投稿

ラベル(三菱)が付いた投稿を表示しています

#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

イメージ
 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1653 東京モーターショー2019で、感じた、あれやこれや。その2

イメージ
 個人的にですね、東京モーターショー2019で話題になったモデルに、あまり興味ないといいますか、惹かれるところは強くありませんでした。むしろ、世間であまり注目されていないモデルに惹かれたところがあります。2台ほど。いずれもワールドプレミアではなく、ジャパンプレミアなんですが。  その1台が、スバルのVIZIV ADRENALINE CONCEPT。クロスオーバーテイストや、個々のデザイン表現にXVを感じるので、XVのケーススタディであることは伝わってくるんですが、現行型XVって、来年D型でビッグマイナーチェンジというライフサイクルにありますから、まったくの次期型となるとあと3年、もしくは2年後にこれになる? そう考えると……、ま、まさか、ビッグマイナーで、このコンセプトにスタディされたテイストを織り込んでくるんでしょうか。いやー、それはないでしょ、特にフェイスがさ、と思いつつ、次期レヴォーグがあのフェイスですから、わりと近いテイストでデザインされてくるんでしょうか。となると、今月デビューしたインプレッサD型の立場は? ってなってしまうんですが。  それはさておき、このモデルで惹かれるところは、そのまとまり感でしょうね。かたまり感、金属削り出し的な表現ってのは、どのブランドでも多かれ少なかれ用いられているデザイン手法ですが、このコンセプトモデルはそれが分かりやすい。キャラクターラインの存在はあまり好みではありませんが。キャビンのボリュームとタイヤの存在感とボンネットとのバランスとがとてもいい。フロントフェンダーまでブラックにしてしまう表現もオモシロイですし。新たにBOLDという言葉、テイストを加えたスバルデザインですが、嫌みのような強調ではなく、素性の良さを強めるというBOLDを感じ、拍手喝采でした。  で、もう1台が、三菱自動車のMITSUBISHI ENGELBERG TOURER。電動SUVコンセプトであることはさておき、デザインがですね、あのフェイスデザインコンセプトがですね、個人的にですね、試行錯誤を繰り返していくうちに、また、目にする側も目に馴染んできたことも含めてですね、違和感なく収めることができたとでもいいましょうか、ようやく違和感なくデザインすることができました感にあふれていて、とてもいいと感じました。ま、これは、フェイスリフトした

#1646 今月末発売のデリカ本に執筆し、新たに感じた新型デリカD:5のあれやこれや。

イメージ
 さて、デリカD:5の話をしましょうか。今年の3月に、ビッグマイナーチェンジモデル果たした、オールラウンドミニバンですが、ま、簡単にいいますと、ミニバンというパッケージを持ちながら、そこにSUVテイストを与えたモデル。唯一無二、とか、稀有といった、表現がぴったりなモデルですな。で、現行型は、07年1月、つまり12年前にデビューし、販売が続けられてきましたが、このたび、新型にスイッチするのかと思いきや、なんと、ビックマイナーチェンジで対応したというモデルでもあります。まぁ、今後の新型車は、日産・三菱アライアンスで作られることが発表されていますから、その第1段ってのがミニバンってのは……、ま、あり得ませんやね。  ということで、登場した、”新型”デリカD:5ですが、VWモデル的な表現を用いるならば5.5世代目になるのでしょうかね。そんな、新型ですが、開発陣は12年分の思いの丈をすべてぶつけ、そこまでやりますか、といった改良をしており、プラットフォームを大きく変えずとも、熟成って手法を用いると、ここまでできるのだね、と感心を覚えたりもします。まぁ、そもそも、このプラットフォーム、コストを掛けて、先を見て作ったものゆえに、ここまで使えている、という話もありますな。  で、その、新型・デリカD:5、何がいいって、バランスが取れていることでしょうね。個々の性能を眺めると突出したところはないのかもしれません。それは、やはりプラットフォームの古さが起因した限界とも言えるところで、トレンドに乗り切れていないとでもいいましょうか、そんな、世代差。それをいちばん強く感じさせるのは、やはり、タイヤサイズ。このプラットフォームで、225/55R18サイズはボリューム不足であり、今回、リアサスのダンパー容量を増やすなどして、なんとかフラットな乗り味を作り上げていますが、その中にゴツゴツが存在しており、車両のコンセプトを考えると、おや? と思うところがね。その点では、ラージクラスとなりますが、なんだかんだで、アルファード・ヴェルファイアの高(!)扁平率タイヤ採用グレードは、良くできています。  さて、で、デリカD:5ですな、そういった細かに気になるところはあっても、個々が威張り過ぎて以内分、バランスが取れていてですね、その加減が実に心地いい。調和が取れていると表現すると、イメージが伝わるで

