#1640 国内での狙い所、アッパークラスたる走り、とってもいいです、新型RAV4。


さて、インプレッションは……、って、そりゃ、いいですわ。というか、ある意味バーゲンセールかと思います。いや、北米では当たり前なんでしょうけど、このクラスのモデルって、日本に入って来た途端、あれこれ付けられて、え? という価格付けになります。カムリしかり、アコードしかり。しかし、RAV4は先の価格付けたる理由もあって、そのラインナップをゴテゴテ仕様だけにしておらず、素に近いグレード(といっても自分からすると十二分ですけど)を設定しています。という意味合いも込めての、バーゲンセールですな。で、インプレですが、ハンドリング、ボディ剛性、シャシーに至るまで、アッパーミドルクラス的であり、最新ということもあって、先を走っている感があります。まぁ、チェロキーやティグアンと比較してしまうと物足りなさもありますが、ハンドリングや乗り心地は横並び、もしくはそれ以上と評価できるところもあちこちに見受けられます。いちばん感心したのはサスペンションでしょうな。執筆済みの2誌でも触れましたが、サスペンションの動きからストレスを排除した設計によって、バネレートを高めにすることが叶ったようで、アンジュレーションシーンにおいて、4輪の動きが実に美しい。つまり、路面トレース性に長けていまして、いわゆる輸入車で感じ取れるあのフィーリングにかなり近くなっています。しかも、19インチサイズを採用しながら、ドタバタを感じさせない。良く躾けてあるなぁといった印象がありました。

さて、長くなってきた……、なので、えっと、あとは、あえて気になるところを挙げておきますと。パノラマムーンルーフは、広大でいいんですが、幅方向のサイズが不足してて、この手の輸入車のような、開放感には届いていません。なんかね、もったいない、こういうところ、ほんと、もったいない。あと、アドベンチャーってグレード、とってもいいと思うんですが、北米の感覚(ベースをわりとスタンダードなグレードとしてしまった)をそのまま持ち込んでしまったので、ステアリングホイールがウレタンって、どうなのよ、って話。もちろん、メーカーオプションとして本革タイプが用意されていますけどね、税込みで約8万円……。BMWのMスポーツなステアリングのほうが安くないか、って、価格付けはちょっと疑問。リアシートのポジションが、ちょっと寝かせすぎ感があり、個人的には好みではありませんでした。室内高が不足しているモデルならば、その手法もありなんでしょうけど、狙いすぎを感じ、ロングドライブではマイナスになりそうな予感もあっての、評価ではありますけど。あとは……、2.0LガソリンNAというキーワードからパワー不足を連想しますが……、発進専用ギアをプラスしたCVTとの協調もあって、不足なし。ま、パンチはないですけどね、不足なし。逆に、2.0Lターボとかはいらんな、って感じです。そう、現在販売されているハリアーとは横並び比較できないほど、先を走っています、新型RAV4。
そうそう、アグレッシブな仕立てを期待……、そう、”ちょっと上げ”で、専用ハードサスを採用したようなラギッド系モデル。昨今は、先進安全装備が付いたために、少しであっても車高を変更するような改造は御法度状態ですから、メーカーお墨付きで、そういった仕様を出して欲しいものですが……。って、どうやら、TRDが15mmアップキットを開発しているとかで……、これはなかなか期待大ですな。