#1210 熟成たる進化を果たしていた、新しいアウトランダー(PHEV含)。

 さてと、三菱自動車のアウトランダーについですな。ここまでコストを掛けますか、といわんばかりのマイナーチェンジを行いましたが、実はその改良は見た目だけに止まっていませんでした。乗り味についても大改良が行われていました。
 あのですね、まずですね、乗り味がフラットなんですよ、フラット。バネ下だけが動いて、ボディが揺れないといった感じのフラット感。まぁ、速度域によるところもありますが、さらには、高速域ではタイヤが路面にぴたりと付いたままに離れないといったトレース性がありまして、その乗り心地の良いこと良いこと。って、PHEVの話。ガソリンは、軽さからか、速度域によってタイヤがトタトタするところがあって、わずかなおや? を感じるものの好印象。つまりですね、ここで、アッパークラス感を覚えて、感心してしまったわけですが、美点はそれだけに止まらない。
 シャシーについては、今回”も”砂利道を走ってきましたが、いうまでもなくトレース性に長けていまして、そもそもグリップを失いにくいもんですから、つまり、コントロール性はとてもいい。また、グリップを失っても、PHEVのレスポンスの良さ(リアはモーター駆動)は格別でして、おっと滑ったかなと思った瞬間にトルクが伝わっているもんだから、まさに不安なし、というか、コントローラブル。もちろん、ガソリンのほうも、十分にレスポンスいいですけど、PHEVのモーター駆動に驚いたといった感じでしょうかね。って、そもそも、油圧ポンプに慣れた身ゆえに、すべてにそう感じたとかそういうレベルの話ではありませぬ、いうまでもなく。
 パワーフィールも好印象。PHEVでは今回の改良で発進直後のトルク感を”盛って”いまして、EVらしい滑らかさをさらに強調するような加速を見せます。なんていうんでしょうかね、パワーを叩きつけるという分かりやすさではなく、扱いやすさも表現した、そんな加速感であり、ジェントルテイストと言えるもの。一方のガソリンエンジンは、高回転まできっちりと回るものの、やはり、PHEVのユニットと比較してしまうと物足りなさがあるのも事実です。ま、比較してしまうとね、って話であって、不足には届いていませんでした。
 左の写真は吉田テストコース荒れた路面での一枚。こういったシーンでもトレース性に長けたシャシーは諦めることなく、最後まで路面をトレース。しかも、底付きを感じさせることもなくて、そんなあれこれに懐の深さを感じた次第です。
 あとは、なんだっけかな。あ、PHEVの乗り心地の作り込みにちょいと感心。先に書いたフラット感のところですが、フラットだからといってストローク感が見当たらないわけではなく、ストロークさせながらもフラットという、安心感を作り上げていました。えっとですね、大きな入力に対しては、しっかりとバウンドさせるんですね、このシャシー、でもって、その後、リバウンドをきれいに整えて、………、スッと収束させてしまう。つまり、その路面の凹凸を感じさせながら、そのいなし方に美を感じさせる、とでもいいましょうか、そんな感じ。つまりですね、乗り味の質感たる本質をしっかりと作り込んでいました。感心、感心。
 ま、こまかにいえば、あれこれはあります。ありますが、目標を高く掲げて実現したことのほうを高く評価したいと思います。というか、このクルマの美点を知ると、細かなあれこれは気にならなくなります。個人的には、ガソリンで十分なんですが、PHEVの仕立てに、ちょっと惚れたって感じでしょうかね。はい。

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