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#1618 スポーツ・アクティブ・クーペ(SAC)を体現していた、BMW・X4。

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 さて、X4。そう、BMWのX4。今年の9月に2世代目へとスイッチした、X4。クーペというスタイルにまだ違和感を覚えてしまう、そんなSUVですな。そもそもクーペというスタイルを採用したのは、エレガントとかスポーティといった特別感を与えたかったからなんでしょうけども、そもそもSUVそのものが特別なクルマであったはず。そう考えると、もはやSUVから特別感は薄くなり、そのSUVをベースにしてこうした異端を狙うことすら必要になってきたんだな、なんてことも感じます。感じますけどね、まだ、見慣れないんですけどね。いずれにしても、このX4、ま、同じくBMWのX6も含めてですが、スポーティなイメージをあまりにもダイレクトに表現しすぎている気がします。もちろん、それが狙いなんですが、ちょっとずるいといいますか、上手いなと思うのは、そこそこのボディサイズをもってすれば、何かを少々スポイルするようなルーフラインを採用したとしても、結果として大きな犠牲になってはいなかったりするものです。ということで、そのあたりを上手く活用しつつ、2世代目のX4は、思う存分といわんばかりに進化しておりました。まぁ、見た目どおり、コンセプトどおり、  さて、広報試乗会で用意されたのはX4 M40i(のみ)。おっと、いきなりかいとは思いましたが、下手にスポーツサスペンションではないままに大径タイヤを組み合わせたモデルよりも、こうして整えられたモデルのほうがいいことは分かっていますし、X4 M40iのみだったことから、BMW(ジャパン)側にかなりの自信の表れだろうと、乗り込んでみれば、これが良かった。とにかくですね、ハンドリングがいい。シャープというよりも正確さにあふれていまして、扱いやすさがある上に、意のままのコントロールができるといったところが、いい。いうまでもなく回頭性もすこぶるハイレベルで、これだけのボディでここまでインを付きますか? といった具合にグイグイとインへと入っていく。それは公道レベルではアンダーステアを出すことできませんといったレベル。  それでいながら、乗り心地が悪くない。そう、フロント245/40R21、リアが275/35R21というサイズゆえに、良くはありません。ありませんけど、これがですね、悪くない。もちろん、タイヤサイズが起因したコトコト感はありますが、ドタバタしないし、コトコト

#1608 クルマの仕立てはとてもいい、でもさ……、な、BMW・X2。

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 ここからはしばし新車の話が続きます。まずはBMW・X2の話。あれです、1シリーズをベースにして、クーペ的なフォルムを与えつつ、スペシャル感を出した、あのモデルの話。広告展開にしても、タレントの起用にしても、BMWらしくない感がありまして、個人的には不可解なところが多くありますが、まぁ、クルマの存在を知ってもらうことが肝心ですから、こういう展開も致し方ないと感じつつ、そこに世代差を強く覚えたりもしました。  実際、クルマとしては、それほどまでにスペシャルではなく、また、日本での広告展開も、実のところ日本オリジナルがとても多く、それゆえに違和感を強くあったようです。ま、こうして、自分も過去の者になっていくんだな、なんてことを感じましたが。さて、クルマの話。まぁ、X1があっての、このX2ですから、仕立て方はやはり特別。試乗したグレードが、M Sport Xだったこともありますが、まぁ、勢いといいましょうか、尖った感といいましょうか、がありまして、商品特徴がとても分かりやすくありました。もちろん、走りもいい。クイック感手前のステアリングフィールは、SUVというよりもセダン、ハッチバック的であり、いわゆる緩さが存在しません。しませんが、ロールフィールに破綻が見られず、重心高を感じさせないこともあって、まさにスポーティさを極めたSUVといった感じ。なんていうんでしょうかね、シャシーの仕立てによってスポーティさを手に入れたのではなく、そもそもスポーティといった感じ。といいつつ、Mスポーツなんですけどね。あ、Xが付くのか。  ただ、個人的には、いうほどにエクストリームか? とか、日本独自のUnfollowというキャッチに大げさを感じ、極端な表現をすれば、そこにやりすぎを感じます。たしかに、BMWの中では尖った感がいちばん強いのかもしれません。しれませんが、日本でいうほどの表現までには届いていない気がして、そこにギャップを感じる、と。クルマはすごくいいんですよ、いいです。ま、Mスポーツですから乗り心地に硬さはあるんですけどね。  ちなみに、このX2、広告効果からこれまでBMWのディーラーへ足を運ばなかった人たちが多く来店しているとか。ただ、そもそもデリバリーも遅れていること、また、意外に安くはないこともあって、ショールームにあるX1ならすぐに手に入るし、安いしということで、X

