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#1725 フィエスタのブレーキパッドとローターを交換したら、ほかが気になり出したという話。

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 ジムニーがいなくなってフィエスタ1台体制になったらですね、フィエスタの走行距離がぐんぐんと伸びています。それでも、コロナ禍前よりは伸びは少ないですが、伸びてます。ただ、フィエスタ1台になって、フィエスタをノビノビと堪能していたかといえば、そうでもありませんでした。ま、オフロードへ入って行けないというストレスもありますが、それとはちょいと違いまして、恐る恐るドライビング、ブレーキペダル操作に気を遣っておりましてね。少し前、広報試乗会へとフィエスタで出掛けた際、帰り道の箱根な下りでブレーキフィールからジャダーを感じ、パッドというよりローターが要因であることを感じ取っていました。ただ、パッドはまだ残っているからもう少ししてから、パッドとローターともに交換しようと目論んでいました。  ちなみに、このフィエスタのブレーキフィール、以前にも触れていますがすこぶる好みでして、すごくいい。この世代のフォード・フィエスタはマツダの先代デミオとプラットフォームを共用しています。んが、味付けとなるフィーリングはフィエスタオリジナルチューニングがあちこちに見られ、ブレーキフィールもそのひとつ。具体的にいいますと、ペダル踏み込み量にしたがって制動力がキレイに立ち上がってくるキャラクターでして、今どきのブレーキフィールとは異なるもの。もちろん、そのストローク量も多め……、と、好みそのもの。ですから、できることならば純正にしたいという考えもありましたが、純正パーツを利用すると工賃込みで約9万円との見積もりが……。  そんなこともあって、交換を躊躇していましたが、昨今ではかなりひどくなってきており、発進した直後からブレーキペダルに頼らず停止する方法を模索していたりして、まさに、乗るたびにストレスを強く感じるように。んで、本日、意を決して、交換。で、交換後のフィーリングですが……、パッドはOEMのフツーのキャラクターを選択しましたが、それでも制動力の立ち上がりは早く強くなっていますので純正と比較して気を遣います。ただですね、それとは別に、ジャダーがないってこんなに気持ちいいもんだっけか? と、ちょっと感激していたりもします。ブレーキを心置きなく踏める自由とでもいいましょうか、……、違うか。  で、で、そんなフィーリングに心地よさを感じて走っていたらですね、ターボエンジンの頭打ちフィールが気に...

#1724 すこぶる考えられていた展示手法に圧倒された、トヨタ博物館の話。

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 トヨタ博物館へと出掛けてきました。先の大型連休から今年の7月18日(月)まで開催されている 企画展「Here’s a Small World! 小さなクルマの、大きな言い分」 の取材です。その内容は、この企画展のタイトルに集約されていますが、と言いますかね、タイトルとして秀逸でして、小さなと大きなの字面から途中に読点を入れているところまで、これ以外に考えられないと言わんばかり。これ、すごいですね、ほんとすごい。  と、まぁ、すでに現地に赴く前から、すでに感心していたわけですが、これが、実際に足を運んだら、すばらしかった。この手の企画って、ヒストリーに沿って紹介するのが定番ではありますが、この企画展では、テーマを「光る性能」、「独創的なデザイン」、「操る楽しさ」の3つに分けて展示。それぞれのテーマ性を明確にしたテキストはもちろんですが、たとえば、「操る楽しさ」ゾーンでは、ヨー慣性モーメントとは云々なんて数式まで堂々と「描き」、広く理解してもらえるかどうかはさておき、イメージとして、つまりはそこにビジュアル的な要素を与えてしまうという手法を用いていまして、圧倒されました。言い換えますとね、アート系含めて、展覧会、博物館へ足を運んだ時にたまに出会う「やられた感」であり、正直、自動車メーカーの博物館への期待とは異なる驚かしに、企画者の意図としてクルマを文化と捉えている、ということが、ダイレクトに伝わってくるものでもありました。  ということで、当初は、その企画的について書こうと思ったのですが、6月上旬には誌面で展開されますので、ここでは、そのほかのトヨタ博物館で受けた衝撃の数々を記していきましょうかね。ここトヨタ博物館は、大きく、クルマ館、文化館と名付けられた2つの館に分けられていますが、まぁ、その仕立てたるや、先に触れた企画展の練り込まれ方そのまんまが表現されておりまして、感心しきり。クルマ館のメイン展示では、もちろん歴代のクルマをタイムラインで並べているものの、そこに欧州、国産、北米という異なる3つの流れを車両配置を用いて表現していたり、その中にスポーツカーといったテーマが設けられており、もう、見飽きません。  そして、そのクルマ館に、今年の4月にオープンした 「クルマづくり日本史」 がこれまた素晴らしかった。いわゆる、日本におけるクルマ産業はいかにして生まれたかをテ...

