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#1454 イマドキを感じた、2017年次RJCカー オブ ザ イヤーの結果。

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 今年も早いもので、RJCカーオブザイヤー決定の時期となりました。11月16日に最終選考会があり、即日開票が行われました。で、毎年のことですが、6、5、4、3、2、1のいずれかの点数を入れねばならぬことは、難しく。いつものごとく、書き込む瞬間まで、順位など付けることはできず、迷いました。といっても、迷うのは、6点ではなく、それ以下、特に、1点。個人的にはですね、1点など付けたくないわけですよ。付けたくないんですが、付けないと、票そのものが無効になってしまいますので、付けねばなりません。ま、考えますにね、順位を決定するわけではありませんから、すべてに点数をいれなくてもいいと思うわけです。極端な話、1台(1技術)を選ぶわけですから、点数ではなく、いずれを評価するかだけでもいいような気がします。あれですな、選挙でひとりを選ぶのと同じ感覚ですな。ま、母数が多くないがゆえに、無理ではありますが、いずれにしても、1点を入れるのは難しい。というか、できることならしたくないと思っています。  で、結果は下記のようになりました。  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー        日産自動車  セレナ  2017年次RJCカー オブ ザ イヤー = インポート  ボルボ    XC90  2017年次RJCテクノロジー オブ ザ イヤー     日産自動車  プロパイロット (セレナ)  ファミリーをターゲットとしたモデルがイヤー賞となったのは、今の時代を反映した結果であり、774万円からのモデルがインポートに選ばれたのは、価格だけでは語れない価値が評価された結果、と、受け止めています。国産モデルでは、日本らしさ、日本向きを語れるムーヴキャンバスやフリードシリーズ、グローバルに戦える新世代さを感じさせるインプレッサ、トルクがもたらす扱いやすさと質感にあふれるアクセラスポーツ15XD、なんだかんだ言っても売れているという事実(人気)があるプリウス、いずれも、観点を変えると、その評価は変わるものです。  それはインポートもしかり。アウディA4の豊かさあふれる質感、プジョー308ディーゼルのコンフォートとスポーティのハイバランスぶり、MINIコンバーチブルのとにもかくにもと言わんばかりの愉しさ、メルセデス・ベンツEクラスが作り上げた新しいアッパークラス感、SUVの本

#1435 デミオとCX-3の一部改良に好印象を抱きましたさね、って、話。

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 続いてマツダ話。本日、デミオとCX-3にまたも商品改良が入ったようですな。あれ、昨年末に改良したばかりじゃなかったけっかと思いつつ、そうなんですね、まだ、1年も経たずして改良、と。これぞ、やっちゃえの正しいスタイルではあるのですが、販売へのカンフル剤的な意味合いもあったんでしょうけど、もう少し、お客様に分かりやすさを与えたほうがいいかと感じました。改良していくという志と、それをすぐにお客様に届けたいという意思は、とってもいいと思います。思いますけど、これだと、買うタイミングが分からない。つまりですね、改良の時期を決めたほうがお客様の買い時という動機を与えることができます。年末ならば年末、10月なら10月、とか。スバルがその手法で改良を行っていますが、考えてみると、iPhoneなんかもそうですな。ま、あれはクルマでいうフルモデルチェンジ的ではありますけど、ありますけど、そうすると、こちら側はですね、買うタイミングが見える。旧になってしまう直前にリーズナブルに買うのか、果たして、新を待つのか、とか。というわけで、今回の改良メニューを探る前に、まずは、そんなことを感じました。  で、肝心な改良内容といえば、これが濃い。ま、細かなところはテストドライブ後としますが、プレスリリースを眺めているだけでも、感心できるポイントがいくつか。そのひとつが、デミオのSKYACTIV-G 1.3搭載車へのトノカバー採用でしょうか。その理由は遮音性と謳われていますが、昨今の国産車はトノカバーを装備していないモデルが多く、個人的には何か違うんだよなを感じていましたから、どんな理由であろうとも、採用そのものは大歓迎。大歓迎ですが、遮音性のためにと書いてしまうあたりに、カッコ良さを感じます。また、CX-3のXDにも18インチを選択できるようにしたそうですが、その理由が18インチタイヤがもたらす世界観をすべてのグレードで感じていただくために……、って、これもまたカッコよすぎ。あれ、マツダ、プレスリリースの書き方も変えてきていますな。って、これなんです、これ。見た目がいいから18インチではなく、クルマの走行性につながる、つまり走りの本質を求めて、という理由を明確にし、そして伝えること、それが大切だと思いますから、して。あ、でも、これ開発陣が、ちゃんとそう考えていたから、書けた言葉、リリースだったり

