投稿

ラベル(VW)が付いた投稿を表示しています

#1664 ゴルフ5のインパネを外して再認識した、ベンチマークたる所以。

イメージ
 気がついてみると、最近、インパネ外しをしていませんでした。まぁ、外す必要がない車両に乗っていることもありますが、そもそも、オーディオやら、そんなあれこれへのこだわりもなくなり、交換することもなくなりましたし、何よりも、あれやこれやとトラブルで交換することもなくなりまして、昨今のクルマは。というわけで、久しぶりに、インパネ外しをしました。それにしても、今は楽ですね。誰のためを思ってか、詳細に手順を紹介してくださるホームページやらがありまして、工具さえあれば難なく、進めることができます。  というわけで、今回は、実家のゴルフ5のオーディオを交換。交換といっても社外品へではなく、純正品へ。あのですね、これは、旧車の常といいましょうか、懐かしさとも言えるんですが、あれです、プラスティックパーツの表面がベトベトになってしまう、あれ、に見舞われましてね(写真右)。しかも、液晶表示部もトラブルがあって見えないという始末。さて、どうしたものかと思ったらですね、これが、オークションやらフリマーケットアプリに、取り外して行き場のなくなったユニットが転がってる、転がってる。しかも、かなりの安値で。  考えてみますとね、なんで、こんなに転がっているかといいますと、ゴルフそのものが売れていたこともありますが、GTIの影響でしょうね。そう、パーツ取りで探している人が多い、だから、出品しても人気がある、つまり、出品数が多い、と。というわけで、交換と相成りました。ちなみに、写真はボタン部分がシルバーになっていますが、ここがブラックであるゴルフE純正品は見当たらず、って、当たり前か。これ、GT以上か、特別仕様車用か、それとも、後期のTSI用か、そんなところでしょうね。いずれにしても、オーディオパネルだけ、ちょっと偉そうになりました。  さて、今回のオーディオ外しですが、これまで外してきたインパネとは違いを感じました。まぁ、大したモデルではなかったというのもありますが。簡単にいいますとね、インパネの素材に対するコストは大きく落としたものの、その取り付けは、さすがベンチマークを感じました。ボルトの数、パネルの支え方やらが違う。違う上に、ネジ取り付け位置に余裕代がない。つまり、そもそも取り付け精度がある程度高く、ネジ取り付け位置で調整する必要がない。かつて所有していたグランドチェロキー(ゴルフ5よ

#1663 改めていいクルマだよなぁと感心しきりだった、フォルクスワーゲン・ゴルフ5。

イメージ
 突然ですが、ゴルフ5の話。フォルクスワーゲンのスタンダードモデルであるゴルフの5世代目モデルの話。日本では04年にデビューして、09年まで販売が続けられたモデルの話です。これ、実家の両親が乗っているクルマでして……、って、そう、老夫婦が赤い、外観から艶が失われたゴルフ5を乗っています。なぜ赤なのか、ゴルフだったのか……って、実は、今は嫁に出た妹が独身時代に購入したクルマでして、当時、輸入車を購入する女性が選ぶ代表格だった、赤、を選んだがゆえのことです。  そんな実家のゴルフ5ですが、登録から14年以上が経過しているものの、最近は、近所のスーパーへの買い物の足として、そして、大学病院までの行き来が活躍の場となっていまして、ゆえに、走行距離は6万kmにも満たず。なるほど、それは極上な個体ですな、と思われるかもしれませんが、あの頃の直噴エンジンの常、エンジン周辺がかなりくたびれてきているようで、アイドリング不安定からの走行中のエンジン停止といったトラブルが見られるように。まぁ、EGRバルブのクリーニングとプラグ交換やらで、復活はしましたが、少し負荷を掛けただけでノッキングが出ていますので、さてはて、どこまで延命できるのだろうかと、思ったりもしています。  さて、と、前置きが長くなりましたが、そんな実家のゴルフ5。諸事情から、自分のフィエスタと入れ替えて、八王子へと持ってきています。そもそも、ゴルフ5は、御存知のとおり、走りに関する部分にかなりコストをかけたモデルでして、リアサスはマルチリンクになるし、6速ATを組み合わせるし、さすがはベンチマークとされるだけあって、当時は、その先を往くポテンシャルに、恐れおののいたものです。で、久しぶりに乗った、実家のゴルフ5ですが……、これがですね、良かった。サスペンションのストローク感にですね、しなやかさと剛性感が同居していて、とにかくうっとり。14年以上経過した個体ですけど、うっとり。ロールもキレイに出てくるし、美しく収まる。リアのグリップがいいもんだから、コーナーではついついアクセルを開けていってしまう。それでいながら、乗り心地がいい。ゴルフ4のころのようなストローク感をとことん使ったゆったり感ではありませんが、的確な減衰がしっとりとした乗り心地を作り上げています。そう、昨今のモデルのような、ストローク量不足が、まだ見当た

#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

イメージ
 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1649 本当に最後らしいTheBeetle、最後に心に刻もうと試乗してきた、話。