#1723 ここぞとばかりに誇示しないパワーフィールが、心地よさを作り上げていた、BMW118d。

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 続いては、BMW1シリーズです。これまでのFRベースからFFへと変更を受け、キャビンスペースを大きく広げた現行モデル。結論からいえば、BMWがFF? なんて批判する時代は過ぎ去ったことを感じさせました。むしろ、FF化によってリアシートの足下スペースがしっかりと確保されていますから、これでいいのでしょう、いや、これがいいのでしょう。もちろん、プラットフォームでいえば、MINI CLUBMANや、日本名クロスオーバーと共用していますから、そういったBMWグループにおける目論みを考えるとなおさらのこと。見えてきます。逆にいいますとね、いわゆる小さいミニは今後どうするんだろうか。彼らだけでやっていけるんだろうか、なんて勝手に思うところもあったりするわけですが。  というわけで、そんなBMW1シリーズですが、ディーゼルエンジンを搭載した118dをテストドライブしました。パワーユニットは2.0Lですが150PS/35.7kgmバージョンであり、この一見やる気なさそうな、でも、トルク35.7kgmもあるの? ってなユニットのポテンシャルたるや、これぞ実用といわんばかりのフィーリングをしっかりと作り上げていました。もちろん、アイドリング中はディーゼルかつ直噴特有の燃焼音を轟かせていますけど、ちょいとアクセルを踏み込んでも過激なトルクを発生させることなくトルクをズイズイと増して行く。いやー、トルクって、ほんとステキと言いたくなる、あのフィーリング。そんでもって、ちょいと踏み込むと4000回転までグーッとパワーが盛り上がってくる、軽快感まで併せ持った最新ディーゼルユニットのポテンシャルが感じられます。  ハンドリングについては、試乗会で乗った時にはFFであるとか以前に、実はもうちょっと操舵感があってもいいのではないか? と感じていたのですが、今回はそんなことを感じさせず。乗り心地については、BMW流の固さとバネ下の重たさを感じつつも、とにかく接地感が豊かで、高速走行になれば、先のディーゼルユニットとのうっとり感にリンクするかのように、ひたすらに安心かつ快適を披露。つまりは、なかなかよく仕立ててあるじゃないかと感心しきり。そして、どちらのタイヤをはいていらっしゃるのだろうかと確認すれば、おっと、ハンコック。もちろん、BMWお墨付きマーク付き(実際に刻印がされています)。  ちなみにハン...

#1722 現行型MINIの中で、ベストバランスじゃないか? を感じた、MINI COOPER S CLUBMAN ALL4。

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 乗り込んでいたつもりが、乗り込んでいなかったモデルを乗り込んでいます。そう、公道試乗会という短時間では分からないポテンシャルを観察する(したい)と思う車種を選んで、テストドライブしています。そんな1台が、このMINI COOPER S CLUBMAN ALL4。ってか、このMINIの車名表記、グレード名が先に来るので、ぱっと見、分かり辛さがありまして……、云々。というわけで、でっかいほうのMINIの、クーパーSですな。ちなみに、MINIにはでっかいのと、ちっさいのと、2ラインあると語っても、良くも悪くも理解されません。でっかいの=5ドアと思われてしまう節がありますし、セグメント分けって感覚が広く一般にはないこともあって。ま、現行型CLUBMANは、いわゆるプレミアムCセグメントに属するモデルで、ほかブランドのモデルでいえば、フォルクスワーゲンのゴルフにあたります(小さいほうはVWでいえばポロね)。  さて、クーパーSといいますか、昨今の高出力かつスポーティサスペンションを組み合わせたグレードとして、BMWでは2シリーズグランクーペM235iにて、相当な感激を受けましたが、今回も同様でした。アダプティブサスペンションがプラスされていることもありますけどね、組み合わされている18インチは、標準の17インチよりも行き過ぎなはずなんですが、それを感じさせないどころか、路面トレースが実に美しい。アンジュレーションを心地よくなぞり、もう、4輪がばらばらに動く様が気持ちいい。もちろん、工事後の継ぎはぎ路面では、落ち着きのなさを感じさせるところもありますが、気にならない。深くストロークした際のリバウンドフィールには、確実に突き上げ感から逃げようとした仕立てが意図的に込められていることを感じさせますが、よくやってるじゃんと評価したくなるほど。なんていうんでしょうかね、クーパーSたる走りを確立しながら、日常使いに言い訳をしない、このスタンス、もう天晴れです。    といいつつ、助手席Aピラー付近からビビリ音が出ているあたりに現行型デビューからの年月(登録年月日じゃなくってね)を感じさせたりしますが、いや、いいでしょ、このバランスと、すべてのマイナス面が吹き飛びます。そして、この仕立て。この車両にはMINI YOURS TRIMというパッケージが採用されており、スポーツシートはもちろん...

#1721 奥が深そうと誘いあれど、あの渋滞には耐えられません、ってな、湯河原・真鶴地域。

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 大型連休は動くことなく、じっとしていました。これまでだったら、能登行きも知人の都合に合わせていましたが、知人のひとりがフリーになったこともあって、ハイシーズンに出掛ける必要性が消えまして。ということで、じっとしていました。ま、コロナ禍は終わっていないというスタンスでもありますので。で、連休が過ぎ去ったので、でかけてきました。あちこち。そのひとつが、例の湯河原。2週間少し前に訪れた時には新緑の勢いが目立っていた風景も、連休が明けると、どことなく成長期が止まったかのような安定性、つまりは、より落ち着いた感が生まれていました。今回、訪れたのは、在住の知り合いからはちょっと海を見てくれないかとの依頼もあってのこと。で、真鶴から湯河原の海を見て回ったのですが、あらためて訪れ、また、観光という視点で見つめ直すと、おもしろい発見がいくつもありました。牡蛎の養殖を行っていたり、シラスを専門としたこじんまりとした直売所があったり、唐突に地ビール醸造所があったり、さりげなく海岸沿いの公園にはきれいに整えられた町営テニスコートや海釣り公園があるなど。しかも、意外にも小さな漁港に駐車場が用意されていたりして、都会から近い海は、そういった観光客(クルマ事情)にも対応できるスタンスがあるんだなぁ、と感心しきり。ま、言い換えると、都会の人向け、お気軽観光地という面が強いんですが、ま、そこは捉え方次第かなと。里山里海たる能登のダイナミックさとは、半ば対称にあるようにも感じました。  ただまぁ、深さがあるなと感じさせたのは、知らない湯河原・真鶴が、歴史を含めて、たくさんありそうだなと気付かせてくれたところ。って、途中の食事どころで目にしたんですが、真鶴手帖という小冊子がありまして、これがよく編集されていましてね。正直にいえば、あと少しを感じたところもありますが、奥付けを確認(編集者のさが)すると、たぶん、真鶴町が発行元とあり、価格も付いていませんから、低予算の中でまとめ上げたんだろうなという、苦心が目に浮かびます。その割(失礼!)には、よくできていたと思いまして、これ、一冊手元においておきたいなと思い、販売していないならば、話を聞こうと役場へと出掛けてみれば、やっぱり非売品、でも、無料配布もしていないとのこと。ただ、有料での販売を考えているとのことだったので、これは、良くできているから、早々に売っ...

