#1631 特別な人向けモデルになって戻ってきた、トヨタ・ハイラックス。

 最近のトヨタは、復活、をひとつのキーワードとしているんでしょうか、ね。86から始まって、ディーゼルに、最近ではランクル70に、ハイラックスに、そしてスープラに。個人的に復活よりも、継続に、惹かれますから、このあまりの復活祭りに、なんだかなぁを感じていたりもします。さて、その復活モデルの1台、ハイラックス。一昨年になるんですね、復活したのは。諸事情から国内をきっぱりと捨てて、この度、戻ってきましたが、まぁ、随分とその様相を変えての、復活となりました。
 全長5335mmは、もはや国内向けサイズとはいえずどころか、5m以上のモデルが止められる車庫を用意しなければならないというハードルが掲げられ、かつてよりも、さらに特別なモデルとなっていました。ま、逆にいえば、中途半端に誰でも所有できるんじゃなく、そこまでしないと手に入れられない特別な人向けであり、そういう人こそ、このゆとりを使いこなせましょうから、これはこれでいいのかもしれません。
 さて、そのハイラックスですが、先日改めて試乗する機会がありましたので、あらためて感じたあれこれを。簡単にまとめてしまうと、なかなかいいまとまりをしていました。まぁ、印象的に残ったのは……、バランスですな。プラドよりも400ccダウンとなる2.4Lディーゼルターボは軽快感があって、パンチは強くなくとも、トルクでパワーをグイグイ発生させる感があって、不足ない。しなやかさを与えられたシャシーは空荷ではややの不足があっても(空荷での試乗だった)、積載時の不足はないと予感させるものだったし、オフロードでは、やっぱりリジッドってステキとか、デフロックっていいよね、を感じさせてくれました。日本ではウィークポイントとなる全長については、リアタイヤが遠くにある印象が少なく、Uターンと駐車以外でのストレスはそれほど多くはなく。キャビンについては、かつてよりもサイズを増しているため、リアシートがまさに使えます。足下はもちろん、座面がフロントよりも高くなっているので、背後に迫っているウインドウ含めて、座っていると、特別なモデルに乗っている感があり、ワクワクがあったりもします。ま、ただし、後ろからの陽射しはキツイでしょうけども……。
 そうそう、試乗会ではMTが用意されていまして、オフロードのみの走行ではありましたけど、これが良かった。愉しかった。操る愉しさと表現すると、シフト操作に置き換えられてしまうのが常ですが、そうじゃない。MTの愉しさってのは、すべてを自分でコントロールできる感、自己責任たる操作感にありまして、ハイラックスはシンプルなモデルゆえに、それがダイレクトに愉しめました。さらに、やはり海外仕様である2.8Lディーゼルターボ搭載モデルにも乗りましたがパワー過度な印象があり、これだったら、つまり、パワーを求めるんだったら、V6/4.0Lガソリンのほうがアリなんだろうなと感じました(海外にはラインナップあり)。
 復活ってのも、いいかもね、と感心を覚えるようになると、ハイラックスサーフを復活させても、いいんじゃないかとすら思えてきました。ただ、かつての日本のハイラックスサーフの流れは北米向けの4ランナーにありますから、まぁ、価格やら、日本仕様やらに仕立てるのは現実的ではないのかもしれません。んが、実は、このハイラックスをベースにしたフォーチューナーってSUVがありますから、それをベースにすれば……、ってそうじゃん、右ハンドル仕様もありますし、価格も抑えられるから……。って、そんなことしたら、これまでのサーフファンからは、違うと言われてしまうんでしょうね。といいつつですね、RAV4にも使われているプラットフォームを共用した現行型ハリアーが認められ、そして、水平対向エンジンを搭載したモデルがハチロクとして認められる、昨今ですから、この手法、ひょっとしてありなのかもしれません。いや、個人的には好まないアプローチですけども。
 そうそう、ピックアップトラックはやっぱりエクステンドキャブがいちばんカッコイイと思います(写真に写っている白いモデル)。こういうゆとりを、カッコイイと思えた時代、もう、来ないでしょうな。

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