#1598 BMW X3 M Sport、コンフォート部分はちょっと煮詰め不足。

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 早いものでBMWのX3も、もう3世代目になるそうで。ふり返ってみますと、初代の購入をちょっと考えていたこともありました。ありましたが、スタックランドファームを走れないモデルを購入したところで、なんの意味があるのだろうか、と、冷静になって、止めた経緯があります。ま、予算はさておき、考えただけですが。まぁ、あの頃、つまり、2000年当初って、この手のSUVは500万円を切った価格からスタートしていることにキーがありました。このX3にしても、フォルクスワーゲンのトゥアレグにしても。そこには、グランドチェロキーのV8な上級グレードが500万円と少しだったことから、そういった展開になっていたんですが、こうしてふり返ってみると、当時はグランドチェロキーがいかにベンチマークなっていたかが、価格帯の面からも分かりますし、何よりもジープにリーズナブル感があったかが、あらためて分かります。   で、新型X3の話。ボディサイズは全幅を大きく変えぬままに、どんどんとストレッチ。その全長はようやく4720mmとなり、リアシートにおける居住性、ま、特に足下スペースに満足を与えることができました。個人的には、今後、昨今の流行りであるC/Dセグ3列シートモデルを、このX3ベースで作るのか、に、注目していますが、まぁ、サードシート付きモデルはX5に任せておいて、X3はこのままにしておいて欲しいとは思いますけれども……。  さて、今回、テストドライブに借り出したX3は、プレス試乗会で用意されたxDrive20d M Sportでした。簡単にいえば、ディーゼルエンジンを搭載した、スポーツモデルですな。で、このモデル、すでに発表されているように、ヨコハマのADVAN SportV105(245/50R19)を装着し、BMWとしてヨコハマを初採用したことも、トピックとなっています。ということで、タイヤに関するところから話をしますとですね、試乗会では非常に印象が良かった。転がり出しから質感がありまして、接地感が豊かであって、締め上げられながらもしなやかに動くサスペンションとの相性に、ほほぅ、ヨコハマやるじゃん、と、感心しました。もちろん、ハイスピード域におけるグリップ力もハイレベルで不足なし、それどころか、それこそMスポーツらしい走りをアシストしており、ほかのMスポーツモデルとターゲットした性能という面

#1586 今はまだ買いではないと感じた、VWアルテオンとジープコンパス。

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 輸入車試乗会、の続きです。どう触れようかと思って考えあぐねていたモデルがありましてね。ま、はっきり言いますと、バランスが整えられていないモデルであり、その理由は明快で、デビューしたばかりであることやら、日本仕様に仕立てるに当たっての云々にあります。今回テストドライブした中では2台、それを感じました。というわけで、まずは、VWのアルテオン。Dセグで4ドアクーペというスタイルが、ひとつの流行りとなった頃に登場したパサートCCの後継モデルですな。4ドアクーペは、スペシャルであるべきところ、パサートCCにおいては、実際にあれこれスペシャルに仕立てはいたけども、それが目に見えるカタチとして表現されておらず、で、商品としては失敗。で、その反省を踏まえて作り直しました感を全面に表現したのが、このアルテオンという流れになっています。ですから、好き嫌いはさておき、デザインや装備にそれが強く表れており、まぁ、商品性としては整えられた感がありました。ありましたし、現行型パサート好みですし、CCたるスタンスも好きですので、期待していました。期待していましたが、走行性能は期待とは大きくかけ離れていました。素性はいい、いいのに、組み合わせが……。試乗したモデルはR-Line 4MOTION Advanceで、245/35R20。シャシーのしなやかな動きの中に、違和感を覚える硬さが存在しており、それがですねコンフォートに仕立てた分、唐突感を強く意識させる。これ、アダプティブシャシーコントロールDCCを介しても、感じさせるもので、もはや、行き過ぎ感そのもの。コンフォートスポーティを語れるスペシャルであるはずのモデルなのに……。ま、日本仕様らしい仕立てなんでしょうけど、標準仕様として19インチタイヤを設定していますから……、とはいってもね、ほかのヨーロッパブランドがこのあたりもキレイに整えてきますから、もはや言い訳はできないと思います、はい。ただ、VWの熟成たる進化を期待していいと思います。いつものことですから。というわけで、今は買いではないと思います、はい。   さて、もう1台。ジープのコンパス。乗用車ベースのプラットフォームを利用したジープの後継で、ようやくFCAオリジナルとなったモデルですな。ま、そもそも、このプラットフォーム、チェロキーやレネゲードで採用されていたものですし、走りのクオリ

#1564 今年もいつしか過ぎ去っていった、2018年次RJCカー オブ ザ イヤー。

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 早いもので、って、口癖のようになっている気がしてきましたが、ほんと、早いもので、今年のRJCカー オブ ザ イヤー選考の季節がやってきました。ってか、過ぎ去ったんですけどね。結果は以下のとおり。   2018年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ スイフト   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート ボルボ V90/V90クロスカントリー   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   ホンダ 新型N-BOXの軽量化技術   RJCパーソン オブ ザ イヤー     光岡 進 氏(株式会社光岡自動車取締役会長)   RJC特別賞             名車のレストアサービス(マツダ、ボルボ)  となりました。まぁ、例年言っていますが、視点を変えると、評価もがらりと変わる、つまり採点も変わるもので、甲乙つけがたく。そして、これもいつもと同じく、最初から決めずに、試乗後の直感に従い、どう採点したかを覚えていなかったりします。ただ、個人的にはトヨタ・カムリに対して、日本向けかどうかはさておき、仕上がりに良さを感じていましたので高評価でしたし、シトロエンC3に対しては、クルマの良さはもちろん、楽しさ、おもしろさといった面でも評価していました。ま、いずれも最高点にしたかどうかはさておき、得点と自分の評価に違いを感じたこともまた事実。  さて、COTYはどのクルマ、技術を選出するのでしょうか。こちらに左右されることはないとは思いますが、個人的にはいつものことながら、興味津々です。いや、RJC会員としてではなく、ひとりのクルマファンとしてね。

