#1598 BMW X3 M Sport、コンフォート部分はちょっと煮詰め不足。

 早いものでBMWのX3も、もう3世代目になるそうで。ふり返ってみますと、初代の購入をちょっと考えていたこともありました。ありましたが、スタックランドファームを走れないモデルを購入したところで、なんの意味があるのだろうか、と、冷静になって、止めた経緯があります。ま、予算はさておき、考えただけですが。まぁ、あの頃、つまり、2000年当初って、この手のSUVは500万円を切った価格からスタートしていることにキーがありました。このX3にしても、フォルクスワーゲンのトゥアレグにしても。そこには、グランドチェロキーのV8な上級グレードが500万円と少しだったことから、そういった展開になっていたんですが、こうしてふり返ってみると、当時はグランドチェロキーがいかにベンチマークなっていたかが、価格帯の面からも分かりますし、何よりもジープにリーズナブル感があったかが、あらためて分かります。
  で、新型X3の話。ボディサイズは全幅を大きく変えぬままに、どんどんとストレッチ。その全長はようやく4720mmとなり、リアシートにおける居住性、ま、特に足下スペースに満足を与えることができました。個人的には、今後、昨今の流行りであるC/Dセグ3列シートモデルを、このX3ベースで作るのか、に、注目していますが、まぁ、サードシート付きモデルはX5に任せておいて、X3はこのままにしておいて欲しいとは思いますけれども……。
 さて、今回、テストドライブに借り出したX3は、プレス試乗会で用意されたxDrive20d M Sportでした。簡単にいえば、ディーゼルエンジンを搭載した、スポーツモデルですな。で、このモデル、すでに発表されているように、ヨコハマのADVAN SportV105(245/50R19)を装着し、BMWとしてヨコハマを初採用したことも、トピックとなっています。ということで、タイヤに関するところから話をしますとですね、試乗会では非常に印象が良かった。転がり出しから質感がありまして、接地感が豊かであって、締め上げられながらもしなやかに動くサスペンションとの相性に、ほほぅ、ヨコハマやるじゃん、と、感心しました。もちろん、ハイスピード域におけるグリップ力もハイレベルで不足なし、それどころか、それこそMスポーツらしい走りをアシストしており、ほかのMスポーツモデルとターゲットした性能という面では、しっかりクリアできていると、も、思いました。
 で、今回、そんな期待のままに借り出したんですが、その走行距離約8000kmを超えて、タイヤもサイドが随分と摩耗。聞いてみますと、広報試乗会からはタイヤを交換していないそうで、まぁ、その加減から、タイヤに少々無理を掛けて走った、そんな形跡が見られました。そんな感じで久しぶりに再会したX3でしたが、試乗会で感じた日常域でのあのコンフォート感が消え去っていまして、さらには、ロードノイズも大きめになっていました。先ほど述べたように、ハードに走らされた形跡がありましたから、一般的な走り方による劣化とは違うとは思いますが、思いますが、最初の印象が良かっただけに、少々残念に感じたところ。とはいっても、Mスポーツとして捉え、ドライブモードもハード方面へと振ると、つまり、日常を犠牲にしたハイパフォーマンス方向へと振ると、先に述べたグリップ力、グリップ感がしっかりと際立っており、タイヤを含めたシャシーバランスはハイレベルで、M Sportらしさたる性能は、しっかりと獲得していると感じました。ただ、まぁ、本体価格710万円のモデルと考えると、スポーティだけではなくコンフォートまで広くクオリティを求めてしまいます、と、ま、そんな感じですな。
 ディーゼルエンジンに関しては、もはや難癖をつけるところなし。低回転域はもちろんですが、どの回転域からも加速していきますし、その加速フィールもパンチをここぞとばかりにアピールするのではなく、コンフォート感をしっかりと残したままに仕立ててあるところが好印象。もちろん、ハイパフォーマンスモデルのガソリンユニットのようなフィーリングを期待しているとレスポンスに不足を覚えるのでしょうが、キビキビ感を捉え違いしなければ、決して、かったるいとは感じないと思います。それどころか、逆に、欧州の2.0Lディーゼルユニットは、日本で乗るにあたっては、ラフにトルクの立ち上がることによって、走らせづらいと感じるところがあります。特に、このM Sportは、シャシーセッティングもあってノーマルモードであっても、発進時にはアクセルワークに気を遣うところがあり、意図的にエコモードにしていたほどでしたから。
 あとは、えっと、あれですな、携帯電話等の非接触充電器が付いていましたが、これが、充電時間がかかる、かかる。安全マージンを確保しているんでしょうけど、我が家の、docomoの初期充電器よりも遅く、しかも、発熱も大きく。まぁ、置いておくだけで充電してくれるのは、車内においては、ケーブル接続がない分、見栄えを含めて、とっても喜ばしいことなんですけどね。あとは、あとは、そうそう、燃費は約1000kmを走って15.5km/L。高速走行が多い時には約18km/Lを記録していましたが、その後、取材で下道やら走っていて、の、結果です。あとは……、思い出したら、書き足します。

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