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#1450 とってもいい、とってもオモシロイ、歴代カローラのすべて。

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 執筆していた本が、休刊したと思えば、新たる編集部から依頼が来たりするもので……、というわけで、最近、依頼を受けたのが、右の三栄書房のモーターファン別冊の、過去を含めた1車種をアーカイブ的にまとめたもの。ニューモデル速報、いわゆるすべて本に対して、まとめ本といった感じでしょうか。  ニューモデル速報は、この仕事をする以前からの愛読書でした。といって、全ては手に取っていませんし、もちろん、全てを購入もしていませんが。しかし、その内容の濃さと、ここまで言いますか、と言わんばかりの語りに、そのモデルが欲しいかどうかは別にして、おもしろさを感じていました。この仕事をするようになってから気づくんですが、その、言いたいことは言わせていただくといわんばかりの文章を書いていたのが、星島 浩さんであって、後々に、いろいろとご指南いただくことになるんですが……。そんな縁にも、また、おもしろさを感じます。  ということもあって、左の歴代カローラのすべては、ほんの数ページではありましたが、緊張気味で執筆しました。1代(台)を1000文字でまとめなければならなかったので、書きすぎた文章をいかに削るかに苦心。ヨタを避けながらも、少しだけヨシダ流のヨタを入れて……。原稿は突き返されることなかったので、ほっとひと安心していますが。やっぱりですね、この手の執筆、特にカローラという代表的なモデルなどは、刷り上がってから、こうすればよかったとか、あれを入れたほうがよかったんじゃないかと、そんな想いがたくさん沸いてきます。  と、ま、自分の文章はさておきですね、この本、とっても良く仕上がっていまして、保存版として、とてもいい。もちろん、その構成はかつてを振り返るものですが、各世代を適度な文章量と資料にて紹介し、そこにかつてに携わった人に登場いただき、そして、星島さんの寄せがしめとなり、その内容は、かつてを知っている者も、知らぬ者も、愉しめるものです。執筆しながら、カローラのすばらしさといいましょうか、存在に、あらためにスゴサを感じました。それは、トヨタのモデルの1台として主張し過ぎず、制約と戦いながら時代を表現していくという、そのスタンス。やっぱりですね、ジャパン・スタンダードを感じるわけです、そこに。

#1419 今に通用するあれこれと、過去のいいところを併せ持った、エスティマ。

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 突然ですが、エスティマの話を。現行型がデビューしたのは06年のことですから、すでに10年が経過したモデル。ミニバンが生まれたアメリカでは、やっぱりフルサイズじゃないと中途半端なサイズと捉えられてしまうようですし、一方、国内では飽和といいましょうか、ブームが去ったといいましょうか、3ナンバー、5ナンバーモデルともにトールタイプへの移行もあって、収束の気配を見せていましたから、エスティマも先を読んで、次期モデルの開発はストップしていました。ところが、台数は多いとはいえずとも、根強い人気があって販売をやめられない状況が続いています。って、トヨタのモデルって、意外に、これが多い。アイシスにしても、シエンタにしても。って、シエンタは終焉の後に復活させるという顛末となりましたが。で、エスティマもそんな事情から10年が経過しても、まだまだ売り続けることを決意したようで、今年の6月にフェイスリフトから、走行性能改良、そして、安全装備採用など、まさに、マイナーチェンジなのに、ビッグを付けたくなる改良を行いました。  先日、取材でそのエスティマをチェックしてきたのですが、これが良かった。いや、10年前に設計されたモデルゆえの古さは残っています。残っていますけど、まじめに改良してありましてね、ちょっと感心しました。あ、走りです。デザイン、装備については、いつものごとく二の次で……。すみません。  試乗したのは、ハイブリッドの最上級グレードで、走りに関するアイテムとしては、リアをモーターを用いて独立して駆動するE-Four、17インチタイヤ(ハイブリッドは全て)、フロントパフォーマンスダンパーの採用がありますかね。走りに関する改良ポイントは、コイルスプリングをはじめとしたサスペンションとされていますが、これですね、シャシー剛性が上がっているフィーリングがありまして、ジオメトリーの見直しも含めて、タイヤが路面にしっかりと接地している、つまり接地感があります。なので、走り出しから、路面をしっかりと捉えるという安定性を感じますし、さらにサスペンションの動き出しがきれいで、路面からの入力を確実にいなす。しっとり感とでもいいましょうか、そんなフィーリング。ただですね、やっぱり、バネ下が重いこともあるのかな、路面が荒れたといいましょうか、継ぎ接ぎのあるシーンやら、有料道路(高速道路ではなく)の継

#1397 フィエスタを選んだ理由 その6(ビッグホーンにしなかったワケ)