#1543 直6ディーゼルがあってもいいんじゃないかと感じた、BMW5シリーズ(ツーリング)。

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 新車試乗会が続いております。まずは、BMWから。5シリーズにツーリングが加わり、そのほか昨今の改良モデルをまとめてのプレス試乗会がありました。5シリーズツーリングに乗ることはもちろんですが、マイナーチェンジした4シリーズがどうやら良くなっているとか。ほほぅ、と、まずは4シリーズから乗ったら、これが良かった。440iカブリオレでしたから、良くて当たり前といった感がありますが、これが良かった。4と5におけるクラス感、プラットフォームの違いが、曖昧になりつつあると表現しますと大げさですが、これまでの3と5の確実な差を明確に感じとることが難しい。いや、難しくはないんですが、表現としてはそんな雰囲気があります。  まぁ、カブリオレだったこともありますが、下半身における剛性感がしっかりと作り込まれており、シャシーがアタフタしない。言い換えますと、ステアリングフィールの曖昧さやらまで上手く消し去られながら、乗り心地をしっかりと確保。ストローク量が多く確保されているとは感じないのですが、なんでしょかね、しなやかに動き、バンプストッパーで確実に止めに入るといった仕立てとでもいいましょうか。つまり、快適、そして、スポーティ。今回からなのか、今のところなのかはわかりませんが、4シリーズカブリオレ、440iのみだそうで、その価格は929万円から……、……、……。誰が買うのだろうかとは思いますが、この手のモデルを新車で購入できる方は、価格はあまり関係ないと思われますので、云々。   で、その後5シリーズツーリングに乗ったのですが、これが、先の440iカブリオレの印象があまりにも強かったこともあって、シャシーの躾けに半端感といいましょうか、曖昧さ、緩さを感じてしまいました。ただですね、試乗したのは直4ディーゼルエンジン搭載モデルの523dでしたが、悪くはないんですけど、もっとアッパークラスを感じさせるユニットを組み合わせたほうが、5シリーズの価値がより分かりやすくなるのではないか、とも感じた次第。そう、6気筒ディーゼルですな。価格はどこまで上がるのやらわかりませんが、ありではないか、と思うのですが。   今回は、MINIクロスオーバーのプラグインハイブリッドモデルである、クーパーS Eにも乗ることができました。ま、MINIクロスオーバーについては散々に褒めちぎっていますが、そこにモータ

#1524 予想以上にいい仕上がりだった、新型MINIクロスオーバー。

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 MINIクロスオーバーのプレス向け試乗会がありました、本日。ベースとなったClubmanがあれだけの仕上がりを見せていましたから、まぁ、悪いわけはないですわな……、と、意気込んで出掛けてみれば、打ちのめされて帰ってくることになりました。  あのですね、このモデルですね、SUVスタイル(BMWが言うところのSAV)に設えたこと、以前に、クルマとしての進化、熟成を大きく果たして。ボディの剛性感からシャシーの剛性感、そしてトルクを生かした走りがベースにあって、その上にSUVテイストがあるとでも言いましょうか、そんな感じであって、クルマとしての仕上がりが実にいい。快適性をしっかりと設えてあるという点からしても、クーパーSDを堂々と選べる。いわゆるMINI的なヤンチャっぷりは影を潜め、スタビリティ重視といった印象が強くあり……、なんていうんですかね、後部座席に人を乗せて、皆で楽しみながらのドライブをしたくなる、と、そんな感じにあふれていました。  で、何に感心したって……、まぁ、全て。で、で、特に感心したのはハンドリング。FFなのにハンドリング。コーナーではクイックを感じさせることなく、素直に曲がるといった印象をドライバーに伝え、粘りに長けているとでも言いたくなるシャシーが、路面を捉えて離さない。そう、離そうとしない。ロールを許しますが、スピードと剛性とハイバランス。ストロークにもこまやかな質感がありまして、って、ストレスなく動きながら、徹底的に手懐けられているといったフィーリング。もう、うっとり。ちなみに試乗したクーパーSDは、225/50R18サイズのタイヤを採用していたのですが、バネ下がドタバタ動く印象は見られず、ゴトンという固さをキャビンに伝えてこなかった。たとえ固さらしきを伝えてきても、ストローク1往復でいなし、ボディを僅かに震わせて、すぐに収束させる。ちなみにタイヤの銘柄はピレリーのPZERO。最近、書きましたやね、同銘柄のタイヤゆえに固いとか。あれ、タイヤだけではありませんな。それを調えるシャシーさえあれば、なんら問題なく、タイヤだけのせいにするのは早急だったことまで実感しました。エンジンフィールも400Nmというトルクも叩きつけるのではなく、フラットに仕立てて、どこからでも意のままの加速を可能にしています。トルク好きにはまさにうっとりといったフィーリ

#1490 語りきれぬアッパークラス感を得ていた、BMW5シリーズ。

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 さてと、BMW5シリーズから行きましょうか、ね。7シリーズのフルモデルチェンジに続いてですから、ま、そのイメージ(ステップアップ)はこの5シリーズにも引き継がれていることは容易に想像されましたが、ま、まさに、そのとおりでした。といいましょうかね、ここまで来ると、もはや、5も7もサイズ違いだけといった感がありまして、この先、アッパークラスモデルの差別化はし辛くなっていく、つまり、その詰まり具合はますます強くなっていくんだろうな、なんてことを感じました。  それは、まずはとばかりに、デザインや素材から伝わってくるもの。室内に座ってみれば、その設えに、まさに、この先、どうやって差別していくんだろうといわんばかりの雰囲気に仕上がっていまして、エンジンが4気筒であること以外、つまり、発進時に感じられる音、振動以外は、もはや不足がないという、そんな仕上がりを見せていました。ウィークポイント的なことを、強いてピックアップするならば、フル液晶表示となったメーター類に関して、指針の動きに遅れを感じ、印刷物レベルにまで引き上げなければならない解像度が不足していることで、強い違和感を覚えます。それにしても、なぜなのでしょうかね、アナログでデザイン(この場合は目に見えるという意味)あるべきものを、デジタルで置き換えようとする、この流れって。スゴイだろ、革新だぞ、といわんばかりで、実が伴っていない。って、別に、これはBMWだけではないんですが。  と、ま、そんなところぐらいでしょうかね。乗り味はいうまでもなく、非Mスポーツだったこともあって、コンフォートベース。とはいっても、そこにシャシー剛性たる質感と、素直を極めたハンドリングを組み合わせており、なんともかんともなハイレベルな仕立てになっていました。もちろん、こじるようなステアリング操作に対してはリアはテンポ遅れを見せますが、それもそのはず、といいますか、そういう仕立てですから、当たり前のこと。そんな意図的な操作をすることなく、普通にステアリング操作を行うと、このフロントとリアのタイミングといい、タイヤからシャシーからフィードバックされてくるフィーリングといい、もはや、うっとり。  さらに、ステレオカメラ採用によって、性能と機能とを大きく引き上げた、先進安全技術系も、しらっと7シリーズのそれを超えていたりして、圧巻。ACCにおいては

