#1501 まじめに進化していた、アウトランダーPHEV2017年モデル。

 さて、三菱のアウトランダーPHEVです。2月に一部改良が行われ……、って、なんだかしょっちゅう、改良が行われている印象がありますが、これはいわゆるイヤーモデル制によるもので、それゆえに、しょっちゅう改良が行われているような、そんな気になってきます。ま、それならば、イヤーモデル制であることをもっと強く謳うことで、いろいろとアピールできるのではないか、なんてことを思ったりもしますが。
 というわけで、2017年モデルです、アウトランダーの。今回の改良は、昨年の北海道試乗会(#1302)にて先行試乗させてもらったいた操縦性と安定性をハイバランスさせた制御を組み込んだことだけではなく……、ってこれは、低μ路でないと分かり辛いところもあり、ま、その詳細については、先に書きましたので、今回は触れず、で、そのほか、バッテリー制御改良やら、シャシーに手を加えたりとかなりのボリューム。で、試乗したのは、トップグレードとなるS-editionなので、それについてあれやこれやと書きましょうか。このグレードの、走りについてのトピックは、ビルシュタインダンパーの採用、構造用接着剤をリア回りに用いてのボディ剛性アップといったところか、ま、それに演出する装備の充実ってのもあれこれとあります。
 で、これがですね、良かった。ま、ビルシュタインの採用によってシャシー剛性が引き上げられ、コンフォート感が引き換えになることは承知していましたが、走行距離1800kmほどの個体ながら、ビルシュタインの利点である精密さに通じるしなやかさがしっかりと出ており、逆に言いますとね、ビルシュタインの初期のウィークポイントである渋さがそれほど強く感じられず、好印象。考えるに、これは、ダンパーがこなれているというよりは、そもそもサスペンションの動きにストレスがない、といったベースがあって、といった感じ。ほほぅ、なかなかやりますな、アウトランダー、といった感じとでもいいましょうかね、そんな感じ。具体的に、強く印象に残ったのはハンドリング。ま、システム上もあって、そもそもの接地感は不足気味なのですが、操縦性のおいてはきめ細やかさが生まれていまして、ちょっとうっとりといった印象があります。AYCの介入はおいおいといった感もありますが、それもかなりステアリングを切り込んだ(スピードもありますが)ところで感じるところですから、ま、いいんじゃないでしょうか。
 それでいながら、乗り心地があまり犠牲になっていない。ハーシュネスに角は残されており、そこにダイレクト感が残っていますが、嫌みに感じない。なぜか、ボディがきっちりと仕立てられているからなんですな、これが。入力の後、余計な揺れが残らない。トンッと入力が入っても、スッっと消えているといった感じ。なので、ビルシュタインゆえの固さを感じるものの、それを嫌みと感じさせませんし、何よりも、もう少し走り込めば(距離が増えたらば)消え去るんじゃないかといった、フィーリングでした。ちなみに、タイヤサイズは、225/55R18。ドタバタと暴れ回ることなく、しっかりとしつけられており、これもまた、好印象に繋がっているところ。ちなみに。ヨーロッパ仕様よりもコンフォートなキャラクターのタイヤを組み合わせているそうです。
 簡単に言うならば、このS-edition、なんていうんでしょうかね、スポーティさだけではなく、質感も高めていたといいましょうか、そもそものアウトランダーのクラス感を忘れさせる、そんな作り込みとなっていました。さらに、感心したのは、インテリアもそのフィーリングに倣っており、ケチの付けようがない、といった仕立てで、好印象。こうなってくると、トップグレードとして、というよりも、フラッグシップ的なイメージを掲げられるモデルとして、商品性、アピール含めて、もっと作り込むのもありではないか、と感じたほど。ちなみに、このアウトランダーPHEV、国内では、輸入車と並べて比較する人が多いとか。今回のS-editoinは、まさにそんな人の選択肢として十分に応えられるだけでのポテンシャル、内容となっておりました。
 そうそう、2017年モデルでは、スマートフォンの機能を活用できるシステムが採用されており、試乗車にはAndroidAutoでの操作が可能になっていました。いました、いました、いました、いました……、いたんですが、操作するのにかなりの抵抗がありました。そうなんです、オッケーグーグルって、言葉にすることに、すごく抵抗があって。でも、思いきって、言ってみました。そしたら、無視されました。声量のせいかなとおもって、強く言ってみたんですが、やっぱり無視されました。たぶん、いやいやに話しているのが、伝わってしまったんでしょうな。

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