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#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

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 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1640 国内での狙い所、アッパークラスたる走り、とってもいいです、新型RAV4。

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 さて、復活したRAV4の話を。最近のトヨタは復活が多いです。個人的には復活させるということは、止め際の判断を誤ったことをなかったかのようのにしており……、と、少々穿った見方をしているところがあります。いや、クルマに限らずで、iPad Airとか、iPad miniとか……。それはさておき、RAV4の話。この日本での復活劇は、本国(といってもアメリカ)発表の時にアナウンスされたような、されていないような、ま、いずれにしても、早いタイミングでの日本での復活の予告がありました。ただ、復活がどうのこうのとは思いながらも、この、一旦下げて復活させるというストーリーは、トヨタとしての業績、および、日本でのイメージ戦略と時代の流れまで、良く練り込んだものであり、感心していたりもします。まぁ、4世代目をそのままに国内導入していたら、キャラクターも弱くなりただ大きくなったモデルという評価となり、RAV4というブランドイメージも悪化していたことでしょうし。復活というより、仕切り直しができたとでもいいましょうかね、そんなストーリーはしっかりと評価しています。  ということで、復活となったRAV4ですが、強くは謳われていませんが、プラットフォームをひとつ格上げしての復活となりました。そうなんですね、今回はカムリに代表されるひとつ上のクラスを採用。あれ、やはり復活なハリアーって、逆に格下げになっていなかったっけか? ……、って、そうなんです、ハリアーとRAV4の立場がひっくり返っています。それにしてもRAV4を格上げする必要あるのか? と思われたかも知れませんけど、その必要があったんですね、北米マーケットをあれこれと考えると。ご存知のように北米における乗用車のスタンダードはカムリサイズ、つまり、アッパーミドルクラスと呼ばれるセグメントにあります。つまりですね、SUVも同格がメインである上に、ましてや乗用車プラスαが求められるものでして、最新のSUVはCだったのにD的な移行をしています。ま、少し前のグランドチェロキーのポジションと言えば、分かりやすいでしょうか。ジープついでで言いますと、気が付くとグランドチェロキーはアッパーD的なEセグメントへと移行しており、空いたところ、アッパーCにチェロキーを充てています。あれもそうですな、ホンダのCR−Vも。全幅1800mmどころか、1850mmを超

#1631 特別な人向けモデルになって戻ってきた、トヨタ・ハイラックス。

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 最近のトヨタは、復活、をひとつのキーワードとしているんでしょうか、ね。86から始まって、ディーゼルに、最近ではランクル70に、ハイラックスに、そしてスープラに。個人的に復活よりも、継続に、惹かれますから、このあまりの復活祭りに、なんだかなぁを感じていたりもします。さて、その復活モデルの1台、ハイラックス。一昨年になるんですね、復活したのは。諸事情から国内をきっぱりと捨てて、この度、戻ってきましたが、まぁ、随分とその様相を変えての、復活となりました。  全長5335mmは、もはや国内向けサイズとはいえずどころか、5m以上のモデルが止められる車庫を用意しなければならないというハードルが掲げられ、かつてよりも、さらに特別なモデルとなっていました。ま、逆にいえば、中途半端に誰でも所有できるんじゃなく、そこまでしないと手に入れられない特別な人向けであり、そういう人こそ、このゆとりを使いこなせましょうから、これはこれでいいのかもしれません。  さて、そのハイラックスですが、先日改めて試乗する機会がありましたので、あらためて感じたあれこれを。簡単にまとめてしまうと、なかなかいいまとまりをしていました。まぁ、印象的に残ったのは……、バランスですな。プラドよりも400ccダウンとなる2.4Lディーゼルターボは軽快感があって、パンチは強くなくとも、トルクでパワーをグイグイ発生させる感があって、不足ない。しなやかさを与えられたシャシーは空荷ではややの不足があっても(空荷での試乗だった)、積載時の不足はないと予感させるものだったし、オフロードでは、やっぱりリジッドってステキとか、デフロックっていいよね、を感じさせてくれました。日本ではウィークポイントとなる全長については、リアタイヤが遠くにある印象が少なく、Uターンと駐車以外でのストレスはそれほど多くはなく。キャビンについては、かつてよりもサイズを増しているため、リアシートがまさに使えます。足下はもちろん、座面がフロントよりも高くなっているので、背後に迫っているウインドウ含めて、座っていると、特別なモデルに乗っている感があり、ワクワクがあったりもします。ま、ただし、後ろからの陽射しはキツイでしょうけども……。  そうそう、試乗会ではMTが用意されていまして、オフロードのみの走行ではありましたけど、これが良かった。愉しかった。操る愉し

