時に感じたのは、つまり客観的な視点で眺めたら、そのブロック(段落)って、とてもいやらしい、そして、卑しく見えましてね。  マスコミの中にいると、自分がー、自分がー、と、他人のことはおかまいなしとばかりに前へ出ようとする人が多く、それを、ワースゴイデスネー、と受け取る(らねばならないが正しい表現か)人々がいて、それを目にするのも、聞くのも、いやで、昨年の今ごろに立場を捨てたわけですが、そのブロックを眺めていたら、戻されそうになっていたことに気付きました。ま、フィエスタにも乗っていますとか、ノーマルでスタックランドファームへ出掛けています、といったプロフィール的なことは、執筆者の個人像をイメージしてもらうには役立ちますから、その辺りの加減が難しくもありますが。ということで、ここのところのジープ本には、ジープとはなんぞやはもちろん、改めて自分のスタイル、スタンスを再認識させられた、という、プラスが多くありました  で、写真の本は、今週発売された文友舎刊のジープカスタムブックVol.8。先日、ここでもちょいと触れた、タイガーオートの山中さんと対談という名の雑談を行い、それがP72より掲載されていますが、こうして製本され、全体と比較すると、文字、多すぎ。多すぎですが、実は掲載できない語りも含めて、落としたブロックは数多く。ま

#1696 タフトクロスフィールドVer.、撮影の、裏話というか、補足。

イメージ
 先日、公開になった動画があります。ダイハツ・タフトに、趣のちょっと違ったタイヤを組み合わせると、結構愉しい、ってな記事。紹介しているのは2台、市販車まんまな車両に横浜ゴムのジオランダーCVを組み合わせての試乗記、そして、昨年末にダイハツが発表したコンセプトモデルのクロスフィールドVer.(ジオランダーMTG003採用)の、あくまでも妄想的な試乗記。お分かりのとおり、後者についてはコンセプト仕立てですから、実際にスタイルどおりの走りには届いていないところもあり、かといって、ダイハツのコンセプトモデルの例に漏れず、走ることはできる、ことを前提に作り込まれたモデル。そう、そのポテンシャルをテストドライブした内容とはなっていません。  さて、今回の撮影と、執筆と語りで気付いたこと、裏話をあれこれと記してみましょうかね。まずですね、そもそも、タフトは、ロッキー、タントとプラットフォームを共用していますから、つまり、いわゆるクロスオーバーというスタイルに仕立てたとはいっても、ラフロード走行性能は語れても、悪路走破性までは語れない、そんなポジションにあるモデルです。この仕立てについては、別に珍しいわけでもなく、世間で言われているクロスオーバーモデル、いや、SUVの中にも同様なモデルは数多くあります。ま、悪路云々はさておきですね、ただですね、改めて原稿を書いていて気付いたのですが、タフトって、商品企画的に攻めていたところがあれこれありましてね。それが、自動車雑誌的にはライバル、でも、実際、言われるほどに比較対象となっていない、スズキ・ハスラーと比較してですね、たとえば、最低地上高が+10mmの190mmとしたこと。これはタイヤサイズが165/60R16に対して165/65R16を採用したがゆえとも言えるのですが、大径タイヤをはける、はきこなせるポテンシャルは、やはりロッキー譲りといいましょうか、そこまで考えての、商品設計だったことがわかります。  まぁ、だからといって、悪路走破性の本質は、地上高だけでは計れないとは、毎度言っていることですが、この手のモデルにとっての、指標(商品性のアピール)としては実に有効。つまりですね、走る気があるといいましょうか、デザインも含めて、ドライバーを走る気にさせることを、丹念に作り込んでいることが見えてきます。ま、そのほかのタフトのアドバンテージに