イメージ
 最後だ最後だと言われ続けて、1年ぐらい? なかなか販売終了にならないフォルクスワーゲンのTheBeetleですが、本当に在庫限りの販売となったようで、これは乗っておかねばならないと、借り出しました。知り合いで、クーペ1台、カブリオレ1台を新車で購入して乗っていますが、そのふたりとも溺愛し、手放すつもりは毛頭ない様子。唯一無二たるのは、デザインだけではなく、実はその乗り味にもありますし、ビートルなりのリズムに自らのスタイルがリンクした時の気持ちよさったらありませんから、手放したくない気持ち、とってもよく分かります。  さて、このビートルに対しての自分の評価は、デビュー時から良好どころか、大好評でした。プラットフォームが古い分、味があるし、まぁ、当初は、クーペのリアシートの乗り心地に後少しを感じましたが、カブリオレのみだったリア4リンクサスをクーペにも採用してからは、大絶賛となりました。で、最終型。久しぶりに乗ったビートルは、予想以上に好印象でした。なにがって、これは過去にも絶賛しているポイントですがシャシーのしなやかさですな。路面を滑らかに美しくトレースしつつ、硬さを伝えてこない。シャシー剛性が不足しているわけではないけど、すこぶる高いとも感じない、バランスがあります。そのバランス、ボディに通じるところがあって、不足がない。もちろん、タイヤサイズも16インチだから……、と思ったら、広報車はデザインマイスターでしたから、17インチ。お? 以前は、16インチで感じられたようなゆったり感あふれる乗り味が、17インチにも表現されていました。そう、バランスと熟成の極みといった感がありました。実は、シャシーが速くなったなと感じていましたが、サイズが起因していたんですな。  1.2Lターボエンジンは相変わらずでアクセルの踏み方次第で、良くも悪くも評価されるユニットです。って、ターボラグに対する評価ですな。いちばんこのクルマらしさを愉しめる、ゆったり、まったりな走らせ方に対してはとっても見合っています、レスポンスもトルク感も。パンチはないけど、でも、速いですけどね。で、DSGは、発進時は、ターボユニットとの相性を極め切れておらず、だからといって、無理矢理にどうにかしようというスタンスもなく、つまりですね、できる限りクラッチを穏やかにつなぎ、できる限り、ドライバーに不快を感じ

#1610 期待大だったのに、うーむが残ってしまった、VWポロ。

イメージ
 期待大でした、フォルクスワーゲン・ポロ。ヨシダ大絶賛のMQBプラットフォーム採用モデルでありますし、そのプラットフォームとて出てくるモデルごとに熟成を感じさせてきましたから。しかしですね、と、結論を先に言ってしまいますと、期待していたレベルには到達していませんでした。ひとことでいうと重厚感が見当たらない。って、ま、それはポロゆえだろと言われてしまえば、それまでなのですが、タイヤの接地感ひとつとっても薄い。というか、路面をトレースしきれていないシーンがある。もっと端的に言ってしまえば、跳ねる。そう、フォルクスワーゲンらしくない。高速域になればしっとり感が出てくるかと思ったら、これが大きくは変わらない。まだこなれていないのかと思って走行距離を確認すると、広報車ゆえにすでに1万km。推測するに、シャシーとのバランスに根本があるような気がしますが、ひょっとするとタイヤの空気圧も影響していたのかもしれませんな。そう、ありがちな、高いほうの設定になっていた、と。まぁ、こういった場合、つまりベースポテンシャルはいいのに、何かしっくり来ない時ってのは、ハンドリング優先の設定ゆえに仕方ないやね、を言えるものなんですが、それも薄かった。なんだろうか、これ。1.0Lターボエンジンに対しては、低回転域でのターボラグが気になりましたが、まぁ、これに関してはこんなもんかなと思いつつも、昨今の欧州のBセグを眺めると、やはり気になるレベル。  気になるといえば、アイドリングストップからの復帰に即座に応対(!)できないため、予めの操作をドライバーに求めるところにも、うーむ、おや、を感じました。昨今のATやらCVTに慣れてしまった人は、クルマが前に出ないという間がある、と。それはクラッチを繋ぐ間ではあるのですが、慣れないとマイナスに感じてしまう。ですから、間をマイナスに感じずに発進するためには、信号が青に変わる前のペダル操作が必要になると。それは、急いでクラッチを繋いで唐突な挙動を出さない、ための措置であり、ま、MTであると考えると、納得できといった印象もありますが、なんかね、なんだかね、を感じます。  ちなみに今回は500km以上、高速からワインディング、そしてのんびりドライブまで、走ってきました。これだけ走ると、いつもだったら最後には感心を覚えるはずなんですが、うーむだけが、残りました。まぁ

#1586 今はまだ買いではないと感じた、VWアルテオンとジープコンパス。

イメージ
 輸入車試乗会、の続きです。どう触れようかと思って考えあぐねていたモデルがありましてね。ま、はっきり言いますと、バランスが整えられていないモデルであり、その理由は明快で、デビューしたばかりであることやら、日本仕様に仕立てるに当たっての云々にあります。今回テストドライブした中では2台、それを感じました。というわけで、まずは、VWのアルテオン。Dセグで4ドアクーペというスタイルが、ひとつの流行りとなった頃に登場したパサートCCの後継モデルですな。4ドアクーペは、スペシャルであるべきところ、パサートCCにおいては、実際にあれこれスペシャルに仕立てはいたけども、それが目に見えるカタチとして表現されておらず、で、商品としては失敗。で、その反省を踏まえて作り直しました感を全面に表現したのが、このアルテオンという流れになっています。ですから、好き嫌いはさておき、デザインや装備にそれが強く表れており、まぁ、商品性としては整えられた感がありました。ありましたし、現行型パサート好みですし、CCたるスタンスも好きですので、期待していました。期待していましたが、走行性能は期待とは大きくかけ離れていました。素性はいい、いいのに、組み合わせが……。試乗したモデルはR-Line 4MOTION Advanceで、245/35R20。シャシーのしなやかな動きの中に、違和感を覚える硬さが存在しており、それがですねコンフォートに仕立てた分、唐突感を強く意識させる。これ、アダプティブシャシーコントロールDCCを介しても、感じさせるもので、もはや、行き過ぎ感そのもの。コンフォートスポーティを語れるスペシャルであるはずのモデルなのに……。ま、日本仕様らしい仕立てなんでしょうけど、標準仕様として19インチタイヤを設定していますから……、とはいってもね、ほかのヨーロッパブランドがこのあたりもキレイに整えてきますから、もはや言い訳はできないと思います、はい。ただ、VWの熟成たる進化を期待していいと思います。いつものことですから。というわけで、今は買いではないと思います、はい。   さて、もう1台。ジープのコンパス。乗用車ベースのプラットフォームを利用したジープの後継で、ようやくFCAオリジナルとなったモデルですな。ま、そもそも、このプラットフォーム、チェロキーやレネゲードで採用されていたものですし、走りのクオリ