#1630 新型クラウン2.5Lハイブリッド、さらに乗り込んできました、な、話。

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 こういう仕事をしていますと、試乗するクルマのほとんどはいわゆる取材専用車両ですが、仕事の内容によってはあえてレンタカーを借り出して乗ることもあります。といっても、それはレンタカーたる比較をするのではなく、単純にレンタカー会社関連の仕事ゆえのことだったりしますが……。ということで、トヨタレンタリースの仕事で、先日、新型クラウンハイブリッドに乗ってきました。乗ってきましたが、そもそも納車待ちになっているモデルが、早々にレンタカーラインナップされているんです、昨今のトヨタレンタリースは。街を走って、アピールするという意味合い、もしくはしっかりと乗り込めるという意味合いでは、とっても歓迎すべきことなんですが、自分が早々とユーザーになっていたら、気分的にはどうなんだろうか、と思うところもあります。  さて、で、クラウンの話。パワーユニットは2.5Lガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッドモデル。 #1614 で、すでに同じユニットを搭載したモデルのことを記していますが、印象は変わらず。変わらずなんですが、乗り込んだ分、あれこれにも気付きました。まずですね、ACC。これが安全マージンを取り過ぎている感があって、先行車が車線変更をした際、完全に車線を外れるまで(当たり前)追従しドライブを続けます。分かりやすく表現しますとね、先行車が隣車線に移ってステアリングが直進に向くまで、頑として追従ドライブを続けている、といった、極く僅かな印象の部分。あとは、ステアリング修正に関して、左にあたって、右にあたってを、意外に繰り返します。ただ、まぁ、現状は、ステアリングは握っていなければならない、つまり、操作していなければならないわけで、そのアシストと捉えると、不足ないレベル……、ですな。  あとは、何かな……、あれだ、ストローク量は失われても、ストローク感は残っていると書きましたが、とはいうものの、以前よりはなく、昨今のモデルとしてはありますというレベル。で、そのサスの動き始めの微小域での曖昧さがありまして、って、存在すること自体はまったく構わないのですが、その後のストロークフィール、つまり、躾けにリンクしおらず、そこに曖昧さはないのに、表情を変えるところにあと少しを感じます。このあたりは17インチサイズのタイヤもあってのことかもしれませんが。ま、高速域にたどり着いてしまえば、フラット

#1614 超えられない全幅が、良くも悪くもらしさである、新型クラウン。

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 新型クラウンの話を。今回は、開発者と話す機会がなかったので、その意図までしっかりとはくみ取れていませんが、結論としては、まぁ、クラウンらしさをしっかり残しながら、コネクティッドドライブといったイマドキ感を採り入れ、そして、スポーティという新たなキーワードを明確に表現できており、自動車ジャーナリスト的な発言をすれば、好印象でした。なんといっても、全幅を1800mmに止めたことのこだわりは高く評価したいと思います、いや素直に。北米マーケットをにらんでいとも簡単に1800mmを突破していったFFモデルがありますからね。ただ、数年後には、日本国内における自動車販売台数が落ち込んでいくこと、クラウンの購入層がそろそろダウンサイジングへと移る、もしくは免許返上する方が多いと考えると、このパッケージングで良かったのか、といった問いもあります。クラウンは基本的にライフサイクルは4年ではありませんしね。って、この新型、そこまで長くは考えているのやもしれませんが。  さて、クラウン。このクルマ、良くも悪くもコンフォートライドについて語られますが、個人的にはとってもいいと評価していました。頭ごなしにフワフワと表現される方もいますが、あのストローク感こそがクラウンの骨頂であり、特にリバウンドストローク感なんぞは心地よさの極みと捉えています。ただ、先のフワフワ感を、曖昧さとごちゃまぜにされて、悪と評されることがあり、根本の意味合いは違うのに、なぜだか、自動車メーカーはそれを同義に捉えてしまい、改良、いや、違うな、変更をしてきます。そして、スポーティであること、になることが、クルマとしての正しい姿といわんばかりに、意のままにという言葉を使って、スポーティであることをウリにしてきます。  その傾向は、ここ数世代のクラウンにも見られます。ですが、それであってもクラウンらしさをしっかりと残していましたし、そのスポーティなクラウンという像を、否定的には捉えていませんでした。で、最新型。例のサスペンションストローク感は見られなくなりましたが、それでも減ったとはいえリバウンドストロークに心地よさを残し、コンフォート感をしっかりと表現しています。それでいながら、ワインディングでは余計な動きを見せず、コーナリング中のスタンスも昨今のトヨタ車流のしっかりとふんばるスタンスを作り上げていて、それが操縦性の良

#1612 パブリックβ版にクレームはどうかと思うのです、という話。

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 新車話からちょっと離れて、昨今のあれこれ感じたことを。自己責任話なんてたいそうなテーマを掲げると、それこそたいそうな話になりますが、ま、捉え方次第、といった感じの話を。Appleに限らずですが、最近、次期OSのβ版を一般ユーザー向けにも利用してもらいバグ出しをしてもらうという、皆にメリットがあるというスタイルをあちこちで見かけます。この場合は、言い方を変えると、先行して次期OSに触れる機会をエサに、バグ出しを手伝わせるという、一見ボランティア活動ですな。ま、これを昨今の、エサを明確にしていていないようなボランティア募集に重ねると、ちょっと違うような気がしますが、そんなあれこれ。  で、Appleでは、MacOSとiOSにおいて、次期OSをパブリックベータ版として公開しています。そもそもアプリケーションやらの開発者向けに先行リリースされていたバージョンを、一拍置いてつまり少し安定させてから一般に公開しています。ところが、このパブリックβ版に対して、知り合いがですね、なんと、AppleCare相手にバンバンに使えないと電話していまして。その内容たるやクレーム状態で、バク出しとはほど遠い内容。ま、それなのにちゃんとクレームに応対してしまう、AppleCareもどうなのさと思いますが……。そもそも、パブリックβ版をたんなるOSのバージョンアップと捉えている時点で、それ違うさね、を感じます。たとえば、すでに予告された実装されるはずの機能であっても外されていたり、新しく実装された機能にしても、これまであった機能にしてもそれこそβ版以下、トラブルを引き起こしかねない可能性を秘めていたりします。そういうものなので、そこに対して、クレームを発することは、違う、と。しかも、その内容が、クラウド上のデータがリンクしないとか、そんなレベルですのでなおさらに。そんなのバージョンが変われば可能になったりするんだから、クレーム付けるもんじゃないと説明するんですが、なかなか分かってもらえず。  で、iOSやMacOS側のトラブルならまだしも、そこにサードパーティ製のハードウェアやドライバなんかが絡んでくると、なおさらのこと。実は、今回、というか、今年の初めから、サードパーティ絡みでトラブルに見舞われています。USB経由でディスプレイ表示を行うデバイスがあるんですが、外部ディスプレイに対

