#1299 熟れ切った感にあふれていた、最終型VW・ティグアン。

 テストドライブしていないと思ったのですが、念のためと、ここをチェックしてみたら、#1111に記されていました、試乗記が。というわけで、VWのティグアンの最終モデルと思われる、2.0Lターボ+4WDモデル。正しくは、ライストゥン フォーモーションというそうで……、って、あれ、いつしか、ライ"ン"ストンと発していました、恥ずかしいですな。
 というわけで、その過去のアーティクルを読み返してみたら、いまさらに書き足すこともないんですが、って、そのままの印象でした。走り出した直後に感じるシャシーの剛性感とそのセッティングがもたらすしなやかさに打ちのめされ、普段はその片鱗を見せつけず、いざアクセルを踏み込むとパワフルさを感じさせる2.0Lターボやら、まさに新型デビューを間近に控えた、最終モデルなりの熟成にあふれていました。過去にも書きましたが、このティグアンというモデルについてはデビュー当初から注目しており、コト(改良やら)あるごとにテストドライブしてきました。そして、その進化に、やっぱりな、そうだよな、いいよなぁを感じつつも、価格上昇、駆動方式を含めてのグレード変更やら、そのブレ加減にちょっとしたドキドキを覚えつつ、眺めていました。ですから、この最終型に乗って感じたのは、なんていうんでしょうかね、卒業式に同席した親のような気分とでもいいましょうか、良くやったな、頑張ったな、と言ってあげたくなる、そんなあれこれでした。
 ただ、VWの最新モデルと比較すると、ハードウェアの古さを感じさせます。パワーステアリングのフィールはまさにそれですし、デビュー当初は高速域での直進性に長けていると感じていましたが、今、乗ってみると、シーンによっては物足りなさがあるのも、また事実。燃費においては、アイドリングストップや気筒休止やら以前に、そもそも、このユニットの低燃費たる優先順位の低さに、時代を感じさせます。そうなんですね、イマドキの燃費は期待できない。事実、日常を走っていたら、燃費を2桁に持ち込むのがなかなか難しい。いつもの八王子〜品川な下道ルートでは9.6km/Lでしたが、瞬間燃費を眺めていると、まぁ、発進時だけではなくパーシャル時も伸びていませんから、仕方ない。それに加えて、アイドリングストップシステムがありませんから、なおさらのことなんですけども。
 ま、それはさておいといて、実は、やっぱり仕立てが上手いなぁと改めて感じたのは、アクセルペダルの踏み込み量に対してのパワーの出し方。緩やかな踏み込みではパワーを立ち上げず、少し踏み足すとパワーを引き出してくる、という仕立て。これが絶妙というか、素晴らしい。もちろん、オルガンタイプのペダルの剛性感も相まって、世代の古さとは関連のない、作り込みの妙を感じました。いやー、これこそ、天晴れ。もちろん、2.0Lゆえの排気量分のゆとりがあっての仕立てということは分かっていますが、それにしてもね。いうまでもなく、緩やかなアクセルワークであっても中回転域でのトルクは豊か。個人的には、伸び感よりも、こっちのほうが好みであります。扱いやすさがありながらも、パワー感も感じさせるという、結果としてスポーティさがある。ま、好みの問題ですかね。
 あれ、長くなってきた。というわけで、最終型ティグアン、とってもいいです。でも、新型はMQBプラットフォームとなりますから、とんでもなくいいと思われます。なので、最終型が買いとは言いづらいのもまた事実なんですけども……。

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