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 極悪いやいや、超難関オフロードコースといわれるスタックランドファームで遊べること、つまり、クロカン走行できることも、自分にとってのクルマ選びのキーとなっていました。といいますか、これ重要でして、今でもそれは変わっていません。ということから、グランドチェロキーやら、ランクル70って話が出てきたわけですが、昨今、いわゆるフレーム付きモデルは高値傾向にあります。あの頃のビッグホーン(最終型)も、そんな1台。といいますかね、高過ぎます。最終モデルで、走行距離が10万kmに届いていないといった、条件が整うと100万円オーバー。最上級グレードではなく、売れ筋グレード、つまり300万円を少し超えたところにある価格帯のモデルだったのに。って、最終的には平成14年頃まで販売されていましたから……、って、いちばん新しいモデルでも12年落ち。それなのに、この価格。  ま、需要があるってことなんです。皆がオフロードコースを走るとは思いませんが、長く使えることはもちろん、雪道を走れるどころかラッセルできる、なにか引く(牽引する)ことができるといった、メリットに価値を見出している人はいます。そう、多くはありませんが、確実におります。そして、そういう人たちからすると、最新の四輪駆動車に惹かれるところは少なく、こうして、過去のモデルに注目が集まる、というわけです。  ビッグホーンとは、過去に社有車として付き合ったこともありますし、それこそ中古車を試乗して紹介する連載で、MTのガソリンに乗って、感激した覚えもありまして、とても気になる1台でした。ただ、どうせ購入するならば、MT、ショートボディが希望。さらにですね、このビッグホーンには前期モデルにRSというスポーティセッティングを施したグレードが存在していまして、それもまた希望。ちなみに、このRSは、後期モデルでは消えてしまっていますが、そのサスペンションは、スポーツなんたらパッケージとして引き継がれていまして、そう、それを所望。さらには、なんとオフロードを走る際にサスペンションを自在に延ばせるようにと、スタビライザー解除機能も用意されていて、それも希望。そうなんです、そんな車両、中古車マーケットに出てくるわけがない。  と思ったら、出てきたんですね、しかもレカロシートに、シートヒーターまで付いた仕様が。しかも、走行距離は10万km未満。ただ

#1396 フィエスタを選んだ理由 その5(ランクル70を選ばなかったワケ)

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 このタイミングだったらとか、それらしいとか、値が落ちないことやらを考えると、実は、期間限定で再販されたランドクルーザー70(ガソリン)も、候補に入っていました。諦めた理由? これこそ、価格に対して価値を見出せなかったから。ま、予算オーバーともいいますけど。  え、まだ、買えるの? と思われたかもしれませんが、新車はもう買えません。しかし、昨年から今年にかけて、登録のみされた低走行距離(ほとんど走っていない)個体が、大量に中古車マーケットに出ていました。初期受注の人気ぶりから増産を予定し、ディーラーや販売店もそれを見越して発注したものの、結局、余ってしまったようでして、大手中古車検索サイトでは、一時期300台以上が出ていました。そうなんですね、こうなると、オーナーになられた方には申し訳ないんですが値崩れを起こしていました。新車では値引きはほとんど望めなかったはずなのに、眺めていた中では、バンで320万円、ピックアップになると300万円すれすれの車両も見られたほど。ま、ほとんど走っていないとはいえ、中古車ですけどね。ただですね、低走行距離車が消える頃には価格も上昇することが予測されましたし、なにせ、10年経過しようとも10万km走ろうとも、下取りが当たり前のようにつくモデルですから、そういった意味からも、買い。  といっても、そんな理由は二番目で、クルマに惚れたことが惹かれたいちばんの理由です。車両にたいしては、 #954 、 #989 でその想いについては書いていますが、今、振り返ってもとってもいい。最新のクルマから消えたユルユルなあれこれはまさに好み。最初はえ? と思った顔つきも、見慣れましたし、MTってのが、なによりもいい。もちろん、デフロックやウインチがオプションで用意されているとか、そういったことも、また、プラス。スタックランドファームを走れるってのも、いい。スノードライブで頼もしいというか、楽しいのも、とってもいい。  ただですね、ふと冷静になって考えるとですね、たとえ、10年乗っても値が付くとはいえ、中古車価格は新車価格を上回ることはないでしょうから、10万km乗っていたとして、良くて下取り、買い取りは200万円。そう考えると、150万円はダウンするわけです。そう、値は付きますよ、付きますけど、それは、広く一般のクルマと比較した場合、良いと言えるレ

#1390 やっぱり良かった、好印象だった、トヨタ・オーリス ハイブリッド。

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 あれこれネタはあれども、ここを更新していなかったのは、macOSもiOSもパブリックベータにバージョンアップしたからってわけではなく、たんにキーボードのKが打てなくなっていたため。といっても、ただの接点不良でして、グリグリやると打てるんですが、それだと言葉を上手く並べられないもので。というわけで、溜め込んでいたネタを一気に書いて行きましょうかね。  まずは、トヨタ・オーリスハイブリッドの話から。試乗会で絶賛しました(→  #1352 )ので、取材で改めて乗れることになり、どこをどういいと感じたのか、もう少し深く探ってみました。ら、あれ、おや、ほ? なぜだか印象が違う。締め上げを感じたはずのシャシーは、入力をかなり意識したセッティング、つまり快適性を前面に出したセッティング。もっと少ないと感じたストローク感も、ちょっと多め。こんなにコンフォートだっけかなと感じながら、探っていきますと、ハンドリングも随分と優等生的。ただ、オンセンターからグリップ感が強まるあたりの変化はとてもなだらかなんですが、肝心なグリップ感が思ったほどでもなく。そうなんですね、悪くはないんです。悪くはないんだけど、良さがあふれ出してこない。なぜだ、どうしてだ。  パワーフィールについては、モーターによる優れたレスポンスと、アシストに止まらず存在をアピールするかのように前面に出てくるガソリンエンジンのパワーとを無段階変速機を用いて、軽快な走りに表現していまして、この点は好印象。好印象ですが、先に書きました、シャシーの面でのおや? がありまして、上手く理解できずにおりました。  ら、なんのことはなかった。取材ゆえに燃費計測をしていたこともあって、のんびりドライブをしていたから。ちょいとアクセルを踏み込んだらですね、その真価が見えました。例のあれです、シャシーが速い。コーナーでは的確なロールフィールとロールスピードを提供し、そこにハイブリッドユニットによる軽快なパワーがバランスしていて、好印象。いうまでもなく、高速域ではまさに欧州車的で、フラット感が一気に顔を出します。  気になった点は、先にも書きましたもう少し欲しいと感じたグリップ感と、もうひとつ、パワーユニットからのショックでしょうか。アクセルペダルを強く踏み込んでの走りの後、アクセルを抜くと、伝わってくる軽い、小さなショック。これ、トヨタ

