#1653 東京モーターショー2019で、感じた、あれやこれや。その2


 個人的にですね、東京モーターショー2019で話題になったモデルに、あまり興味ないといいますか、惹かれるところは強くありませんでした。むしろ、世間であまり注目されていないモデルに惹かれたところがあります。2台ほど。いずれもワールドプレミアではなく、ジャパンプレミアなんですが。
 その1台が、スバルのVIZIV ADRENALINE CONCEPT。クロスオーバーテイストや、個々のデザイン表現にXVを感じるので、XVのケーススタディであることは伝わってくるんですが、現行型XVって、来年D型でビッグマイナーチェンジというライフサイクルにありますから、まったくの次期型となるとあと3年、もしくは2年後にこれになる? そう考えると……、ま、まさか、ビッグマイナーで、このコンセプトにスタディされたテイストを織り込んでくるんでしょうか。いやー、それはないでしょ、特にフェイスがさ、と思いつつ、次期レヴォーグがあのフェイスですから、わりと近いテイストでデザインされてくるんでしょうか。となると、今月デビューしたインプレッサD型の立場は? ってなってしまうんですが。
 それはさておき、このモデルで惹かれるところは、そのまとまり感でしょうね。かたまり感、金属削り出し的な表現ってのは、どのブランドでも多かれ少なかれ用いられているデザイン手法ですが、このコンセプトモデルはそれが分かりやすい。キャラクターラインの存在はあまり好みではありませんが。キャビンのボリュームとタイヤの存在感とボンネットとのバランスとがとてもいい。フロントフェンダーまでブラックにしてしまう表現もオモシロイですし。新たにBOLDという言葉、テイストを加えたスバルデザインですが、嫌みのような強調ではなく、素性の良さを強めるというBOLDを感じ、拍手喝采でした。

 で、もう1台が、三菱自動車のMITSUBISHI ENGELBERG TOURER。電動SUVコンセプトであることはさておき、デザインがですね、あのフェイスデザインコンセプトがですね、個人的にですね、試行錯誤を繰り返していくうちに、また、目にする側も目に馴染んできたことも含めてですね、違和感なく収めることができたとでもいいましょうか、ようやく違和感なくデザインすることができました感にあふれていて、とてもいいと感じました。ま、これは、フェイスリフトしたRVRにも感じたことなんですが。で、このモデル、猫招きフェンダーラインとクラムシェルボンネット、んで、大型なグリルを配置して、バンパーとしての下部を分けて、機能性といいましょうか、SUVに求められる機能性を明確にデザインしている、その次のSUV感もいい。あれくっつけて、これくっつけて、という後付け感による違和感が見当たらないですしね。で、ドアパネルを厚くして、ウインドウ高を小さくしたバランスもいい。表現としてはチープになりますが、高そうに見えますな、これ。
 というように、わりと現実的といいましょうか、遠くない未来を感じさせてくれるモデルが多々ありまして、最初にも書いたように、そのあたりがとても好印象なモーターショーでした。ただですね、あくまでも個人的に、とっても個人的にうーむを感じたのは、スズキのハスラーコンセプトとスバルのレヴォーグプロトタイプ。ハスラーに限らずなんですが、昨今のスズキの、どこかで見たことあるデザインを要素を、そのままに感じさせるデザイン手法は、一般に分かりやすさを伝えるには有効な手段ですが、そこにオリジナリティを感じません。何度も書いていますが、似たような……を感じさせながらも、オリジナルと言えるまでのデザインに仕立てていた、90年代のデザインをとても懐かしく思いますな。
 もう1台のレヴォーグはですね、フェイスのこういったパキーン、パキーンというデザインにやり過ぎ感を覚えます。今は珍しいけど、飽きそうという意味合いも含めて。デザインコンセプトそそのままにしたかったというデザイナーさんの想いは理解できますが、ほかパートとのバランスが取れていない、かな、と。コンセプトではなく、プロトタイプですから、このままのデザインで出てくるんでしょうね。いや、カッコいいと評価され、受けるでしょうけど。

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