#1695 TJ型ラングラーにすれば? という提案に、ドギマギしている話。

イメージ
写真中央部のもやもやっとしたところで、ジープの撮影をしています   ジープな仕事依頼が続いています。本日、ひとつ終えましたが、もうひとつあるようです、どうやら。それはさておき、先日、ジープを得意とするヨンクプロショップ兼、ジープディーラーを展開する、あのショップへと出掛け、代表取締役社長と対談をしてきました。考えてみますと、インタビューじゃなくて対談ですから、吉田に対する編集部の対応もずいぶんと上がったものだと感心しつつ、え、なに? 文章を組み立てるのは俺なのかい? と、変わらぬ対応に、まぁ、そんなもんだよな、とも思ったりしていますが。  ま、細かな対談内容については、これから発売されるムック本に掲載されますので、そちらを見ていただくとして、この方との話は、なんでしょうかね、共通項が多くて、ジープに対しての捉え方がすごく重なる部分が多くて、仕事で訪れたのに、いつしか雑談的になり、すごく愉しい時間を過ごしています。まぁ、だからこそ、それを原稿に落とし込むには、かなり苦労しますし、整え方に気を遣ったりもするわけですが。  2002年の北海道試乗会でのTJラングラー  で、そんな対談な雑談にて、原稿には書くつもりの無かった、あがりのクルマの話を自分でしはじめましてね。ナナマルあたりを選んでおけば、EVだらけの世の中になっても、ビンテージとして乗り続けられるだろうし、トヨタも面倒を見てくれるだろうし、なんて話をしました。ら、ですね、なんと、その代表取締役社長さんがですね、TJラングラーにすればいいじゃん、と軽くといいますか、単刀直入とばかりにおっしゃいましてね。いや、それまでは現行型ラングラーはサイズでか過ぎてー、価格が高過ぎてー、でもって600万円のクルマでスタックランドファームを走って傷つけるのはイヤダメだしー、と逃げの言い訳を散々にしていたんですが、TJラングラーという、まさに王手といわんばかりの駒を繰り出されて、こちらは何も言い返せない、アウアウ状態になってしまいました。  ただ、考えてみますとね、サイズ感もいいし、2ドアスタイルもいいし、オープンになるところもいいし、ATでもいいし、MTでもいいし、ジープだし、と、とってもことだらけ。しかも、たぶん、この仕事をしている者としては、日本でいちばん最初にTJに乗っていたりと、あれやこれやと愛着もありますし、デザインも嫌

#1694 大きな橋と、小さな橋と、そこを走るドライバーの心持ちの違い。

イメージ
 ツイッターにもアップしたんですが、こちらには少々解説を加えてアップしましょうかね。我が家からクルマで10分ほどのところに、こんな景色が広がっています。そもそも、住まいは八王子ですから、高尾ですから、つまりは、関東平野の縁に位置しており西側は森というか、山。さらに神奈川県との県境はすぐですし、その神奈川県ったって、津久井湖とか相模湖とかがすぐそばであってまさに自然の宝庫です。それもあって越してきたわけですが、気がつけば6年以上住んでいます。たかが6年と思われたかもしれませんが、自分にとってはこれは最長記録でして、これまでは6年以上同じところに住んだことがありませんでした。なぜ6年なのかといえば、6年経つと部屋の中に仕事の資料やらが収まり切らなくなり、いや、整頓しようと思える限界点を突破してしまい、つまりは整理整頓するには引っ越すしかないとばかりに移り住んできまして。  で、そんな八王子は高尾の近所に対象的な2つの橋がかかった河川敷があります。上の写真にある新しく大きな橋は、圏央道のICへと導きつつ津久井湖のほうへと延伸させる計画があるバイパスにかかった橋。ただ、片側2車線あるのですが、ICもしくはその先へと向かうクルマと、その手前にある信号を左折しようとするクルマが連なるところがあり、どっちの車線を選んだほうがお得か(早く先へと行けるか)という、面倒が存在します。一方、右上の写真(ジムニーの位置は動かしていません)は、軽自動車ならすれ違えるかもしれない、でも、どちらかの方向で譲り合い、交互に通行しなきゃいけない、旧道の橋。推奨土木遺産に認定されている橋で今でも使われており、バスや大型トラックも通行します。ところがですね、この橋を渡ろうとするどんなクルマでも、ちゃんと譲り合いをしています。信号もないのに、まさに阿吽の呼吸といわんばかりに。たとえ、一方が何台も連なっていたとしても、皆が強引に橋に侵入することはなく、ある程度で停まって、向こうからのクルマに道を譲ります。不思議なんですね、この世知辛い時代に、極端に交通量が少ないわけではないのに、譲り合うことを自ずと行っているという。考えるに、この橋を渡ろうとするドライバーは譲り合いを面倒と思わぬ方々であり、そんな心持ちのドライバーばかりだから、この橋の通行には煩わしさがないのではないか、と。その証拠に、我が家の近くには、5