#1363 3度目のドライブで気付いた、トヨタ・シエンタのあれこれ。

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 それは突然のことでした。この先の殺人的スケジュールを考えると、今日もひとりでのドライブ取材に出掛けなければならなくなり……、って、それが分かったのが前日。今回は、レンタカー関係の仕事だったので、レンタカーを用意して……、って、前日でも意外に抑えられるものなんですな。もちろん、取材ゆえに、車種を指定しての話。  というわけで、突然にひとりドライブに出掛けました。トヨタ・シエンタに乗って。って、なんか、多いんです、このシエンタでの取材。試乗会を抜いて、これで3回目か。様々な乗り方をしているので、毎回に発見があるんですが、あるんですが、あるんですが……、今回は、タイミングが悪かった。そうなんです、フォルクスワーゲンのトゥーランに乗った直後だったものですから、ついつい比較を……。  ですから、その印象は……、物足りなさを感じるところからスタートして、まぁ、逆にいえば、シエンタにおいて上手くまとめたところや、課題やらが見えました。まずは……、乗り味でしょうか。というか、具体的にダンパーのセッティング、か。このモデルはキャラクターがキャラクターですから、乗り心地を重要視したセッティングが施されていますが、いますが、路面からの大きな入力に対して、バウンド→リバウンドが1度で止まらない。高速走行時には、止まらない加減がちょいと気になります。かといって、シャシー剛性そのものはそれほど低くないので、その動きに違和感やら、曖昧さがあるわけでもなく……。ただ、動きを収めようとすると、硬さが出てくるでしょうから、ま、このあたりは、セッティングに納得するしかないかな、と。ま、逆にいえば、このレベルを自分が許せるか、許せないかで、評価が変わってくるポイントとも言えますな。  パワーユニットも、トゥーランとついつい比較してしまいましたが、やっぱりパワーに物足りなさを感じる。搭載ユニットは、ハイブリッドでしたが、多人数乗車や荷物を多く積載しているシーンでは、高速でのパンチにもう少しを望んでしまう。って、これもまた、そういうモデルはないし、コストやモーターへの負担を考えると、よくバランスさせているポイントですから、あえてウィークポイントとは言いたくない部分。そう、トゥーランが良く出来過ぎなのです。  ちなみに感心したのはシャシー。コーナリングでのロールフィール、姿勢を決めた際の構えなどは、な

#1352 ハイブリッドのポテンシャルを走りに表現していた、オーリス ハイブリッド。

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 あのですね、トヨタのオーリスにハイブリッドモデルが追加されたじゃないですか、4月18日に。2012年に現行型がデビューしてから4年経過して、そろそろ次期型の話が出てくるタイミングで、何故に追加? と思い、トヨタってのはそこまでしてハイブリッドイメージを付けたいのだろうかと不思議に捉えていました。何よりもその価格は262万473円からと、オーリスとしては高額となっていましたから。  が、乗ったら、というか、乗った瞬間にその理由が分かりました。ま、先の予測もあるんでしょうけど、あるんでしょうけど、クルマの仕上がりがとんでもなく良くてですね、それゆえに導入したかったという想いもそこにはありました。そもそも、オーリスのハイブリッドはヨーロッパでラインナップされていて……、トヨタのヨーロッパチームの手によって育てられ、いつしか、スポーティさを高めたモデルに仕上がっていたようで。そうなんです、たんなるハイブリッドモデルではなく、ハイブリッドシステムを生かしたスポーティモデルとなっていたのでした。  なにがいいって、ハンドリング。なにがいいって、乗り心地。なにがいいって、モーターを上手く利用したパワーフィール。ハイブリッドモデルの良さを、とことん引き出していましてね、プリウスにスポーティテイストを求めるならば、素直に、このオーリスハイブリッドを買いなされといった感すらがあります。それほどにいい。というか、新型プリウスの仕上がりもいいですけどね、個人的にはこのオーリスハイブリッドを選んだ方が、日々愉しくなりそうな気がします。と、それほどにいい仕上がりをしていました。まさにダークホース的な存在だな、と感じましたが。  ま、逆にいいますとね、低燃費やら、流行のハイブリッドという記号だけで購入すると、ちょっと違うと感じられるかと思います。そう、カローラシリーズのハイブリッドと同じとは捉えないほうがいいです。というわけで、262万473円からという価格も納得できました。  そうそう、写真は1.2Lターボモデルです。バタバタしていて、ハイブリッドモデルの写真を撮り忘れたもので。