#1531 なんだかんだでやっぱり欲しい、ルノー・ルーテシア(フェイスリフト版)。

イメージ
 ドタバタが続いて、能登でのリセットもすっかり効果を失い、とっとと心も汚れてしまった、今日この頃。能登のまとめをと思いながら、なかなかできず。しかも本日は、昨日取材、今日締め切りというプレッシャーの掛かる仕事があったりして、なおさらに、心が晴れません。というわけで、まずはウォーミングアップとばかりに、ここを書いていますが。  ということで、題材は、ルノー・ルーテシア。今までにも記していますが、Bセグにおいて、所有したい欲がいちばん強いのが、このルーテシア。理由はあちこちに書きましたが、なんといってもデザインでしょうな。走行性能からするとプジョー208のほうがいいなと思うところも多く、また、デザインも悪くはないんですが……、って、そう欲しくてたまらないという勢いには届かない。あ、でも、MINI ONE MTのほうが、デミオのディーゼルMTもあったか……、いやいや、いずれもデザインにおいては、ルーテシアのデザインのような心を直撃するまでには至らない、敵いません。  というわけで、さりげなくフェイスリフトを行っていたルーテシアをちょちょいと1000kmオーバー走ってきました。精悍なフロントマスクに、あいかわらずのリアビュー、さらに大人の雰囲気を強めた新色の赤と、さらに打ちのめされました。いうまでもなく走りも相変わらず。実はその直前に試乗していたのがノートだったこともあって、印象がこんがらがっているとこもあったんですが、走りそのものは大幅にブラッシュアップさせたという印象は少なく。つまりですね、あいかわらずにターボの使い方は上手く、シャシーのスタビリティもハイレベル。って、あれです、装備だけゴージャス、でも、走りはスタンダードな、インテンスでの話。なんでしょうね、この2000回転をちょいと過ぎた辺りから天井に張り付くようなトルク感。2ペダルMTのおかげもありますが、トルクとはなんぞやをしっかりと分かっているチューニング。ただ、2ペダルMTとアイドリングストップの相性は、フォルクスワーゲンの初期モデルを思い起こさせるフィーリングで、タイミングを誤ると、傾斜のあるところでは下がるは、再始動にラグがあるは、で、ユニットの世代の古さが完全にウィークポイントとなっています。せっかく付いているのにオフにしたくなるとでも言いましょうか、そんな感じ。  って、マイナスに感じたのはそれ

#1503 ウィークポイントはあれど、ひたすらに天晴れな、VW・ティグアン。

イメージ
 続きますと書きつつ、すぐには続きませんでした。でも、続きとしては、新車インプレネタを。で、続いてはフォルクスワーゲンのティグアン。すでに #1495 にて記しましたが、ちょっと時間ができたのでテストドライブしてきました。グレードは変わらずにハイライン。タイヤは、今回はスタッドレスではなく、標準仕様でした。前回のテストドライブで感じたあれこれは、まさに直感といわんばかりでしたが、基本的に今回も変わりませんでした。やっぱりですね、ベンチマーク的存在に仕上がっているとつくづく感じますし、このことは、実は、とあるメーカーの開発の方も同じようなことをおっしゃっていました。はい。いや、価格あっての話。  で、今回、細かに観察したら、見えてきていなかったあれこれが見えてきました。まずは、ハンドリング。ハイライン標準となるタイヤサイズは235/55R18、そう、少々とはいえ、行き過ぎ感がありまして、それがハンドリングと見合っていないといいましょうか、ハンドリングにマイナスイメージを与えているような気がしました。先のスタッドレスタイヤ装着車の際には、ハンドリングに質感があると書きましたが、今回もたしかに質感はあると思いました。思いましたが、タイヤサイズ、って銘柄も含めてなんですが、グリップが強く出過ぎていて、ステアリングの操舵に曖昧さを感じてしまうところがある。特に初期の応答において、タイヤは向きを変えようとしているのに、操舵にテンポ遅れのようなラグを感じる、と、そんな感じ。これ、そもそものセッティングが悪いのではないと思います、タイヤサイズとのバランスがズレているにほかならない。というわけで、17インチを選ぶと、その印象は、バランスを感じ取れるかと推測されますが、ま、ボトムグレードゆえに、云々。  もうひとつ。DSGとアイドリングストップの相性の件。アイドリングストップからの復帰、たとえば、ブレーキペダルから緩やかに足を離しても再始動しないことがあり、また、クリープも行わないものですから、発進時に、急いでクラッチを繋ぐ、つまり、トンという振動、いやいや、挙動が表れる。あれ、こんなだっけかな、この個体ならではの挙動なのかなと観察はしましたが、どうやらそうでもない感じ。もう少し乗り込んでみないと、ちょっと分からないところですな、これは。というわけで、結論は後日に。  そのほか、