#1603 直4もいいけど、V6のほうが断然いい、アルファード・ヴェルファイア。

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 フェイスリフトを含むマイナーチェンジを行ったアルファード・ヴェルファイアについては #1582 にて、2.5Lエンジン搭載モデルのインプレッションを記しましたが、今回は、V6/3.5L搭載モデルについて。個人的には、直4エンジンよりも、V6エンジンのほうが、このモデルの世界観を表現しているとは常々発していますが、現行型の直4エンジンは過去ユニットよりもパワーという面での不足を補っており、好印象。ただですね、世界観という面、つまり、このクラスのモデルに不可欠なゆとりを表現するには、やはり不足はある。そう、ゆとりという不足が。  ハイブリッドはさておき、個人的にはV6押しではありますが、ご存知のとおりいちばん売れていないパワーユニットとなってしまっています。今回のマイナーチェンジではエンジン型式こそ僅かな変更に止めていますが、実のところのほぼ新設計だそうで、そこに8速ATを組み合わせたものですから、これまでのV6ユニットが作り上げていた世界観を、扱いやすさとパワーと、低燃費とジェントルさといった面からブラッシュアップしていました。  ま、印象に残ったのは、軽快感でしょうな。そう、2tオーバーの車両で軽快感ってのもなんですが、パワー感だけではなし得ない、スムーズな吹け上がり感と軽量に感じさせる、そんな軽快感。それでいて、踏み込むとパンチ手前のパワーを発生させ、不快手前の加速を提供する。このあたりの躾け方がとてもいい。以前にも語りましたが、このモデル、派手に通じるようなデザインとは異なり、その乗り味は実にジェントルに仕立てています。そういった観点からも、パンチを感じさせるような、不安を煽るような加速を感じさせるようなことがありません。すっと発進して、さっと速い、そんなフィーリングがあり、アドバンテージになっていると感じました。  シャシーの躾けは、以前書いたとおりで、最近のトヨタ車ライクに仕立ててあり、好印象。ただし、そうなんです、ひとつだけ、やはり、あれが気になりました。取材車両、18インチホイールを採用した仕様だったのですが、これがですね、しなやかなサスペンションの動きの中に、コトン、トタンを発生させていまして、って、つまりはバネ下の重たさと、低扁平率ゆえの悪さが存在していまして。って、その衝撃はそれほどに気になるレベルではないんですが、波のない穏やかな湖面に、

#1599 課題もあるけど、いいんじゃないでしょうか、トヨタ・C-HR。

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 さて、トヨタC-HRの話。昨年のSUV販売台数トップを飾ったなんて話もありましたが、個人的には、実用性重要視される現在の日本のマーケットにおいて、このC-HRトップという事実は、一時的なブームだと捉えています。いや、売れちゃいけないクルマと言っているわけではないんですよ、ないんですが、流行から購入している人が多いといった印象を受けておりまして、それゆえに、待っていましたとばかりに飛びついた方々、または流行がひと段落すると、販売台数は落ち着いていくと思われます。プリウスから流れてきた層、あの手のデザインを待ち焦がれていた人にとっては、飛びつきたくなる魅力がありますが、今後のプリウスはフェイスリフトを含めた、大改良がありますし、このクラスのSUVとて、フォレスターが出てきますから。  ま、そんなC-HRですが、取材で1日乗ってきました。ただ、例のトヨタレンタリースの仕事でしたので、レンタカーで。というわけで、HV、だけど、タイヤは17インチ。走行距離6万km近い個体のテストドライブとなりました。ちなみにですね、C-HRの売れ筋は18インチですが、この17インチ仕様がなかなかいい。行き過ぎていなくて、いい。このプラットフォームで抑え込めるギリギリかなっといった印象で、タイヤをドタバタさせないところも好印象。ワインディングでも緩さがいい方向へと働いていて、愉しさがとても強いといった印象があります。さて、200kmとちょい走ってきましたが、まずもって、燃費が25.7km/L。取材であちこちうろつきながら、標高約600mの山に登ったり、ワインディングを駆け抜けての結果ですから、予想以上でした。って、何が予想以上かって、EV走行可能な速度域が大きく広がっていることでしょうか。上限まではしっかりと確認できませんでしたが、法定速度内ならば、つまり100km/h近くまで、状況によってEV表示となりました。というわけで、高速を苦手としているモーター走行ですが、まぁ、国内であれば、燃費を伸ばすにかなり有効な手段となっているようです。あ、燃費には関係ありませんが、C-HRの瞬間燃費計、EV走行中は表示上限の40km/hとなります。ハイブリッドモデルのほうは、これ、EV走行中といった表示に変えたほうがいいんでないか、そのほうが、燃費を強く意識するんじゃないか、そんなことを感じましたが。