#1644 なかなかいいまとまり方をしていた、日産・デイズな話。

イメージ
 軽乗用車においては、まぁ、日本では売れ筋ジャンルゆえに、その競争たるや激化の一途を辿っています。最新モデルでは、かつては軽乗用車だからと後回しだったはずの技術も矢継ぎ早に採用され、クオリティも1世代違うだけでずいぶんと違ったり。しかし、その一方で、やはりコストを掛けられないことが足を引っ張ってしまっている面もまだまだ残り……。外圧からの軽自動車枠撤廃要求やらもあって……、今後どうなるんでしょうかね、このカテゴリーは。  というわけで、日産・デイズの話。そう、三菱ではeKシリーズとして販売されているモデル。今回は、日産が主導しての開発となったそうで、すでに終えたインタビューでも、それゆえに日産のノウハウを採用できた一方で、特に軽乗用車生産に関するノウハウは三菱から教えてもらったことが多く、それらが、功を奏しての、これまでの軽乗用車という枠を超えた仕上がりがあちこちに見られます。まず、乗り味。このあたりは二の次になってされがちだった部分ですが、サスペンションはストロークフィールもしっかりとあり、タイヤの接地感も上々(軽乗用車としては)。ステアリングフィールは、オンセンターの曖昧さが薄れ、操舵感がしっかりと現れており、なかなか。ロールも量を抑え込むようなセッティングではなく、フィールをなだらかに、緩やかに出すことで、ワインディングでは安定感を導きだしつつ、不快感を消し去っています。  取材で連れ出したのはハイウェイスターのNAエンジン搭載モデルでしたが、ハイウェイスターのNAエンジンはモーターアシスト機能がありまして、これまでは不足を訴えたくなる領域・シーンにおいて、不足を感じさせません。ま、高回転時のエンジンサウンドは、別にしてね。ただまぁ、車両重量は良くも悪くも、ワゴンRよりも確実に重たく、その分を考慮すると、もっと軽量化を果たすとフィールはかなり変わるだろうなと予想できます。できますが、軽くしすぎて重厚感が失せることを考えると、バランスとしてはいいところではないでしょうか、とも思えてきます。ワゴンRの軽量化は、乗り味としての重厚感を薄れさせてしまっていますから。  なんで、デイズのバランスがいいと感じたかといいますと、それでいながら実用燃費が思ったほどまで悪くなかったこと。連れ出したハイウェイスターXのカタログ燃費はJC08モードで29.8km/Lで、WL

#1637 旧型ユーザーは乗り換えたほうがいいと思う、三菱・デリカD:5。

イメージ
 最近は、同じモデルを、異なる媒体に書くことが多く……、つまり、書きわけなければならないことが多々あります。それが、エッセイだったらいいんですけど、新車紹介だったり、インプレッションだったりすると、もはや書き分けられているんだろうかと思うことしばしば。ま、表現方法を変えたとしても、評価そのものは変える必要はありませんから、難しいわけではないんですけどね、ないんですけど、同じ文章になっていやしないかと心配だったりもします。なので、書いたものを読み返さないようにしていますが、ふと、それゆえに、同じ言い回しになっていやしないかと、思ったりもして。  というわけで、昨夜、3誌目の執筆を終えたのが、新型デリカD:5。このモデルとは昨年秋の事前撮影会からの付き合いでして、発売前の試乗会(クローズドコース)、スノードライブ、そして、今回の公道試乗会で4度目の御対面となりました。もう、すっかり見慣れました。それは飽きたというのではなく、目に馴染んだという慣れ。最初は、そのデザイン手法に驚きを覚えましたさ。ただ、知らぬモノを目にした驚きであり、解釈するに、理解するに時間を要しただけのこと。デザイナーさんへのインタビューやらを経て、意外にも、そこにクリーンであるとか、シンプルを感じていたりするから、不思議です。ただ、個人的な好き嫌いでいえば、"好みではない"デザインですが……。ま、そもそもミニバンを必要としていない、というスタイルもありますけど。  個人的な好き嫌いや、欲しいかどうかは、さておき、新型デリカD:5、とってもいいです。今回は、フルモデルチェンジではなく、07年にデビューしたモデルのビックマイナーチェンジではありますが、シャシーにしてもエンジンにしても、とことん手を入れましたといった感があり、そういう捉え方をすると熟成感にあふれています。実のところ、改良前のモデルでも、ウィークポイントはあまり感じていませんでしたが、乗り比べると、歴然の差。以前のモデルは、乗り味なんぞサスのストロークフィールにすら唐突感、いや、整え切れていない感がありますし、ハンドリングも操舵感含めて、過去を感じます。そのほか、以前のモデルでは、エンジンは、ディーゼルゆえのトルクはあるけど、過給器も相まってのトルク変動があるし、微妙なアクセルコントロールができていたかと言われたら、そ

#1624 個人的には違うを感じるけど、走りの進化はアリな、新型デリカD:5。

イメージ
 あまりに放置しすぎました、ここ。ブログスタートして以来、はじめてではないでしょうか、1か月も放置しておいたのは。というわけで、らしさ復活とばかりに連投を開始します。まずは、デリカD:5から。そう、フルモデルチェンジ並のフェイスリフトに賛否両論という話題を振り撒きながら、実はビッグマイナーチェンジだったという、あのデリカD:5から。  個人的な意見としてはですね、このアプローチは、ナシだと思います。その理由……、そもそもデリカD:5とは、ほかのミニバンとは似ていないデザイン、走り、つまりはコンセプトから、日本でポピュラーとされてきたミニバンたちとは一線を画し、それがゆえに、細々とはいえ販売を続けてこられたモデルです。今回の改良はそれらを否定しているかのようなメッセージ性をデザインに込め過ぎており、つまりですね、"何か違う"を感じてしまうのです。分かりやすく言い換えますとね、せっかく唯一無二(あまり好きな言葉ではない)たるポジションを確立したのに、自らのポジションを誰にも言われることなく、譲ってしまったとでもいいましょうか。そう、コンセプトカーとして発表されたトヨタ・TJクルーザーって、実はデリカD:5のポジションそのもの。ま、あちらはコンセプトカーですから、そのまま市販ってのはありませんけどね、なんか、そのポジション争いに、かつてのパジェロとプラドを感じてしまうわけでして。そうなんですね、パジェロ以上に、いとも簡単に道を譲ってしまうことになるわけで……。なんてことは、開発者の方にダイレクトに伝えてあります、もちろん、個人の感想として。  ということもあって、新型デリカD:5が商売的に成功したとしても悪評は残る可能性があります。ありますが、ま、それも話題と捉えるといいのかな。と、ここから見方は、ライターへと変わっていきます。といいつつですね、実のところ、これまでのデリカデビューをふり返ってみると、4世代目、5世代目デビュー時は、そのデザインにしても、コンセプトにしても、非難轟々でした。しかし、いつしか皆、それに共感し、納得し、そしてファンになっていくわけですから、この新型を謳うデリカD:5も、きっと馴染んでいくのではないか、とも思えます。……、思えないか……。どうだろう……。  ま、と、ここまでは、ほっとんどフェイスデザインに関しての話。実は