#1720 多くの人が通過してしまうところだけど、とってもいい絶妙なバランスを作り上げていた湯河原

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湯河原惣湯Book and Retreatの入り口にある玄関テラス  自分の、人と同じはあまり好きではない、言い換えると、人が興味ないことに興味をもつというキャラクター(!)は、どこから来ているんだろうか、と思うことがあります。ま、そこに価値を求めて、んー、自分ってスゴイじゃん、とかって思っているわけでもなく、実はよく分かっていません。メインストリームが嫌い、とも違うしな。たとえば、足繁く通う地でいえば、八ヶ岳にしても、北杜市に代表される山梨県側ではなく、かといって、長野県に入ったところにある茅野やらでも、また、その反対側に位置し、電波望遠鏡による観測所のある野辺山でもなくて、そこって、八ヶ岳山麓なの? といわれてしまう地域が好きだったりします。能登半島でいえば、輪島とか、棚田とか、七尾とかは、好きくなくて、といっても半島の先にある珠洲市全域が好きというわけでもなく、その中でも人気(ひとけ)のあまりない外浦が好きだったりします。あ、書いていて気付きました。それを自慢したいわけではなく、たんにひねくれものなんですな。もし、ひけらかしたいならば、ここに、地名やら、店名やら、住所やら、載せていますもんね。  さて、そんな地のひとつに湯河原があります。伊豆半島の付け根、神奈川県と静岡県の境にある地、そもそも、父親の実家が神奈川県西部であることもあって、そもそも馴染みのある地ですが、地名から伝わってくるお上品な響きほど注目されていない(とはいっても注目されているけどさ)こともあって、わりと好きな地域だったりします。ま、もう少し言えば、その手前の根府川のほうが好きだったりします。みかん畑へ上って行く道とか、海岸へ繋がっている道とか、手付かずがたくさん残っているところとかね。で、話を戻して、湯河原。最近、東京からあの地域へと居を移した知人がいまして、海岸から山側まであれこれと紹介してもらって、その魅力を再認識しています。  で、そんな誘いもあって町内を散策してみれば、以前から観光スポットとして知られていた「万葉公園」が、湯河原惣湯Book and Retreatという名称を得て、雰囲気を大きく変えていました。ま、イマドキの言葉でいえば、癒やしな空間。源泉掛け流しの湯がある惣湯テラス、足湯とカフェとコワーキングスペースが集まった玄関テラスと、もう、その言葉遣いにむずかゆさを感じるの...

#1719 ルノーらしいデザイン、コンセプトなれど、かつてとは違う何かを感じさせた、ルノー・アルカナ。

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 年明けにルノーからデビューしたアルカナの広報試乗会に出掛けてきたので、その時に感じたあれこれを書き連ねましょうかね。端的にいいますと、個人的な好みをベースとしたルノーへの期待感と、この世の中において「売れる」商品という評価との、乖離を強烈に感じましてこれを称して「複雑な気持ち」ともまとめたりもしましたが。  商品としては、フォルム、サイズ感、価格、装備含めたお買い得度、輸入車としては珍しいフルハイブリッドユニット搭載など、ユニークポイントの多いモデルです。まず、写真を見て、それが伝わってくるもので、なんといってもルノー流の端麗なテイストは、クーペでももちろん存在。というか、クーペ的な作り込みが上手いですな、ルノーは。ちなみに、クーペフォルムが美しいなぁと感じているのは、あと、マツダもです、はい。このSUVをクーペに仕立てるテイストは、各ブランドから目新しさとしてあれやこれやと登場していますが、スクエアなクロカンに機能性たるバランスを感じている者としては、この手法に対して亜流を感じていますし、ブランドによっては破綻を感じさせるモデルもあるとまで、評しています。とはいっても、そのパッケージングは4ドアとしつつ、リアゲートのヒンジをかなり前に位置させて、大きく開閉させていますので、ま、雰囲気としては、いわゆる欧州車で流行った5ドアハッチバックスタイルあり、リアシートの居住性を確保しつつ、ラゲッジルームでは奥行きがある! と思わせる演出も相まって、不足を感じさせなかったりもするのですが。  とは言うものの、アルカナのデザインは、テイストだけではなく、そういった機能性を作り込んだ造形となっており、そのバランスも実に美しい、と感じさせます。ま、そう考えると、400万円少しであのデザインが手に入ることに「リーズナブル」感をすら覚えますかね。で、個人的に感心したのはリアシートの作り込み。なんだかんだいってもクーペスタイルゆえに、スポイルされているのでは? と思っていたのですが、さすがはルノーと感心させられた作り込み。ま、欧州モデルの妙でもあるんですが、すっと腰が落ち着き、自然なポジションを取ることができる心地よさが作り込まれており、フロントではなく意外にもリアに座りたくなる魅力を感じたほど。と、なるとですね、すべてガラスといわんばかりの大型グラスルーフが欲しくなりますが、と調べて...

