#1644 なかなかいいまとまり方をしていた、日産・デイズな話。


 軽乗用車においては、まぁ、日本では売れ筋ジャンルゆえに、その競争たるや激化の一途を辿っています。最新モデルでは、かつては軽乗用車だからと後回しだったはずの技術も矢継ぎ早に採用され、クオリティも1世代違うだけでずいぶんと違ったり。しかし、その一方で、やはりコストを掛けられないことが足を引っ張ってしまっている面もまだまだ残り……。外圧からの軽自動車枠撤廃要求やらもあって……、今後どうなるんでしょうかね、このカテゴリーは。
 というわけで、日産・デイズの話。そう、三菱ではeKシリーズとして販売されているモデル。今回は、日産が主導しての開発となったそうで、すでに終えたインタビューでも、それゆえに日産のノウハウを採用できた一方で、特に軽乗用車生産に関するノウハウは三菱から教えてもらったことが多く、それらが、功を奏しての、これまでの軽乗用車という枠を超えた仕上がりがあちこちに見られます。まず、乗り味。このあたりは二の次になってされがちだった部分ですが、サスペンションはストロークフィールもしっかりとあり、タイヤの接地感も上々(軽乗用車としては)。ステアリングフィールは、オンセンターの曖昧さが薄れ、操舵感がしっかりと現れており、なかなか。ロールも量を抑え込むようなセッティングではなく、フィールをなだらかに、緩やかに出すことで、ワインディングでは安定感を導きだしつつ、不快感を消し去っています。
 取材で連れ出したのはハイウェイスターのNAエンジン搭載モデルでしたが、ハイウェイスターのNAエンジンはモーターアシスト機能がありまして、これまでは不足を訴えたくなる領域・シーンにおいて、不足を感じさせません。ま、高回転時のエンジンサウンドは、別にしてね。ただまぁ、車両重量は良くも悪くも、ワゴンRよりも確実に重たく、その分を考慮すると、もっと軽量化を果たすとフィールはかなり変わるだろうなと予想できます。できますが、軽くしすぎて重厚感が失せることを考えると、バランスとしてはいいところではないでしょうか、とも思えてきます。ワゴンRの軽量化は、乗り味としての重厚感を薄れさせてしまっていますから。
 なんで、デイズのバランスがいいと感じたかといいますと、それでいながら実用燃費が思ったほどまで悪くなかったこと。連れ出したハイウェイスターXのカタログ燃費はJC08モードで29.8km/Lで、WLTCモードで21.2km/Lですが、今回の取材では山を上って下りてを繰り返すようなワインディングを走って、トータル燃費は25.0km/L。平地を丁寧に走っていると30km/L超えていましたこともあり、予想をいい意味で裏切ってくれるところ含めて、好印象だった、と。ただですね、燃料残量が分かり難かった。さっきまで航続走行距離は70kmと表示されていたのに、燃料計の目盛りが残りひとメモリが半分になった途端に、航続走行距離を表示をしなくなり、20kmも走らぬうちにそのメモリも消え去り……。え? ヤバイか? と思って、すぐに給油してみれば、まだ約5Lの残っていたりして……。ま、早めの給油は大切ですが、ちょっと焦らせすぎでは? と思った次第です。
 あとはなんでしょうね、まぁ、あまりに後方過ぎるリアシートポジションはデイズだけの問題ではありませんし、質感を謳いつつのエアロパーツで飾るという手法もまたデイズだけではなく……。ほか……、えっと、思い出したら、書き足しておきましょうかね。

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