#1468 やっぱり、トルクだと思うんです、クルマって、という話(BMW・M140i)。

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 BMW試乗記、続いてはM140iです。あれです、1シリーズに6気筒3.0Lターボエンジンを載せて、M風味を仕立てたモデル。ディーゼルエンジンでも必ず言いますけどね、やっぱりね、エンジンはトルクなんです。だからといってレスポンスが犠牲になるのもなんですが、まずはトルクです。というわけで、このM140iに搭載されている直6ターボは最大トルク500Nmを1520回転〜4500回転まで発生させ続けるという、聞いただけでうっとりしてしまうスペックを誇っています。しかしですね、それがですね、暴力的ではない。日常域は意外にもジェントルなフィーリングでして、まったくもって、いやになっちゃう。あ、ダメというのではなく、仕立て方が上手いなぁとひたすらに感心してしまうという意味合いで。  さらにですね、乗り心地がしっかりと確保してあって、とても好印象。タイヤサイズはフロントが225/40R18、リアが245/35R18としていますが、これがですね、タイヤの扁平率を言い訳にしない乗り心地を確保してありまして、ひたすらにため息。具体的にいいますと、ストローク量はありませんし、ストローク感を意識させるようなフィーリングにもありませんが、その中で、実に美しく動き回るといった感がありまして、突き上げ感を出しません。それでいながら、ハンドリングにおいてはコーナーでロールを感じさせる、つまり荷重移動を感じさせるという、何ともかんともな仕立てになっており、絶品。  ま、その価格590万円。そもそも1シリーズは310万円から始まることを考えると、その価格差は280万円にもなりますが、M140iの仕立てはチューニング費(差額)以上を感じさせます。つまり、お買い得かと。ただですね、その少し先にM2クーペが768万円で見えていますから、それを考えると、なかなか選び辛い。ほら、フルチューチューンなコンプリートモデルがあと170万円とちょっと支払うと手に入るわけですから。といいつつ、それって、クルマ1台が購入できる価格ではありますけどね。

#1467 比較しなければ、不足は全くない、BMW1シリーズ・ディーゼル。

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 ディーゼルエンジン搭載モデルを矢継ぎ早といわんばかりに増やしているBMWですが、いつしか、X1にまでディーゼルエンジンが追加になっていました。というわけで、ロングドライブに出掛けたわけですが、まぁ、悪いわけはなかった。なかったけど、予想とちょっと違ったところもあったという、そんな発見がありました。  ディーゼルエンジンについては言うまでもありません。低回転域からトルクフルで極太を感じるトルク感はそのままに高回転まで回っていきます。まぁ、ただ、いわゆるパンチはありませんし、低回転域のレスポンスという面ではやっぱりガソリンエンジンに劣るところを感じます、感じますけど、個人的な好みはこちらのほう。何よりも、アクセルペダルの踏み込み量に対してのトルクの出方が美しく、不足なし。高回転でパンチがないと言いましたけど、気が付けばとんでもない速度域に入っていますから、これもまた不足なし。高速での追い越し加速? ストレスがないどころか、もう、十二分ですといわんばかりのトルクで応対してくれますから、これまた不足なし。ただ、ですね、その直後に乗った、自分のフィエスタの、出だしの過剰とも言えるトルクの盛り方といいましょうか、唐突さを感じると、やっぱり、ディーゼルたるレスポンスの悪さたる存在を覚えたりもします。ただ、まぁ、そこで感じたのは、フィエスタのやんちゃぶりといいましょうか、行き過ぎ感でしたから、……。  さて、乗り味はですね、同じプラットフォームの2シリーズグランツアラーがコンフォートに振っているのに対して、乗用車的。ま、SUV的というよりは、乗用車的。ハンドリングは重心高があるなりのロール感を演出していますが、乗り心地は少々の節度感の中に硬さが存在していまして、ま、このあたりは、好みの問題ではありますが、個人的には2シリーズグランツアラーの乗り心地のほうが好み、かな、と。いずれにしても、不足はありません。  ちなみにですね、試乗会でMスポーツをテストしたんですが、硬さを感じるところはあります、ありますが、ドタバタと暴れる様子が見られなくてですね、つまり、不快感に届いていなくて、好印象。といいますか、サスペンションのストローク感に質感がむしろプラスされていて、好印象。ハンドリングはクイック感ではなく、素直さを増していて、こちらも、また、好印象。どっちが、いいかと言われたら