#1718 昔は、ふたつのことを同時にこなせることを得意としていました、ってな話。

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 衰えたなぁと思うことがしばしばあります。脳科学的に人間ってマルチタスクしているのかどうだかわかりませんが、いわゆるふたつのことを同時にこなせなくなりました。なんたらをしながら、別のなんたらをするってなスタイルですな。自分でも、すごいなぁと感心したのは、20年以上前、編集部で誌面作りの相談を受け答えしながら、自分はそれとは関係のない原稿を書いていたこと、さらには、インタビューアーとライターを兼ねながら、取材現場も、原稿も、素晴らしさにあふれていた、なんてことのあれやこれや。って、こうして思い起こしてみると、そのほとんどが、聞きながら、書くというものでした。  なぜ、こんな技が身に付いたかといいますと、あれは中学校2年生の頃。近所の公立中学校に通っていた際、社会科の先生がですね、一切、黒板に文字を書かない主義の人でして、ま、黒板に書かれているのは、生徒が順番にあらかじめ、予習としてまとめておいた内容をそれぞれに書いておいたものだけ。つまりですね、先生が何を言っているのかを聞き取る能力、そして、ノートにどうやったら上手にまとめられるか、さらに、そのスピードに付いて行けるかを養うことを目的とした授業でもありました。ま、こういうのって、たとえば、大学やらでは許されたとしても、中学校じゃね、しかも、公立だったりすると、なおさらに無理を感じ、当初は抗議したものです。といっても、その先生は生活指導担当で、常に竹刀を持っていたこともあり(これについては曖昧。作り話かも)、抗議できる余地などはなく、ただただ従うのみでした。  ただですね、ま、譜面を見ながら鍵盤を叩くことを訓練していたためでしょうか、この授業スタイルにはわりとすんなりと付いていけるようになり、いつしか、ノートやらのまとめ方も上手になり、そして、社会人になった時に特技になっていたことに気付きました。  それがですね、最近、失われてしまった。インタビューでそれができなくなっていたことに気付き……、問を投げ掛けることはできるんですが、耳で受け取った言葉をメモに残せない。ま、そのメモが上の写真だったりしますが、振り返ってみると、なにをメモしたかったんだか、理解できないところが多々あります。だいたい、メモした言葉がそのものが浅すぎるし。さらには、先日のインタビューでは、自分が、あれ、今、誤った単語を発しなかったか、と、気付いたも...

#1717 杏ジャムはやっぱり美味しいよね、今年も作らねば、という話。

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 世間には、トースト一斤まるごとに、そこにあれこれ飾った、なんたらトーというメニューがあるようですが、あれを初めて食した時に感じたのは、美味しさ云々よりも、まずは原価コストのほうでした。あの手の「作品」は、いかに見た目で惹きつけるかが重要で……、云々。で、そんなことを想い出したのは、最近、この写真の「作品」がお気に入りだからです。  おおよそ6cm四方のパンに、あんずジャムを惜しみなくかけただけなんですが、これをですね、お上品にフォークとナイフで食べるんでなくって、手づかみで食べる。ジャムが手に付いてもかまわんとばかりに、かぶりつく。サイズ感が丁度よくてですね、なんといっても、あんずジャムが美味い。なんだろう、この魅惑はと思うのですが、やっぱりですね、適度な酸味と、加えた甘さとのバランスでしょうな。あとは、簡単に作れることに加えて、この色合いか。火を通すと、通しすぎると、美味しくなさそうな見栄えになっていってしまうものが多い中、あんずはそれがありません。ちなみに、今、使っている杏ジャムは一昨年に作ったものを冷凍したもので最後の1瓶(1タッパー)。昨年は、あんず不作もあったし、一昨年に作ったものが大量に余っていたので作りませんでしたが、今年は作らなければを感じました。  で、昨年は、なんで不作だったんだろうか、と振り返ってみると、たしか、信州で花の咲く4月下旬に雪が降ったか、低温になっただかで、実が大きくなれなかったと、記憶。そう、あくまでも記憶。4月に入ってからの信州での突然の降雪って珍しくはなくても、最近、降雪「量」、気温含めて、ちょっと極端な傾向にあるような気がします。そういえば、降雪の下にガチガチの凍結があって、コーナリング失敗して、そのまま側溝へと落ちていった悲劇も、4月の12日のことでしたっけ。  話を戻して、今、冷凍庫には、昨年秋に能登半島で手に入れて、現地で作ったリンゴのジャムが大量にあります。でも、あんずの季節は約3か月後。リンゴジャムを片づけないことには、杏ジャムが入る場がありません。さて、どうしたものか。  写真は、早速にiPhone13miniにて撮影。ただし、ここに掲載したものは相当なリサイズを行っているので、表現力はかなりスポイルされているかと思われます。