#1495 ベンチマーク的存在の新型ティグアン、商品性を強めたパサートR-Line。

イメージ
 さてと、輸入車試乗会の話題を一気に展開してきましょうか。この時期、毎年、我々向けに行われる輸入車試乗会ですが、今年のセレクトはなかなか秀逸だったと思います。まずは、2台のフォルクスワーゲンのモデルから。  昨今、国産車がずいぶんと良くなったなぁといいますか、欧州車レベルに近づいたなぁと感じることしばしばなんですが、なんですが、なんですが、なんですが……、気が付いたら、その欧州車はさらに先を走っていた、と感じることがしばしば。ま、メルセデス・ベンツのEクラスやBMWの5シリーズなんかが、それですが、決してアッパークラスだけではなく、Cセグあたりでもそれを感じることが多々、というか、Bセグでも、なんですけどね。  一昨年の東京モーターショーにて、フルモデルチェンジモデルが参考出展されていながら、なかなか日本上陸を果たせなかったティグアンですが、早いもので、MQB採用モデルとしては4台目になるのかな、その仕上がり、進化は、期待以上で、まさにぐうの音も出ないほどでした。よくよく観察してみるとボディの剛性が足りていないような印象も受けるんですが、なにがいいって、シャシーのきめ細やかな動き。しなやかさともいいましょうか、そのあたり。試乗した車両はスタッドレスタイヤをはいていたにも関わらず、なんだ、この接地感はといわんばかりの、接地性の豊かさ。ま、結局のところ、これだけ仕立てられるってことはそれに通じるボディの固め方もしっかりしているってことなんですが。ハンドリングには素直さと同時に美しさがあって、これもまたいい。ホイールベースがストレッチされた分、リアの居住性も大幅にアップさせており、まさに、やられた感に打ちのめされました。ま、詳細は、後日のロングインプレッションにて。  さて、もう一台のフォルクスワーゲンは、パサートR-Line。日本上陸当初のパワーユニットは1.4Lターボでしたが、この度、2.0Lターボへと格上げされて、そこそこに装備を整えて、再デビューといった感がありますが、やっぱりですね、スタイルだけではなくパワーユニットやシャシーまで手を入れてこその、ヒエラルキーだと思うんですね。というわけで、すでに購入された方には申し訳ないのですが、ようやくまとまったといいましょうか、意義が出たといいましょうか、そんな感じ。あ、乗り味は、とってもいい。40扁平19インチとい

#1489 正常進化を果たしていた、フェイスリフト版、The Beetle。

イメージ
 さてと、ビートルです。先代となるNewビートルにはあまり惹かれるものがなかったのですが、現行世代のTheビートルは、クルマとしての進化および、コンセプトをしっかりと具現化しているスタンスに、惹かれるものがあります。なんていうんでしょうかね、最新世代のプラットフォームを使わずとも、最新の技術を組み合わせることで、上手く熟成させている加減がとっても心地いいとでもいいましょうか、そんな感じ。ま、知り合いが2名、オーナーだってのもありますが。  さて、そんな現行型ですが、クーペ(と言っていいのかな)の1.2Lターボエンジン搭載モデルについては、当初、リアサスペンションにトーションビーム式を採用していたものの、早々に、さりげなくマルチリンクへと変更。だったら、最初から……、と思いつつも、大きくは価格をアップさせることなく、何事もなかったかのように換装してしまう、そのスタンスのほうに感心を覚えました。ここを振り返ってみますと、そんな現行世代については、やたら試乗していますし、やたらと書いています。  というわけで、昨年9月にフェイスリフトを受けたモデル(design)も、早々にインプレッションしなければと思いつつ、年明けになり、ようやく借り出しました。謳われた変更点はデザインと機能についてで、走りについては何も触れられておらず、おらず、おらず、おらずなんですが、謳われていないんですが、きっと変わっているだろうと思ったら、変わっていた。と思います、いや、比較対象がなかったもので。何に感心したって、DSGの仕立てではないでしょうか。戸惑いは消え、スムーズさに長け、あれ、トランスミッションはDSGだったよなと思ってしまったほど。それに伴って、エンジンフィールも滑らかかつ、えっと、トルクが張り付く感、つまり、ダイレクト感が増していまして、好印象。ちゃんと進化しているなぁと感心した次第。これ、個体差によるものなのか、とも思いましたが、たぶん、違うと思います。って、確信は持てませんが。  ただですね、ひとつ気になることがありました。それが乗り心地。というか、タイヤが起因した固さ。おや、タイヤの銘柄が変わったかなと確認してみれば、ブリヂストンのTURANZA ER300。あれ、コンチネンタルじゃなかったっけか? と、これも確信が持てず。ここで感じた固さとは、ER300のパフォーマ

