#1568 想像以上にマジメで、いい仕上がりだった、三菱・エクリプスクロス。
デビューする前のモデル、特にプロトタイプに乗れることも、この仕事をする醍醐味といいましょうか、特権といいましょうか、この仕事していて良かったなと思えることのひとつ。というわけで、先日、来年春に三菱からデビューが予告されている、エクリプスクロスの話。おっと、まだデビューしていなかったのか、と、そんな印象すらありますが、各ブランドとも、このデビューまでのストーリーといいましょうか、助走といいましょうか、そこに最近では力をいれているようですが、期間があまりに空き過ぎると……、って、マツダCX−8も同罪ですな。まだ、デビューしていなんでしたっけか、ね。
さて、エクリプスクロスの話。その位置づけは、てっきりエントリーモデルのRVRの代わりになるのかと思ったら、違うそうで。では、アウトランダー? なんてこともなく、ヒエラルキーに関係ないポジション、コンパクトかつスペシャリティなクロスオーバーとしての提案だそうです。ほほぅ。ほかのブランドでいうところの、BMWX4であり、マツダCX-4テイストにあると。なるほどね、なるほど。ただ、その割に、もっとずばっと行った感が不足しているような気がします。デザインのまとまりはとてもいいと思います、個人的に嫌いじゃないし。ただ、良い意味でのアクがない。どっかのブランドのようなやり過ぎとは異なる、アク。釣り針的なフックとも言いましょうか。
で、肝心な走りですが……。これが、フックだらけでした。プラットフォームとしてはアウトランダーやRVR、デリカD:5、それこそギャランフォルティスに使われているものをベースにしていますが、これがいい。やっぱり、ちゃんと投資していいプラットフォームを作ると、長く使えるんだな、なんてことを改めて感じさせてくれますな。というわけで、まずは、クルマのキャラクターを超えた、クルマとしての基本性能が最新でして、これがいい。基本に忠実という意味合いで。ハンドリングなんか、ステアリングの切りはじめからグリップ感がしっかりとあって、切り足す量に応じてそれが穏やかに変化していく。で、かなり深くに切り込んでいっても、そもそものポテンシャルと、AYCの制御によって、グイグイとインへと切り込んでいく。旋回後に道幅が狭められた直線へと誘導されるコースでも、スタンスを建て直しがイージー。と、これ、基本性能の部分の話。
で、で、ホイールベースが短いがゆえの運動性能がここに加わってですね、実にスポーティ。コンパクトボディゆえの俊敏さを上手く表現しつつ、嫌みにしていない。乗り心地もしなやかさなストローク感を上手くいかしていたし、何よりもホイールハウジングに張られた遮音材も相まって、静か。ほほぅ、やるじゃない、でも居住性はどうだろうと思ったら、リアシートの足下が広いし、何よりも、背筋を伸ばして座ることで疲れ知らずを提供するという、正しいシートポジションまで作り上げていて、好印象。上のグレードのみになるのかな、撮影車に装着されていたダブルガラスルーフは、キャビンに広さやタイト感とは異なる、居心地の良さを強く感じさせてくれるので、これもまた好印象。
あ、あとはエンジンか。1.5L直噴ターボは、フラットなトルク感を作り上げていて、高回転域でのパンチは期待できないものの、中回転域を多用した走りが楽しいのなんのって。低回転域のトルクももちろん、十分にありますし。あとはなんだっけか、CVTか。8速に区切られたギア比も愉しさを助長してくれるセッティングだし、レスポンスがいいことと、エンジン回転数だけ先に行ってます、的な違和感も抑えていて、とてもいい。