#1352 軽でできないことを表現していた、ダイハツブーン・トヨタパッソ。

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 最近Aセグメントモデルの話がやたらと出てくるのは、意図的ではありませぬ。たまたまです。というわけで、先日デビューしたダイハツ・ブーンとトヨタ・パッソの試乗会がありましたので、その話を。今回から、プレス向け試乗会もダイハツ主導であることを明確にしたもので、トヨタはあくまでも見守るかのようなスタンスであったことが印象的でしたが、月販販売目標台数はダイハツの1000台に対して、トヨタは5000台。販売力の違いといいましょうか、ブランド力の違いといいましょうか、販売の割合はそんな感じだそうです。  さて、そのブーン・パッソですが、最近のダイハツの作り込み方と意気込みから、悪いわけないだろうと思って、試乗してみれば、悪いわけなどなく、好印象だらけ。まずは、ボディの作り込み。上と比較したら不足はありますが、Aセグにとって重要な、コストを見据えた上で、ここまで作り込んでくるとは、まぁ、感心しきり。それに伴って、シャシーの剛性感も大きくアップさせていまして……、ま、簡潔にいえば、従来のAセグのイメージはそこにはなく、また、軽自動車と比較すると、まさに、軽ではできなかったことのあれこれを、とことん詰め込んでいました。  ハンドリング。これがですね、操舵し始めたところから明確さがあり、かつ、ノーズが素直にそれに呼応する。ちょいとクイック過ぎやしないかと思うフィーリングですが、普通にドライビングしている上では、なんら違和感なく……、というか、そのリズムに乗っ取ってドライビングしている上では違和感なく。まぁ、深く切り込んだり、操舵スピードが早かったりすると、リアのトーイン変化が感じられるのですが、通常はそんなステアリング操作しませんわな、というわけで、納得。このあたりのチューニングについては、ハンドリングを優先しつつも、乗り心地を犠牲にしないというバランスを仕立てた結果だとか。  その乗り心地については、まぁ、これがフラット感が強くて、Aセグだったことを忘れさせてしまうほど。ほぅ、ここまで仕立ててきますかと感心しつつ、タイヤの空気圧が高いこともあって、シーンによってはタイヤがトタトタとトレース仕切れていないところもありますが、先のフラット感が好印象ゆえに、トレードオフと捉えられる部分かと。  静粛性もここぞとばかりに引き上げていまして、外部からの音が室内へと進入してきません。

#1317 理想のクルマのあるべき姿からクルマの評価軸まで教えてくれる、1冊。

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 あれは最終型カルディナの試乗会でのこと。取りまとめをされた堀 重之さんとお話しする機会をいただきました。この方、ちょっと変わった方で、自社の製品のウィークポイントをしっかりと見極め、それを自動車メーカーという看板を背負いながらも堂々と語り、さらに理想に近づけるべく……、という、まぁ、熱いといいましょうか、分かりやすく言いますと、トヨタの方らしからぬスタンスがありました。ですから、自分にとってはとても興味深いといいましょうか、愉しくお話しをさせていただき、また、自身がフリーになったばかりだったこともあって、はぁ、へぇ、ほぉ、そうなんですね、と、新しい知識といいましょうか、新しい感覚を得た、そんな試乗会だったことを強く覚えています。  実際、最終型カルディナは、物足りなさは残っていたものの、剛性を高めたボディがもたらすシャシー性能アップを感じさせ、なるほどね、そうなんですね、ちょっとトヨタらしくないですね、と感心したことを覚えています。その後は、ノア・ヴォクだったかのG's試乗会でお会いして、トヨタという枠から少し外れた立場になられたこともあって、理想をさらに具現化しており、そこでも、なるほどね、ロッカーですか、なんて話をしたことを覚えています。そのノア・ヴォクG'sも良かったですし、ヴェルファイアG'sまで担当されたかはわかりませんが、あれも良かった(記事リンク→ ■ )。どこかで書いたようにも記憶していますが、この作り込み、なにもG'sで展開するのではなく、もっと広くレギュラー仕様に展開したほうがいいんじゃないかと感じたほど。ま、トヨタとしてはG'sラインだから許された作り込みだったんでしょうね。でも、それが、最新のTNGAに繋がっているように感じるのは気のせいでしょうか。  と、前置きが長くなりました。その堀 重之さんから、これまでの経験、体験、実践、理想を、1冊の本にまとめられたとメールがありました。それが、「走行性能の高いシャシーの開発―実務経験に基づいた高剛性で安全なクルマづくり(amazon→ ■ )」。ボディの理想を掲げ、それがもたらす走りが、愉しさだけではなく、快適性や安心感にも通じることを、分かりやすくまとめられていまして、これがとてもおもしろい。それはもちろん経験に基づいたことから構成されていますから、

#1315 ハイレベルゆえに気になる、新型プリウスの、あのフィーリング。

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 新型プリウスの受注が好調どころか、とんでもないことになっているようで……、その反響ぶりに、それほどまでに惹きつけるプリウスの魅力とトヨタの販売戦略と、あとは、みなさん、お金あるんだなぁを含めて、あれこれに感心を覚えます。デザインについては、見慣れて来たものの、やっぱり、これでいいんだろうかを感じます。行き過ぎ感ならぬ、やっちゃえ感、いいんでしょうか、これで。ま、デザインの話はおいておきましょう、 #1298 でも語りました新型プリウスの実力を、再々度チェックできる機会がありましたので、感じたことをあれこれと書いておきましょうかね。  今回はレンタカー関係の仕事だったので、レンタカーとなりまして、そんなあれこれを含めて。乗り味における質感は、まぁ、当初と印象変わらずというか、あらためて、良くここまで引き上げてきましたなぁ、といった感じ。レンタカーだからといっても、まだ3000kmしか走っていませんでしたので、ヤレも見られず。なんといっても、サスペンションのしなやかな動きは、乗り味からグリップ感まですべてにプラスに働いていまして、まぁ、とにかくハイレベル。パワーフィールも文句ないし、って、今回、200km少し、高速半分、山坂道ありな下道半分といったルートを走ったのですが、燃費は37.0km/L。で、感心したのは、高速ルートではなく、下道ルートのほう。EV走行をかなり許してくれまして、信号なし定速な地方の下道(つまりはほぼパーシャルスロットル状態)で、燃費が伸びる、伸びる、伸びる、伸びる。都心での日常はそれほど期待できずとも、どこかへ出掛けることが、ましてや、下道ドライブが愉しめるモデルであることを確認できました。  ならば、このプリウス、すべてが完璧かといえば、あれこれ気になるところが見えてきました。というか、試乗会ですでに感じていたことなんですが。って、デザインの話はおいといて……。ずばり、電動パワーステアリングのフィーリングですな。操舵フィールが薄いこと、接地感が見えないことは、これまでのプリウスのウィークポイントでしたが、ハイブリッドドライブゆえの新しい感覚とは捉え切れないところ。さらに、今回、ここまでの進化を果たしたのに、どうしてこの程度に止めてきたのか、ちょっと理解できない点だったりもします。いくらしなやかなサスペンションを与えても、肝心な操舵感に物足り