#1464 まさかの十分を感じてしまった、3気筒なBMW3シリーズ(318i)。

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 BMWの3シリーズにおいて、318iってグレードは、かつての、320iの6気筒エンジン対して、えー、4気筒になっちゃうの? 的な、ま、ある意味、マイナスといいましょうか、そんなイメージがあります。ありますが、実際に乗ってみると、不足を感じるどころか、え、頭が軽くてですね、これでいいじゃんと言わんばかりの説得に、やられた感を覚えるもの。しかしですね、さすがに、現行型に追加された318iは、3気筒エンジン搭載となりますから、それはないでしょうと思う反面、きっと、唸らせるような仕上がりになっているんだろうな、と思うところ、半面。  で、結論、あまり詳しくなく、3気筒であることを知らぬままに乗ったならば、気付かないと、思います、これ。あのですね、ビックリしました、あまりの遮音(振動含)性に。観察するとですね、発進時に3気筒なりの存在(振動と音)を僅かに感じるのですが、エンジンが回ってしまうと、もはや分からず。ターボといっても、排気量は1.5Lだから不足を感じるだろうな……と思うとですね、これが中回転域に存在を感じられるトルクバンド(厚みといったほうが的確かも)がありまして、パワーの面で不足を感じさせない。ま、高回転まで意図的に回そうとアクセルを踏み込むと、やっぱり2.0Lターボとは違うな感を覚えますが、まぁ、これですね、旧型の2.0LNAと遜色ないどころか、そのわずかに3気筒を感じさせるところ以外は、十二分を感じます。  といいますかね、逆に、先の音、振動がですね、気筒数に関わらず、エンジンの存在を感じさせてくれるものでして、あえて、それを感じさせるように仕立てている(残している)といわんばかりの演出に、むしろ、いいじゃん、これと思ってしまったほどでした。で、さらにですね、シャシーに豊かさが加わっていまして、あれ、これ、頭が軽いから? それとも改良された? と、そんなプラスな印象まで覚えまして、ちょっとビックリ。  ほほぅ、これならアリじゃんと思いつつ、価格表を見ると、318iSportで車両本体価格467万円となもし。やっぱり、もう少しのリーズナブル感を求めてしまいます。さて、このモデル、どういった層の人が購入するんでしょうか。やはり、初BMWユーザーなのでしょうかね。

#1433 Mスポーツがイチオシだった、BMWの新型5シリーズ。

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 BMWの5シリーズが正式発表されました。そうですか、型式G30っていうんですね。なんかもはやF型に入ってからは馴染みがなくて、型式で呼ぶことが少なくなったような気がします。そんなわけで、プレスインフォメーションを眺めつつ、仕上げたテキストを書き直していたらですね、これまでとは異なる手法が用いられていることに気づきました。  あのですね、今回の5シリーズですね、メイン写真がMスポーツになっています。そして、プレスサイトの写真の並べ方も、もちろんMスポーツが先に。最初、レギュラーモデルでこれだけダクトを大きくしたデザインにしたのかと思ったら、ホイールがMスポーツ。おや、と思って調べたら、Mスポーツをイチオシにしたいという思惑がそこにはありました。そういうことなんですね。そういうことですか。はぁ。そこにはやはり昨今のメルセデス・ベンツを意識しているというか、せざるを得ない事情があるんでしょうな。客観的に眺めますと、フェイスを構成するヘッドランプやグリルと、バンパーデザイン(特に開口部)とのバランスが取れていますから、違和感は覚えないのですが、でもね、なんか、後追いと言いましょうか、流行に乗ったといいましょうか、そんなファーストインプレッションとなりました。ちなみに、過去にMスポーツを全面に打ち出したPRはなかったように記憶しています。ま、それだけ、重要な存在となっているんでしょうな、Mスポーツ。そのうちに、標準仕様にならぬことを期待しますが、その方向なのかな……。  デザインとしては、ロングノーズが強調され、ワイド感も意識したものとなっていますから、スポーティさを極めた感があると思います。思いますけどね……。云々。ちなみに左の写真は、ラグジュアリィラインのもの。こうして比較すると、ヘッドランプとグリルが強過ぎる印象がありますな。ありますけど、こっちのほうにらしさを感じたりしますが。で、思った。次期3シリーズってどうするんでしょうかね、って。ま、この路線をもう少し進めるんでしょうな。そういえば、Car playのワイヤレス版が使えるようで……、輸入車はそのあたりの動きが早いですな。国産車でももっと多くの車種で当たり前のようにCar PlayやらAndroid Autoが使えるようになって欲しいもんですが。

#1430 あれやこれやが標準装備されて500万円以上になっていた、BMW320i。

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 原稿執筆は予定どおりに進んでいます。たぶん。でも、今日は、いろいろあって、まだスタートしていません。大丈夫なんだろうかと思いつつ、ま、明日もありますから……。  さて、BMWの3シリーズに、3気筒エンジン搭載モデルが発表となりました、という、話を少々。価格が上昇していく3シリーズを眺めていると、導入は推測できましたが、できましたが、改めて眺めてみますとね、318iSEで409万円で、もう少し安くてもいいのでは? と思ったりして。ほら、たしか400万円を切った特別仕様車320iSEってのが前期にあったよなと調べてみたら、399万円。で、HDDナビ付き。そう考えるとですね、318iSEはもう少し下の価格付けをしてもいいのではないかと思っていたのです。そう、380万円とか、過去のE46を彷彿とさせる、そんな刺激的なプライスを。  とはいえ、為替変動もありましょうし、あれこれ標準装備もあったでしょうから、と、現行型の価格の変化を調べてみるとですね、現行型が登場した際、320i(AT)で450万円。その後、13年に衝突回避・被害軽減ブレーキ、BMWテレサービスを標準装備して459万円、やがてBMWコネクテッド・ドライブを装備して477万円に。そして、先に書いた320iSEや320iCoreやら装備品を調整してリーズナブル感のあるモデルをリリースしつつ、14年にアクティブ・クルーズ・コントロールを標準装備して483万円。15年の後期モデル登場でその483万円をキープしていましたが、16年5月にレーン・チェンジ・ウォーニングを標準装備して489万円に。そして、この10月にBMWサービス・インクルーシブ・プラスを標準装備にして、さらになんとこのタイミングでスッピンの320iが消滅して、最も安い320i(AT)はスポーツとなり、その価格、なんと532万円(価格アップ前のスポーツは512万円)。この価格体系を考えますとね、318iSEの409万円、318iの446万円に割高感はないどころか、割安感がしっかりと表現されているわけです。  わけですけどね、高い。そして、気が付けば300万円台後半にまだ穴があることに気づきます。次期1シリーズの価格が上昇してカバーするだけではなく、そこにE46どころか、E36的なプライスを付けた1シリーズセダン(FF)が並ぶんだろうか、なんてことを妄