#1616 あと少しはあれど、正しいスポーティを作り込んだ、三菱・エクリプスクロス。

イメージ
 今年に入ってからわりとベタ褒めなモデルが、三菱のエクリプスクロス。当初は、イマドキなコンセプトにワケ分からんを覚え、RVRの代わりかと勘違いし、早過ぎる露出にもはやデザインに対して見慣れてしまった、なんて感じていました。しかし、昨年よりプロトタイプに触れる機会を得、その度に、ほほぅ、なかなかやるじゃん、そして、ふーん、いいじゃん、と、好印象へと変わっていきました。  ただ、これまでは限られたシーン、ま、クローズドコースとか、雪の特設会場とか、公道試乗会とて限られた時間内で撮影付きだったりとか……、つまりはしっかりとは乗り込んではいませんでした。いませんでしたので、乗り込んできました。といっても、500kmほど。ただ、そのほとんどは下道で。そうしたら、見えてきました、いろんなことが。ちなみに、新型車を評価する者は、乗ってすぐに全てを把握できないようではいかんと、大先輩である星島 浩さんからいつも言われていますが、まだまだ、なんです、この点では。はい、精進いたします。  で、エクリプスクロス。幾度も自動車雑誌に寄稿しているので、もはや書くことはなくなったと思いきや、文字数不足で書けなかったこと、個人的な強い想いやら、そのあたりについて書いてみましょうか。と言いますかね、アウトランダーPHEVの仕上がりが良くてですね、ついつい比較してしまうため、マイナス的なことをあれこれ書くことになるやもしれませんが、ま、そこはウィークポイントとは捉えずに、どうぞ。  エクリプスクロスに使われているプラットフォームは、初代アウトランダーから使っているものに大きく手を加えたものとなっています。とても高く評価しているプラットフォームなんですが、今も昔も18インチタイヤを完全に抑え込むに不足があります。ありますけど、アウトランダー、特に今回の2019年モデルあたりでは、ダンパーの大改良と、いい巡り合わせもあって、そのあたりがかなり進化しています。ちゃんと躾けられるんだけど、そのためにはコストが必要にります。ただ、アウトランダーではコスト面はクリアできても、その手法はエクリプスクロスで用いることは難しい。価格帯が違いますから。で、何が言いたいかと言いますとね、そこに届いていないエクリプスクロスでは、日常域においてはタイヤサイズが起因した硬さが顔を出し、路面の継ぎ目や修復跡などで、ゴト

#1591 デリカ50周年イベントで、自分も今年50周年だったことに気付いた、話。

イメージ
 三菱のデリカがデビューから今年で50周年を迎えたそうで、本日、一部改良モデルと特別仕様車の発表があり、東京本社での歴代モデルの展示もあって、出掛けてきました。自分にとってのデリカの想い出は、やはり幼少期になぜか惹かれた2世代目の丸目モデルと、最初に勤めていた出版社所有の3世代目後期モデルでしょうかね。特に後者については、イヤな想い出、いや、違うな、辛かった、それもまた違うか、まぁ、若いがゆえのあれこれの想いが重なり、近寄りたくない、でも、懐かしい、そんな気分となりました。あとは、あれだ、4世代目の価格表を作るのがたいへんだったという想い出もありますやね。あの頃は新人でしたから、価格表なんぞ担当していましたが、数種類のルーフ、駆動方式、エンジンラインナップを、決まったフォーマット内にキレイに落とし込まなくてはならず、あれやこれやと苦労した覚えがあります。当時は、DTPではなく、写植でしたから、初校前に、文字を打ち出してもらって、切った貼ったして指示した覚えがあります。あとはあれだ、フロントエンジンとなった4世代目をベースに前面衝突についてのあれこれを書いた覚えもあります。いずれにしても、思うのは、やっぱりですね、何ものにも似ていない、独自の路線を貫くことの、大切さ、これがブランド性を作り上げるに必要なことなのだなと感じました。  そうそう、今日のイベントで配布された資料の中にあった50周年記念ステッカーを見て、がく然としました。そこには、SINCE1968って書かれていましてね。そうなんです、このプレス向けイベントに出掛けるまでは、ほぅ、デリカも50年か、凄いなぁ、と、かなり他人事に思っていたのですが、実は、自分がSINCE1968でして、自らも50周年を迎えるのです、今年。なんかですね、とってもショックでした。50年掛けて、デリカというブランドを築き上げたモデルに対して、自らはまったくなにも為し得ていないという、この情けなさというか、なんというか。5世代のデリカを長めながら、強い衝撃を受け、ショックから唖然と、がく然としてしまいましたが、まぁ、帰りの電車の中ではそんなこととっとと忘れて、連休の能登行きのことをあれこれ妄想してワクワクしていましたから、まぁ、この先も変わることはないでしょうね、きっと。あ、肝心なデリカについては、今後、取材、執筆がありますので、