#1298 大きく進化しながらも、らしさが息づいている、新型プリウスの真価。

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 1月に入ってから半分が過ぎようとしているのに、ここ、3つしか書いていません。と思ったら、あれ、ふたつ。昨年、書いておいて今年になってからアップしたつもりだった年賀状解説、なんと昨年のうちにアップしていたようで……。というわけで、書かねばならないネタだらけ。まずは、最新型プリウスから。  悪くはないだろうと思っていました。ただ、懸念していたのは、これまでのプリウスらしさを、外野からの声で、どこまで消し去ってしまったか。エコを語れるあの走り、つまり、スポーティさを意識させない、あの走り。結論、ちゃんと残したままに、全てをブラッシュアップしていました。ま、正常進化ですな。といいましょうか、そのステップアップは相当なもので、かなり驚いてしまいました。  トヨタはこのプリウスから次世代型プラットフォーム(コンセプト)を採用しており、実現したかった全てが強烈に表現されています。ただ、その片鱗は、最近のトヨタ車からは何気に感じられていたこと。優秀な方々が作られる机上の空論的なクルマではなく、なんだかわからないけど乗って楽しさを実感できる片鱗ですな。ですので、この方向での進化を予想してはいました。でも、それ以上だった。で、何がいいってまずはボディ。剛性を感じさせるだけではなく、表現としてはしっかりとも異なるその先にある安心感まで手に入れていました。で、そのボディに作り込みが、走りから快適性まで、全てのベースになっていたといいましょうか、そんなバランスの良さがありましてね。天晴れ! といった感じにあふれていました。  シャシーについては、まぁ、しなやかに動く動く。というよりは、渋さがないといった感じか、あれは。そして、フラットライド感がすこぶる高いのなんのって。つまりは、走りにおいて質感が高く、そして快適性もハイレベル。それに気付くと、静粛性の高さと、装備類の質感も、そこに見合っていることを発見できます。で、何よりも、15インチ仕様が好印象。転がり抵抗をここまで抑えましたと自慢しているかのようなフィーリングはタイヤだけではなく、ドライブトレイン全てで低減させましたといわんばかりのスムーズさがあります。いや、うっとり。ただし、ステアリング操舵に対して、ロールはしっかりと出てきますというか、感じさせます。それは市街地ではもちろんですが、それ以外でも。しかし、不安を感じさせる手前

#1271 ランドクルーザーを執筆していて、ふと思ったことあれこれ。

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 ただいま、ランクル三昧となっています。書けども書けども終わらないランクル。いや、依頼ページ数が多いからなのですが、それにしても終わらない。というわけで、小休止です。  あれこれと、資料には出てこない話や、開発の方の言葉を拾っていたらですね、ランクルはどこへ行こうとしているのか、ってことがふと、頭に浮かびました。実のところ、日本のランクル事情は、グローバルから見ると特殊。だいたい、ランクル200系において、トップグレードがいちばん売れているという状況が、まず特殊。中近東地域でもそうじゃないの? と思われたかもしれませんが、実は、日本仕様でボトムとなっているグレードよりも、さらに下のグレード人気が高いそうで。つまり、エンジンはV8ではなく、V6。ATじゃなくて、MT。しかも、それを実用的に使うだけではなく、走ることを目的とした、つまり遊びに使うというのだから、とても羨ましい。  一方のプラドは、トップグレードではなく、ミドルグレードが最量販となるそうで、逆にトップグレードの割合はそれほど多くなく。まぁ、ずばりはオーナー層が異なっているゆえのこと。ただ、いずれにしても、ボトムグレードがたんなる見せかけではなく、選びやすくなっていることが、個人的にとてもとてもプラスに捉えています。記事内で書いていますが、200系のGXは、販売比率でいったら1%だとか。それでも、ラインナップ落ちさせることなく、今回のマイナーチェンジでもしっかりと残しているスタンスに、おおらかさを感じます。だから、それをうちらクルマのあれこれを伝える者も、ちゃんと伝えていかねばならんと思うわけです。はい。  いずれの写真も、例のごとく、グラビア的な企画での撮影時のもの。といっても、実際に使われる向後さんの写真の数々とは、全く異なりますので、 こうご 期待あれ。というか、今回も、スゴイです、写真が。打ちのめされました。

