#1624 個人的には違うを感じるけど、走りの進化はアリな、新型デリカD:5。

個人的な意見としてはですね、このアプローチは、ナシだと思います。その理由……、そもそもデリカD:5とは、ほかのミニバンとは似ていないデザイン、走り、つまりはコンセプトから、日本でポピュラーとされてきたミニバンたちとは一線を画し、それがゆえに、細々とはいえ販売を続けてこられたモデルです。今回の改良はそれらを否定しているかのようなメッセージ性をデザインに込め過ぎており、つまりですね、"何か違う"を感じてしまうのです。分かりやすく言い換えますとね、せっかく唯一無二(あまり好きな言葉ではない)たるポジションを確立したのに、自らのポジションを誰にも言われることなく、譲ってしまったとでもいいましょうか。そう、コンセプトカーとして発表されたトヨタ・TJクルーザーって、実はデリカD:5のポジションそのもの。ま、あちらはコンセプトカーですから、そのまま市販ってのはありませんけどね、なんか、そのポジション争いに、かつてのパジェロとプラドを感じてしまうわけでして。そうなんですね、パジェロ以上に、いとも簡単に道を譲ってしまうことになるわけで……。なんてことは、開発者の方にダイレクトに伝えてあります、もちろん、個人の感想として。

ま、と、ここまでは、ほっとんどフェイスデザインに関しての話。実は、改良トピックはフェイスリフトだけではなく、インテリア質感の大幅なアップにもあります。で、これがですね、異例ともいえるほどの改良でして、現行型のインテリアデザインをひと世代どころか、完全に過去のものへと追いやりました。インパネでは、木目調パネルの使い方と、神殿かのようなクラスターの造形に、派手ではないシンプルを感じました。特に木目調パネルは、個人的に好きではない加飾ですが、面を大きく確保しながら、チープに見せない手法は、ほほぅと感心しきり。ただですね、と、結局、惜しいがあったりするんですが……、セカンドシートのサイズがですね、小さい。というか、大きくない。後で述べますが、走りにも質感が与えられたのに、シートの形状はそのまま。なんかね、もったいないなぁを感じるわけですが、ま、ビッグマイナーチェンジですから、シートまで変えてはいられませんやね(フロントは変更)。


ということで、新型デリカD:5。そもそもミニバンを必要としない身ゆえに購入対象には入りませんが、いずれかの国産モデルを購入しなきゃいけないという立場になったならば、あいかわらず、選びますな、この新型デリカD:5を。あ、そうそう、旧型フェイスキットとか、サードパーティから出ないんでしょうかね、売れると思うんですが。ただ、あれか、面積が大きいから高くなる……、売れない……、まぁ、価格設定が難しいか……。