#1434 ロードスターRFのスタイルにあらためて惚れてしまった、話。

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 今回の執筆は輸入車についてなので、国産車はないんですが、調べモノをしていたら、なぜだか、ロードスターRFにたどり着きました。そう、年内に発売予定の、マツダ・ロードスターのリトラクタブルハードトップモデルですな。存在が明らかになった時から感じていましたが、って、書いた気もしますが、こういう手で来ましたかという驚きと同時に、マツダって、クーペを作ると実にいいデザインに仕上げてくるな、とつくづく思います。ま、このモデルはクーペじゃないんですが、これぞクーペと紛うといわんばかりのデザイン。BMWのX4やX6、メルセデスのGLEクーペのような、クーペっぽさではなく(ベースが異なるから比較はできませんが)、クーペたる色気にあふれたデザインがあふれていまして、まさに見とれてしまいます。もし、ロードスターを選ぶならば、意外にもオープンではなく、このRFを選ぶんじゃないかな、と、そんなことを思わせるほどだったりもします。そう、実用性、走行性能は二の次で、デザインという観点から。

#1403 新潮社SINRAにて、オープンカーについて執筆しています、って話。

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  最近、新潮社のSINRAに執筆しています。SINRAといえば、90年代後半に、自然を題材として、時に壮大なテーマを触れ、時に身近な存在に焦点を当て、写真は文章はもちろんですが、誌面レイアウトを含めて、とても質の良い雑誌として、一目を置いていました。残念ながら一時休刊となりましたが、個人的には時代に倣いすぎたコンテンツと、雑誌のポジションとが、ズレを生んだのかな、なんて勝手に推測していました。しかし、14年に復刊。以前とは少々異なるテイストながらも、根本は変えることなく、広告最優先主義とは異なるスタンスを明確にしながら、隔月刊というスタイルで発行されています。  で、そんな憧れのSINRAから執筆依頼が来ました。個人的には、うれしく思うところもありつつ、内容がクルマですから、果たして、SINRAに見合うのだろうかと思うところもありました。ただ、依頼は、自然を感じられるクルマということから、オープンカーに限ったもの。ありがちなローエミッションビークルではないところに思うところもありますが、昨今は、不便を強いるのではなく、共生していくというスタンスが主流であり、それを考えると、これはこれでありではないかと思い、で、引き受けました。  左上の表紙写真が、その最新号です(例のごとくamazonへのアフィリエイトが張ってあります)。今回、ピックアップしたのはマツダ・ロードスターで、写真は、向後一宏さん。前号では、自分の文章とは異なるものになっていたこともあり、執筆したと明言は避けていましたが、今回はほぼオリジナルのまま。というわけで、ヨシダ節を炸裂させましたが、読み返すと、炸裂しきっていないようなどこかもどかしさがあるような気もしました。まぁ、文章に限らず、レイアウトまで含めて、どこまで攻めていいのか加減が分からなかったところもありますが、これはこれでいい仕上がりになっていると思います。ほら、攻めすぎますと、この人、求めている内容と違うなと思われてしまいますから……。

#1398 フィエスタを選んだ理由 その8(デミオ、CX-3にしなかったワケ)