#1270 いつもながらのらしさがある、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー選考結果。

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 本日、栃木県にあるツインリンクもてぎにて、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会が開催されました。って、イベントニュースを報告するかのような書き出しですが、……、開催されました。例年ですと、朝、フロントウインドウについた露が凍ってしまうほどの寒さなのですが、今日は、曇り空が広がっていたせいか、そこまで気温が下がることはなく、ただ、時折強い雨に見舞われました。前置きはいいから、さっさと結果を書きまししょうかね。結果は以下のとおりとなりました。  RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ アルト/アルト ラパン  RJCカー オブ ザ イヤー インポート   MINI クラブマン  RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   トヨタ フューエル セル システム  (トヨタ MIRAI)  開票そのものは公開としていますが、開票詳細についてはRJC側から公表はしていないようなので細かな分析は避けますが、開票を見ていて感じたのは、最高点(6点)がいずれのクルマ、技術にも入っていたこと。たとえば、国産車では、ロードスターと得点を争いつつも、S660も奮闘しましたし、エクストレイルHVやシエンタに高得点を入れた方もいました。そうそう、中にはCX-3、ロードスターともに高得点だったり、どちらかが高得点だったりもありました。  輸入車ではXEを高く評価する人もいれば、TTや308に最高点を入れた人もいました。ディーゼルエンジンを搭載して魅力を増したV40シリーズ(2014年次に受賞)も、点を集めていましたし、BMWの初のFFモデルである2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーも高評価も見られました。 技術では、ディーゼルエンジンをハイブリットユニットに組み込んだメルセデスのディーゼルハイブリッドに点数が入りつつも、トヨタのフューエル セル システムが、それを上回る評価を得、そしてロードスターやアルトの軽量化に関する技術に高得点が入りつつ、ボルボのディーゼルやホンダの3モーターハイブリッドシステムにも最高点が入っていました。  つまりですね、どれが受賞してもおかしくないクルマ、技術でした。見方次第といいましょうか、捉え方次第といいましょうか、でも、そこには、広くに勧めたいクルマ、技術と想うというベースがあってこそ。いろんな見方があっていい

#1266 楽しさとオモシロさにあふれていた、東京モーターショー。

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 ここを放置していたのは、忙しかったこと、体調不良など、あれこれと重なってのこと。ただ、日々の取材やら、執筆やらは続いていましたので、あれこれとネタはあります。というわけで、まずは東京モーターショーのあれこれから。どのメーカー、ブランドのブースも見どころがあって、おもしろさがありました。今回の注目は、やはりマツダのRX-VISIONでしょうな。チラ見せから始まって、公開しても、詳細を語らないというスタンスは、まさに演出であり、仕掛けであり、その手法も好印象。ただ、このモデルを見ると、市販前提ではないコンセプトモデルは出品しないって話、大丈夫かなぁと思いつつ、ま、そんなあれこれを考えさせるところもポイント。個人的には、コンセプト、サイズともにスケールダウンさせることなく、手が届かない価格でもかまわないから実現して欲しいものだなと感じましたが。スポーツカーたる定義をすべてデザインしているこのモデル、とにもかくにも美し過ぎます。  ブースデザインで印象的だったのは、ルノー。前回はマツダでしたが、今回はルノー。というか、今回のマツダのブースデザインにあまりおもしろさを感じませんでした。期待していたんですけどね。で、ルノーの話。バンプと呼ばれる丘を表現したブースはセンターが盛り上がったデザインなのですが、これが、寝転がって昼寝したくなるような緩さにあふれていまして、とても良かった。いや、褒め言葉です、褒め言葉。ちなみに、海外のモーターショーでは、もっと広いスペースを使うことができるため、こぶが連続するそうですが。もちろん、新型トゥインゴも良かった。デザインの妙といいましょうか、RRらしさとルノーらしさとを上手くバランスさせていて好印象。気になるのは、その価格。これだとルーテシアとの価格帯に重ねてくるのかな……、とちょっと心配。下の価格帯にしたら天晴れですが。  トヨタのKIKAIは、実際に目にすると、写真では感じ取れなかったような作り込みに感心します。ショーモデルだからということもありますが、見せるところを見せるというか、見たいところを見せる、らしいところをアピールする、そんなデザイン性にひたすら感心。それでいながら、そのままに走り出しそうな作り込みもとてもいい。今の感覚をもった人たちも、昔の感覚から抜けだせない人たちも納得させられる、そんな1台です。  そういった意

#1255 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その3)。

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 東京モーターショー関連の話は、各ブランドの発表後に次々と書いていく予定でした。ところが、それどころではない仕事量に追いかけられ、プツンと途切れました。って、今もですが。というか、もっと追いかけられていますが。 ただ、中途半端もいかんので、休憩の間に、思うところをあれこれと。発表順に書いていきます。  そして、ダイハツ。すべてワールドプレミア4台、すべて軽自動車、すべて自走可能、すべて既存の技術を用いたており、その現実を見据えたところがポイント。もちろん、そのままでの市販は無理でしょうけども、ホールベースやらパッケージやらは、現実的にありうることを意味しています。その中でも個人的に、おもしろいと感じたのは……、って、4台とも。ま、その中でも、イマドキの緩さを存分に表現したHINATAなんてのは、好みとは異なりますが、おもしろい。パーソナルではなく、イマドキの母と娘の関係(服を貸し借りしたり、出掛けたりってことらしい)を、さらに深めてくれるといったテーマもあって、ふーん、そうなんですか、という感心しきり。FFながら移動販売車スタイルを実現し、店舗とテンポ(リズム感という意味)をかけた、TEMPOもおもしろい。ブランドとしてのテーマ性が出ています。  で、スバル。コンセプトカーってのは、近い将来のケーススタディか、コンセプトやデザイン性だけを表現したモデルやらあれこれありますが、ま、そのものが連続し、進化していくことはあまり多くありません。そんな中、発表時から注目していたVIZIVコンセプトが、かなり、今後のスバルのテーマを強め、さらに現実的な要素を加えています。そこにある技術のあれこれは少し先を表現していますが、デザインにたいしてはわりと現実感を覚えます。あとは、想像以上に早かったのが、次期インプレッサのケーススタディ。去年マイナーチェンジしたばかりだし、XVシリーズが近々マイナーチェンジを発表したばかりなのに……、と思いつつ、ま、ライフサイクルを考えると、早くもないんですな。ただ、次期インプレッサは、生産拠点も含めてグローバルモデルたるスタンスを明確にしていたので、てっきり、来年1月のデトロイトショーでのワールドプレミアかと思っていましたので。って、あちらではわりと具体的なスタイルにて出てくるのでしょうな。昨年のレヴォーグ発表のような派手さはありませんが、この先