#1687 月刊ドライバーにてクロカン3台取材をしてきました、話。その1。

イメージ
 さてと、クロカンする機会はほとんどないと思われるのに、昨今のクロカンモデルへの期待はなんなんでしょうかね。不可思議に思います、思いますが、もっと不可思議なのは、何が凄いのかがほとんど解説されずに、すげーと言われていることではないか、とも思っています。ということで、今月号のドライバーにてクロカン3モデルの試乗記を担当したので、その取材フォロー、書き切れなかったことなどを、ここで少々書いておきます。ちなみに、取材に持ち出したのは、メルセデス・ベンツ Gクラス、ジープ・ラングラー、そして、ランドローバー・ディフェンダーの3台ですが、GクラスはAMG仕立てのG63ですから、クロカンポテンシャルを意図的にスポイルしていることから、クロカン走行はしませんでした、という前提で。  ディフェンダーに対しては、先代を社用車として乗った経験がある者からするとですね、新型は、今に何が求められているかを、ランドローバーは実によく理解して、それを提案しています。先代を比較に出して述べますと、オフロード走破性を最優先にしたがゆえに、日常で不安を煽るあの乗り味が消え去っていまして、街乗りしたくなるモデルへと変貌していました。つまり、日常に不足がないオフローダー。そこに大きく貢献したのは、やはり4輪独立懸架式サスペンション。エアサス付きとなるとランドローバーお得意の伸び縮みまで再現してオフロード走破性を獲得しつつ、サスのストローク感を乗り心地にこれでもかと使って快適性を表現しています。かつて、高速道路から出口へと向かうコーナーで速度が高すぎるがゆえに、曲がり切れずに苦労しているランドローバーを見たことがありますが、ああいった心配はもはや皆無。どころか、オンロードにおけるコーナリングがむしろ、愉しい、愉しい、愉しい。この乗り味に対して、クルマの動きはどうあるべきかをしっかりと把握しておりましてね、コーナーではリアサス外側がんぐっと沈み込み、グリップはまかせなさいといわんばかりのスタンスが強く感じられ、そこにそれを愉しませてくれる2.0Lエンジンの仕立てが加わって、もはや、うっとり。この乗り味、ランドローバーの中でスポーティを謳うモデルならば分かるんですが、ディフェンダーで、しかもスポーツモードなんてのを持たずにこれ……。  さらに驚いたのは、えっと、オフロード走破性でのある一面。高速で走るサーキッ