#1458 内容を充実させたリーズナブル感をアピールした、パサートの商品改良。

イメージ
 守りに入っていちゃいかんとばかりに、インポーターが攻勢に出ていることが印象に残る、昨今。#1457で、プジョー・シトロエン・ジャポンのディーゼル戦略について触れましたが、今日は、VWからパサート商品強化の知らせが届きました。って、今年に入ってからのVWは、春先にゴルフやポロの価格を下げるというアプローチを行い、秋にはフェイスリフトしたビートルを導入するなど、そこには来年へと勢いをつけようとしている感が伺えます。で、パサート。現行型は、そのいい人そうには見えないようなテイストもあってか、目立つ、つまり、やたらと見かけるような気がします。そもそもパサートに対しては、内容の割に安いというリーズナブル感があるモデルであり、現行型については、 #1195 で褒め、 #1278 で褒め称え、 #1279 で低燃費もアドバンテージだと記しています。これからの熟成も期待されますし、ま、価格を含めたベンチマーク的なモデルである、つまりは、売れていいモデルだと捉えています。  さて、今回の日本仕様における変更ですが、これがですね、ま、日本向けらしい仕様と言いましょうか、そのラインナップに、今後のVWの戦略が見えたような気がします。この価格帯といいましょうか、Dセグのモデルは、見かけの安さよりも、装備を充実させたほうが売り上げに繋がるようで、メルセデスベンツにしても、BMWにしても、ここのところ、大幅に価格帯を上昇させています。ま、それでも、お客さんがついてくるんですね、あの価格帯は。いやはや、いやはや。ただ、あまりに急激なアップだったもんですから、さすがに置いていかれてしまうお客さんもいるようで、ちょっと待てよとばかりに、以前の価格帯で手に入るモデルを設定。そんな中にあって、パサートはリーズナブル感がさらに際立ってきたように捉えていました。  しかし、今回の改良で、ボトムに手を加えることなく、いわゆる売れ筋グレードの内容を充実させて、さらにその価格をアップさせるという手法に出てきました。具体的には、コンフォートラインをエレガントラインと名称変更して、ランプ系にLEDを採用して、アルカンターラ&レザーのコンビシートやらそのほかを標準装備して、20万円アップの379万9000円(セダン)にしたと。ま、内容を考えると割高感はないのかもしれませんが、ボトムのトレンドラインが329万円(セ

#1441 クロスしたポロなんだけど、ワインディングがとっても愉しいって、話。

イメージ
 ほほぅ、FFモデルで、クロスオーバー的なスタンスであっても、クロスカントリーランを楽しめるのか、ってことを、先日行われましたプジョー2008の試乗会で感じ、それならば……、ではなく、そもそもの昨今のクロスオーバーモデルって、どうだっけかなとばかりに、復習を兼ねて、比較を兼ねて、フォルクスワーゲンのクロスポロをテストドライブすることにしました。ちなみに、ポロが最新世代へとスイッチしてから、クロスポロのロングドライブはすでにしております。で、そこで感じたあれこれは #1079 に記していますが、読み返してみると、絶賛していますな。もちろん、今回のロングドライブで、あの時に感じたことと基本的に同じことを感じました。しかしですね、あれから、あのクルマが改良され、そのクルマがデビューしていますし、何よりも、Bセグってことで言いますとね、自分がユーザーになっていますから、その見方はかなり厳しいものになっていることも、テストドライブしながら、強く感じました。  まず、感じたのはベースとなったポロが大改良を受けているとはいえ、世代の古さのような、今どきの最新Bセグモデルに届いていないこと。いきなり厳しい意見ではありますが、これが、すべてのベースにあります。特に感じたのは、クロスポロに採用された215/40R17サイズのタイヤを抑えきれていないところ。とても細かいレベルの話ではありますが、大きな入力をシャシーでいなしきれていないところがあり、それがボディを振動させていましてね、ゴトゴト手前のコトコトではあるんですが、ストローク量が大きくは確保されていないこともあって(多分、レギュラーモデルと変わらないと推測)乗り心地にあと少しを感じてしまいました。このあたりのいなし方は、最新のBセグモデルは、うまくこなせるようになっていますし、何よりもロープロファイルタイヤでそれを実現していますから、比較してしまうと、惜しい。って、以前、書きましたが、GTIになれば話は別ではありますが。  ハンドリングも、SUVフィールではないキャラクターをもつタイヤと、ポロ由来、かつクロスオーバー専用となったシャシーとのバランスにあと少しを覚えました。シャシーにおいて緩さを消しきれていないところがあり、ステアリングを操舵した際のフィーリングに緩さがもたらす余計な動きがありましてね、日常域で強調されるかの

#1398 フィエスタを選んだ理由 その8(デミオ、CX-3にしなかったワケ)

イメージ
 さて、話を乗用車系に戻しましょう。ここまで語ってきてお気付きかと思いますが、ヨシダ好みのキーワードは、ディーゼル、MT、4WDの3つ。それがクロカンモデルかどうかは別にしてですね、好みは、その3つなんです。となるとですね、あるんですよ、それを満たしてくれるクルマが。しかも、現在、新車として販売されているモデルが。そう、マツダのデミオとCX-3。  いや、迷いましたよ、かなり、相当。でも、実のところ、早々に脱落していました。その理由は、デミオ15MBを知ってしまったからというもの。 #1046 、 #1056 にて書いた、デミオのディーゼルの絶賛ぶりを読み直してみると、なんで、デミオにしなかったかなぁと思ったりもしますし、なおさらに、選んだフォードフィエスタは先代デミオとベースを共用していますから、そう考えると、なんで最新型デミオにしなかったかなぁと思ったりもします、ほんとに。しかしですね、フィスタにはデミオにはないシャシーの素晴らしい仕立てがありましたから……云々。  その話はさておき、MTであること、ディーゼルであることは、自分にとってかなり惹かれる条件となっていました。では、15MBに試乗したら、なぜにそれが薄れてしまったのかってことなんですが、これはとても単純。装備類はシンプルでいいと思っている身としては、それに応えてくれている15MBの装備内容に惚れ込み→1.5Lエンジンのフィーリングにもうっとり→150万1200円という価格にしびれ→いつしかデミオを選ぶなら15MBだと思っていたと。そう、イチオシと書いた(→ ■ )、あの頃ですな。そうなんですね、デミオのディーゼル、いいんですが、15MBと比較したら、いつしか割高と捉えてしまっていた。  ところがですね、その15MBにもしなかった。ベースモデルたる素材として捉えてもとてもいいモデルだと感じましたし、吊るしで乗ってもいいと思ったんですが、やっぱりですね、専用スペックを与えて欲しかった。それは、シャシー。いや、高価なものでなくてもいいんです、もう少しバランスを整えただけのものでいい、つまり、エンジンフィールに見合った、サスペンションフィール。ただ、そんなことしたら、先の価格は実現できませんし、この15MBの企画自体が頓挫してしまう。それを承知の上で、言っていますが、ま、個人的にはそう感じてしまったので