#1247 再チェックしましたけど、いいんじゃないでしょうか、新型シエンタ。

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 シエンタを借り出しての取材がありましたので、試乗会のインプレッション以外に気付いたあれこれを書いておきましょうかね。……、って、ない。 #1208 で書いたままの印象そのものでした。  って、そうだ、今回は高速道路を走りましたが、予測どおり、フラットライド感が強まりまして、このクラスとしてはなかなかヤルなって感じがありました。とにかくシャシーのしなやかさがいいですし、それゆえの快適性の作り込みにも感心を覚えました。リバウンドフィールの件は、日常速度域では感じるものの、高速域になるとやはり消えますので、あえてピックアップしなくてもいいかなと思います。ま、日常域においても、今回のように一人で乗るようなシーンは、ほとんどないモデルってこともありますしね。  あとはなんだろうか。ワインディングでは、ロールスピードのコントロールがしっかりとできていまして、これもまた良し、と。ただあれかな、グリップ感は不足に届いていないものの、グリップ力がもう少しあると、もっと楽しいクルマになるのになぁと思ったのもまた事実だったりします。ま、燃費性能とのバーターの部分でしょうかね、これは。  1.5Lガソリンエンジンに対してのイメージは変わることなく。CVTの制御でトルクが出る回転数へ一気に導く仕立ては、ちょっとずるいなぁと思ってしまうほど。アクセルを踏み続けた走行をしていると、アクセルを離しても回転をキープしたままって制御に対しては、クルマから、待っていますよ、さて、どうします? といった問いかけを感じまして、なかなかいい。  と、そんな感じでした。燃費は計測しませんでしたが、高速道路を、飛ばさず、無理せずの走りをしていると、20km/Lオーバーを示すことも多々。エコドライブを意識したら、かなりの低燃費を引き出せそうな予感もありました。いいんじゃないでしょうか、新型シエンタ。あ、売れているらしいですね。今、注文しても、納車は来年1月だそうです。

#1221 最近、見えづらくなっている、走るというクルマたる本質。

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 改良を受けたランドクルーザー200系についての原稿を書いていて、文字数オーバーから、省いた部分がありました。かつてのライバルが、いつしか、手が届かぬ価格帯になってしまったって話で、ランドクルーザーってまだ手が届くギリギリにあるよね、そして、余裕がある人向けにはちゃんとレクサスLX570(1100万円)を用意しているしね……、という流れにするつもりでした。 で、その時に販売価格の過去と現在を調べたらですね、まぁ、高くなったとは思っていましたが、ここまで引っ張り上げましたか、といわんばかりの上昇をしていました。                95年当時      現在  レンジローバー       595万円〜  →  1338万円〜  メルセデスベンツGクラス  750万円〜  →  1018万円〜   ランドクルーザー      〜390万円  →  〜約680万円   まぁ、レンジローバーとGクラスは、そのポジションを意図的に高めたり、ブランドも同様のあれこれがありましたし、安易に横並びで価格アップを語れないところもあります。ただ、あの頃を知っている者としては、懐かしいといった感じでしょうかね。振り返ってみれば、チェロキーも、ディスカバリーも、ブレイザーも、300万円前後で、並んだ時期もありましたし。ま、円高という時代の流れもありましたけども。と上で比較した価格帯上昇はアッパークラスでの話ですが、全体的にクルマの価格が上がっているのは事実です。それは原材料の高騰もありますし、以前はマストではなかった安全性が求められ、それに付随する装備やらが付きましたから……、とは、メーカー側の弁。まぁ、そのとおりであり、これを言われると、消費者としてはぐうの音も出ません。ま、少しは出るか。  ただ、個人的には、それよりもほとんどモデルで上級グレードに誘導される、つまり、さらに高いほうへと導かれる、この販売方法におや? を感じることが多くあります。たとえば、吉田的には十分だと思っているマニュアルエアコン装備のボトムグレードがあって、その上のグレードとの価格差が30万円あったとしましょう。でも、その上のグレードは、アイドリングストップがついて、HIDヘッドランプになって、フォグランプがついて、マルチインフォーメンションディスプレイがついて、本革巻きのステアリングホ