#1684 安いと発してしまった、ルノー・メガーヌR.S.のスゴサ。

イメージ
 ふと、最近、ルノーとダイハツオシが強いように感じますが、実際にいいから仕方ない。というわけで再びのルノー。昨日、マイナーチェンジを受けたメガーヌR.S.に乗ってきました。そもそもマイナーチェンジ前モデルからして大絶賛でしたが、その絶賛度はさらに引き上げられていました。で、なにが凄いって、全てでしょうかね。ハイパフォーマンスモデルたるスペックアップを果たしながら、一方で、コンフォートゾーンを広げるという、異次元ともいえる仕立てを極めていた、そのバランス感。走り出した瞬間にそれをすべて感じるという、この不思議感。アクセルオンの瞬間に扱いやすさを覚え、ちょっとステアリングを切っただけで伝わってくる愉しさ。精密さとでも言いましょうかね、アジリティという分かりやすさをベースとした仕立て。アクセルを踏み込めば強烈な加速感を……、といっても、これがジェントル。極太なんだけど大げさ過ぎないトルクを発生させたままに吹け上がっていき、高回転でパワーをポンとプラスする仕立て。つまりですね、日常的なドライビングに対してはポテンシャルを見せつけず、いざとなったらスゲーといわんばかりの仕立て。最大トルク400Nmオーバーマニアとしては、その扱い方、つまり、たんに極太を叩きつけていないスタンスに、拍手喝采といった感じでした、はい、ひたすらに。  このモデルの骨頂はシャシーにもあります。ただ、あまりにギミックが多くて、どこでイヤミを感じるだろうと探ってみれば、これがない。リアの位相を切り替えるにしても、素直さがあるというか、そもそもの回頭性をさらにもうひと段階高めている、そんな「アシスト」であり、それこそ空気をしっかりと読んでいる仕立て。つまり、頭が重いのに曲がりすぎるといった印象がない。ま、この辺りは、国産モデルのヨーコントロールと同じ感覚で、どこまでインをつくんだろうかといった印象ですが、その質感はひとつ上といった印象。もちろん、グリップは、グリップ力はもちろん、グリップ感が分かりやすくてですね、まぁ、ロールやら含めて、ドライバーとの一体感がすごい、すごい、すごい。  その中でも強く印象に残っているのは、緩やかなアンジュレーションが続くシーンで、欧州車の仕立てのいいモデルに見られるしなやかさが感じられることで、つまりは、ハイパフォーマンスモデルとは思えぬフィーリングがあったことでしょうか。そ

#1683 三栄のMotor-fan webで、再びに、ダイハツ・タフトをトップに選んだ話。

イメージ
理想を追求しすぎてて、実現出来ていない面も数多くあれど、アイテムの面やらベンチマークたる存在になるべく意欲的な開発がされてます。はい。  三栄のMotor-fan webからいただくテーマはとてもいいところをついていましてね、発注は800文字でいいと言われているものの、書きたいことが多すぎて、ついつい書きすぎてしまうことが続いています。文字数オーバーったって、倍、いや、3倍近くになってしまうほどの、オーバーランですから。さて、今回いただいたテーマは「 プロが選ぶ最強のお買い得車 」。あれ、コスパのいい……がテーマだったはずが、掲載される段になったらちょっと整えられていましたな。  そもそも、コストパフォーマンスという言葉って、良くも悪くも深く考えていない感がにじみ出ていて、あまり好きではありません。それこそキャッチー過ぎる言い回しそのものに、軽さを感じてしまいますし。まぁ、それはさておき、執筆した内容についての補足を、ちょいとしておきましょうかね。お買い得というのは、評価する者の視点によって大きく変わってくるものです。寄稿のあたまにも記しましたが、自分の場合は、走りが愉しいこと、それを助長してくれる装備に割高感がないこと、ま、すべてはバランス、と、捉えています。そういう観点からすると、ハイパフォーマンスモデルって、その高スペックぶりに対してリーズナブル感がすこぶるありますけどね、絶対的な価格としては安くはない。特に昨今のモデルはその傾向が強く、実は、当初、トヨタ・ヤリスGRを選ぼうかと思ったんですが、そういった見方、そして、さらにはきっとほかの方が選ぶだろうことも考えて、却下。また、ルノー・カングーもあの走りの質感を考えるととんでもなくお買い得なモデルであり、さらにモノスペースゆえの使い勝手の良さまで考慮すると、超がつくほどのお買い得。ただ、このピックアップは絶対にだれかと被るだろうし、狙いすぎといった印象も感じられたので、却下。  ま、却下というよりは、それよりも個人的に買い得だと感じているモデルがあったものですから。あれこれと見渡した時、ユーザーフレンドリーで、かつ、自動車メーカーやディーラーの、無理矢理な押し付け感が見当たらない、そんなモデル。しかも、これからの軽自動車のあり方を提案しているモデル。それが、ダイハツのタフトと。ま、その理由は記事でも、ここでも

