#1603 直4もいいけど、V6のほうが断然いい、アルファード・ヴェルファイア。

 フェイスリフトを含むマイナーチェンジを行ったアルファード・ヴェルファイアについては#1582にて、2.5Lエンジン搭載モデルのインプレッションを記しましたが、今回は、V6/3.5L搭載モデルについて。個人的には、直4エンジンよりも、V6エンジンのほうが、このモデルの世界観を表現しているとは常々発していますが、現行型の直4エンジンは過去ユニットよりもパワーという面での不足を補っており、好印象。ただですね、世界観という面、つまり、このクラスのモデルに不可欠なゆとりを表現するには、やはり不足はある。そう、ゆとりという不足が。
 ハイブリッドはさておき、個人的にはV6押しではありますが、ご存知のとおりいちばん売れていないパワーユニットとなってしまっています。今回のマイナーチェンジではエンジン型式こそ僅かな変更に止めていますが、実のところのほぼ新設計だそうで、そこに8速ATを組み合わせたものですから、これまでのV6ユニットが作り上げていた世界観を、扱いやすさとパワーと、低燃費とジェントルさといった面からブラッシュアップしていました。
 ま、印象に残ったのは、軽快感でしょうな。そう、2tオーバーの車両で軽快感ってのもなんですが、パワー感だけではなし得ない、スムーズな吹け上がり感と軽量に感じさせる、そんな軽快感。それでいて、踏み込むとパンチ手前のパワーを発生させ、不快手前の加速を提供する。このあたりの躾け方がとてもいい。以前にも語りましたが、このモデル、派手に通じるようなデザインとは異なり、その乗り味は実にジェントルに仕立てています。そういった観点からも、パンチを感じさせるような、不安を煽るような加速を感じさせるようなことがありません。すっと発進して、さっと速い、そんなフィーリングがあり、アドバンテージになっていると感じました。
 シャシーの躾けは、以前書いたとおりで、最近のトヨタ車ライクに仕立ててあり、好印象。ただし、そうなんです、ひとつだけ、やはり、あれが気になりました。取材車両、18インチホイールを採用した仕様だったのですが、これがですね、しなやかなサスペンションの動きの中に、コトン、トタンを発生させていまして、って、つまりはバネ下の重たさと、低扁平率ゆえの悪さが存在していまして。って、その衝撃はそれほどに気になるレベルではないんですが、波のない穏やかな湖面に、突如波が現れる的な、馴染まない感があって、気になる、気になる。もったいないなぁと思いつつ、購入される方は、スタイルだけではなく、このあたりもしっかりと見定めて欲しいなと感じました。ちなみに、燃費は、取材前に都内(下道)を走っていたようですが、それを含めて、トータルで9.2km/L。高速が多かったとはいえ、期待以上の数値でした。

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