#1363 3度目のドライブで気付いた、トヨタ・シエンタのあれこれ。

イメージ
 それは突然のことでした。この先の殺人的スケジュールを考えると、今日もひとりでのドライブ取材に出掛けなければならなくなり……、って、それが分かったのが前日。今回は、レンタカー関係の仕事だったので、レンタカーを用意して……、って、前日でも意外に抑えられるものなんですな。もちろん、取材ゆえに、車種を指定しての話。  というわけで、突然にひとりドライブに出掛けました。トヨタ・シエンタに乗って。って、なんか、多いんです、このシエンタでの取材。試乗会を抜いて、これで3回目か。様々な乗り方をしているので、毎回に発見があるんですが、あるんですが、あるんですが……、今回は、タイミングが悪かった。そうなんです、フォルクスワーゲンのトゥーランに乗った直後だったものですから、ついつい比較を……。  ですから、その印象は……、物足りなさを感じるところからスタートして、まぁ、逆にいえば、シエンタにおいて上手くまとめたところや、課題やらが見えました。まずは……、乗り味でしょうか。というか、具体的にダンパーのセッティング、か。このモデルはキャラクターがキャラクターですから、乗り心地を重要視したセッティングが施されていますが、いますが、路面からの大きな入力に対して、バウンド→リバウンドが1度で止まらない。高速走行時には、止まらない加減がちょいと気になります。かといって、シャシー剛性そのものはそれほど低くないので、その動きに違和感やら、曖昧さがあるわけでもなく……。ただ、動きを収めようとすると、硬さが出てくるでしょうから、ま、このあたりは、セッティングに納得するしかないかな、と。ま、逆にいえば、このレベルを自分が許せるか、許せないかで、評価が変わってくるポイントとも言えますな。  パワーユニットも、トゥーランとついつい比較してしまいましたが、やっぱりパワーに物足りなさを感じる。搭載ユニットは、ハイブリッドでしたが、多人数乗車や荷物を多く積載しているシーンでは、高速でのパンチにもう少しを望んでしまう。って、これもまた、そういうモデルはないし、コストやモーターへの負担を考えると、よくバランスさせているポイントですから、あえてウィークポイントとは言いたくない部分。そう、トゥーランが良く出来過ぎなのです。  ちなみに感心したのはシャシー。コーナリングでのロールフィール、姿勢を決めた際の構えなどは、な

#1361 走りからキャビンから燃費まで不足が見当たらない、VW・トゥーラン。

イメージ
 ようやくフルモデルチェンジしてもらえました……、といった感があるフォルクスワーゲンのトゥーラン。振り返ってみれば、初代はゴルフ5ベースで、ゴルフ5よりも先にデビューしていましたから……、もはや、2世代以上のステップアップを果たしての登場となりました。  MQBプラットフォームゆえに云々なんて話は、試乗会でのファーストインプレッションとして #1301 に書きましたが、その印象は変わることなく。って、今回は17インチタイヤをはいたハイラインですが、ケース剛性による乗り味の悪化もこれといって見当たらず……、まぁ、強いていうならば、入力に対して頑固さがあり、それがシャシーの緩さたる部分に見合っていないような……、感じがする、程度でしょうか。それにしても、このシャシー、とにかくしなやか。路面からの入力を彼方で確実に受け止めてボディへとダイレクトに伝えてこない。それなのに、シャシーたる剛性感はすこぶる高く、ボディ剛性もあいまって、4輪がまさに独立して動き回る。ま、先に書きました、ちょっとしたブレはあるものの、それとて、仕上がりがいいから気になってしまう部分、かと。  タイヤの転がり抵抗だけではなく、ドライブトレインそのものの抵抗が小さく、それとて、先のシャシーの細やかさ、滑らかさにリンクしていまして、エンジンの雑味も抑えられていて、なんていうんでしょうかね、そう、バランスがいい。サードシート付きモデルというパッケージを語る以前に、クルマとしての仕上がりがとてもいい。いやはや、いやはや。  ま、気になるといえば、アイドリングストップからの復帰でしょうか。その復帰レスポンスはすこぶる良くなっていますが、タイミングによってクラッチが繋がる際にちょっとしたショックがあります。まぁ、これも普段があまりにジェントルがゆえに、気になるところでしょうかね。  気が付けば、インパネも収納があちこちにあったりしますし、もはや、不足はここぞとばかりに解消されています。って、個人的には収納が少ないことをウィークポイントとは捉えていませんでしたが……。  そうそう、今回、200kmほど、取材で、つまりは、高速道路走行を含めて、八王子から身延まで走ってきましたが、その燃費は17.9km/L。ミニバンらしからぬ、一人乗車だったこともありますが、それにしても、想像以上の低燃費で驚きました。

