#1266 楽しさとオモシロさにあふれていた、東京モーターショー。

 ここを放置していたのは、忙しかったこと、体調不良など、あれこれと重なってのこと。ただ、日々の取材やら、執筆やらは続いていましたので、あれこれとネタはあります。というわけで、まずは東京モーターショーのあれこれから。どのメーカー、ブランドのブースも見どころがあって、おもしろさがありました。今回の注目は、やはりマツダのRX-VISIONでしょうな。チラ見せから始まって、公開しても、詳細を語らないというスタンスは、まさに演出であり、仕掛けであり、その手法も好印象。ただ、このモデルを見ると、市販前提ではないコンセプトモデルは出品しないって話、大丈夫かなぁと思いつつ、ま、そんなあれこれを考えさせるところもポイント。個人的には、コンセプト、サイズともにスケールダウンさせることなく、手が届かない価格でもかまわないから実現して欲しいものだなと感じましたが。スポーツカーたる定義をすべてデザインしているこのモデル、とにもかくにも美し過ぎます。
 ブースデザインで印象的だったのは、ルノー。前回はマツダでしたが、今回はルノー。というか、今回のマツダのブースデザインにあまりおもしろさを感じませんでした。期待していたんですけどね。で、ルノーの話。バンプと呼ばれる丘を表現したブースはセンターが盛り上がったデザインなのですが、これが、寝転がって昼寝したくなるような緩さにあふれていまして、とても良かった。いや、褒め言葉です、褒め言葉。ちなみに、海外のモーターショーでは、もっと広いスペースを使うことができるため、こぶが連続するそうですが。もちろん、新型トゥインゴも良かった。デザインの妙といいましょうか、RRらしさとルノーらしさとを上手くバランスさせていて好印象。気になるのは、その価格。これだとルーテシアとの価格帯に重ねてくるのかな……、とちょっと心配。下の価格帯にしたら天晴れですが。
 トヨタのKIKAIは、実際に目にすると、写真では感じ取れなかったような作り込みに感心します。ショーモデルだからということもありますが、見せるところを見せるというか、見たいところを見せる、らしいところをアピールする、そんなデザイン性にひたすら感心。それでいながら、そのままに走り出しそうな作り込みもとてもいい。今の感覚をもった人たちも、昔の感覚から抜けだせない人たちも納得させられる、そんな1台です。
 そういった意味で、完成度の高さといったら、ワールドプレミアとなったMINIコンバーチブルでしょうな。実は、事前情報では公開されるラインナップにはなく、締め切りに間に合わず、執筆できなかったモデルの1台。オリジナルデザインを崩すことなくというか、専用に作り上げたモデルかのような下手と、ソフトトップならではのデザインと、ちょっと感服。考えてみると、オープンモデルですから、メインマーケットであるアメリカ、さらに西海岸で行われる11月下旬のLAオートショーでの披露が理想だったはず。それなのに、日本でワールドプレミアとは、ちょっと驚きましたが、まぁ、日本市場をそれだけ意識していることの現れでもありますな。ちなみに、アメリカは西海岸にいる知人が興味津々で、早速、レポートしておきましたが、早々に購入しそうな勢いを感じました。
 ホンダのProject 2&4 powered by RC213Vは、あれ、事前に受け取っていた写真とステアリング位置が違う。携わった本で写真の逆版(フィルムの裏表を逆にして印刷すること)をやってしまったか? と思いきや、いまや、写真もデジタルですから、そんなわけもなく。実車を観察したらば、ステアリング位置は左右どちらにも配置できるような構造としてありました。それにしても、イイセンスしています、このモデル。写真同様に、実車もカッコイイし、何よりもホンダらしいと思いました。
 カッコイイといえば、写真以上にカッコよかったのが、スバルのSUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT。SUV的なボリューム感と、スバルらしいスポーティさと、上手く表現しています。このデザイン、どう市販モデルに落とし込むんでしょうかね。そのあたりが、期待大といった感じです。ちなみに、ステージセンターに配置されていましたが、油圧リフトによって動かすというギミックは……、あれ、前回のレヴォーグと同じ?
 そのほかにも、ダイハツのブースでは、例の軽自動車コンセプト4台が、やたらと海外の方々からの注目を浴びていたり、スズキのブースでは市販車かのようにアルトワークスが飾られていたり、日産ではTEATRO for DAYZが想像していた以上に質問が飛び交っていたり、フォルクスワーゲンは、来年に市販されるモデルがあふれていたとか、ま、それぞれに興味深さがありました。
 行ってみようかなと思った方は、是非、足を運んでみることをオススメします。クルマのオモシロさ、楽しさを、改めて感じ取れますから。

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