#1582 走行性能は高く評価できるけど、デザインにうーむを感じる、アルファード。

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 昨年末にマイナーチェンジを果たし、やはりといわんばかりのフェイスリフトを行った、トヨタ・アルファードの話。え、もうマイナーチェンジなのと思いきや、デビューは2015年だといいますから、そうですか、もう3年近くが経過していたんですな。時の流れはほんと早いものです。って、え、あの試乗会、約3年前? いやはや、いやはや。ちなみに、アルファード、ヴェルファイアという商品に対しては #1090 ほかで語りましたように、デザインと乗り味が乖離しているモデルであり、なんとも評価しがたい商品だと捉えています。  で、そのフェイスリフトモデル、納車まで3〜4か月待ちだというのに、トヨタレンタリースではいち早く貸し出しを行っております。で、で、今回は、レンタカーとして貸し出されているボトムの16インチ仕様に乗ることができたのですが……。あのですね、とってもいい。ヨシダがアルファードを褒めるか? と驚いた方、多いと思いますが、はっきりいって、いい。って、快適たる作り込みですな。乗り心地でいえば、トニモカクニモ、硬さというものをしっかりと除いていまして、さらにはストローク量をうまく生かしたフラット感が存在していまして、トニモカクニモ、コンフォート。直進安定性に不足を感じながらも、快適性を求めてしなやかさをアピールするシャシーにちょっとうっとりといった感じでした。コーナリングにおけるロールフィールも新型の広報試乗会時に感じたそのままをさらに磨き上げた感じ。って、今回は16インチでしたから、なおさらにそれを感じたとでもいいましょうかね。いやはや、天晴れ。というか、これ、16インチ仕様が、いちばんいいんじゃないか、と感じたほどでした。それほどにいいです。2.5Lガソリンエンジンのフィーリングも、不足を伝えてこないCVTとの協調制御もあって、十分。ま、V6ほどのコンフォート感は手に入れていませんけど、これで十分じゃないですか? を感じました。ちなみに、燃費は取材という悪条件ながら10.5km/L(JC08モード燃費は11.6km/L)。ふた桁いくってことで、これもまぁいいのではないか、と。  と、べた褒め調ではありますが、これは、走行性能に限った話。個人的に、このコンフォートテイストと、いかつい系のデザインに、大きなズレを感じますし、今回のフェイスリフトのやり過ぎ感に対して、好みではな

#1567 ランドクルーザープラドの直4/2.7Lエンジン搭載モデルのインプレッション話。

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 仕事の話を。新車をテストドライブして紹介する記事を執筆することが、今のメインの仕事となっています。なんて、改めて言うことでもないんですが、ないんですが、実はすべてのクルマを試乗しているわけではありませんし、クルマどころか、グレードになると、なおさらにすべてに乗っていないのも、また、事実。ただ、昨今のモデルは、同じモデルの中であれば昔ほどのハードウェア差がない場合もありますし、あったとしても乗り味の方向性を同じとしていますので、全部に乗らずしてもというところもあります。わかりやすく例でいいますと、エンジン差は明らかに違いが存在しますが、1サイズ程度のタイヤサイズ差では乗り味に劇的な違いがなかったりもするものです。   と、前置きが長くなりました。さて、本題に。自動車雑誌系でインプレッション記事を見かけたことがないモデルの話です。トヨタのランドクルーザーのプラドの話。プラドは、昨今のトヨタ車の例に倣って、同じモデルサイクル内で2度もフェイスリフトを行いました。しかもそのレベルたるや大規模だったという、マイナーチェンジを施しています。異例ですな、まさに異例。で、この最新モデルの自動車雑誌に掲載されているインプレッションは、ディーゼルエンジン搭載モデルのみとなっているかと思われます。それはなぜか。メーカーが用意した広報車が、ディーゼルユニット搭載モデルしか、ないためです。しかしですね、クルマの仕上がりレベルはさておき、現在、プラドにおいて売れ筋となっているのは、ディーゼルではなく、ガソリンエンジン(直4/2.7L)モデルのほう。先日、取材で試乗した広報車に至っては、エアサスやら装備した最上級のTZ-G(ディーゼル)、でも、販売割合は多くないグレードですから、ここに、ユーザーが求めている情報と、発信側との想いに、すれ違いがあります。   プラドの最新モデルについては、今週末だったかに発売される新アポロ出版刊ランドクルーザーカスタムブックで記しましたし、以前から述べているように、プラドらしい世界観を存分に表現している(た)のは、ディーゼルユニットやV6/4.0Lガソリンエンジン搭載モデルであり、直4/2.7ガソリンエンジンとの組み合わせには、物足りなさが存在します。しますけれども、売れ筋グレードを考えると、多くの人が欲しい情報は、この直4のほう。というわけで、この2.7L

#1564 今年もいつしか過ぎ去っていった、2018年次RJCカー オブ ザ イヤー。

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 早いもので、って、口癖のようになっている気がしてきましたが、ほんと、早いもので、今年のRJCカー オブ ザ イヤー選考の季節がやってきました。ってか、過ぎ去ったんですけどね。結果は以下のとおり。   2018年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ スイフト   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート ボルボ V90/V90クロスカントリー   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   ホンダ 新型N-BOXの軽量化技術   RJCパーソン オブ ザ イヤー     光岡 進 氏(株式会社光岡自動車取締役会長)   RJC特別賞             名車のレストアサービス(マツダ、ボルボ)  となりました。まぁ、例年言っていますが、視点を変えると、評価もがらりと変わる、つまり採点も変わるもので、甲乙つけがたく。そして、これもいつもと同じく、最初から決めずに、試乗後の直感に従い、どう採点したかを覚えていなかったりします。ただ、個人的にはトヨタ・カムリに対して、日本向けかどうかはさておき、仕上がりに良さを感じていましたので高評価でしたし、シトロエンC3に対しては、クルマの良さはもちろん、楽しさ、おもしろさといった面でも評価していました。ま、いずれも最高点にしたかどうかはさておき、得点と自分の評価に違いを感じたこともまた事実。  さて、COTYはどのクルマ、技術を選出するのでしょうか。こちらに左右されることはないとは思いますが、個人的にはいつものことながら、興味津々です。いや、RJC会員としてではなく、ひとりのクルマファンとしてね。

