#1462 予想外の仕上がりだった、トールとルーミーとタンク。

 あれです、と突然に始めますけど、あれですよ、あれ、今、話題の、ダイハツのトール、トヨタのルーミーとタンクに乗ってきました。これらモデル、Aセグのトールワゴンなんですが、昨今のセグメント分けは、一方でのサイズ拡大と、一方でのサイズ留まりとで、なんとも位置づけらいところがありますが、Aセグモデルとして、とてもいい仕上がりになっている、ま、自動車雑誌的にいいますとね、クラスをひとつ超えた感にあふれていました。そのベースは#1352で不足なしと書きましたブーン・パッソですが、さらなるボディ剛性アップによって、ただ、トールワゴンに仕立てただけ以上のポテンシャルを得ていました。そう、ブーン・パッソでも書いたシャシー性能に対する印象まで、さらに高められていましてね、やられた感がありました。
 やっぱりですね、ボディの仕立ては、クラス感に直結する質感を演出するに不可欠ですし、乗り味にも大きく影響を与えるものでして、重要であることを改めて感じた次第。ハンドリングも、クラスなりの曖昧さは残っていますが、アシスト力たる演出も相まってですが、これが意外に操舵感があって良かった。ただ、タイヤのキャラクターもあるんでしょうね、グリップ感が見え辛くて、そこに惜しいを感じました。そう、まさに、ハンドリングに曖昧さが残っていても、タイヤのグリップ感は伝えてくるという海外のAセグモデルとの違いであって、どちらが、理想かななんてことをしばし考えながら試乗しましたが。
 乗り心地の面では、Aセグレベルを超えていると思います。ハーシュネスを上手く抑え込んでいまして、実に快適。いいまとめ方をしていると思います。1.0LNAエンジンはトルク優先といった感があり、CVTの協調も相まって、不足を感じません。で、ターボになると、必要にして十二分を感じますが、ただ、低回転域においてトルク変動を感じさせるところがあり、ターボラグをもう少し上手く整えると……、って、NAに対してターボはサスペンションの設定も変えていましたから、ひょっとすると、ターボらしさたる演出だったのかも……、いや、そんなことはないか。そうそう、ターボはサスペンションチューニングも変えてありましたが、好みはリアにスタビラーザーを採用していない、NAのほう。のんびり、穏やかに、そんなセッティングが見合っていると思います、このクルマは。
 あとは、気になったところといえば……、フロントシートの座面長がですね、ひざ裏部分が落ちているために、短いと感じる、つまりは、シートサイズが小さいと感じてしまうところでしょうか。ま、そんな観点であれこれと眺めていくとですね、センタークラスター上にあるマルチインフォメーションディスプレイと大型ナビとのサイズのアンバランスに気付き、さらにマルチインフォメーションディスプレイとメーターの位置関係から、メーターがずいぶんと下にあるように感じるなど、不自然さを覚えました。ただ、このあたり、開発陣に訊いてみると、配置については特別なことはしていないといいます。あらためて写真(右上)を見ますと、やっぱりですね、ウインドウ向こう、メーター、ディスプレイといった視線移動でも、移動量が多いなといった印象を受け、メーターフード上のボリュームが多過ぎることが、その要因であることが見えてきます。
 というわけで、まとめです。いいんじゃないでしょうか、トールとルーミーとタンクと。そうそう、先進安全技術は、ダイハツのスマートアシストⅡを採用していますが、先にⅢを発表しているのに、その後にデビューしたモデルがなぜにⅡなのかを、あえて訊いてみたところ、今、ダイハツは、軽で培った技術を順次乗用車にも展開している、という流れにあるそうで、Ⅲは先にタントに採用して、こちらはⅡからの採用になったとのこと。なるほどねーと納得したものの、なんかね、ま、分かるんですけどね、お客さん側の期待を考えるとね、そこまで完璧にして欲しかったと思うところもありますな。

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