#1716 iPhone13miniが、「再び」我が家にやってきて、感じたあれこれ話。

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 勢いもあって、スマートフォンをiPhoneSE2から13miniへとスイッチしました。あれ、iPhone13Pro持っていたんじゃなかったっけ? と、よく言われますが、彼は2週間ほど滞在した後に帰っていきました。その前に遊びに来ていたiPhone13miniも、入れ替わるように帰られています。漢字の用い方からすると「返っていった」、いや、日本語としては「返された」というのが正しいか。ま、それぞれに事情がありましてね。そういった意味合いからすれば、再びやってきたiPhone13miniは、滞在が決定、もはや、帰る予定はありません。  さて、iPhoneの最新機種の性能については、半年前にあれやこれやと確認済みですが、どうしてもProの動画撮影での印象が強く、miniってどうだったか、うる覚えだったりします。で、あれこれと使って、もっとも予想外だったのは、性能以前にiPhone8時代から使ってきた縦置き非接触充電スタンドが反応してくれなかったこと。レンズが出っ張っているからコイルどおしの距離ができてしまったか? いや、そんなわけないかと思ったり、あれ、ひょっとして非接触充電のための設定が必要? いや、そんな必要ないだろうってことまで探りつつ、ほかの平置きスタイル充電器では作動することからやはりコイル位置が合っていない様子。さすがはアフターマーケットのことまで考えずに設計をコロコロと変えてしまう、Appleだなぁ、なんてことを思いつつ、ご覧のようなゲタをはかせて対応。ちなみに、このゲタ、なにかというと、いわゆるデバイスに付属しているUSBケーブルの端子の保護カバー。こんなもん、いらないだろうといつも思っていますが、再び端子に被せることを想定せず、でも、何かに使えそうだと、取っておいていたのでした。こんな活躍の場が来るとは、保護カバーも思ってはいなかったことでしょう。  さて、今回の回線契約先はdocomoで、転出元は楽天モバイル。そもそも、楽天モバイルは月々0円ゆえに試しにと契約していましたが、これがなんと自宅で通じないというオチ。昨年末に近隣にアンテナを立てる予定があるとのことで、それに期待していましたが、アンテナは立ったものの家の中では通じないという不便さは変わらず。まぁ、楽天モバイルは、その1GBまでならば0円で済むプランに加えて、アプリ経由ならば通話料が基本的に...

#1715 周囲で、納車続々。でも、気付いたら、みな、大幅にダウンサイジングしていた、という話。

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 昨年より友達3人にクルマ購入の相談を受けており、そのうちのふたりが今週に納車となりました。ひとりは、ダイハツ・ロッキー、もうひとりはスズキ・ジムニーでした。ロッキーを購入した知人は、それまでは再販版なガソリンのナナマルに乗っていましたから、2クラス以上のダウンンサイジングになるでしょうか。ちなみに契約時期は、昨年のマイナーチェンジ後(EV、NAエンジン追加)でしたが、もともとクロカン志向もあって、ヨンクが絶対的な条件、となると、自然とターボエンジンとの組み合わせとなりました。届いたインプレッションによると、アクセル踏みすぎには注意せねばとありましたので、驚愕のパワフルさに感激している様子。グレードはボトムのようですが、ま、イマドキの国産モデルで、あえてボトムを選ぶとかえって割高になったり、オプションで差別されたりと、虐げられるところが多々あるものの、あえて選択。それでも、想像以上の設えに、驚いているようです。   ジムニーオーナーのほうは、ジムニー(写真)が納車されるまでに代車として軽自動車に乗ってはいましたが、自分所有のクルマとしてはゴルフ6からの乗り換えに。こちらは、車両選びからの相談でしたが、山梨県在住であること、同じ農学部出身であること、パワー不足があるわけじゃない、まったり乗れるってなことから、ジムニーがいいんじゃないか? と進言。で、決意して注文したのが昨年の1月末で、1年経過して納車となりました。これでも、コロナ禍による半導体不足が表立っていなかった時期でしたし、ましてや、さらに先の読めない侵略戦争前のことでしたから、あれよりも遅くに注文していたら……、なんて話にもなりました。   それにしても、こうしてこのふたりの選択を眺めてみると、同年代においてダウンサイジングどころか、極端ともいえるダウンサイジングが、進んでいるように感じました。ま、自分も振り返ったら、5年前にグランドチェロキーからジムニー&フィエスタにスイッチ、つまり、E(あの世代のグランドチェロキーはDか)セグからBもしくは軽へと移行していますから、極端なダウンサイジングそのものをしていたりします。  さて、ジムニーが手元から離れてはや3か月ほどが経過しました。今は、フィエスタ1台体制で過ごしていますが、やはり、雪を走れるモデルがないと、寂しい、というか、悔しい。この場合...