#1549 いいんだけどね、うーむが残っている、トヨタ・ハリアー。

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 早いもので現行型ハリアーがデビューしてからいつしか4年目を迎えていたようで。実は、発売前の秋だったかにトヨタ本社までインタビューへ出掛けたのですが、つい先日だと思っていたら、それもほぼ4年前のことだったようです。いやはや、月日が経つのは早いものです。さて、で、そのハリアーがマイナーチェンジを行いました。人気があるから改良は不要ではないかと思っていましたが、先進安全装備やら、2.0Lターボエンジンへの期待やらありますから、ここでのてこ入れは必要だったんでしょうね。プレス向け試乗会では2.0Lターボに乗り込んで来ましたが、あれ、こうだっけ? と思うところがあちこちに。デビュー時の試乗会で感じたことを忘れ去っていたのか、印象が薄かったのか、よく分かりませんが、そんな、あれこれ。ハリアーそのものの印象は #776 に記していますので、そちらに任せて、ここでは今回感じたあれこれを並べてみましょうかね。  まず、といいますか、これがわりと強く感じたことなんですが、リアサスのつっぱりが気になりました。つまり、硬さですな。しかしですね、過去のアーティクルにも記していますが、デビュー時にはタイヤが起因した硬さを感じていたのですが、どうやらフィーリングが異なる。いや、似ているんですけど、なんか違う。なんだろうと思いつつ、観察したところ、今回、シャシー面で剛性感としなやかさを向上させていますから、なんで、この硬さが出てくるのかが分からない。で、問うてみたところ、リアサスペンションの構造上、入力速度域によって縮まない領域があって、それをタイヤでもいなしきれずに、ダイレクトにキャビンに硬さとして伝えてくる、と。これ、TNGAコンセプトを採り入れていないモデルだから、といった言い訳ができないところでして、なかなか難しい。フラット感につながる快適性を追求していったら顕著になってしまったという、まさにそんなフィーリング。ちなみに、リアシートに座るとこれが顕著に感じられまして、穏やかな中に存在する角ゆえに、かなり気になります。タイヤサイズを落としたところで残るものだそうで、……、云々。  そのほか、印象に残ったといえば、ハンドリング。そのものの剛性感が高められた上に、ステアリングの切りはじめから情報量が豊か、かつ、操舵感もあって、すごくいい。コーナーでスタンスを決めた時に伝わってくるタイヤ

#1548 セダン復権たるポテンシャルあれど……、うーむ、な、トヨタ・カムリ。

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 日本におけるセダンって、どうして衰退してしまったんでしょうね、と思いつつ、輸入車(ドイツ車)における人気は高くあったりしますから、実のところ、先の問題、国産車とセダンって捉え方に限定したほうがいいんでしょうかね。というわけで、セダン復権を銘打って日本市場へと登場したトヨタのカムリの話。  スポーティな面持ちは、セダン復権といいましょうか、若い層にアピールしたいといわんばかりの仕立てであり、そこに共感できないような、できるような、不可思議な印象を持ったのですが、その走りは、デザインと異なり、生真面目といった感が前面に出ていました。そう、嫌みに通じるようなこれでもかというスポーティさたる演出はされておらず、クルマの基本性能をブラッシュアップさせた結果、スポーティさを感じるという、そんな印象とでもいいましょうか。  なんていうんでしょうかね、TNGAによって一新されたというよりは、昨今のトヨタ車に対して評価している、荷重移動を意識的にできる操縦性、それに伴って引き出される安定したスタンスが、最新技術を用いて上手く表現されているといった感を覚えました。パワーユニットは新型ガソリンエンジンとその周辺も相まって、これまでの直4たるフィーリングにおける物足りなさを払拭しており、また、レスポンス、パワー感含めて、モーターとの協調制御も次のステップへと移行したことを感じさせるものであり、好印象。逆にいいますと、クラウンやらのアッパークラスのハイブリッドユニットとしても堂々とできるだけのポテンシャルをそこから感じたといいましょうか、そんな印象。  ただですね、これはカムリに限らずなんですけど、デザインの行き過ぎ感、アピールし過ぎ感を覚えます。スポーティさを感じさせるのはいい、いいんだけど、そこまでは尖っていないよ、感とでもいいましょうか、そんなアンバランス感。アルファードやヴェルファイアが、デザインからは想像しえぬ、快適性を作り込んでいる話を以前しましたが、そういったアンバランス感。商品性としてはあのデザインセンスは必要なんでしょうけども、実際の走行性能はちょっと違うんじゃないかと感じる、アンバランス感。ま、このあたりは個人的な好みに左右されるところと言いましょうか、時代が求めているデザインとの走行性能との表現の仕方についていけていないだけ、という話もありますが。  さて