#1585 乗れば乗るほどに、その良さを感じてきた、三菱・エクリプスクロス。

イメージ
 デビュー前からあれこれと触れる機会が多かった三菱のエクリプスクロスですが、ようやく公道での試乗が適いました。そうなんですね、いままではデビュー前でしたからクローズドコースのみの試乗となっておりました。というわけで、その際に感じたあれこれは #1568 、 #1580 にて記してありますが、まぁ、総じて、好印象たるところは公道へ出ても変わることはありませんでした。試乗したのは、18インチの4WD。  そもそも、このプラットフォーム、つまり、初代アウトランダーから使われているこのプラットフォーム、当時から印象は良かったのですが、さらなるボディ固めやらもあって、今もって古さを感じさせません。つまり、まず、ボディがしっかりとしている。で、それを強く意識させるのはボディのゆがみを音圧や音で感じないってところではなく、むしろ、実のところシャシーからだったりします。あのですね、サスペンションの動きがしなやかなんですね、こまやかともいうか。いなしが美しい。そう、きれいというよりは美しい。まぁ、もう少し突っ込みますと、欧州車的な精密さが惹き出す心地よさには届いていませんが、この手の、この価格帯の国産車としては上出来。まぁ、マツダ的とでもいいましょうか、そんな感じ。つまり、コンフォート感も、ボディを固めたら、おまけのように付いてきてしまいましたといった、まさに、同時に作り出していましたといった感じで、天晴れです。  そのシャシーの仕立てはスポーティさを極め過ぎていないところが、良くも悪くもエクリプスクロスのキャラクターとなっています。チューニングすれば仕立てられるポテンシャルを持っているという前提からスポーティを期待したくなりますし、一方ではスポーティ感はそのままにもう少しコンフォート感を作り込めないものかと期待をしたくなったりもします。いずれにしても、与えられたベースポテンシャルからまだまだ何かできそう、整えられそうという先が見えていますので、ま、そのあたりは、商品性を含めた展開を期待できるのではないでしょうか、なんてことまで考えました。  1.5Lターボエンジンは、踏み込めばターボラグは明確に顔を出しますし、高回転域で強いパンチが欲しいと思うところもあります。ありますが、では、実際に、トルクが足りていないか、レスポンスに不足があるといえば、まったくなし。日常領域については

#1580 スノードライブに愉しさと安心感があった、三菱のエクリプスクロス。

イメージ
 東京に雪降らずとも、なんだかんだで雪の上を走っていたりします、ここのところ。というわけで、その雪上ドライブの第1弾として、三菱のエクリプスクロスの話を。この試乗会、エンバーゴやらがあれこれあて、どこまで話していいのやら分からなくなりつつありますが、エクリプスクロスについてだけは語っていいはずですので、語ります。このモデル、3月デビューが予告されている新型モデルで、詳細については、ほかで書かれているでしょうから、ここでは雪上インプレッションについて。   キーとなるS-AWCの制御はさらに先をいった感がありまして、とにかくいい。何がいちばん印象に残っているかって、周回を繰り返していくうちに、このコーナーでこんな感じで走り抜けられるというイメージが作られた後、コーナーへ入ると、そのイメージどおりに走っていく。コーナーのRから路面μまですでに知ってる? といわんばかりでして、少々オドロキ。って、これ、制御によってコテコテに規制された走りではなく、クルマのほうが、あ、そういう走りがしたいんですね、を読み取ってくれて、ではこういうふうに仕立てておきましたので、どうぞ走ってみてください、といった感じ。なんていうんでしょうかね、なんでもかんでも自動的に整えるのではなく、ドライバーの意思をくみ取って、それに応じたパフォーマンスを提供してくれるとでもいいましょうか、そんな感じ。つまりですね、半ば、AI的。昨今言われている自動運転で語られるようなレベルにはない、自己判断。もう少しいいますとね、こういった仕立てができないと、いくら状況判断だけを覚え込ませようと、自動運転は実現しないな、なんてことまで感じました。いや、エクリプスクロスは自動運転できるってんじゃなくって。   ですので、逆に先のコーナーにしても、判断を誤って進入すると、そのままの仕立てを提供してくれます。ただですね、ま、よほどのオーバースピードやらをしなければという前提付きではありますが、そこで修正に入ろうとすると、それすら読み取って、適切な駆動配分を行ってくれるため、安心感もとても高い。というわけで、結論、雪道でエクリプスクロスに後ろに着かれましたら、素直に道を譲ります。いや、今まで譲らなかったってわけではありませんので。  というわけで、いいんじゃないでしょうか、エクリプスクロス。売れるでしょうか、それについては、