#1714 アウトランダーとしては3代目、PHEVとしては2代目の、最新型アウトランダーPHEVの原稿から、こぼれた言葉を拾ってみました。

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 昨日、どたばたな中、最新型アウトランダーPHEVの原稿を仕上げました。吉田はたいがい書き始めると暴走(文字数が多くなる)するんですが、付き合いの長い編集者の方々は、あらかじめ、多め、かつ、増減がきくような調整幅を設けて、発注してくれます。とはいっても、指定文字数が多ければ多いだけ、それを上回る文章を書き上げてしまうのが、吉田の常だったりもします。で、今回は、インプレッションメイン試乗会だったにもかかわらず、書き始めたらアウトランダーとはなんぞやとか、ここがすげーとか、前座的なヨタをツラツラと書き始めてしまって、結果、2000W(指定文字数は2600Wだった)を書いてしまうという始末。いかんいかんと、それらをばっさりと捨ててインプレッションだけに集中したもののそれだけで4000Wとか書き上げてしまうという、さらなる暴走ぶり。結果としては、無慈悲といわんばかりの大鉈をふるって指示文字数に収めましたが、あらためて、切り捨てた文章を振り返ってみたところ、捨て去ってしまうには惜しい内容ばかり。ということで、今回は、そんな文章のいくつかをピックアップして、そこに解説をつけて、記してみることにしました。えっと、校正前の文体なので、ワヤワヤなところがあるのがご了承ください。 ■その1■ 「日本でアウトランダーといえばPHEVという印象が強いかもしれないが、登場したのはアウトランダー2世代目モデルからだったので、最新型アウトランダーPHEVとしては2世代目となる。アウトランダーPHEVのユーザー、もしくは詳しい方からこの最新型を眺めると、デザインや質感が大幅にアップしたことは理解できても、PHEVシステムについては、熟成した様子はうかがえても、何がどう変わったのか、極端な話、旧型ユーザーは買い替えるまでのことか? といった疑問が湧くはず。これについて、先に結論を述べておくと、買い替えたほうがいい、と、いい切れるほどの進化を遂げている。」  そもそもアウトランダーはガソリンモデルからスタートし、2世代目からPHEVを追加。そして、3世代目はPHEVのみになるのか? という振りをしようとした下り。そして、旧型ユーザーは買い替えるほどの魅力があるという結論も導こうとしていた文章ですな。これをカットしたことで、結論も変更しています。 ■その2■ 「これだけの人気を集めているのは、端的にいえ...

#1713 中途半端ではなかった、BMW M235i xDrive グランクーペの存在価値。

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 唐突に、BMWの2シリーズグランクーペの広報車を借りてインプレッションしてきました。どうして、いまさらな2シリーズグランクーペなのか。実は、一昨年だったかの公道試乗会で乗ったディーゼル(非Mスポーツ)の印象がすこぶる良かったので、再度、と思っていたら、広報車としては落としてしまったとのこと。で、現在は、M235i xDriveがありますが、と提案がありました。正直なところ、BMWのエントリーというポジションにあるFFモデルですから、そのMスポーツ以上のM的な仕立てに、何か感じるところがあるのか、という疑問符はありましたが、とりあえず、経験、体験とばかりに、試乗してみることにしました。ちなみに、2シリーズグランクーペの価格帯って、ボトムとなるガソリンのスタンダードグレードで369万円と書いたところで、最新の価格表にて確認したら394万円。え? と思って、リリースを読み解くと、電動パワーシートやアクティブクルーズコントロールを標準化ほかがプラスされての価格とのこと。で、最新価格におけるM235iは673万円ですから、その差は279万円ほど。その価格差を目にしただけで、果たして、その価値を感じることはできるんだろうか、という、「疑」はますます深まりました。  ところがですね、発進直後、いやいや、シートに座った瞬間からこの価格差のことを忘れてしまうほどの、良さを感じ取りましてね。シートは、サイ、サイドともに貼りだしたサポート性が高められたMスポーツシートなもんで、乗降性が犠牲になったかのような行き過ぎを感じるかと思いきや、これがコンフォート感がありまして、つまりはですね、心地よい。そう、スポーティよりも心地よさを先に感じ取りましてね。で、走り出してみればですね、225/40R18サイズのタイヤを前後にはいていながら乗り心地がすこぶるいい。そこにサスペンションストローク量が犠牲されている感はなく、だからといってシャシー剛性がどこか犠牲になっている感もなし。まったくなし。ま、オプションのアダプティブサスペンションのおかげもあってのことですが、その設えに文句なしといった感じ。もちろん、同乗者がいて、幾度も路面補修を重ねたようなシーンでは、快適性が犠牲になっているなと感じるところもありますが、少しだけといった感じ。  もちろん、最高出力306PS/最大トルク450Nmを発生するハ...

#1712 すべてにうっとり。ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT。後編

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 なぜ、前編で止めて、後編をすぐに公開しなかったのか。それは、三栄のMotor-Fan webにて、 【2021年の推しカー|ルノー・カングー】ディーゼル+MT。最後の限定車にふさわしい名車だ!(吉田直志) という記事の公開を控えていたからでした。で、前編を読んでいただけるとわかるかと思いますが、このモデルに対してはMotor-Fan webでは収まりきらないほどの感激が控えていまして、それを後編に叩きつけようと考えていました。が、前編を読み返してみたら、あまりの文字数に、自分でもうんざり。ということで、後編は、その記事を受けつつ、ライトに流すことを心掛けたいと思います。  前編では、走りについては、ほぼ書き切りましたが、そのほかの美点としては……、やはりシートについて触れておかねばならないでしょうかね。ぱっと目にしたところでは大柄(大げさ)だと感じさせないんですが、座ってみると、なんじゃこのゆとりは、と感じさせてくれます。実際、クルマ(に限らず)のシートってのは、サイド部もそうですが、特にショルダー部分をサポートする造形を加えることで、すげーをダイレクトに感じさせてくれるものです。そう、分かりやすさ。つまりですね、言い換えますと、ショルダー部をサポートする造形はあってもいいんですが、なくても、シートの本質、真価は変わらないものだとも感じています。実は、所有していたグランドチェロキー(2世代目)が、まさにそれ。当時のジープはイマドキのSUVようにそのサイズ感を威張るのではなく、オフロードではコンパクトなサイズこそ大切だという考え方からデザインされており、それゆえにキャビンもボディサイズの割に広くなく、それがシートデザインにも影響していました。そうなんですね、ショルダー部の造形が大きなクルマのはずなのになく、でもですね、シートそのものの本質を語る上でショルダー部の造形の「強弱」は、あまり関係ないことを気付かせてくれました。あ、シートといえば、フォードは違った意味合いですごくいいです。もちろん、モデルにもよりますが、フォードのシートは背もたれで座るのではなく、腰で座ります。もうちょっといいますと、ケツで座ります。え? 何それ? と思われたかもしれませんけど、分かりやすく表現するならば、極端な話、シートバックがなくても(いやないとダメだけど)いいといえるほどのものでして、...

