#1255 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その3)。

 東京モーターショー関連の話は、各ブランドの発表後に次々と書いていく予定でした。ところが、それどころではない仕事量に追いかけられ、プツンと途切れました。って、今もですが。というか、もっと追いかけられていますが。ただ、中途半端もいかんので、休憩の間に、思うところをあれこれと。発表順に書いていきます。
 そして、ダイハツ。すべてワールドプレミア4台、すべて軽自動車、すべて自走可能、すべて既存の技術を用いたており、その現実を見据えたところがポイント。もちろん、そのままでの市販は無理でしょうけども、ホールベースやらパッケージやらは、現実的にありうることを意味しています。その中でも個人的に、おもしろいと感じたのは……、って、4台とも。ま、その中でも、イマドキの緩さを存分に表現したHINATAなんてのは、好みとは異なりますが、おもしろい。パーソナルではなく、イマドキの母と娘の関係(服を貸し借りしたり、出掛けたりってことらしい)を、さらに深めてくれるといったテーマもあって、ふーん、そうなんですか、という感心しきり。FFながら移動販売車スタイルを実現し、店舗とテンポ(リズム感という意味)をかけた、TEMPOもおもしろい。ブランドとしてのテーマ性が出ています。
 で、スバル。コンセプトカーってのは、近い将来のケーススタディか、コンセプトやデザイン性だけを表現したモデルやらあれこれありますが、ま、そのものが連続し、進化していくことはあまり多くありません。そんな中、発表時から注目していたVIZIVコンセプトが、かなり、今後のスバルのテーマを強め、さらに現実的な要素を加えています。そこにある技術のあれこれは少し先を表現していますが、デザインにたいしてはわりと現実感を覚えます。あとは、想像以上に早かったのが、次期インプレッサのケーススタディ。去年マイナーチェンジしたばかりだし、XVシリーズが近々マイナーチェンジを発表したばかりなのに……、と思いつつ、ま、ライフサイクルを考えると、早くもないんですな。ただ、次期インプレッサは、生産拠点も含めてグローバルモデルたるスタンスを明確にしていたので、てっきり、来年1月のデトロイトショーでのワールドプレミアかと思っていましたので。って、あちらではわりと具体的なスタイルにて出てくるのでしょうな。昨年のレヴォーグ発表のような派手さはありませんが、この先のスバルが強く表現されているブースとなっているようですので、見どころは多くありますな。
 そして、BMW。前回はMINIのワールドプレミアを日本で行い(LAも同時)、ちょっと驚きましたが、今回はM4 GTS。デビューしたばかりの7シリーズはもちろん、FFへとスイッチしたX1もお披露目されます。全くの新しいモデルとしては、この2世代目のX1のみになるのかな。FFベースで、スタイリングをかなり変えているようなので、要チェックですな。そして、出展車リストを見ていたら、なんとプラグインハイブリッドが2台ありました。しかも、駆動方式が異なるシステム。今回、初公開となる330eはベースモデルどおりのFRですが、220xeはフロントをガソリンエンジン、リアをモーターで駆動、あとは、7シリーズとX5にもあります。つまり、気付いたら4タイプを揃えていましてね、ハイブリッドシステムについては、先行していた日本に追いつき、というか、追い越そうとしている感があったりします。この件はVWのところで深く書きましょうかね。
 トヨタでは、個人的にはS-FRよりも、KIKAIに注目しています。極端な話、機能性だけを求めるならば、そこに温かみなど不要である工業製品に対し、このコンセプトカーは温かみを表現しています。しかも、むき出しの機能美を用いて。それでいながら、その個々のハードウェアがもつポテンシャルを表現しており、単体で見ると柔らかさはなく、冷たさすら感じます。でもね、クルマ全体で捉えると温かいし、柔らかい。そして、人間的。クルマ本来がもつ魅力を存分に表現していますし、って、そこには走らせる愉しみ、付き合える喜び的なことも含まれています。こういうコンセプトカーがあっても不思議を感じませんが、実のところ、トヨタがデザインしていたことにちょっとしたショックを覚えます。そういうことです、そういうこと。

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