#1534 アクアがあるのに、何故にヴィッツでハイブリッドなのか。

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 以前少し書きかけましたが、ヴィッツハイブリッドの話。昨今のトヨタは、好き嫌い、善し悪しは別にして、デザインや走りに一貫性を調えようというスタンスが感じられ、そこに好印象を感じています。ただですね、ヴィッツハイブリッドに対してだけは、? を感じます。アクアというハイブリッドユニットを搭載することを前提としたパッケージを作り上げ、ガソリンはヴィッツと棲み分けをしたはず、なのに、どうして今更に、ヴィッツにハイブリッドを組み合わせるのか。スペース効率、車両重量という観点からアドバンテージはないのに、どうしてヴィッツにハイブリッドなのか。ひょっとして、サイズ(全長)が大きく違うのか? いや、そんなことはなかったはずと調べてみれば、アクアのほうが50mm長いだけで、それでも4mに届かず。そう、全長で価格が変わってしまうフェリー料金にも差はありませんな。まぁ、考えるに、そこには大人の事情があるんでしょうな、たぶん。  というわけで、さっぱり解せないヴィッツハイブリッドですが、テストドライブすることになり、ちょいと500kmほど、日帰りで出掛けてきました。そしたら、やっぱりですね、解せない。ま、いちばん分かりやすいのは実燃費。8割近くを高速道路を走ったのですが、27.0km/Lに留まりました。あのですね、とにかく感じたのは、低燃費貢献にダイレクトに効くEVモードを維持しての走行が辛いこと。ユルユルのヨシダ走りであっても、後少しの加速が欲しいと思うところまで引っ張れない。って、高速道路ではほぼ関係ない話ではありますが。アクアはもう少しEVモードでの走行を許してくれたような気がするんですが、ヴィッツはわりと早くからエンジンが始動します。ま、高速道路を多く走ったこともありますが、アクアとは実燃費という面で、大きく差が生まれます。  となるとですね、そこまでしてヴィッツを選ぶ理由ってのが、ますます見えません。そうか、車両本体価格が大きく違うのだなと比較しても、約176万円からスタートするアクアに対して、ヴィッツは約182万円からと、劇的な差にはなっておらず(値引きは知らず)。ブランド力ももはやデビュー当時のような強さもなくなってきていますし。はてさて。ま、大人の事情なんでしょう、大人の。  走りについては、昨今、Bセグにやたらと乗っていること、ま、そもそもフィエスタに乗っている

#1492 実直な走りと、スポーティなデザインに、差がある、マークX。

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 そのエクステリアデザインやら広告から与えられるイメージほど、尖っていないクルマがあります。そんな1台がトヨタのマークX。BMW5シリーズを作ろうとしましたといわんばかりの初代モデルのエクステリアデザインにちょっとばかしとはいえ辟易したことを今でも強く覚えていますが、2世代目はそこにこだわらず、ま、上手くまとめたかなぁ、でも、ちょっと違うんだけどなぁ、でも、マークⅡに乗り続けてきたオーナーにとっては、待ってましたといわんばかりなんだろうなと、そんなことを感じていました。現行型で存在そのものが終了するような噂を聞いていましたので、昨年末の延命処置たるフェイスリフトには少々驚きました。あそこまでコストを掛けるってことは、まだまだ販売を続けるつもりってことですから。ま、そういったモデル、つまり、(今のところ)新型の開発を閉ざしたものの、人気から販売を止めるに止められない車種、昨今のトヨタには少なくありませんな。エスティマにしても、プレミオにしても……。  で、マークX。随分とまぁスポーティなイメージを増した、というよりは、盛りましたなといった感があり、きっと走りも随分とそっちへと振ったんだろうと思いきや、コンフォート感をベースに仕立てたあのテイストは変わらず。緩さを捨て去って引き締まり感を得たなんてイメージすると、ちょっとどころか、かなり異なります、それ。いや、いいんです、仕立て方、とってもいいんです。でも、フロントフェイスのイメージと、乗り味は異なっていましたってことです。  それにしても、よくぞここまでコンフォートに仕立てましたといった感にあふれていまして、好印象。素直さをベースにしながらも、そこに柔らかさに通じる快適性を加えています。その分、タイヤの接地感が薄いとか、そういった印象もありますが、ダイレクト感を追求しすぎてサルーンたる基本的な乗り味を見失っているモデルが多い中、よく仕上げているなぁと感心。エンジンにしてもそう。パンチよりも全域のトルク感と吹け上がりのジェントル感を大切に作り込んでいて、好印象。なんでしょうね、このイメージ(商品性)とのズレ。実のところ、トヨタでは、アルファード&ヴェルファイアにもそれを感じます。なんかね、実験部が目指している性能と、マーケティングとのズレとでもいいましょうかね、そんな感じがあるんです。昨今、クルマの性能としてスポ