#1711 新年の挨拶を入れ忘れてしまった、2022年新年な年賀状の話。

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 新年の挨拶は、昨年の奥能登国際芸術祭2020+でのスナップを使いました。すでにここで公開した作品でのスナップであり、少々狙いすぎなところはありますが、ま、ひと目でユーモラス(!)が伝わってきますし、分かりやすいですし、昨年、唯一のプライベート旅行だったりもしましたので、採用。といいますか、出掛ける前から、これを挨拶に使おうと考えていました。図柄含めて。  と、まぁ、そこまでは計画どおりだったのですが、印刷があがってきて気付きましたさ。新年の挨拶文言を入れるのを忘れていたことを。住所を書く側に「年賀」を入れていないのは、能登から送った時に、消印を押してもらえるようにとの狙いからでしたが、まさか、挨拶文そのものを入れ忘れるとは……。ということで、ひたすらにHappy New Yearを書くことになるか、と思いきや、ふと、年賀も入っていないし、新年の挨拶も入っていませんから、普通にポストカードとして使える! ことに気付きました。というわけで、意図的に、何人かの方には、旧年中に届くように年末な挨拶的なポストカードとして投函しています。  あ、今回は、能登にいません。たまたま大雪になっていますが、それとは関係なく、オミクロン株の広がりを考慮して、1カ月前にキャンセルしました。ということで、2年連続で年末年始を東京で過ごしています。

#1710 これからのベーシックとはどうあるべきかを作り込んでいた、スズキ・新型アルト。

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 カングー・ディーゼル大絶賛な話の前編を書いておきながら、後編を公開しないのは、ちょっと理由があります。ちょっと待ってくださいね。この話題、とあるweb媒体向けに執筆していまして、あちらが公開されてから、残りをアップしますので。  ということで、スズキから登場した新型アルトの話。結論から言ってしまいますとね、ターゲットが明確、言い換えると割り切りにも明確さがあり、好印象でした。そもそも、ゴテゴテコンセプト、ゴテゴテデザインやらのクルマは好みではないという前提もあるんですが……。で、まずは乗り込みで、感心。今回のアルトは、乗り降りのしやすさを狙って、開口部を大きく確保し、結果、室内高、全高(1525mm)ともにアップしています。これがですね、数値以上に効果が大きくてですね、いわゆるハイトワゴンタイプのような当たり前に手に入れた優れた乗降性とは異なり、期待と異なるとでもいいましょうか、え? 乗り込みやすい! 降りやすい とダイレクトに感じさせてくれるもの。ちなみに、シートのサイサポート部も小さく、さらにサイドシル幅も同様となっており、その乗降性を作り込んだ仕立てに気付くと、このアルトへさらに深く引き込まれていきます。ま、MTがなくなってしまった点は残念ですが。  インテリアは、良くも悪くも造形物(ボックスやら)が少ないために、特に足下には心地悪いかのような空間だと感じましたが、やがて、すっきりしていていいなと感じると同時に、掃除しやすいな、とも思った次第。なんつーんですかね、フロアカーペットがなかった時代のヨンクかのようとは言いすぎですが、結果、あれがいちばん良かったんじゃない? と、そんなことも、個人的には思い起こしました。といっても、フットレストはしっかりと存在していますし、不足があるわけでもありませんので。  走りは……、いいんじゃないでしょうか。あれやこれやは、軽乗用車なりではありますが、走り込んでいくうちに、これ、スタビライザーないっぽいなと感じて、あとで確かめてみると、やはりレス。個人的に、枠内に押し込められることが好きではなく、つまりはですね、クルマにおいては、スタビなしのほうが好みだったりするのですが、だからといって、アルトのシャシーが際限ないかのような動きを許されているわけでもなく、ある程度のところで止めているし、その過渡域がちゃんとしつけられており、...

#1709 すべてにうっとり。ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT。前編

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 クルマの評価をする際、対話性があるかないか、を重視しています。つまりは、愉しさがあるか、ないか。それはサーキットやオフロードコースといった閉じられたシーンだけではなく、それこそ発進直後の低速域から、高速走行、さらにはワインディングまで、すべてのシーンで感じられるか、そこに焦点を当てています。速いから凄いではない、愉しさですな。で、それにぴたりとハマったモデルを振り返ってみますとね、いすゞ・2世代目ビッグホーン、フォルクスワーゲン・パサートの5.5世代目、同・ゴルフ5、ジープ・グランドチェロキー、フォード・フォーカスST、同・フォーカスC-MAX、ルノー・トゥインゴ(現行型)、スズキ・ジムニーシエラ(現行型)など、新旧は関係なく、また、ジャンルも関係なくといった感があります。パワーユニットのフィールももちろん大切ですが、どこを重視かといわれたらシャシーになるのか、な。たとえば、理想を設計に落とし込めているシャシーって、走行シーンに限らず、好印象が存在します。それを理解できたのは、BMW・初代X5のMスポーツ仕立てに乗り、ダートを走った際。そうなんですね、いいサスペンションってのは、って、この場合はオンロード仕立てなんだけど、ラフロード(オフロードではない)であっても、つまりシーンが変わったとしても接地感が大きく失われることなく、そのドライビングは実に愉しいものだったりします。  さて、前置きが長くなりましたが、その愉しさがとんでもなく表現されているクルマが、今年発売されていました。そう、過去形、限定車。それが、このルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT(以下、カングーディーゼル)で、発売は7月でしたが、用意された400台は即完売した、あのモデル。って、ほとんどの方が試乗せずに契約したんでしょうかね、でも、それ、正解だったと思います。そもそも、現行型カングーに対しては、センスあるデザイン、ゆったりとした乗り味とクッション性に富んだシートに代表される、いわゆるルノーの美点が詰まったモデルであり、ここから先の電動化・自動化を考えると、ルノーらしさがあふれている最後のモデルなんて揶揄もされていました。あ、自分にとっては高評価なモデルです。ちゃんとMTも設定していましたしね。  そんなカングーの最終モデルに、なんとディーゼルユニットを投入。ま、ほかのフランスブランド...