#1568 想像以上にマジメで、いい仕上がりだった、三菱・エクリプスクロス。

イメージ
 デビューする前のモデル、特にプロトタイプに乗れることも、この仕事をする醍醐味といいましょうか、特権といいましょうか、この仕事していて良かったなと思えることのひとつ。というわけで、先日、来年春に三菱からデビューが予告されている、エクリプスクロスの話。おっと、まだデビューしていなかったのか、と、そんな印象すらありますが、各ブランドとも、このデビューまでのストーリーといいましょうか、助走といいましょうか、そこに最近では力をいれているようですが、期間があまりに空き過ぎると……、って、マツダCX−8も同罪ですな。まだ、デビューしていなんでしたっけか、ね。  さて、エクリプスクロスの話。その位置づけは、てっきりエントリーモデルのRVRの代わりになるのかと思ったら、違うそうで。では、アウトランダー? なんてこともなく、ヒエラルキーに関係ないポジション、コンパクトかつスペシャリティなクロスオーバーとしての提案だそうです。ほほぅ。ほかのブランドでいうところの、BMWX4であり、マツダCX-4テイストにあると。なるほどね、なるほど。ただ、その割に、もっとずばっと行った感が不足しているような気がします。デザインのまとまりはとてもいいと思います、個人的に嫌いじゃないし。ただ、良い意味でのアクがない。どっかのブランドのようなやり過ぎとは異なる、アク。釣り針的なフックとも言いましょうか。  で、肝心な走りですが……。これが、フックだらけでした。プラットフォームとしてはアウトランダーやRVR、デリカD:5、それこそギャランフォルティスに使われているものをベースにしていますが、これがいい。やっぱり、ちゃんと投資していいプラットフォームを作ると、長く使えるんだな、なんてことを改めて感じさせてくれますな。というわけで、まずは、クルマのキャラクターを超えた、クルマとしての基本性能が最新でして、これがいい。基本に忠実という意味合いで。ハンドリングなんか、ステアリングの切りはじめからグリップ感がしっかりとあって、切り足す量に応じてそれが穏やかに変化していく。で、かなり深くに切り込んでいっても、そもそものポテンシャルと、AYCの制御によって、グイグイとインへと切り込んでいく。旋回後に道幅が狭められた直線へと誘導されるコースでも、スタンスを建て直しがイージー。と、これ、基本性能の部分の話。  で、で、ホ

#1501 まじめに進化していた、アウトランダーPHEV2017年モデル。

イメージ
 さて、三菱のアウトランダーPHEVです。2月に一部改良が行われ……、って、なんだかしょっちゅう、改良が行われている印象がありますが、これはいわゆるイヤーモデル制によるもので、それゆえに、しょっちゅう改良が行われているような、そんな気になってきます。ま、それならば、イヤーモデル制であることをもっと強く謳うことで、いろいろとアピールできるのではないか、なんてことを思ったりもしますが。  というわけで、2017年モデルです、アウトランダーの。今回の改良は、昨年の北海道試乗会( #1302 )にて先行試乗させてもらったいた操縦性と安定性をハイバランスさせた制御を組み込んだことだけではなく……、ってこれは、低μ路でないと分かり辛いところもあり、ま、その詳細については、先に書きましたので、今回は触れず、で、そのほか、バッテリー制御改良やら、シャシーに手を加えたりとかなりのボリューム。で、試乗したのは、トップグレードとなるS-editionなので、それについてあれやこれやと書きましょうか。このグレードの、走りについてのトピックは、ビルシュタインダンパーの採用、構造用接着剤をリア回りに用いてのボディ剛性アップといったところか、ま、それに演出する装備の充実ってのもあれこれとあります。  で、これがですね、良かった。ま、ビルシュタインの採用によってシャシー剛性が引き上げられ、コンフォート感が引き換えになることは承知していましたが、走行距離1800kmほどの個体ながら、ビルシュタインの利点である精密さに通じるしなやかさがしっかりと出ており、逆に言いますとね、ビルシュタインの初期のウィークポイントである渋さがそれほど強く感じられず、好印象。考えるに、これは、ダンパーがこなれているというよりは、そもそもサスペンションの動きにストレスがない、といったベースがあって、といった感じ。ほほぅ、なかなかやりますな、アウトランダー、といった感じとでもいいましょうかね、そんな感じ。具体的に、強く印象に残ったのはハンドリング。ま、システム上もあって、そもそもの接地感は不足気味なのですが、操縦性のおいてはきめ細やかさが生まれていまして、ちょっとうっとりといった印象があります。AYCの介入はおいおいといった感もありますが、それもかなりステアリングを切り込んだ(スピードもありますが)ところで感じるところです

#1398 フィエスタを選んだ理由 その7(クロカンヨンクにしなかったワケ)

イメージ
 ヨシダを知らぬ人からすると、なぜ、クロカンヨンクと乗用車が比較対象に同時に挙がるのかが理解できないかと思います。簡単にいいますとね、クロカンヨンク絶対主義ってわけではありませんが、自分のスタイルに必須であることは分かっていますし、かといって、クロカンヨンク1台に自分の走りの好みがまとまるかというと、そういうわけでもない。ま、そんな理由からなんですが、それに気付いたのは、今から、20年も前のこと。  乗用車系であっても四輪駆動であれば、自らの走りを満たしてくれるかと思いきや、ファミリアターボ4WDにて砂浜でスタックしそうになった際に、それを悟りました。それからは、乗用車系と、クロカン系をまとめて考えることはせず、2つのライン、つまり、2台体制としてきました。  片やランエボだったりインプレッサだったりした際には、片やエスクードだったり、片やファミリア(NA)だった時には、片やランクル70だったり、と。で、グランドチェロキーって話が出てきた時に2台分の税金と経費を1台にまとめると考えて、グランドチェロキーに飛び込んだという経緯があります。そう、あれから13年、か。  ということもあって、今回、クロカンにするか、乗用車系にするかで、揺れていたわけですが、ま、結論としてはですね、、知り合いからジムニーを譲ってもらえそうな話がありまして、まだ確定ではありませんが2台体制を復活させようかと。といっても、そのジムニーは過走行気味なので、状態によってはスタックランドファーム専用マシンとなる可能性もありますが。  そうなんですね、やっぱりですね、1台にはまとめきれなかった。ただ、今回のクルマ選びの過程において、1台にまとられるかなと目論んでいた時期もありました。その時、ターゲットとなったのが、写真のパジェロ(現行型)。パジェロについては、昨年の夏に取材で乗ったこともあって、その好印象ぶりを再確認(→ ■ )。テストドライブしたのは、ロングのディーゼルでしたが、ベースポテンシャルの高さを改めて確認といった感がありまして、って、燃費の件はここではおいといて……、とにかく、現行型ランドクルーザープラドにはない、走りの質感が表現されていまして、好印象。いや、プラドのほうが優れている部分もありますよ、ありますけど、個人的にはパジェロを選びます、な。というぐらいに好印象。やっぱりですね