#1219 まだまだ作るのか……と驚いた、現行ランドクルーザー200系な話。

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 ランクル200系について、今ならなんでも訊いてください、即座に答えられますから。ってことで、マイナーチェンジを受けたランクル200の原稿を書いていましたので、何でも答えられます。今ね、今ならね。  それにしても、このモデル、そろそろ終焉かと思っていました。これまでの9年というライフサイクル周期からすると、07年デビューゆえに16年、つまり来年で生産終了して、次期モデルへスイッチするかと思っていましたので。ところが、このタイミングで、大改良。11年だったかに、フロントマスクに手を入れたはずなのに、昨今の流れに乗るためには、このタイミングでの大改良が必要だったんですなぁ。って、エクステリアなんて、グリル、バンパーに止まらず、エンジンフードからフェンダーまでだし、インテリアもメーターだけでなく、センタークラスターとセンターコンソールまで刷新。しかも、レクサスでLX570まで導入するという流れ。あれー、最近のランクル盛り上げのイベントごとあれこれは、次期型へと繋がっていると思っていたので、ちょいと予測を大きく外しました。  それとも、これはこれで生産を続けて、次の秘策がなにかあるのでしょうかね。いや、でも過去を振り返ると、60系がフロントマスクを換えて2年と少しでフルモデルチェンジしていたりしますから。まぁ、あの時は丸目→角目程度だしなぁ。さて、どうなることでしょうか、って、まじめに、先が読めませぬ。  あ、マイナーチェンジしたフロントマスク……、どう見ても獅子舞の獅子顔に見えてしまいます。フォグランプが牙でさ……。って、ひょっとして、それを狙ったのでしょうか、ね。個人的には、デビュー当時のまとまり感、塊感が作り出していたエレガントテイストが好きだったりします。なんかね、最新型はフロントとサイドが見合っていない気がするんです。  はっ、ランクル200系がデビューしてから、あとちょっとで丸8年になるの? いやー、時間が過ぎるの早すぎます。

#1217 BMW・3シリーズに、3気筒モデルは必要なのか、不必要なのか。

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 BMW3シリーズのマイナーチェンジモデルが日本でも発表となりました。もうライフ後半ですか、と思いつつ、後期モデルの本国発表は7月5日発表でしたから、1か月と半分で、日本導入、って、タイムラグがなくなりましたなぁ。その価格帯やら、装備内容やら、Cクラスを意識し過ぎなんですが、Cクラスのほうが一歩先のあれこれがあることを考えると、横並び以上の勝負を仕掛けないと……、と思うところもありつつ。まぁ、3シリーズには、ディーゼルエンジンがありますし、新開発の直6/3.0Lはかなり良さそうだし、いつラインナップ落ちするんだろうとヒヤヒヤもののMTもしっかりと残っているなど、まだまだ語れるところは……、あるといえば、あるんですが。ただね、そう、商品性だけではない、ブランドの仕掛けた勢いとイメージと、あれこれを考えるとね……、と思うところもあるわけです。  ただ、気づきましたが、あれがいない。新登場の3気筒が、いない。そう、ミニと同じ1.5Lターボ。ただですね、いくら価格競争になっているとはいえ、日本市場では、やっぱり3シリーズはプレミアムを語るモデルとしてイメージしておきたいでしょうし、導入したところで、話題作りできる価格帯まで下げられるかが、これまた微妙なのかな、と。スッピンに近いモデルとすれば400万円を切れるでしょうけど、そもそも3シリーズをエントリーモデル的な扱いにする必要はありませんし、話題性だけで、結局選ばないモデルとして導入するようなことはないでしょうから……、つまり、難しいでしょうな。  って、なんか今日は、新型車や、改良の発表が続きますな。メルセデス・ベンツのSLとSLKの内容変更からスタートして、スズキ・キャリイの一部改良、そして、この3シリーズ後期モデルの発表、そして、新型車としてアウディTTと、レクサスのLX570の登場、と。あ、新しいアウディTT、初代派としてはOKです。といいながらも、やっぱり、初代には勝てないかなと思ったりもしますが……。あ、デザインの話、ね。

#1208 2世代分以上の進化を果たして、登場した新型シエンタ。

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 トヨタ・シエンタの試乗会もありました。そのスニーカー的なフォルムから、スポーティに仕立て過ぎていないか、ちょっと心配していましたが、実際にはコンフォートライドを上手く作り込んでいまして、感心しきりでした。分かりやすいところでいいますと、路面からの入力をしっかりと吸収しながらも、意図的にわずかなリバウンドを感じさせつつ、コンフォート感を作り込むという仕立て方をしていまして、その狙いが明確であり、それを上手く作り込んでいたことが評価できるかな、と。まぁ、少人数乗車ですと、このリバウンドが、揺れの続きを生みますが、多人数乗車やらを考慮すると、不満とは表現したくないところとも言えますかね。   新型では、ハイブリッドユニットも加わっていますが、乗り味とパワーフィールにアッパークラス感を作り込んでいることが印象に残りました。ただ、多人数乗車の機会もあるクルマですから、ユニットは冷却を水冷にしたりと、細かな変更はあったようですが、そのパワーフィールの仕立ては、1.5L+モーターというよりも、排気量の大きさを感じられるようなゆとりを作り込んでいました。ガソリンエンジンは、まぁ、新型になったこともありますが、高回転でのパワーを積極的に使うものですから、これが……、速い。いや、アクセルを踏み込んだ際の話で、通常では扱いやすさがちゃんと作り込まれています。と、ユニットとしての評価はとてもいい。いいんですが、ふと思ったんですね、ガソリンエンジンに表現された快活さの印象が強すぎて、ハイブリッドのアドバンテージが燃費だけと捉えられてしまうのはもったいないと。つまり、商品性の話。  と、まぁ、いろいろと言い始めたら、フロア振動やら、サードシートの剛性感やら、細かなことはあります。ありますけど、クラスを考えると、そのバランスの極め方やらを評価すると、トータルとして優秀と言えましょう。あ、気になるイエローですが、その割合は受注の全体の8%ほどとのことで、実際には、シルバー、白、黒が売れているようです。イエローの多さに、デザイナーさんとしては驚いていらっしゃるとのことですが、このデザインは、つまり、このクルマは、イエローあってこそ、と思っていましたので、そう捉えると、このクルマに求めるものの違いというか、スタンスの違いというか、オーナー像の違いを感じます。え、なにと違うと感じるかって、