#1358 DSGよりも愉しさは数段上だと感じた、VW・Polo GTIのMT。

イメージ
 すっかりMT贔屓になっていますから、こうなったらMTをテストドライブ……、というわけで、昨年VWポロのGTIに登場したMTモデルを再テストドライブしてきました。以前書きましたように……、って、どうやら書いていないようなのですが、DSGモデルに対して、このMTモデルはパワー&トルクアップを果たしていまして……、って、トルクにおいては7kg-m近く違いますから、まずパワーユニットとしての違いがあります。といっても、たんに高回転域に刺激を与えたというよりは、全域に渡ってトルクを増して、いわれてみればさら高回転まで使えるようになっているやね、といった感じ。そうなんですね、しれっと、別バージョンを作ってみました的な作り込み。  とにかく、トルクフルで、意図的にアクセルを踏み込もうものならば、レスポンスとトルクとで、待ってましたと言わんばかりの加速をしていきます。といってもですね、日常ではそのトルク感が扱いやすさを導き出していまして……、これが、いい。乗り味も、“Sport Select”シャシー付スポーツパフォーマンスキットのおかげで、ノーマルモードでの乗り心地がしっかりと確保されています。といっても、硬さはあるし、同乗者は失われたフラット感に戸惑いを覚えるレベル。でも、悪くはない。そう、良くはないけどね、って、そんな感じ。  ボディ剛性にBセグを感じつつも、まぁ、良く仕立てている感にあふれています。操舵を与えたところから、きっちりとヨーが立ち上がりロールへと滞りなく移行。大きな入力に対しては、もう少し支えて欲しいという想いもありますが、まぁ、Bセグで、しかも、先代からの基本キャリーオーバーですから、いいんじゃないでしょうかといった感じでした。  まぁ、それよりもなによりも、MTゆえの愉しさがありまして、先のトルクもあいまって、扱いやすいのなんのって、シフト操作そのものが愉しいのではなく、スピード、ブレーキ含めて、自在にコントロールできる愉しさを、さらに愉しめるといった感があります。そう、買うなら、絶対にMTですな。  というわけで、ますます、MTに惹かれていくのでした。

#1347 正常に進化し、熟成を重ねていた、フォルクスワーゲン・up!。

イメージ
 フォルクスワーゲンのup!の話を、ここにupしたつもりでしましたが、upできていませんでした。というわけで、VWのup!話を再び。どういう下りで書いたんだか忘れてしまいましたが、……、えっと、 #1258 にてCross up!が好印象だったという話をしましたが、その印象はレギュラーモデルのup!でも変わりませんでした。  もちろん、あれこれ細かいことはありますが、先にも書いたしなやかさあふれるシャシーは、ストロークを許すセッティングですが、それゆえに味がある。トレース性とグリップ感は実にレベルが高くてですね、コーナーではストロークを許しながらも、路面を捉えて離そうとしない。そう、ストロークさせようとも、バウンド、リバウンドにリズムがあるとでもいいましょうかね、ちゃんとキャラクターを与えているといった感じ。ま、それってもは、ユルユルとも言えるのですが、そのユルユル加減の中に、しっかりとリズムがあってですね、そこに対話性があります。つまり、ユルユル気分のままに対話できるとでもいいましょうか、そんな対話性。  ちなみにこの直前、ゴルフGTIに乗っていましたから、乗り換えた時、第一印象悪いだろうなぁと思っていたのですが、乗ってみたら、そんなことなく。むしろ、先の対話性に、ちょっと安心を覚えたというか、気を張らなくていいと感じましてね。まぁ、スポーツカーテイストはそろそろいいかな、と思ったりもしましたが……。  というわけで、up!の進化というか、熟成たるや、なかなか興味不快ものがありまして、目が放せない、そんな存在となっています。と思っていたら、そうですか、ジュネーブショーで、マイナーチェンジ版が発表されていましたか。とんでもない進化を果たしているんでしょうね。  そうそう、このup! ですね、やっぱり、MTで乗ってみたいなと思いました、今回。

#1342  しっかりとGTIしているのに、乗りやすさがある、ゴルフGTI(MT)。

イメージ
 MT続きということで、続いてはゴルフGTIのMT。ゴルフ6になってからは、DSGのみとなり、MTモデルの日本販売は久しぶりのこと。ゴルフ5でDSGとMTの両モデルを比較した際、シフトフィール(スピード)という面だけをピックアップするとDSGでも十分と感じたことを覚えていますが、今回、ゴルフ7GTIにてMTをテストしたら……、これが良かった。最近、何度も同じことを言っていますが、MTモデルの愉しさってのは、シフトとクラッチペダルの操作だけにあらず、速度やら減速やらを自在にコントロールできるところにあると思っています。それはスポーティなパフォーマンスを謳うGTIであっても、日常域において変わりなく……、というよりも、むしろ日常域での扱いやすさがありましてね、これ、絶対にMTのほうがいい、と感じました。  クラッチミートは、極低回転においてトルクがしっかりと出ていることもあり、また、マネージメントもプラスして、戸惑いがありません。つまり、扱いやすい、というよりも、乗りやすいといったほうが表現的に伝わりやすいかな、と。乗り味については、アダプティブシャシーコントロール“DCC”装着車だったこともあって18インチタイヤ(DCCには標準)を採用しながらですね、乗り心地が良かった。もちろん、サスストローク量は抑えられているのでシーンによっては底付き感がありますし、40扁平タイヤなりの剛性感によって、大きな衝撃に対してはやはり硬さを感じさせますよ、させますけどね、衝撃を確実にいなしてくれるセッティングと、不快感を覚えさせないという絶妙なリバウンドフィールが相まって、想像以上の快適性がありましてね、驚きました。ま、同乗者がいたりすると、申し訳ないなぁと思うかもしれませんが、ま、許してもらえるレベルといった感じでしょうかね。  もちろん、スポーティな走りへのリクエストは、DCCにてスポーツを選択すれば応えてくれますから、これもまた不足なし。そして、感激したのは、やはりハンドリングでしょうな。ステアリングを切りはじめたところから操舵感があり、グリップ感が伝わってくる。そのまま、操舵していけば、その感覚は舵角に応じて強まっていく。つまり、対話性を語れるステアリングフィールがある。そして、そこには無理矢理なクイック感ではなく、シャシーセッティングに見合ったステアリングフィールがあり、コ