#1401 フィエスタを選んだ理由 思うにですね……、と、まとめ。

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 なんだかんだ書いてきましたが、ここにピックアップしたモデル、すべて欲しかったというのが本音。といっても、それは無理な話ですな。そうそう、こうしてあれこれと書いてきて、そして、大先輩から指摘されて気付いたのですが、使い勝手については二の次となっています。これは個人的なキャラクターによるもので、使い勝手ってのは、3ドアであろうと、オープンカーであろうと、二の次です。といいますか、そのクルマに惚れ込んでいるならば、たとえば、荷物が載らないからとコペンやロードスターを諦めることはしません。むしろ、逆に、その不便を楽しんでしまう、と。逆にですね、利便性を優先した結果、そのオリジナルデザインが崩れたり、走りが失われてしまうことのほうが、自分にとってはマイナスだと捉えています。そして、なくても"どうにかなる"装備を採用したことで価格が上昇するならば、ないほうがいいとも思っています。そうなんです、ひねくれているんです。はい、知っています。  というわけで、理想だけいうならば、MINI 3door ONE MT+サンルーフ+シャシーやエンジンのコントロールデバイス付き、そして、グランドチェロキー(WJ型)という2台というスタイルでした。おいおい、ルーテシアではないのか? と思われるかもしれませんが、MINIは、走りからデザインまでキャラクターが好みでありながら、ターボ、3ドア、MT、サンルーフという組み合わせが実現可能でありましてね。ま、ディーゼルエンジンではないんですが、この1.2Lターボのポテンシャルを知ると、このバランスいいなぁと思いますしね。といっても、ミニドライビングモードが付きが前提ではありますけども。  もちろん、MINIを、208XYに置き換えることも可能です。といいいますか、3ドア、サンルーフ、MT、ターボエンジンという条件は同じですし、ま、価格を含めたそのほかの条件まで整っていれば208XYになったいたことでしょう。ベーシックエンジンではありませんが、あのバランス感といいましょうか、キャラクターは唯一無二ですし、何よりもノーマーク状態ですし。って、そう、自分のクルマ選びにおいて、ノーマークってのが重要だったりします。誰も気付いていないから、誰も乗っていない。そもそも、誰か(同業者)と同じクルマってのは避けたいんです。そう、被せるのも、被る

#1393 フィエスタを選んだ理由 その2(MINIを選ばなかったワケ)

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 これもまた長くなります。この場合のMINIは、3ドア、で、1.2Lターボを搭載したONEですな。走り、デザイン、そしてキャラクターから、装備に至るまで、パッケージとしてですね、かなり理想でした。ちなみに、ヨシダ好みのクルマのキーワードってのは、3ドア、MT、サンルーフ、ディーゼル(もしくは欧州車的躾けがされたガソリンターボ)。  そうなんですね、MINI ONE 3door は、この全てを叶えられました。MTもありますし、サンルーフ(しかもツイン!)を付けられます。ディーゼルエンジンは組み合わせられませんが、1.2Lガソリンターボで満足。で、選ぶんだったら、パワーフィールを選べるMINIドライビングモードと、MINIらしいシャシーフィールを得られるダイナミックダンパーコントロールは必須。 ONEだから飾りっ毛がない? そんなの全く気にしません。スチールホイールになるけどいいのか? まーったく気にしません。センタークラスターにぴたりとはまる純正ナビ? あ、あれば欲しいですけど、なくても我慢できます。装備よりも、クルマの素性が何よりも最優先ですから。  ちなみにですね、MINIってのは高いモデルばかりがピックアップされますが、実は、このONEの6MTならば226万円(税込み)と、リーズナブル。って、それでも高値ではありますけど、ほかのMINIと比較するとバーゲンセール的な位置づけ。売れていないってところも惹かれます。そうなんですね、そういった狙いが全て叶えられるんです。ところが、先のオプションを加えて、支払い総額を計算すると300万円にほど近くなります。しかも、MINIは、ご存知のとおり値引きはありませんから、なおさらにリーズナブル感が消えてしまうのです。  MINIってモデルに価値を見出しているのは、このONEのMTの価格もあってのこと。COOPERやCOOPER Sの良さは十分に承知していますが、価格面から、つまり、購入するかしないかという面では、なんかね、そそられないんです、個人的に。まぁ、コンバーチブルについては先日あれだけ絶賛しましたように、別と捉えていますが、それでも自分的な買いからは外れてしまいます。  となった時にですね、低走行距離の中古車を探すってのも手かなと思って、散々に探していたのですが……、ONEで、MTで、サンルーフが付いて、MINI