#1302 三菱自動車の雪上試乗会で感じた、4WDシステムのあれこれ。

イメージ
 北海道へと出掛けてきました。でも、北海道の地にいたのは約24時間ほど。ま、この時期多いんです、雪上試乗会やら、来シーズン用のスタッドレスタイヤチェックで。今回は、三菱自動車の雪上試乗会がありました。三菱自動車の4WDといえばパジェロが思い浮かぶかもしれませんが、現在では、FFベースのアウトランダーやデリカD:5、さらには、フロント、リアを独立したモーターで駆動した4WDシステムをもつアウトランダーPHEVなど、幅広いラインナップを持っています。  その最新を体感し、違いを理解することにテーマがあったわけですが……、ま、その詳細については、後日アップされる4x4マガジンの記事をご覧いただくとして……、ステアリングの操舵感から操作性、さらにはリアのグリップ感からトラクションまで、ここまで、路面を意識せずにできるように仕立てられるんですね、と感心した一方、あまりにも意識せずに走れるフィーリングに何か違うを感じたのもまた事実でした。実は、たまたま試乗の順番はFFベースモデル→ラダーフレーム付きモデル、となったんですが、個人的には後車のほうが自分のアナログ的ドライビングには見合っていると感じました。いや、アウトランダー、スゴイんですよ、PHEVなんてさらにスゴイし、PHEVの先行開発車(にも試乗)なんて、もっともっと素晴らしい。でも、なにか物足りない。そうなんですね、コントロール性は高いんですが、自分には接地感が見えづらい。分かりづらいんじゃなくって、見えづらい。  では、ラダーフレームモデルはどうかといえば、コントロール性は高くはないんですが、ゆるゆる故に荷重移動させやすいし、接地感がダイレクトに伝わってくる。なので、飛ばさないし、タイヤを確実にグリップさせて走ろうとする。つまりですね、たとえば、コーナーを駆け抜けるスピードはFFモデルのほうが絶対的に速い。でも、それは誰でも速いというよりは、ハイレベルなテクニックを持った人が速く走れるといった感じ。これ、どれが正解ってのはないなぁと感じつつ、やっぱり、パートタイム4WD(センターデフロックできるシステム)に慣れ過ぎたがゆえであることに気付きましたが、なんだろうな、やっぱり、移動を作り出しやすい、感じさせやすいフィーリングも、それにプラスになっているような気がしました。つまり、最新のモデルといいましょうか、乗用車テイス

#1263 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その4)。

イメージ
 東京モーターショーの情報については、公式発表があったらどんどん書いていく予定でしたが、それどころではない状況に追い込まれて……。でも、中途半端はいけませんから、続けます。そのままに、発表順に。  三菱自動車については、前回のSUVコンセプトカー3台で、デザインだけではなく、ブランドとしての方向性を示したイメージが強烈に残っています。いずれも、コンセプトカーでありながら、デリカであったり、パジェロであったりと、具体的な車種といいましょうか、コンセプトが想像できるところも良かったかな、と。で、今回ですが、コンパクトモデルであることを訴えながらも、コンセプト要素はそのままのモデルMITSUBISHI eX Conceptを出展します。コンパクトクロスオーバーであり、次期RVRのポジションを明確にしたかのような、そんなテーマも感じます。写真から判断するとかなり大柄なモデルに見えますが、全長は4240mm、全幅は1780mmと、まぁ、まさにRVRポジションだったりします。コンパクトながら迫力を感じるというデザインの妙も見どころのひとつでしょうか。インターフェイスもポイントですが、タイヤまで張り出したというホイールのリムデザインも要チェックとなっています。  で、ルノー。今回はコンセプトモデルについては何もアナウンスなく、トピックは市販モデルであるトゥインゴが日本初披露ってこととなっています。もちろん、興味津々ではありますが、フランスのブランドってのは、実はブースデザインも見どころのひとつ。前回のルノーブースは凝りに凝った感はなく、ただ、向かい合わせにあったスズキにブルーやオレンジのハスラーが展示されていて、キャプチャーとのコントラスト、いやいや、キャプチャーとともに華やかだったことを覚えていますが。そして、今回は、ブースデザインにも見どころがあることがアナウンスされています。Bump(バンプ)と呼ばれる丘状のフロアと、デザインテーマであるライフステージの移ろいを変化する色で表現したというポール状のシーリングライトで……。これもまた楽しみですな。  そして、レクサス。何やら、ワールドプレミアを飾るコンセプトカーが存在することがアナウンスされていますが、デトロイトではなく、東京で発表するところに何か意味があるんでしょうな。コンパクト? と思ったものの、ジュネーブでLF