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 さて、話を乗用車系に戻しましょう。ここまで語ってきてお気付きかと思いますが、ヨシダ好みのキーワードは、ディーゼル、MT、4WDの3つ。それがクロカンモデルかどうかは別にしてですね、好みは、その3つなんです。となるとですね、あるんですよ、それを満たしてくれるクルマが。しかも、現在、新車として販売されているモデルが。そう、マツダのデミオとCX-3。  いや、迷いましたよ、かなり、相当。でも、実のところ、早々に脱落していました。その理由は、デミオ15MBを知ってしまったからというもの。 #1046 、 #1056 にて書いた、デミオのディーゼルの絶賛ぶりを読み直してみると、なんで、デミオにしなかったかなぁと思ったりもしますし、なおさらに、選んだフォードフィエスタは先代デミオとベースを共用していますから、そう考えると、なんで最新型デミオにしなかったかなぁと思ったりもします、ほんとに。しかしですね、フィスタにはデミオにはないシャシーの素晴らしい仕立てがありましたから……云々。  その話はさておき、MTであること、ディーゼルであることは、自分にとってかなり惹かれる条件となっていました。では、15MBに試乗したら、なぜにそれが薄れてしまったのかってことなんですが、これはとても単純。装備類はシンプルでいいと思っている身としては、それに応えてくれている15MBの装備内容に惚れ込み→1.5Lエンジンのフィーリングにもうっとり→150万1200円という価格にしびれ→いつしかデミオを選ぶなら15MBだと思っていたと。そう、イチオシと書いた(→ ■ )、あの頃ですな。そうなんですね、デミオのディーゼル、いいんですが、15MBと比較したら、いつしか割高と捉えてしまっていた。  ところがですね、その15MBにもしなかった。ベースモデルたる素材として捉えてもとてもいいモデルだと感じましたし、吊るしで乗ってもいいと思ったんですが、やっぱりですね、専用スペックを与えて欲しかった。それは、シャシー。いや、高価なものでなくてもいいんです、もう少しバランスを整えただけのものでいい、つまり、エンジンフィールに見合った、サスペンションフィール。ただ、そんなことしたら、先の価格は実現できませんし、この15MBの企画自体が頓挫してしまう。それを承知の上で、言っていますが、ま、個人的にはそう感じてしまったので

#1377 許されるならば、1台、置いておきたい、マツダ・ロードスター。

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 ロードスターの取材がありました。オープンカーの連載で……、オープンカーなので、撮影はオープンスタイルが必須。必須なのに、ここのところの雨に翻弄されて……、結論、天候芳しくないままに撮影となりました。当初、撮影は月曜日予定でしたが、火曜日が晴れるというからと火曜日に変更したところ、月曜日が晴れて火曜日が雨の予報となり、ならばと、火曜日のように土砂降りにはならないとの予報から水曜日に変更してみれば、水曜日は雨。ま、この時期だから仕方ないんでしょうけど、あまりにギリギリを狙ってくる天気予報に振り回された感があります。  というわけで、ロードスター。改めてロングドライブしてみましたが、いいですな、いい。もちろん、FRゆえにいいという部分もあるんですが、あのパッケージングと、重量バランスと、シート、ステアリングを含めたポジションと……、あれやこれや。当初は、やはり収納が少ないといった不便を感じましたが、すぐにそんな不便はもはやどうでも良くなって、走りに没頭。意のままに操れるというステアリングフィールは、ボディボトム部分の剛性感も相まって、すこぶる素直。舵を当てたところからノーズがインを向き、切り足していくと、曖昧さが介在せぬまま(いやしているんだけど)に、向きを変えていく。なんですかね、このフィーリングは、と感心しきり。その支持剛性含めて、サスペンションにしなやかさというか、質感が与えられるといいなとか、ボディ剛性全体にもう少しを覚えるところもありますけど、いや、十分でしょう、これで。何しろ、249.48万円からですし、ベースグレードのSならば、1t切っていますから。  それにしても……、って、最近のマツダを語るにいつも言っていますが、このロードスターにもブレがないし、見当たらない。といいますかね、手元においておきたい1台。2シーター? いいじゃない、それで。乗り心地が? キャビンがタイトだ? それがロードスターってもんでしょ、と、不満を不足と感じさえない、それを超える良さがロードスターにはありますから。  まぁ、強いていえば、今回は、撮影ということから、S レザーパッケージでしたが、革にもう少しの質感が欲しいと感じてしまいました。艶やかさ不足に通じる感じかな。ステッチにしても、1.5万km経過で、すり切れや色あせが見られましたし。。ま、仕方ないか、このあたりは。あ、

