#1696 タフトクロスフィールドVer.、撮影の、裏話というか、補足。
先日、公開になった動画があります。ダイハツ・タフトに、趣のちょっと違ったタイヤを組み合わせると、結構愉しい、ってな記事。紹介しているのは2台、市販車まんまな車両に横浜ゴムのジオランダーCVを組み合わせての試乗記、そして、昨年末にダイハツが発表したコンセプトモデルのクロスフィールドVer.(ジオランダーMTG003採用)の、あくまでも妄想的な試乗記。お分かりのとおり、後者についてはコンセプト仕立てですから、実際にスタイルどおりの走りには届いていないところもあり、かといって、ダイハツのコンセプトモデルの例に漏れず、走ることはできる、ことを前提に作り込まれたモデル。そう、そのポテンシャルをテストドライブした内容とはなっていません。
さて、今回の撮影と、執筆と語りで気付いたこと、裏話をあれこれと記してみましょうかね。まずですね、そもそも、タフトは、ロッキー、タントとプラットフォームを共用していますから、つまり、いわゆるクロスオーバーというスタイルに仕立てたとはいっても、ラフロード走行性能は語れても、悪路走破性までは語れない、そんなポジションにあるモデルです。この仕立てについては、別に珍しいわけでもなく、世間で言われているクロスオーバーモデル、いや、SUVの中にも同様なモデルは数多くあります。ま、悪路云々はさておきですね、ただですね、改めて原稿を書いていて気付いたのですが、タフトって、商品企画的に攻めていたところがあれこれありましてね。それが、自動車雑誌的にはライバル、でも、実際、言われるほどに比較対象となっていない、スズキ・ハスラーと比較してですね、たとえば、最低地上高が+10mmの190mmとしたこと。これはタイヤサイズが165/60R16に対して165/65R16を採用したがゆえとも言えるのですが、大径タイヤをはける、はきこなせるポテンシャルは、やはりロッキー譲りといいましょうか、そこまで考えての、商品設計だったことがわかります。
まぁ、だからといって、悪路走破性の本質は、地上高だけでは計れないとは、毎度言っていることですが、この手のモデルにとっての、指標(商品性のアピール)としては実に有効。つまりですね、走る気があるといいましょうか、デザインも含めて、ドライバーを走る気にさせることを、丹念に作り込んでいることが見えてきます。ま、そのほかのタフトのアドバンテージについては、パッケージングやアイテムにもありますってな話は→■ にて。
で、動画に話を戻しまして、そんなタフトの可能性をさらに一歩進めた提案がこのクロスフィールドVer.でした。その提案内容は、ジムニーのイメージを重ねんとばかりにジムニー標準サイズのMTタイヤをはいて、リフトアップサスペンションを組み合わせて、機動力をアップ。さらに前に進むために、もしくはスタックした際にはウインチのアシストでハードなシーンを走破、キャビンに積み込めない荷物はルーフラックへ載せ、灯がない、でも広範囲をしっかりと照らしたい時にはルーフランプを活用して、突き進んで行く。そんな、一歩先へと踏み出したくなる提案があれやこれやとされています。ゆえに、そんなタフトの走りを期待させるシーンを撮影しました。コンセプトカーゆえに、つまり、日本に1台しかないモデルでしたから、傷つけるようなことは御法度でしたし、しかし、そのイメージを撮影したい、そんな想いから、あれこれと撮影。それにしても、MTタイヤをはいてオフロードへ出るといかんですね、ずんずん進んでいきたい気分になってしまいます。もちろん、限界をテストする撮影ではありませんでしたから、していませんが。
もう1台、ノーマルモデルに組み合わせたジオランダーCVのほうは、予想以上に好印象。そもそも、このタイヤに対する評価は高いのですが、日常的な乗り味にターゲットをあててあるタフトのシャシーに対して、どんなウィークポイントが見えてくるか……、と思ったらば、それが……、なかった。ハンドリング性能は、ブロックの倒れ込みが感じられないどころかグリップ感が明瞭ゆえに愉しさがあるし、そもそも高いタフトの静粛性はそのままだし、M+S仕様ゆえの冒険心を誘ってくれるところと、安心感やらを考えると、なかなかいい選択ではないか、と。って、何を考えているかといいますとね、実家のタフトに実はいいんじゃないかって。いや、高齢な両親が乗っていますから、林道へ!、河原へ!とかはないと思いますが。