#1231 まだまだ続く三菱自動車のパジェロな話、対談してきましたの巻。

イメージ
 梅雨明けをした頃に、三菱自動車のパジェロ試乗をしてきました。って話は、 動画での裏話というスタイルで #1205 にて、パジェロそのものの話を #1204 にて展開しましたが、その第三段となるコンテンツがようやく公開となりました。それがパリダカールラリーで輝かしい成績を残してきたラリーストの増岡浩氏、パジェロの開発に携わってきた西岡芳樹氏、との座談会(→ ■ )です。当初、お話をいただいた時には、恐れ多くて……、と思いましたが、まぁ、これも何かの縁ばかりに無謀を承知で引き受けました。ただ、最初の打ち合わせだったかで、3人での対談という提案に対して、コンテンツの内容、おふたりの経歴を考慮して、自分はインタビュアー的なスタンスのほうがいいのではないかと進言しました。これは、以前に書いたかな、実は、最近、インタビュアーがとても向いていると言われたことがありまして、自分でもそう感じることもあってのこと。進行役というよりは、まとめつつも、意見も述べるインタビュアーですな。  ま、そんなこともあっての仕事となりました。おふたりとも初対面ではありませんし、あれこれとお話をさせていただいていることもありましたし、おおまかなテーマはあったものの、時間を上手く使い切れるんだろうかとか、内容を充実させられるだろうかと、あれこれと緊張したのも事実。そして、自分の中では、裏テーマとしていかに話を暴走させていくかを考えていましたが、いざ、インタビューが始まってみれば、暴走どころか、自らのあたふたばかりで、それどころではありませんでした。  なんて、あたふた加減は文章からは伝わってきません。というのも、出版においてイロハを押しえてくれた先輩が、実に上手くまとめてくださいまして、あたかもすべてがスムーズに流れていったかのようになっています。それもまた感謝であり、感激ですな。  ということで、パジェロ対談な裏話でした。そうそう、自動車メーカーのドメイン上のコンテンツに、自身が登場するのは、初のこと。自分にとって、とても有意義な体験となりました。機会を下さった皆さんと、まとめてくださった先輩をはじめとして制作に携わった方と、何よりも下手な進行に付き合ってくださった増岡さんと西岡さんに、ひたすらに感謝なのです。

#1222 装備充実ではなく、価格ダウンを求められる、これからのクルマ。

イメージ
  #1221 であれこれ書いていたらですね、これからは装備を充実させてリーズナブル感を出すのではなく、クルマの価格そのものを下げていかなければならなくなるだろうな、なんてことを感じました。あ、アッパーモデルの話ではなくて、庶民の手が届くクルマの話。アッパーモデルは、価格に左右されないようですから、まぁ、もっと上がっていくでしょうな。そして、庶民からはどんどん遠のいていくのでしょう、きっと。  で、価格ダウン云々の話。気づきました、新興国向けと謳ってリリースしているモデルを、国内に導入してはどうかと。仕様というよりは、品質を、その地域で求められるレベルに仕立てたモデルですから、日本人のように、すっかり贅に慣れてしまった人たちに受け入れてもらうには高いハードルが存在します。ただ、それら最新モデルを眺めていると、品質やら質感に以前ほどの不足は見られず、むしろ、ベーシックでいいじゃん、意外にいいね、と捉えられるようになってきている気がします。  だからといって車種はなんでもいいわけではなく、日本で受け入れられるには、品質や装備とは異なる唯一無二的な理由が必要になります。そう考えた時に浮かんでくるのが、SUV。三菱自動車のパジェロスポーツ(写真上・中)や、トヨタのフォーチュナーには、国産SUVにはないサイズ感がありますし、実はフレーム別体ボディだったりとか、これでなきゃいかん、という理由があれこれとあります。日本で必要かどうかは、また別にして。そして、価格設定次第ではすんなりと受け入れられるのでは? と思うのです。なんていうんですかね、昔のクルマは良かったよね、的な話を良くするじゃないですか、クルマ好きって。新興国向けのモデルには、まだ、それが残っているんですね。そんなことも含めて。まぁ、燃費が……とか、排ガス基準が……とか、さらには先進安全技術やら、あれこれ言いだすと、導入は難しくなっていきますが。  そうそう、この前、 #1217 でBMW3シリーズに3気筒モデルを入れたら、価格を下げられるのにな……、なんて話をしましたが、あの手法もありかもしれないなと思うようになりました。まぁ、3シリーズはアッパークラスなイメージがありますから、日本では受け入れられないかもしれませんが、1シリーズは、ありだと思います。そう考えると、日本には上陸していないボトムグレードが

#1210 熟成たる進化を果たしていた、新しいアウトランダー(PHEV含)。

イメージ
 さてと、三菱自動車のアウトランダーについですな。ここまでコストを掛けますか、といわんばかりのマイナーチェンジを行いましたが、実はその改良は見た目だけに止まっていませんでした。乗り味についても大改良が行われていました。  あのですね、まずですね、乗り味がフラットなんですよ、フラット。バネ下だけが動いて、ボディが揺れないといった感じのフラット感。まぁ、速度域によるところもありますが、さらには、高速域ではタイヤが路面にぴたりと付いたままに離れないといったトレース性がありまして、その乗り心地の良いこと良いこと。って、PHEVの話。ガソリンは、軽さからか、速度域によってタイヤがトタトタするところがあって、わずかなおや? を感じるものの好印象。つまりですね、ここで、アッパークラス感を覚えて、感心してしまったわけですが、美点はそれだけに止まらない。  シャシーについては、今回”も”砂利道を走ってきましたが、いうまでもなくトレース性に長けていまして、そもそもグリップを失いにくいもんですから、つまり、コントロール性はとてもいい。また、グリップを失っても、PHEVのレスポンスの良さ(リアはモーター駆動)は格別でして、おっと滑ったかなと思った瞬間にトルクが伝わっているもんだから、まさに不安なし、というか、コントローラブル。もちろん、ガソリンのほうも、十分にレスポンスいいですけど、PHEVのモーター駆動に驚いたといった感じでしょうかね。って、そもそも、油圧ポンプに慣れた身ゆえに、すべてにそう感じたとかそういうレベルの話ではありませぬ、いうまでもなく。  パワーフィールも好印象。PHEVでは今回の改良で発進直後のトルク感を”盛って”いまして、EVらしい滑らかさをさらに強調するような加速を見せます。なんていうんでしょうかね、パワーを叩きつけるという分かりやすさではなく、扱いやすさも表現した、そんな加速感であり、ジェントルテイストと言えるもの。一方のガソリンエンジンは、高回転まできっちりと回るものの、やはり、PHEVのユニットと比較してしまうと物足りなさがあるのも事実です。ま、比較してしまうとね、って話であって、不足には届いていませんでした。  左の写真は吉田テストコース荒れた路面での一枚。こういったシーンでもトレース性に長けたシャシーは諦めることなく、最後まで路面をトレース