#1350 装備、価格、もちろん性能含めて、ヨシダイチオシなデミオMB。

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 MTやら、Bセグやら、そのあたりのキーワードが続いていますので……、というわけで、再びのデミオ。しかも、ガソリン。でもって、ハイオク仕様。そう、昨年秋にモータースポーツのベースモデルとして登場したMB。しかしですね、その素性は、スッピンにするのではなく、ラインでの手間やら、コストを考慮して、13Cのちょっとのあれこれを省いて、はいどうぞ、といった仕立て。つまりですね、オーディオ(USB端子接続可能)は付いているし、エアコンもマニュアルタイプになるけども付いている。サイドカーテンエアバッグは外されたようですが、LEDウインカー付きドアミラーも標準となもし。個人的にはリアシートがベンチ式になることとトノカバーレスとなることが残念でしたが、ま、オプションとして選べますから許しましょう。  ちなみに、ボディやサスペンションは1.3Lガソリン仕様、そのまま。つまり、どうせ変えるでしょうからという思惑もあってのこと。ところがですね、このMB、とっても良かった、すごく良かった。何が良かったって、そもそもベースポテンシャルに長けているので、特別なチューニングを施さなくてもですね、このままで乗れる。というか、とってもいい。ボディ剛性感やらステアリングフィールやら、サスペンションやらに、Bセグ的なコストのあれこれを感じますが、バランスとしてまとまっています。ま、何よりもエンジンがいい。ロードスターにも搭載されているP5-VPS型をこのモデル流にアレンジしたものですが、低〜中回転域のトルクを太らせつつ、トルクバンドたる領域を上にしっかりと確保しておりまして……、これが、おもしろい。ま、刺激という面では高回転域で不足を感じるかもしれませんが、トルクバンドが広いことも手伝って、むしろ使いやすさのほうが印象に残ります。個人的に強く印象に残ったのは、2000〜3000回転でのトルク感と、そこから先、高回転手前までの伸び感でしょうか。それに見合った6速MTのギアレシオもあって、気持ちよさがあります。それでいながらアイドリングストップ機構まで付いていますから、日常で使えます。って、どうして外さなかったんでしょうかね。ロードスターにはレス版があるんですけどね……。って、日常で使えることもキーとして大きかったんでしょうね、きっと。  サスペンションはガソリン仕様のまま、タイヤはディーゼル専用に開発

#1334 与えられたコンセプトをハイレベルで実現していた、マツダ・CX-3。

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 CX-3、もう少し乗り込んで、細かに観察してみました。まずは、 #1333 で、バンプストッパーに当たった後のフィーリングという表現をした件ですが、これは実際に当たっているのか、当たっていないのか、よく分からず。ただですね、そのストローク量は大きくはないことは確実かと。人を乗せての走行では確実にそれを感じましたし、その際にリバウンドフィールに抜けるフィーリングがあまり顔を出さなかったことからも、ある程度、人、荷物あってのセッティングであることが見えてきました。ただ、同時にしっとり感は出たものの、ここまでしかストロークさせないという底が見えやすくなっており、それが硬さとなって感じるシーンがあったのもまた事実。という表現をすると、それこそバンプストッパーにガツンとあたってと思われるかもしれませんが、その手前。ダンパーが突っ張るという表現をすると、これもまた違うな、何かに止められるとは異なる、減衰力がいきなり発生するような領域があって、という印象。いや、悪くはないんですよ、ないんですけど、理由を探りたくてあれこれと確かめて、そう推測してみたまでのこと。このあたりは、開発者と話をする機会があったら、訊いてきます、はい。  さて、ハンドリングについての印象は、さらに高く、鳥肌が立つようなシーンが幾度か。コーナーへ減速して入っていって、フロントへと荷重を移しつつ、ステアリングを切り足していくと、実に美しいロールが発生するのですよ、CX-3。フロント外輪がスーっとではなく、グーーッと沈み込んでいく。その加速度を積分……、いやいや、えっと、その、解像度がとても高いとでも言いましょうか、そんな加速度があります。その量は少々深く、また、突っ張るフィーリングなどまったく見られず、……、そう、バランスがいい。スタビライザーを含めたチューニングがすこぶるハイレベル。もちろん、それはシャシーのグリップ感を感じさせるところへと繋げていまして、コーナリングにおけるハンドリングにすこぶる高い爽快感があります。  あとはですね、シートについても書いておきましょうか。シートポジションはデミオ以上で、まさに、シートに腰を落ち着け、フットレストに左足を伸ばして、ステアリングに手を添えると、すっとポジションが馴染む。いや、調整は必要ですよ、必要ですけど、そのすっぽりとはまるかのような具合に、感心