#1708 やっぱり、ゴルフしていた、新型ゴルフ。大絶賛ではなかったりもする、ゴルフ8。

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 ようやく試乗の機会を得ました、フォルクスワーゲンのゴルフの8世代目モデル。実家でゴルフ5を所有していましたし、自分にとってのベンチマークとしていましたので、まさに、ようやくといった感がありました。ただ、聞こえてくる評価はさまざま。もちろん、あまり見聞きしないようにしていますが、らしくないという声が存在していたことがちょっと気になっていました。  で、結論から行きますとね、期待のラインにはなかった、ってところでしょうか。よく言われるのが、6→7(世代目)ほどのステップアップ感がない、つまり、期待していた驚かしがなかった、と、それに尽きるのかな。コンフォートに寄り過ぎたという意見は、ちょっと違うかなと捉えています。そもそも、ベーシックモデルはコンフォートテイストが強くありましたし、7ではそれをより強く表現していましたから。ただですね、言い換えると、その辺りを払拭してモータードライブモデルへの対応を見据えた設計だったのかな、と、捉えると、ま、これもありなのかな、と思えるところがあります。  なぜなら、速度域を上げて行くと、ターゲットとした性能がここぞとばかりに顔を出すから。シャシーの動きに渋さはないのだけど、日常(速度)域で許されるストロークが少ないがゆえに伝えてくる硬さ(とまではいえないレベル)が存在するものの、高速域ではそれがきれいに消え去り、きめ細やかに連続するトレース性がここぞとばかりに出てくる。それは、ただ快適性が高いというレベルではなく、完全モータードライブで感じさせたいあの緻密なフィーリング。そう、意図的に仕立てられたフィーリング。でも、それって、従来のゴルフにも少なからず存在していたもので、8世代目リリースにあたって、強く顔を出してきたところ、といった感じ。 高速道路走らずの燃費。  そんな観点から探っていくと、高速走行はもちろんですが、ワインディングにおいてですね、そのハンドリングはシャシーに見合ったものに設えてあり、スポーツ仕様ではないのに超・スポーティというゴルフライクがあります。そう、ワインディングがとんでもなく愉しいという、あのゴルフテイスト。さらに、ガソリンユニットは排気量1Lとはいえ3気筒とは思えない、言い換えると、存在を感じさせないところ(振動や音が伝わってこない)、そして、モーターアシストもあってのトルク感とシームレス感に圧倒されま...

#1707 パワーユニットだけではなく、熟成にもトピックがあった、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ。

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 ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズにモータードライブモデル、さらに、そのガソリンユニットをベースとしたNAモデルに試乗してきました。先に言ってしまいますけども、個人的にフォーカスしていたのは、DNGAによるシャシーにどこまでしなやかさをチューニングできたかにありました。そう、モータードライブそのものよりも、NAのポテンシャルよりも。そしたらですね、すべてひっくり返された感に通じる、驚きだらけで、まぁ、驚きました。  まず、試乗したのは、ハイブリッドモデルと称された、ガソリンエンジンを発電のみに利用するシリーズ式を採用したモデル。プレゼンであれこれうかがうも、Aセグのこっちと、Bセグのあっちを比較するという手法が見られ、これは好ましくはないと感じましたが、そういった仕掛けがこれまでのトヨタ/ダイハツには不足したので、ようやく、か、といった思いもあります。何が言いたいのか。もし、比較をするならば、その素性、クラスをはっきりと明確にしておくことが大切になります。ちなみに、全幅/車両重量はあっちは1760mm/1350kg、こっちは1695mm/1070kg。同クラスと思われていたかもしれませんけど、こうしてサイズと重量で比較すると、大きく違いますやね。  さて、で、そのハイブリッドモデルですが、モータードライブとしての仕立ては、低回転からトルクが太く、走り出しからのスムーズさがあるものの、かといって、モーター駆動を叩きつけるような扱い難さは見当たらず。ただし、高回転域でのパワー感に頭打ちを感じてしまい(これはシリーズ式ゆえにもあって致し方ない)、何よりも、モータージェネレーターから1音だけと言わんばかりに硬質かつ高音がキャビンに入ってくるところに、惜しいを感じました。このノイズについては、アクセルを踏み込んでいけば発電用エンジン回転数も上がって行きますので、隠れていくんですが、常用域で耳に届いてしまう。まぁ、このあたりは、Aセグであることを考えたら、この価格帯を考えたら、不満と言えないところ、と捉えてください。  で、ですね、感心したのが、乗り味。これまでのDNGAベースのモデルに対して、シャシー&ボディ剛性を最優先したこともあり、乗り心地に硬さがありまして、そこを、ウィークポイントと捉えていました。ところが、今回の重量増と改良もあって、なんとしなやかになっていましてね...