#1205 パジェロの取材裏話の続き、オフロードテストドライブ動画編。

イメージ
 これから、三菱自動車のパジェロな話は、ポロポロと出てきます。すでに取材は終わっていて、記事やら動画やら、こうして順番に公開されていくものでして……。というわけで、続いては、パジェロ オフロードドライブ・動画編な裏話。  ま、内容についてはご覧いただくとして、全編に渡って会話していることからもお分かりのとおり、収録もトークが多く、いかに分かりやすく、伝えるかは、かなり苦労したところでした。たとえば、ダートという単語も、知らない人は知らないし、分からない人は分からないし、イメージできない人はイメージできない。ということで、滑りやすい路面……なんて言葉を使ったのも、そうした理由からです。  最初の導入パートですが、眩しそうにしているのは、ほんとに眩しかったからです。太陽がほぼ真上にあったため顔に影が出てしまう→ならばレフで起こす→とーっても眩しい→目を開けてくださいというリクエスト→あごを引いてくださいともリクエスト→それをこなしつつセリフを話さなきゃ→カメラ目線だけど、カメラの横には外野が多く→こちらを見ている→緊張しまくり→顔が下を向いてゆくー→最初に戻る……。ま、そんなこんなもあって、眩しそうにしています。  途中のインプレッションはとうとうと語っていますが、シーンと語りがうまくリンクしなくて苦労がありました。グリップを失っていますねー、というタイミングで、グリップしていたりとか。そんなんで、撮り直しも多かったのですが、今回の撮影では、クルマを傷を付けないことが前提にあったもので、それゆえの緊張感もありました。もちろん、なかなかハードなシーンへチャレンジすることができずどうしたものかと感じつつ、ただですね、パジェロのオフロード走破性を伝えるにこのままじゃいかんと思い、……中略……、いつしか、あえてラインを外して、走っていました。それが、例のシーンですな。こうしてみますと、意外にもオフロードを走りながらのコメントは、緊張せず、自然に語ることができていますが、それが強く感じられるのは編集のおかげもあってのことでしょうな。  最後のまとめでは、顔も手も真っ赤に日焼けしていますが、1日中夏空でしたから、そりゃ焼けますわな。ちなみに、まとめを収録したのは、陽が暮れるギリギリの18時過ぎだったと記憶。というわけで、1日中、時間との戦いで、ドタバタと忙しくはありまし

#1204 そういえばパジェロ、今だからパジェロ、そんなパジェロな話。

イメージ
 三菱自動車のパジェロです。現行型のデビューは、06年ですから、かれこれ9年近く販売が続けられています。現行型については、個人的に、とても高く評価しているモデルでして、SUVたる乗り味をしっかりと作り込んでいるところは、まさにアドバンテージだと感じています。   評価している点といえば、まぁ、そのラインナップにもありますな。ショートを残し、MTを残し(今は消えました)、と、そこには、販売台数が芳しくないから消し去るんじゃなく、少しでも声に応えたいからガンバルというスタンスがあり、その続けるというスタンスが、とてもいい。ディーゼルも、ポスト新長期規制からではなく、早々と新長期規制から対応させるなど、評価すべきポイントは、走り以外にも多くあります。  さて、そんなパジェロのオフロードテストドライブをしてきました。仕事です、仕事。遊びではなくって、仕事で。というわけで、4x4magazineの試乗インプレッション(→ ■ )として掲載されていますので、そちらを参照していたくとして、ここではその補足を。  はっきり言って、良かったです。ディーゼルエンジンは、再登場から仕立てをあれこれと変えたようで、アクセルワークの良さ、トルクの表現の仕方など、美点だらけ。音と振動は残っていますが、ま、パジェロらしさと、一言でまとめておきましょうかね、といった感じ。  オフロードは、サイドステップがなければとあれこれと感じましたが、フロント、リアバンパーともに意外に路面に接地せず、数値以上の優秀ぶりがありました。で、記事にも書いていますが、トラクションコントロールのフォローがかなりハイレベル。おせっかい加減がないことはもちろんですが、前進するにトルクが相当に必要なシーンであっても、つまりは、タイヤ前に凸があっても、上り基調であっても、前進させてしまう。って、もちろん、対角線状にあるタイヤが浮いている状態での話です。乗用車ベースのSUVでは、難しいか、CVTの保護で諦めてしまうか、そんなシーンでの話。  というわけで、そのポテンシャルにちょっと感激して、ちょっと惚れてしまったのでした。まぁ、個人的には、ショートで、ベーシックグレードで、ディーゼルだったら……とは思いましたが、残念ながらそんなモデルはありませんでした。  ちなみにですね、記事内、2番目の写真は、ヒットさせることな