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

イメージ
スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1681 八重洲出版月刊ドライバーで、今年の輸入車選びに参加した、話。

イメージ
散々に悩みましたけど、トップはルノー・ルーテシア。  今、発売中なのかな、八重洲出版のドライバー誌の企画、輸入車ドライバー大賞2020-2021に参加しましたって話を書いておきましょうかね。書き切れなかった想いがすごく残っているもので。あ、そうそう、えっとですね、ワタクシですね、何事においてもですね、点数付けすることでその評価を平易にしてしまうスタイルが好きではありません。それゆえに点数付けする執筆は基本引き受けないようにしているんですが、今回は、引き受けました。まぁ、わざわざ、ワタクシなんぞを、ご指名いただいたスタイルに、何かを感じたというところもありまして。 甲乙付け難かったリフター  ちなみに、点数付け評価においてですね、ま、そのものをしたくないだけではなく、絶対にしたくないことがありました。それがですね、どこかひとつに必ず最低点を入れなければならないこと。順位付けという評価は、まさに分かりやすいという意で表現としては有効ですが、それだけでは評価できない部分があるものです。ちなみに、RJCカー オブ ザ イヤーの最終選考会では、第1次選考会で選ばれた6台に対して、6、5、4、3、2、1と全てに点数をつけなければならず、1点を付けなきゃいけない車種(技術)がありました。しかしですね、RJCカー オブ ザ イヤーってのは一等賞を選ぶ顕彰であって、2位以下の順位付けに意味を与えていません(順位付けしていません)。ですから、トップ以外は6ベスト受賞となり、すべて同じ扱いとしています。 2シリーズグランクーペも良かった  で、ドライバーでは「1位に10点。残り30点をほか8台に分配(最低でも1点配点)」となっており、やはり、ボトムにも配点をしなければならず、うーむを覚えました。覚えましたが、トップ以外は、持ち点を自在に配分できることに自分なりの表現ができそうだし、ボトムを複数台選ぶことも可能だったので、、引き受けることにしました。 いちばん左の数字は便宜上ふられたもの  で、右がその採点表。採点してから気付いたんですが、いちばんなモデルに10点をつけると、残り(30点)をなんと8台に振り分けねばならず、採点をはじめてから、しまったーと思いました。ちなみに、残り8台に与えられた点数を平均するとですね、1台あたり3.75点となります。ところがですねー、いちばんとしたルノー

