#1549 いいんだけどね、うーむが残っている、トヨタ・ハリアー。

 早いもので現行型ハリアーがデビューしてからいつしか4年目を迎えていたようで。実は、発売前の秋だったかにトヨタ本社までインタビューへ出掛けたのですが、つい先日だと思っていたら、それもほぼ4年前のことだったようです。いやはや、月日が経つのは早いものです。さて、で、そのハリアーがマイナーチェンジを行いました。人気があるから改良は不要ではないかと思っていましたが、先進安全装備やら、2.0Lターボエンジンへの期待やらありますから、ここでのてこ入れは必要だったんでしょうね。プレス向け試乗会では2.0Lターボに乗り込んで来ましたが、あれ、こうだっけ? と思うところがあちこちに。デビュー時の試乗会で感じたことを忘れ去っていたのか、印象が薄かったのか、よく分かりませんが、そんな、あれこれ。ハリアーそのものの印象は#776に記していますので、そちらに任せて、ここでは今回感じたあれこれを並べてみましょうかね。
 まず、といいますか、これがわりと強く感じたことなんですが、リアサスのつっぱりが気になりました。つまり、硬さですな。しかしですね、過去のアーティクルにも記していますが、デビュー時にはタイヤが起因した硬さを感じていたのですが、どうやらフィーリングが異なる。いや、似ているんですけど、なんか違う。なんだろうと思いつつ、観察したところ、今回、シャシー面で剛性感としなやかさを向上させていますから、なんで、この硬さが出てくるのかが分からない。で、問うてみたところ、リアサスペンションの構造上、入力速度域によって縮まない領域があって、それをタイヤでもいなしきれずに、ダイレクトにキャビンに硬さとして伝えてくる、と。これ、TNGAコンセプトを採り入れていないモデルだから、といった言い訳ができないところでして、なかなか難しい。フラット感につながる快適性を追求していったら顕著になってしまったという、まさにそんなフィーリング。ちなみに、リアシートに座るとこれが顕著に感じられまして、穏やかな中に存在する角ゆえに、かなり気になります。タイヤサイズを落としたところで残るものだそうで、……、云々。
 そのほか、印象に残ったといえば、ハンドリング。そのものの剛性感が高められた上に、ステアリングの切りはじめから情報量が豊か、かつ、操舵感もあって、すごくいい。コーナーでスタンスを決めた時に伝わってくるタイヤからのグリップ感は、そこからアクセルを踏んでいきたくなる、そんなフィーリングへの誘導まで上手く作り上げています。2.0Lターボエンジンは大排気量的な演出ゆえにいわゆる過激さはありませんけど、先のハンドリングに見合ってとても好印象。個人的にはもっとトルク感をとか思いますが、ま、燃費を考えるといい感じではないでしょうか。
 個人的には、欲しいクルマリストにはないモデルですが、選ぶとしたら、この2.0Lターボでしょう。というか、2.0Lターボゆえに、購入する理由があるモデル、と、そんな捉え方しています。使用燃料はハイオクですけど。でも、知人から購入を相談されたら……、うーむ、なんて答えるんだろうか。リセールバリューを考えて、2.0LNAにしておきなさい、とか言ってしまうんでしょうかね。いや、マツダCX-5にしておきなさい、と発してしまうでしょうね。でも、ハリアーがいいと思って相談してきたわけですから、たぶん、ふーんぐらいにしか思われないことでしょう。

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