と、褒めちぎっていますが、短時間の試乗で、個人的におや? を感じたのは、タッチパッドのレスポンス遅れによって一体感がないこと、ドアハンドルを引ききった際に聞こえてくる、ドアパネルのチープな共振(音)。ま、このあたりは、新しい提案もあるし、プラットフォームの問題もあるので、難しいとは思いますけどね。デビューにあたって、ヒットするか否かは価格でしょうか。あとは、三菱直系のSUV的な想いを込めたことを、もっと明確に伝える必要があると感じました。いわゆる、犬ション台(写真右)だけではね、そのあたりを評価できる人には分かりますが、そうでない方には伝えきれませんから。
さて、エクリプスクロスの話。その位置づけは、てっきりエントリーモデルのRVRの代わりになるのかと思ったら、違うそうで。では、アウトランダー? なんてこともなく、ヒエラルキーに関係ないポジション、コンパクトかつスペシャリティなクロスオーバーとしての提案だそうです。ほほぅ。ほかのブランドでいうところの、BMWX4であり、マツダCX-4テイストにあると。なるほどね、なるほど。ただ、その割に、もっとずばっと行った感が不足しているような気がします。デザインのまとまりはとてもいいと思います、個人的に嫌いじゃないし。ただ、良い意味でのアクがない。どっかのブランドのようなやり過ぎとは異なる、アク。釣り針的なフックとも言いましょうか。
で、肝心な走りですが……。これが、フックだらけでした。プラットフォームとしてはアウトランダーやRVR、デリカD:5、それこそギャランフォルティスに使われているものをベースにしていますが、これがいい。やっぱり、ちゃんと投資していいプラットフォームを作ると、長く使えるんだな、なんてことを改めて感じさせてくれますな。というわけで、まずは、クルマのキャラクターを超えた、クルマとしての基本性能が最新でして、これがいい。基本に忠実という意味合いで。ハンドリングなんか、ステアリングの切りはじめからグリップ感がしっかりとあって、切り足す量に応じてそれが穏やかに変化していく。で、かなり深くに切り込んでいっても、そもそものポテンシャルと、AYCの制御によって、グイグイとインへと切り込んでいく。旋回後に道幅が狭められた直線へと誘導されるコースでも、スタンスを建て直しがイージー。と、これ、基本性能の部分の話。
で、で、ホイールベースが短いがゆえの運動性能がここに加わってですね、実にスポーティ。コンパクトボディゆえの俊敏さを上手く表現しつつ、嫌みにしていない。乗り心地もしなやかさなストローク感を上手くいかしていたし、何よりもホイールハウジングに張られた遮音材も相まって、静か。ほほぅ、やるじゃない、でも居住性はどうだろうと思ったら、リアシートの足下が広いし、何よりも、背筋を伸ばして座ることで疲れ知らずを提供するという、正しいシートポジションまで作り上げていて、好印象。上のグレードのみになるのかな、撮影車に装着されていたダブルガラスルーフは、キャビンに広さやタイト感とは異なる、居心地の良さを強く感じさせてくれるので、これもまた好印象。
あ、あとはエンジンか。1.5L直噴ターボは、フラットなトルク感を作り上げていて、高回転域でのパンチは期待できないものの、中回転域を多用した走りが楽しいのなんのって。低回転域のトルクももちろん、十分にありますし。あとはなんだっけか、CVTか。8速に区切られたギア比も愉しさを助長してくれるセッティングだし、レスポンスがいいことと、エンジン回転数だけ先に行ってます、的な違和感も抑えていて、とてもいい。
と、褒めちぎっていますが、短時間の試乗で、個人的におや? を感じたのは、タッチパッドのレスポンス遅れによって一体感がないこと、ドアハンドルを引ききった際に聞こえてくる、ドアパネルのチープな共振(音)。ま、このあたりは、新しい提案もあるし、プラットフォームの問題もあるので、難しいとは思いますけどね。デビューにあたって、ヒットするか否かは価格でしょうか。あとは、三菱直系のSUV的な想いを込めたことを、もっと明確に伝える必要があると感じました。いわゆる、犬ション台(写真右)だけではね、そのあたりを評価できる人には分かりますが、そうでない方には伝えきれませんから。