#1333 デミオとは異なるキャラクターと質感を高めていた、マツダ・CX-3。

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 デミオとくれば……、そうです、同じディーゼルユニットを搭載したCX-3を確認したくなるもの。やはり昨年末に改良を受けていますし。そのメニューは、さらに足回りにも手が加わっているというから、期待大、と。ただ、同じディーゼルエンジンでも、デミオがFF+6MT+アッパーグレードだったのに対して、CX-3は4WD+6AT+ボトムグレードでしたから、車種が異なる以上に、あれこれと比較項目が多くあり、印象が異なるというか、あれやこれやを感じました。  どこから話していきましょうかね。 #1128 では試乗会でのファーストインプレッションを語り、 #1230 ではロングドライブで感じたことを語りましたが、その印象は変わっていません。デミオが手にしていない質感を得、クロスオーバーモデルという言い訳が見られない素性があるなど、そのポジションにオリジナリティを感じました。って、デザインもそうなんですけどね。ということは、ライバル不在ってことになるんですが、って、強いて挙げるとするならば、プジョー2008とルノーキャプチャーですな。  今回、強く感じたのは、以前語った性能がブラッシュアップされていたことでしょうか。その中でも、やっぱりハンドリングと乗り心地のハイバランスぶりでしょうな。路面トレース性に長けており、さらに柔軟性という表現が的確なしなやかさを高めていて、これが愉しさと快適さを上手くバランスさせていました。実のところ、市街地走行では見えづらいところなんですが、速度を少々上げると途端にシャシー剛性の高さとボディ剛性の高さをこれでもかと感じさせてくれます。直進性がすこぶる高いことを披露し、コーナリングではボディ剛性はもちろん、的確な姿勢変化とシャシーのグリップ感も手伝って、え、これ、国産のBセグ? と言葉にしてしまったほどの愉しさがあります。それは、クルマと対話できないと、動きが大きいと言われてしまうフィーリングですが、対話できるようになると重心高がある分を上手く姿勢変化に持ち込み、そして、グリップ感を上手く引き出し、愉しさにあふれるフィーリングと表現できるもの。簡潔に表現するならばロールを消し去るのではなく、CX-3の愉しさとしてうまく生かしている、と。  ただ、グリップ感については、もう少し欲しいなと思ったのも事実ですが、最近、これについてあまりに厳しい目を持ち過ぎ

#1332 より扱いやすく、低燃費も導き出しやすくなっていた、マツダ・デミオ。

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 いまさら車名を書くべくもなく、……、ここのところの燃費話は、マツダのデミオでした。果たしてBセグの中でどういうポジションにあるかを再チェックするために、テストドライブしていたわけですが、そう、最近のプジョー208から続いているBセグテストドライブの一環ですな。で、結論。ずばりいいますと、Bセグを感じるところがありつつ、Bセグ以上を感じるところ、そのふたつが混在していたように感じました。  Bセグらしさ……、乗った瞬間に感じたのは、車外からの透過音が耳に届くこと、ボディ剛性に不満はないもの、快適性を作り上げるために存在しているシャシーにデザインされた曖昧さ。つまりですね、悪くはないけど、優秀なモデルゆえに、さらなる上を期待してしまうという、あれこれ。透過音については、ナチュラルサウンドスムーザーを採用したグレードだったんですが、アイドリングではあまり耳に届かぬ燃焼音も、アクセルを踏むとある音域が室内へと入ってくる。つまりですね、全体的には抑えられているものの、相対的に、音の存在というか、大きさを感じさせる。って、これも比較できませんでしたし、改良モデルについては開発の方と話をできる機会を得ていませんので、なんとも言えないところもありますが……。ハンドリングは、16インチタイヤだったこともあってか(ってな話は→ #1056 )、って、開発者と話をしていませんので、シャシーに手が加わったかどうかまではわかりませんが、やっぱり、208やルーテシアのほうに分があるかなと感じたのも、また事実。ずばり、グリップ感ですな。まぁ、パワステ制御が変更になっているといいますが、新旧の比較、15、16インチでの確認ができていませんので、ちょっと分からず。というか、初期応答性についてはアップしたというよりも、そもそもこのぐらいのレベル(ハイレベル)を得ていたように記憶。ほら以前、能登までロングドライブしたモデルは15インチだったもので、ちょっと印象がごちゃまぜになっています。  改良されたポイントといえば、まずは、低負荷時のレスポンスについて。今回、パーシャルスロットル走行が多かったこともあって、この点は、扱いやすさとして感じ取ることができました。レスポンスといっても、いわゆる過敏さはなく、表現を変えますと、ラグに近いようなもたつきが消え去ったとでもいいましょうか、そんな感じ。ま、扱