#1481 あれこれ細かいリクエストはあるけど、上手くまとめていたトヨタ・C-HR。

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 新年初の試乗会はトヨタのC-HRでした。メーカー曰く"コンパクト"なSUV、もしくはクロスオーバーってのが、あれやこれやと似ているようで重ならないコンセプトを掲げて、揃ってきました。きましたが、あまりの玉石混交って書くと違いますな、あの、えっと、この手のモデルは、どれも同じクラスに捉えられてしまいますが、実のところコンセプト違いだけではなく、生い立ち(ベースプラットフォーム)を含めて、確実なる違いが存在しますので、そのあたりをしっかりと捉えておくことで、よりそれぞれのモデルを理解できるか、と思います。  さて、C-HRですが、ベースをプリウスと共用していますから、って、そう、セグメントで言ったらば、Cセグとなります。結論から言いますとね、細々としたあれこれを望みたくなるところはありましたが、ありましたが、Cセグゆえに、プリウスと共用したがゆえに実現できた、乗り味、質感、デザイン(造形)がありました。走り出して感じたのは、その静かさでしょうかね。ハイブリッドではなく、まずは、ガソリンでそれを感じました。で、タイヤの接地感も上品というと表現としておかしいんですが、そんな感じ。しなやかさを与えたシャシーは、初期の動きを乗り心地のためにかなり振っていまして、乗り心地がいい。18インチでも良かった。いや、好みは17インチでしたが。ただ、冷静に考えるとで、225/50R18サイズのタイヤをよくぞ抑え込みましたといった感にあふれていまして、当たり前のようにはきこなしていたことにちょっと感心したほど。  エクステリアのデザインから、かなりスポーティな乗り味を想像するかもしれませんが、これがですね、予想外にもコンフォート方向に振っていました。ハンドリングもクイックさを与えるのではなく、余分なものを取り去りましたといったフィーリングに仕立ててあって、ちょっと想像と違っていました。個人的には好印象。昨今のモデルにしては珍しく、開発期間をかなり取ったようですが、もっと煮つめて欲しいなと思うところがあったのも、また、事実。たとえば、フラット感という面では、基本は出来ているんですが、細かな動きが止められない。接地感についても、ミシュランのプライマシーを採用しているのに、物足りない。ハンドリングも、ある程度速度を出した際のコーナリング、言い換えますと、コーナリングを意識

#1462 予想外の仕上がりだった、トールとルーミーとタンク。

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 あれです、と突然に始めますけど、あれですよ、あれ、今、話題の、ダイハツのトール、トヨタのルーミーとタンクに乗ってきました。これらモデル、Aセグのトールワゴンなんですが、昨今のセグメント分けは、一方でのサイズ拡大と、一方でのサイズ留まりとで、なんとも位置づけらいところがありますが、Aセグモデルとして、とてもいい仕上がりになっている、ま、自動車雑誌的にいいますとね、クラスをひとつ超えた感にあふれていました。そのベースは #1352 で不足なしと書きましたブーン・パッソですが、さらなるボディ剛性アップによって、ただ、トールワゴンに仕立てただけ以上のポテンシャルを得ていました。そう、ブーン・パッソでも書いたシャシー性能に対する印象まで、さらに高められていましてね、やられた感がありました。  やっぱりですね、ボディの仕立ては、クラス感に直結する質感を演出するに不可欠ですし、乗り味にも大きく影響を与えるものでして、重要であることを改めて感じた次第。ハンドリングも、クラスなりの曖昧さは残っていますが、アシスト力たる演出も相まってですが、これが意外に操舵感があって良かった。ただ、タイヤのキャラクターもあるんでしょうね、グリップ感が見え辛くて、そこに惜しいを感じました。そう、まさに、ハンドリングに曖昧さが残っていても、タイヤのグリップ感は伝えてくるという海外のAセグモデルとの違いであって、どちらが、理想かななんてことをしばし考えながら試乗しましたが。  乗り心地の面では、Aセグレベルを超えていると思います。ハーシュネスを上手く抑え込んでいまして、実に快適。いいまとめ方をしていると思います。1.0LNAエンジンはトルク優先といった感があり、CVTの協調も相まって、不足を感じません。で、ターボになると、必要にして十二分を感じますが、ただ、低回転域においてトルク変動を感じさせるところがあり、ターボラグをもう少し上手く整えると……、って、NAに対してターボはサスペンションの設定も変えていましたから、ひょっとすると、ターボらしさたる演出だったのかも……、いや、そんなことはないか。そうそう、ターボはサスペンションチューニングも変えてありましたが、好みはリアにスタビラーザーを採用していない、NAのほう。のんびり、穏やかに、そんなセッティングが見合っていると思います、このクルマは。  あとは

#1461 時代が、日本が、車が、企画が、オモシロイ、カローラvsサニー。

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  #1450 にて紹介しました、三栄書房の歴代カローラのすべて、ですが、このサイトからのリンクを通じて購入していただいた方がおりまして、おかげさまで1冊あたり36円(1200円の3%)分のポイントをいただきました。感謝いたします。えっと、ま、その、アフィリエイトってやつですな。  さて、そのシリーズで、今度はカローラvsサニーが出版されましたが、前回のカローラでの執筆が、編集部のリクエストレベルになんとか引っかかったようで、再びの執筆依頼をいただき、執筆。ありがたいことです、はい。で、なぜに、いまさらにカローラvsサニーなのか、と思いきや、執筆にあたって振り返るとおもしろいんですね、両車。といいますか、あの時代。この本は、それを上手く構成していまして、ま、具体的にいいますと、vsという斬り方によって、両モデルの深さたるスゴサを、ま、極端な言い方をしますとね、あの頃の日本は良かった(凄かった)、いやいや、あの頃の日本車はおもしろかったよねという、感慨に浸らせてくれます。  自分が執筆したのは、日産がロータリーエンジンにチャレンジしていた頃の話と、サニートラックの話なんですが、いずれも、あの頃だから許されたといいましょうか、立ち上がった企画であり、やっぱりですね、いい時代だったんだなぁということを感じます。実のところ、サニートラックも日産のロータリーエンジンの話も、自分が3、4歳の頃のことですから、リアルタイムな話ではなく、後から知ったことであり、また、今回の執筆において改めて調べたこともあったのですが、そんな過程も実に愉しさがありました。ま、これも取材といいましょうか、執筆たる醍醐味ですな。その中でもやっぱりですね、先輩方々の執筆、取材が、すこぶるオモシロイ。参考にと、あれこれと読み解いていくとですね、昨今のクルマのような語るべきポイントが少なくなったモデルとは異なり、未完成も味もあふれていたモデルだったこともありましょうが、それにしても、観点が違うといいましょうか、ジャーナリスト的な視点が深いし、それがおもしろさといいましょうか、クルマ好きにはたまらない表現となっていまして、仕事であることを忘れて、読みふけてしまう始末。何でしょうかね、この、おもしろさというか、違いは。  というわけで、そんな昔の誌面を用いながら、表紙に謳われている"凄さ&quo

