#1684 安いと発してしまった、ルノー・メガーヌR.S.のスゴサ。

 ふと、最近、ルノーとダイハツオシが強いように感じますが、実際にいいから仕方ない。というわけで再びのルノー。昨日、マイナーチェンジを受けたメガーヌR.S.に乗ってきました。そもそもマイナーチェンジ前モデルからして大絶賛でしたが、その絶賛度はさらに引き上げられていました。で、なにが凄いって、全てでしょうかね。ハイパフォーマンスモデルたるスペックアップを果たしながら、一方で、コンフォートゾーンを広げるという、異次元ともいえる仕立てを極めていた、そのバランス感。走り出した瞬間にそれをすべて感じるという、この不思議感。アクセルオンの瞬間に扱いやすさを覚え、ちょっとステアリングを切っただけで伝わってくる愉しさ。精密さとでも言いましょうかね、アジリティという分かりやすさをベースとした仕立て。アクセルを踏み込めば強烈な加速感を……、といっても、これがジェントル。極太なんだけど大げさ過ぎないトルクを発生させたままに吹け上がっていき、高回転でパワーをポンとプラスする仕立て。つまりですね、日常的なドライビングに対してはポテンシャルを見せつけず、いざとなったらスゲーといわんばかりの仕立て。最大トルク400Nmオーバーマニアとしては、その扱い方、つまり、たんに極太を叩きつけていないスタンスに、拍手喝采といった感じでした、はい、ひたすらに。
 このモデルの骨頂はシャシーにもあります。ただ、あまりにギミックが多くて、どこでイヤミを感じるだろうと探ってみれば、これがない。リアの位相を切り替えるにしても、素直さがあるというか、そもそもの回頭性をさらにもうひと段階高めている、そんな「アシスト」であり、それこそ空気をしっかりと読んでいる仕立て。つまり、頭が重いのに曲がりすぎるといった印象がない。ま、この辺りは、国産モデルのヨーコントロールと同じ感覚で、どこまでインをつくんだろうかといった印象ですが、その質感はひとつ上といった印象。もちろん、グリップは、グリップ力はもちろん、グリップ感が分かりやすくてですね、まぁ、ロールやら含めて、ドライバーとの一体感がすごい、すごい、すごい。
 その中でも強く印象に残っているのは、緩やかなアンジュレーションが続くシーンで、欧州車の仕立てのいいモデルに見られるしなやかさが感じられることで、つまりは、ハイパフォーマンスモデルとは思えぬフィーリングがあったことでしょうか。それでいながら、コンクリートベースとおぼしき路面が荒れたワインディングではタイヤが路面を離さな。これらは、ダブルアクシスストラットサスペンション、つまり、ダンパーの中にさらにダンパー機構を備えたことによって手に入れた性能ですが、その過渡域が分からないから、凄い。スイッチによる切り替えじゃないところが、すごい。さらには、ストロークを十分に取ったブレーキフィールは、踏み加減(スピードもね)によって自在の制動力を引き出せるといった面があるなど、と、書き始めたら、止まらない。いずれにしても、こういった性能を有しながら、464万円は安いと感じ、発していました。前回、書きました、ハイパフォーマンスモデルゆえのリーズナブル感ですな。まぁ、比較対象としてふと456万円のGRヤリスのトップグレードを思い浮かべましたが、そもそもの狙いが異なるとはいえ、自分は、メガーヌR.S.を選ぶかな。
 帰り道のフィエスタでは、ハンドリングというよりも、そもそものステアリングコラムの剛性不足、サスストロークの懐のなさにがっかり感を覚えましたが、何よりも(クラッチレス)ATゆえに、自在にシフトを選べない点(ステップアップ制御はあるものの回転数によって制限されてる)に、強い不足を感じたのでした。ダメダメじゃん、って感じで。……。

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