#1599 課題もあるけど、いいんじゃないでしょうか、トヨタ・C-HR。

 さて、トヨタC-HRの話。昨年のSUV販売台数トップを飾ったなんて話もありましたが、個人的には、実用性重要視される現在の日本のマーケットにおいて、このC-HRトップという事実は、一時的なブームだと捉えています。いや、売れちゃいけないクルマと言っているわけではないんですよ、ないんですが、流行から購入している人が多いといった印象を受けておりまして、それゆえに、待っていましたとばかりに飛びついた方々、または流行がひと段落すると、販売台数は落ち着いていくと思われます。プリウスから流れてきた層、あの手のデザインを待ち焦がれていた人にとっては、飛びつきたくなる魅力がありますが、今後のプリウスはフェイスリフトを含めた、大改良がありますし、このクラスのSUVとて、フォレスターが出てきますから。
 ま、そんなC-HRですが、取材で1日乗ってきました。ただ、例のトヨタレンタリースの仕事でしたので、レンタカーで。というわけで、HV、だけど、タイヤは17インチ。走行距離6万km近い個体のテストドライブとなりました。ちなみにですね、C-HRの売れ筋は18インチですが、この17インチ仕様がなかなかいい。行き過ぎていなくて、いい。このプラットフォームで抑え込めるギリギリかなっといった印象で、タイヤをドタバタさせないところも好印象。ワインディングでも緩さがいい方向へと働いていて、愉しさがとても強いといった印象があります。さて、200kmとちょい走ってきましたが、まずもって、燃費が25.7km/L。取材であちこちうろつきながら、標高約600mの山に登ったり、ワインディングを駆け抜けての結果ですから、予想以上でした。って、何が予想以上かって、EV走行可能な速度域が大きく広がっていることでしょうか。上限まではしっかりと確認できませんでしたが、法定速度内ならば、つまり100km/h近くまで、状況によってEV表示となりました。というわけで、高速を苦手としているモーター走行ですが、まぁ、国内であれば、燃費を伸ばすにかなり有効な手段となっているようです。あ、燃費には関係ありませんが、C-HRの瞬間燃費計、EV走行中は表示上限の40km/hとなります。ハイブリッドモデルのほうは、これ、EV走行中といった表示に変えたほうがいいんでないか、そのほうが、燃費を強く意識するんじゃないか、そんなことを感じましたが。
 さて、乗り味ですが、、あれこれがありました。まずは、インテリアで、パネルの取り付けからのガタ音。これが、かなり大きくて、もちろん、速度域や路面状況にもよるんですけど、ハイブリッドユニットを搭載していることからも普段が静かな分、音が出てくると気になる、気になる。乗り味は、走行距離によって何かを失っているようなところはありませんでした。欧州車のように走り出しからの接地感は乏しいんですが、まぁ、走り出すと、そこそこにいい。ただ、高速域では直進安定性にしても、Cセグベースであることを考えると、もう少し安定感を出したほうがいいのでは、と思えるところもありつつ。逆に操縦性という面では、かなり意識したようで、コーナリングでの姿勢変化への導き方やら、グリップ感を伝えるところなど、なかなかがんばっています。17インチ仕様でもクイック感を覚えますが、まぁ、タイヤだけががんばっているような嫌みがない。ただ、まぁ、アンジュレーションでは4輪がバラバラに動いていることが、悪い意味で伝わってくる。自在にというよりは、自分勝手にといった感じで。といっても、これは、欧州のプレミアムなCセグと比較しての話ですので、この価格帯やら、ベースのプリウスを考えると、いいんじゃないでしょうか。クルマの性能そのものだけをピックアップするならば、プリウスよりもC-HRを選びます。重心高があるモデルでありながら、それを無理矢理抑え込んだスポーティに仕立てていないところもいいですし。
  このクラスのモデルは、ベースがどこにあるか、が、ひとつのキーになります。Bセグなのか、Cセグなのか。XVもC-HRもCセグベースゆえのアドバンテージが多くあるんですが、なぜか、あのBセグベースモデルと比較されてしまうのが常。ま、あちらはあちらで、Bセグなのに、あそこまで仕立てていますから、優秀ではあるんですが。というわけで、先日、C-HRは一部改良で、ガソリンターボモデルにFFを追加し、価格を抑えて、あちらに対抗できるモデルをリリースしました。XVなんかも、1.6Lを用意して、対抗しています。そこまできっちりとメーカーの意図を読み込むことに、賢い買い方があるような気がします。
  え、このクラスのベストはどれか? あ、国産なら、B、Cセグともに、マツダであることに、変わりはありません。CX-3と、CX-5ですな。何度もいいますが、特にCX-3はディーゼルをMTで乗れる、これだけで十二分に価値ありますし、この先、ディーゼル+MTが、手放せない理由になると思われますし。

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