#1459 あれ、ずいぶんと良くなっているじゃん、トヨタ・ハチロク。

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 さて、ハチロクです。ここのところランドクルーザーの原稿に追われていますので、なんだか、トヨタ三昧って感じです。そういえば、今週にはトヨタでも販売される新型車の試乗会もありますし。あれ、ひょっとしてと振り返ってみると、今年はトヨタ系のクルマについての執筆やらが、いちばん多いような気もしますが。ということで、トヨタ車と自分について振り返ってみますと……、って、トヨタ車に乗ったことが……、いや、大丈夫ですよ、ランドクルーザーに乗っていたことがありますから。  さてはて、ハチロクの話です。ハチロクなのに、なぜか4x4magazineでの仕事。オフロードを走らせるってわけでもないですし、FRスポーツカーのお勉強をしましょうって企画でもありません。試乗記事を紹介する企画があるんです、はい。で、ハチロク。早いものでデビューから5年目を迎えていたようで、今年の夏、大改良といえるマイナーチェンジを行いました。で、ハチロク。これがですね、実に良くなっていておりましてね、驚きましたよ。  試乗したのはハイパフォーマンス仕様ではないGTリミテッドのMTでしたが、エンジンフィールがですね、パワーアップを果たしたっていうから、過激さを先に感じるかと思ったらば、これがですね、かなりジェントルな仕立てになっていまして、つまり扱いやすい。とっても扱いやすくなっていた。アクセルを踏んだ際のレスポンスもかなり極められていましてね、って、レスポンスが良くなっているだけではなくって、踏み込み量に対してきめ細やかなレスポンスとトルクを提供してくれまして、これ、扱いやすさに繋がっています。  で、シャシーはですね、これがまた良かった。特に好印象だったのは微舵角におけるグリップ感。パワーステアリングのアシスト量の変化もあってのことなんですが、それにしても、オンセンターからの繋がりが美しい。違和感を覚えさせるようなクイックを感じさせることなく、クイックに、そしてグイグイと曲がっていく。ま、そんなシーンでのグリップ力はいうまでもなく十二分。って、今回はクローズドコースでの試乗ではなかったので、限界までは達する前の話ですが。  さらにですね、そんなジェントルテイストに倣うかのように、乗り心地もすこぶるいい。とにもかくにも、どんなシーンでも、215/45R17というタイヤサイズを、暴れさせない、ばたつかせない、

#1454 イマドキを感じた、2017年次RJCカー オブ ザ イヤーの結果。

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 今年も早いもので、RJCカーオブザイヤー決定の時期となりました。11月16日に最終選考会があり、即日開票が行われました。で、毎年のことですが、6、5、4、3、2、1のいずれかの点数を入れねばならぬことは、難しく。いつものごとく、書き込む瞬間まで、順位など付けることはできず、迷いました。といっても、迷うのは、6点ではなく、それ以下、特に、1点。個人的にはですね、1点など付けたくないわけですよ。付けたくないんですが、付けないと、票そのものが無効になってしまいますので、付けねばなりません。ま、考えますにね、順位を決定するわけではありませんから、すべてに点数をいれなくてもいいと思うわけです。極端な話、1台(1技術)を選ぶわけですから、点数ではなく、いずれを評価するかだけでもいいような気がします。あれですな、選挙でひとりを選ぶのと同じ感覚ですな。ま、母数が多くないがゆえに、無理ではありますが、いずれにしても、1点を入れるのは難しい。というか、できることならしたくないと思っています。  で、結果は下記のようになりました。  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー        日産自動車  セレナ  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー = インポート  ボルボ    XC90  2017年次RJCテクノロジー オブ ザ イヤー     日産自動車  プロパイロット (セレナ)  ファミリーをターゲットとしたモデルがイヤー賞となったのは、今の時代を反映した結果であり、774万円からのモデルがインポートに選ばれたのは、価格だけでは語れない価値が評価された結果、と、受け止めています。国産モデルでは、日本らしさ、日本向きを語れるムーヴキャンバスやフリードシリーズ、グローバルに戦える新世代さを感じさせるインプレッサ、トルクがもたらす扱いやすさと質感にあふれるアクセラスポーツ15XD、なんだかんだ言っても売れているという事実(人気)があるプリウス、いずれも、観点を変えると、その評価は変わるものです。  それはインポートもしかり。アウディA4の豊かさあふれる質感、プジョー308ディーゼルのコンフォートとスポーティのハイバランスぶり、MINIコンバーチブルのとにもかくにもと言わんばかりの愉しさ、メルセデス・ベンツEクラスが作り上げた新しいアッパークラス感、SUVの本