#1387 あれこれあるけど、ひたすらに大絶賛な、MINIコンバーチブル、その4。

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 このMINIのように、ベース車があって、それをオープンモデルに仕立てたモデルは、あれこれとつじつま合わせをしなければならなかったりします。それはデザインだったり、パッケージだったり、そして装備だったり。もちろん、それらモデルとて、オープンボディというバリエーションを考慮して、ベースデザインを作り上げているんですが、それでも、あれこれがあります。ま、それをウィークポイントと称することもできるんですが、このMINIコンバーチブルの場合、それらをウィークポイントとは感じませんでした。ただ、まぁ、気になったことは事実ですので、ちょいと書いておきましょうかね。購入される方の参考になれば。ほら、知らないで購入後にオドロクよりも、知っておいて先に納得できれば、それらってのは不満にはなりませんから、きっと。  まずは、リアゲートと収納。もちろん、収納については、容量はもちろんのこと、その手法まで、改善がされていまして、先代よりは優秀と言えます。言えますが……。ひとつ目。リアゲートを手前下へと下ろすとですね、その角がご覧のとおり、鋭角な上に、飛び出しているんですね。写真でお分かりのように、テールランプ下端、つまり、バンパー上端の位置となりますので、子供がぶつけそうって話もありますが、自分、狭いところで荷物の出し入れをしている際に、腿に思いっきり当てまして、数秒とはいえ、その場にうずくまりました。痛かった。ほんとに、痛かったのです。はい。  で、ふたつ目。リアゲート開口部を確保しづらいのが、この手のモデルの悩みですが、MINIコンバーチブルではイージーロード機構を採用して、開口部を広げることができるようになっています。右の写真がそれ。レバーを動かしてロックを外すと、幌後端を持ち上げられます。そして、そのロック解除レバーを支え(つっかえ)棒とすれば、この状態をキープすることができます。なんとも便利な機能なんですが、これですね、トランクルーム、ギリギリまで荷物を入れるとですね、このレバーをロック解除、もしくは、ロックまで移動させることが難しい。なぜならば、支え棒として利用しようとしているため、また、テコの原理を利用するにあたって 必要なこともあって、長いんです(写真右の下)。だから、荷物満載状態では、その荷物をぐいーと押し込んで、レバーを動かすという、なんとも面倒な作業が必要でし

#1386 あれこれあるけど、ひたすらに大絶賛な、MINIコンバーチブル、その3。

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 そろそろまとめましょうかね、MINIコンバーチブル話。クルマとしての仕上がりがいいことを書いてきましたが、それはコンバーチブルだから……という嵩を上げたがゆえのことではありません。MINIらしさを見失うことなく、コンバーチブルらしさを愉しめるモデルとして作り上げているという意味での、評価です。  さらにですね、オープンモデルならではの愉しさがあるという点では、必要もなくオープンにしたくなるという衝動に駆られます。それは、自分の性格的なところが大きいような気もしますが、流れ往く風ではなく、流れ往く景色とともに走りたい、と、言葉の使い方としてはおかしなところがありますが、まさに、そんな気分となります。そう、景色を堪能するんじゃなくって、自然そのものの溶け込みたいといいましょうか、そんな感じ。余計に分からんですな。  そして、それが気軽、そして、快適にできることもプラスです。もちろん、スイッチ操作だけで開閉できるソフトトップはもちろん、ウインドウを下げてのフルオープン状態での風の巻き込みが少ないこと、さらには、ウインドウを上げてしまえば外界の風に乱されることは少なくなり、会話も普通にできるし、音楽も聴ける。なんていうんですかね、クローズドとフルオープンの中間に、もうひとつモードがあるかのよう。  ちなみに、頭上だけオープンにできるルーフスライドモードも備えていますが、実は、開口部先端にディフレクターがないもんですから、頭めがけて風が進入。髪の毛を前に流しているヘアスタイルだと、ちょっと辛いですな。これを避けるために、サイドウインドウを下げてしまうという手段がありますが、それでも、頭めがけて入ってくる風は避けられません。そういう意味では、先のルーフはオープンなれど、ウインドウは上げているという状態のほうが、意外にも室内を風に乱されることがなかったりします、はい。  いずれにしても、このモデルはオープンにできることに意義があるわけで、日焼けやら気にしない人向けとも言えるな、なんてことを感じました。  まとめに入ったはずなのに、まだまだ続く……。

#1385 あれこれあるけど、ひたすらに大絶賛な、MINIコンバーチブル、その2。

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 で、エンジン。クーパーですから、直3/1.5Lターボを搭載していますが、これが、いい。もちろん、3気筒なりの振動や音はありますが、むしろ、隠そうとせず、MINIらしい音に仕立てていましてね、その潔さというか、演出がいい。ターボラグは、まぁ、あるんでしょうけど、そもそも、唐突なトルク変動を与えていないため、そのあたりをまとめて、ラグという言葉を使いたくないほどのもの。で、日常のアクセルワークでも、低回転域から十分なトルクを発生させ、いうことなく、2000回転あたりから豊かと表現したくなるトルクフルさがあります。このあたりの仕立ては、いまさら語るべくもなく、BMWに限らず、ヨーロッパのモデルの得意、いやいや、譲らない、いやいや、違う、走りの本質たる確固たる表現方法ですが、……、つまりは、スポーティに走らせることもできるし、扱いやすい走りにも対応できるという、まさに理想があります。1.5Lという排気量からイメージする非力感は見当たらず、って、上を見たらキリはないと思いますが、個人的にはこれで十二分だと思いました。ちなみに、燃費は、能登まで往復して、15.0km/L。標高2000mオーバーの峠、1800mほどの峠を越えて、途中、刺激的な走りをしながらの結果ですから、優秀といえると思います。  というわけで、このパワーフィール、#1384で書いたボディとシャシーのポテンシャルやら、どれひとつとして出しゃばることなく、また、劣ることなく、さらにはオープンボディたるキャラクターを引き立てて、MINIコンバーチブルというバランスを作り上げています。いやー、スゴク、いい。とっても、いい。ちょっと感激といわんばかりの、良さ。  最初にも書きましたが、ウィークポイントはありますよ。まず、オープンボディゆえに振動を抑え切れないところは、いたしかたないところ。ただ、シャシーを支える剛性はすこぶる高く、たとえば、路面トレース性を乱されることも少なくてですね、コーナーでグリップを感じながらアクセルオンしていく際でも、舵を修正する必要などない。って、言い切るとあれですけど、それぐらいに剛性感を確保してある。右の写真は、乗鞍から白骨温泉へと抜けるルートですが、ご存知のとおり、このルート、路面はかなり荒れています。いや、相当に。トレースを誤るとホイールに傷がつくんじゃないかってぐらいに、荒れ