#1679 想像以上によかったタントではなく、タフトを選んだ、実家の話。

イメージ
 というわけで、最近、あったあれこれを。まずは、ダイハツの話、実家でタフトを購入した話。購入話については記事用に執筆しているので、ここでは軽く触れましょうかね。動機は、2022年度からスタートすると言われている高齢者の限定免許制度に対応への先取りのため。15年乗ってきたゴルフ5は、まぁ、万全とはいかなくても、まだまだ乗れましたし、いいクルマでしたから手放すにはもったいなかった。ただ、言い方はあれですけど、ああー、あの時、最新型モデルにしておけば良かった、ということがないように、また、今ならば補助金制度も後押しになって乗り換えとなりました。  で、息子としてはですね、タントを勧めました。クルマとしての性能はさておき、介護を具体的にデザインしたモデルの手前、つまり、ミラクルオープンドアと呼ばれるBピラーをドアに埋め込んでしまったパッケージングによって、フツーに乗れるのに、いざという時に高齢者にもやさしいといった素材として優れており、実は長く乗れるんじゃないか、と、そんな提案もあってのこと。さらに、個人的には、乗降にあったらいいというアシストグリップをディーラーオプションで安価で提供したスタンスも好印象だったし、そういった実用性をトピックとしながら、走りがナカナカ良かったことも、その理由。ちなみに、輸入車Cセグの代表格であるゴルフから軽乗用車へのスイッチは、やはり取り回し、そして、燃費、さらには価格、という現実がありました。ですので、乗っている専門である母親は、最後まで欧州車へのこだわりが捨てられなかったようで、ディーラーでの試乗で降りるなり、これ、シートのクッションがダメね、と発してしまう始末でしたから。  もちろん購入にあたって、最終確認とばかりに実用シーンでのチェックをしました。実は、実家は、昭和50年代に建てられた建て売り物件で、駐車場は5ナンバーサイズ前提に作られており、全幅1760mmのゴルフ5ですら、乗り降りの際に、ドアがぶつからないかと気を遣う始末。そのため、新型タントに採用された、フロントシートをロングスライドさせることで、助手席側スライドドアから乗降がイージーに行える機能は、うちの実家のためにあるんじゃないかと思えるほどでした。肝心な走りは、いきなり父親が硬いなと指摘したとおり、新プラットフォームが登場した時にどのブランドでも見られる快適性の不足が気に

#1678 加飾がなくて成立するデザインなのに、何故にメッキを?

イメージ
 前回の書き込みから1か月以上。ARM-Macは、結局、Macminiを再度キャンセルしてMacBookAirが手元に届いているし、実家ではダイハツ・タフトが納車されたし、新型車のあれこれに乗りましたし、年越しの能登行きをキャンセルしましたし、スタックランドファームへ行きましたなどなど、あれこれありました。で、あれこれ記しておこうと思ったのですが、とりあえず、このネタを。  昨今、軽乗用車のいわゆるカスタム仕様のデザイン、過度になりすぎていました。造形はもちろん、そこに組み合わせるメッキパーツやらの数々が。まぁ、これは軽乗用車に止まらず、国産ブランドの乗用車系でも見られる手法であり、デザイナーさんに話を訊くと行きすぎ感を認識しており、中には、どちらかといえば、そういったデザインはしたくない感すら伝わってくる方もいらっしゃいました。ということで、その行き過ぎを止めようと、ここらでリセットする動きが見られました。具体的にはホンダ・N-BOXから、そして、それにダイハツ・タントが続きました。彼らは方向転換とばかりに、シンプルがもたらすクールさをデザインしてきました。ところがですね、軽乗用車マーケットはそれを期待していなかったようで、というか、まだその提案は早かったようで、N-BOX、タントともに、せっかくすっきりとさせた面持ちをもとに戻すような手法を選んで、改良を行いました(カスタム仕様)。まぁ、ディーラーで話を訊くと、やはりお客様から物足りなさを言われるとのことですから、致し方ないんでしょうかね。個人的には、なんともかんとも、そのセンスに残念を感じています。  ちなみに、今日発表になったN-BOXでは、リリースによると「アッパーグリルのメッキを強く立体化するなどフロント回りのデザインを強化するのに合わせ、フロントのライセンスを中央に配置し、メッキバーをリアバンパーに追加」とあり、まさにマーケットからの声を反映しながらも、そこにデザイナーの最後の抵抗といわんばかりの仕立てを感じます。一方、 タント(写真上)では、カスタム系の売れ筋となるスタイルセレクションと呼ばれる仕様に「大型フロントグリル(メッキ)、バンパーガーニッシュ(メッキ)、サイドガーニッシュ(メッキ)」を追加。一部グレードに絞り込んだところにデザイナーの最後の抵抗を感じますが、実際にはほぼこのグレードに集中する