#1331 低燃費を引き出すキーは、パーシャルとコースティングにある、って話。

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 果たして、昨日記した燃費は、偶然だったのか、と思いつつ、本日も同じルートを走って計測しましたら、30.7km/Lでしたから、ま、ほぼ同じ。偶然ではなかったようです。ちなみに、本日は、少々の渋滞がありつつ、エアコンを使っていたこともあってアイドリングストップ機能がなかなか働かず、の、結果。ま、それでも優秀ですな、優秀。で、今日は、瞬間燃費を観察していましたが、負荷をかけると、それなりに悪化します、って、当たり前ですが、負荷をかけていない時との差は、かなり大きいなと感じるほど。  そうなんですね、パーシャルスロットル(アクセル踏み込み量と速度が一定の状態)では、すこぶる低い燃料消費値を示します。そこにはもちろん低回転域という条件が加わります。写真は4速で、40km/h、1000回転といった、まさに、4速でも許されるギリギリといった状態ですが、ちょっと見にくいんですが、右側サブメーターに表示されている瞬間燃費は56.2km/L。つまりですね、いかにパーシャルで走るかがキーであり、MTにおいては、前にも書いたコースティングを用いた、先の先まで読んだ、ドライビング。つまり、停止するまでにいかに無駄な燃料消費をさせないかにポイントがあります。って、別にこのモデルだけのポイントではないんですけどね。  ちなみに以前にも書きましたが、小排気量ディーゼルターボですから、写真のように1000回転ともなると振動が出てきます。しかし、シフトダウン促すこともなく、まだまだ大丈夫とばかりに走行を許容してくれます。ま、その寛容さ(マージン)にもちょっと驚きつつ、MTモデルではこれ以下の回転数に入ると、アクセルワークとは関係なく、エンストを避けるために燃料を噴射しているようで、パーシャルで走っていた状態からでは、簡単にはエンストさせません。ま、ある種のアクセルをコントロールされている感はあり、そのパイロットぶりに、最初は驚きますが、そんなシステムに気付くと、まぁ、良くやっているなぁと感心が生まれてきます。  というわけで……、このクルマは……、って、また、スタイルの写真を撮ってくるの忘れました。その正体は、後日に。

#1330 燃費も走りも、意のままにコントロールできる、MTのトピック。

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 208→ルーテシアときたら、どうだったっけか? とチェックしたくなるのが……、右のクルマ。って、そのクルマの平均燃費値ですが、八王子近郊の下道を約15km走っての数値。緩やかとはいえ下り基調だったこと、下道とはいえ、渋滞と呼べるほどの混雑もなく、という好条件も重なってのことですが、そうですか、やっぱり、このクルマ、30km/L超えますか。って、以前も超えましたっけね。  で、この燃費ですが、クルマそのものの性能もありますが、MTってのがキーとなっています。MTは、シフト操作できることに喜びがあると思われがちですが、その真価はスピード、ブレーキ(減速加減)を自在にコントロールできるところにあります。クラッチを切ることでコースティングを活用したり、半クラッチを利用して、信号で停められるタイミング、信号が変わるタイミングを見越してのアクセルワーク、つまり、無駄のないアクセルワークを期待できることやら、そういった、自由自在感にトピックがあります。シフトをがちゃがちゃ動かすことは、それらに対しての必要となる操作であって、目的としては主ではないと思っています。つまり、そのすべてはドライバー次第であり、そこに操る愉しさがあるわけです。  というわけで、上のような燃費も引き出せるわけですが……。って、やっぱりね、トルクが太いってのも、扱いやすさに繋がっていることを感じた次第で……。さて、このクルマ、なんでしょうか。後日に、正体を明かしましょう。って、単純に、クルマの写真を撮っていないから、出せないだけのことなんですけどね。