#1384 あれこれあるけど、ひたすらに大絶賛な、MINIコンバーチブル、その1。

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 肝心なMINIコンバーチブルについて、インプレッションを記しておきましょう。言いたいことはすでにあふれていますので、これは長文になります、たぶん。結論から言いますとね、ベースとなったMINI3ドアのポテンシャルの高さと、オープンエアモータリングたる愉しさの演出が、うまく仕上げられていまして、とても良かった。つまりは、不足もありますよ、ありますけど、そんなもんどうでもいいと言わんばかりのつまらんことばかりで、ほんと、どうでもいい。そういった良さにあふれていました。  何がいいって、ボディとシャシーでしょうな、まずは。実は、この直前までロードスターに乗っていましたが、ボディの剛性感という面では、MINIコンバーチブルのほうがコストが掛かっているという印象がありまして、ま、ロードスターは軽量化を狙ったがゆえのデメリットもあるんですが、それってのは、実は上屋だけではなく、ボディ下部の剛性感。ただ、剛性があるからといって、ハンドリングがいいとも限りませんから、そのあたりは誤解なきように。で、乗り換えて感じたのは、まずそれ。Bセグとしてはオーバーサイズ気味となる205/45R17をしっかりと抑え込んでいて、明確な凹凸のあるシーンでは45扁平ゆえの硬さを感じることはありますが、それとて、ドタンバタンとはさせず、トタン、パタンにほどなく近いレベルに収めます。そうですか、スゴイですね、と感心しきり。このあたりは、抑え切れていないモデルもある中で、さすが、それらモデルよりも価格が高い分、ありますね、といった印象となっています。  もちろん、MINIらしさも健在。やっぱりですね、必要はないとはいえ、リアサスペンションにマルチリンク式を採用していることのメリットはかなり大きい。リンクをあーだ、こーだと動かして、タイヤの接地面をフラットにしたままに駆け抜けていく。これですね、慣れてくると、アンジュレーションのあるシーンでは、サスペンションとタイヤがどう動いているかを感じ取れる(推測できる)ほど。もちろん、バネレートは硬めですし、ストローク量も大きいとは感じませんが、だからといって規制されている感はなく、むしろその代の中で、自在に動き回るフィーリングがあります。ま、感心しきりは、コーナリング。ヨー→ロールはもちろん早めなのですが、スタビライザーの躾けが実に美しい。重心に見合った量だけ

#1378 激変した印象は少なくとも熟成した感があるBMWの新世代エンジン群。

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  #1376 で書いた試乗会は、MINIだけではなく、BMWも数多く揃っていました。って、ほら、4月22日に4シリーズのエンジンが新世代ユニットに変わって、5月9日に1シリーズにディーゼルエンジンが搭載されて、5月19日に3シリーズのディーゼルユニットが換装されて……。と、もはや、MINI同様になにがなんだか分からない状況ですが、BMWももはやなにがなんだか分からず。ま、とりあえず、乗れるだけ乗るべしと、試乗時間枠いっぱいまで、試乗してきました。  まずはグランクーペの420iから(左)。4シリーズってのは、クーペもグランクーペもカブリオレも、3シリーズから独立させたかのように名称を変更しただけではなく、3シリーズよりもワンランク上といいましょうか、コストを掛けていますが、何か? と言わんばかりの違いがあります。それは、乗り味にしても、ハンドリングにしても、スポーティというよりも上質感といったほうが的確なほどのフィーリング。ま、単純にチューニング違いがそう感じさせているだけとも言えるんですが、ま、そういうふうに感じ取りました、自分は。  表立ってのパワースペックは変更はありませんが、モジュラーエンジンラインナップの新世代ユニットへと移行していまして、燃費は……、あれ、カタログ上ではダウン。って、まぁ、フィーリング的には実燃費はかなり良さそうな予感ではありますが。乗り味は、グランクーペゆえの上質感にうっとりといったフィーリング。3シリーズ(セダン)の生真面目さと比較すると、こちらはコンフォート感が加えられていまして、サスペンションの動きにしてもしなやか。ま、xDriveゆえの重量増もあってのことでしょうけど、実はMスポーツだったと考えると、ケチの付けようがありません。といいますか、これならば、Mスポーツでもいいやねと、妙に感心させられましたが。  直6/3.0Lターボエンジンも変わり、搭載したモデルも3シリーズ同様に*40iとなりました。というわけで、440iクーペ(Mスポーツ)に乗りましたけど、これがですね、まぁ、その、えっと、ジェントル。昨今のBMWの4気筒、はたまた3気筒の仕上がりに、6気筒はもはやいらんよね、と思わせておいて、乗ってみれば、やっぱり6気筒だよね、といわんばかりのパフォーマンス。吹け上がり感はさらにきめ細やかさを極めていまして、レスポンス