#1490 語りきれぬアッパークラス感を得ていた、BMW5シリーズ。

 さてと、BMW5シリーズから行きましょうか、ね。7シリーズのフルモデルチェンジに続いてですから、ま、そのイメージ(ステップアップ)はこの5シリーズにも引き継がれていることは容易に想像されましたが、ま、まさに、そのとおりでした。といいましょうかね、ここまで来ると、もはや、5も7もサイズ違いだけといった感がありまして、この先、アッパークラスモデルの差別化はし辛くなっていく、つまり、その詰まり具合はますます強くなっていくんだろうな、なんてことを感じました。
 それは、まずはとばかりに、デザインや素材から伝わってくるもの。室内に座ってみれば、その設えに、まさに、この先、どうやって差別していくんだろうといわんばかりの雰囲気に仕上がっていまして、エンジンが4気筒であること以外、つまり、発進時に感じられる音、振動以外は、もはや不足がないという、そんな仕上がりを見せていました。ウィークポイント的なことを、強いてピックアップするならば、フル液晶表示となったメーター類に関して、指針の動きに遅れを感じ、印刷物レベルにまで引き上げなければならない解像度が不足していることで、強い違和感を覚えます。それにしても、なぜなのでしょうかね、アナログでデザイン(この場合は目に見えるという意味)あるべきものを、デジタルで置き換えようとする、この流れって。スゴイだろ、革新だぞ、といわんばかりで、実が伴っていない。って、別に、これはBMWだけではないんですが。
 と、ま、そんなところぐらいでしょうかね。乗り味はいうまでもなく、非Mスポーツだったこともあって、コンフォートベース。とはいっても、そこにシャシー剛性たる質感と、素直を極めたハンドリングを組み合わせており、なんともかんともなハイレベルな仕立てになっていました。もちろん、こじるようなステアリング操作に対してはリアはテンポ遅れを見せますが、それもそのはず、といいますか、そういう仕立てですから、当たり前のこと。そんな意図的な操作をすることなく、普通にステアリング操作を行うと、このフロントとリアのタイミングといい、タイヤからシャシーからフィードバックされてくるフィーリングといい、もはや、うっとり。
 さらに、ステレオカメラ採用によって、性能と機能とを大きく引き上げた、先進安全技術系も、しらっと7シリーズのそれを超えていたりして、圧巻。ACCにおいては、その追従において、たとえば、先行車に置いていかれるような待ちが極端に少なくなっていますし、何よりもブレーキング操作が自然であり、つまりは、戸惑いが見られない。さらには、追従をオフにしながらも、ステアリングアシスト操舵のみオンにして車線維持させることができるんですが、そんな状態のコーナーリング中(高速走行中)にアクセルを緩やかにオン、オフしても、その速度に応じてステアリング操舵量を的確に変化させ、コーナーを駆け抜けていくという、天晴れも見られて、スゴイのひとこと。いや、もちろん、急激な加減速はしていませぬ。
 というわけで、新しい5シリーズ、ケチの付けようがありません。ま、強いていうならば、先に挙げたメーターの件と、価格とサイズぐらいでしょうかね。ひたすらにため息しか出てこない、試乗会となりました。はい。

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