#1301 ミニバンたる価値より、その基本性能に打ちのめされた、VW・トゥーラン。

イメージ
 VWのトゥーランです。10年以上とロングライフだった先代ですが、ようやく2世代目へとスイッチしました。で、今回のトピックは、MQBプラットフォームを採用していること。つまり、ゴルフ、パサートと好印象でしたから……、そうなんですね、悪いわけがない。ただ、期待が大きかった分、心配はありましたが……、良かった。とても、いい仕上がり方をしていました。走り出してすぐに分かる全てのバランスの良さ。タイヤの接地感から、ドライブトレインの滑らかさ、エンジンのトルク感と扱いやすさと、シートのサポート性と……。で、駐車場から道路へと出る段差をトンと降りたら、シャシーのしなやかさとタイヤのいなしとに、感激。ま、そんな感じでした。  試乗したのは、コンフォートライン。16インチタイヤを採用した売れ筋と予測されるモデルですが、これがフラット感がとても高くて、直進性が高くて、もううっとり。タイヤのケース剛性が高め、かつストローク量少なめというセッティングによって、路面変化が大きなところではトン、タンが出てきますが、まぁ、それとてしっかりいなしている感がありますから、気にならず。それよりも、ステアリングのオンセンター部の適度な曖昧さの中にある正確さと、それに見合った操舵感が上手くバランスされており、ステアリングを切り足したところから顔を出すタイヤのグリップ感もありますし、そこでの操舵感も適切だし、何より、ロールフィールがきれい。いや、きれいを超えた、美しいって表現のほうが的確、かも。さらに何がいいって、ロールからの戻りのフィーリングが、これまた美しい。  つまりですね、結果としてスポーティ。演出しないのに。基本性能が高いからスポーティ。つまり、ドライビングに愉しさがあふれています。聞けば、すでにMQBプラットフォームも改良版へと移行しているそうで、個人的には、このハイバランスぶりからゴルフ7以上を感じてしまったほど。基本性能の話です、もちろん。と、ベタ褒めですが、あれこれ考えると、やっぱり、最初に書いたトン、タンといった動きが、気になる。と言ってもですね、VWの初期モデルですから、2、3年もすれば改良されていることでしょう。だから、いいんです、それは。  今回は、ボトムグレードにトレンドラインを用意していますが、残念なことに受注生産。これを、284.7万円からという見せかけプライスと捉

#1299 熟れ切った感にあふれていた、最終型VW・ティグアン。

イメージ
 テストドライブしていないと思ったのですが、念のためと、ここをチェックしてみたら、 #1111 に記されていました、試乗記が。というわけで、VWのティグアンの最終モデルと思われる、2.0Lターボ+4WDモデル。正しくは、ライストゥン フォーモーションというそうで……、って、あれ、いつしか、ライ"ン"ストンと発していました、恥ずかしいですな。  というわけで、その過去のアーティクルを読み返してみたら、いまさらに書き足すこともないんですが、って、そのままの印象でした。走り出した直後に感じるシャシーの剛性感とそのセッティングがもたらすしなやかさに打ちのめされ、普段はその片鱗を見せつけず、いざアクセルを踏み込むとパワフルさを感じさせる2.0Lターボやら、まさに新型デビューを間近に控えた、最終モデルなりの熟成にあふれていました。過去にも書きましたが、このティグアンというモデルについてはデビュー当初から注目しており、コト(改良やら)あるごとにテストドライブしてきました。そして、その進化に、やっぱりな、そうだよな、いいよなぁを感じつつも、価格上昇、駆動方式を含めてのグレード変更やら、そのブレ加減にちょっとしたドキドキを覚えつつ、眺めていました。ですから、この最終型に乗って感じたのは、なんていうんでしょうかね、卒業式に同席した親のような気分とでもいいましょうか、良くやったな、頑張ったな、と言ってあげたくなる、そんなあれこれでした。  ただ、VWの最新モデルと比較すると、ハードウェアの古さを感じさせます。パワーステアリングのフィールはまさにそれですし、デビュー当初は高速域での直進性に長けていると感じていましたが、今、乗ってみると、シーンによっては物足りなさがあるのも、また事実。燃費においては、アイドリングストップや気筒休止やら以前に、そもそも、このユニットの低燃費たる優先順位の低さに、時代を感じさせます。そうなんですね、イマドキの燃費は期待できない。事実、日常を走っていたら、燃費を2桁に持ち込むのがなかなか難しい。いつもの八王子〜品川な下道ルートでは9.6km/Lでしたが、瞬間燃費を眺めていると、まぁ、発進時だけではなくパーシャル時も伸びていませんから、仕方ない。それに加えて、アイドリングストップシステムがありませんから、なおさらのことなんですけども。