#1270 いつもながらのらしさがある、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー選考結果。

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 本日、栃木県にあるツインリンクもてぎにて、2016年次RJCカー オブ ザ イヤー最終選考会が開催されました。って、イベントニュースを報告するかのような書き出しですが、……、開催されました。例年ですと、朝、フロントウインドウについた露が凍ってしまうほどの寒さなのですが、今日は、曇り空が広がっていたせいか、そこまで気温が下がることはなく、ただ、時折強い雨に見舞われました。前置きはいいから、さっさと結果を書きまししょうかね。結果は以下のとおりとなりました。  RJCカー オブ ザ イヤー       スズキ アルト/アルト ラパン  RJCカー オブ ザ イヤー インポート   MINI クラブマン  RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   トヨタ フューエル セル システム  (トヨタ MIRAI)  開票そのものは公開としていますが、開票詳細についてはRJC側から公表はしていないようなので細かな分析は避けますが、開票を見ていて感じたのは、最高点(6点)がいずれのクルマ、技術にも入っていたこと。たとえば、国産車では、ロードスターと得点を争いつつも、S660も奮闘しましたし、エクストレイルHVやシエンタに高得点を入れた方もいました。そうそう、中にはCX-3、ロードスターともに高得点だったり、どちらかが高得点だったりもありました。  輸入車ではXEを高く評価する人もいれば、TTや308に最高点を入れた人もいました。ディーゼルエンジンを搭載して魅力を増したV40シリーズ(2014年次に受賞)も、点を集めていましたし、BMWの初のFFモデルである2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーも高評価も見られました。 技術では、ディーゼルエンジンをハイブリットユニットに組み込んだメルセデスのディーゼルハイブリッドに点数が入りつつも、トヨタのフューエル セル システムが、それを上回る評価を得、そしてロードスターやアルトの軽量化に関する技術に高得点が入りつつ、ボルボのディーゼルやホンダの3モーターハイブリッドシステムにも最高点が入っていました。  つまりですね、どれが受賞してもおかしくないクルマ、技術でした。見方次第といいましょうか、捉え方次第といいましょうか、でも、そこには、広くに勧めたいクルマ、技術と想うというベースがあってこそ。いろんな見方があっていい

#1266 楽しさとオモシロさにあふれていた、東京モーターショー。

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 ここを放置していたのは、忙しかったこと、体調不良など、あれこれと重なってのこと。ただ、日々の取材やら、執筆やらは続いていましたので、あれこれとネタはあります。というわけで、まずは東京モーターショーのあれこれから。どのメーカー、ブランドのブースも見どころがあって、おもしろさがありました。今回の注目は、やはりマツダのRX-VISIONでしょうな。チラ見せから始まって、公開しても、詳細を語らないというスタンスは、まさに演出であり、仕掛けであり、その手法も好印象。ただ、このモデルを見ると、市販前提ではないコンセプトモデルは出品しないって話、大丈夫かなぁと思いつつ、ま、そんなあれこれを考えさせるところもポイント。個人的には、コンセプト、サイズともにスケールダウンさせることなく、手が届かない価格でもかまわないから実現して欲しいものだなと感じましたが。スポーツカーたる定義をすべてデザインしているこのモデル、とにもかくにも美し過ぎます。  ブースデザインで印象的だったのは、ルノー。前回はマツダでしたが、今回はルノー。というか、今回のマツダのブースデザインにあまりおもしろさを感じませんでした。期待していたんですけどね。で、ルノーの話。バンプと呼ばれる丘を表現したブースはセンターが盛り上がったデザインなのですが、これが、寝転がって昼寝したくなるような緩さにあふれていまして、とても良かった。いや、褒め言葉です、褒め言葉。ちなみに、海外のモーターショーでは、もっと広いスペースを使うことができるため、こぶが連続するそうですが。もちろん、新型トゥインゴも良かった。デザインの妙といいましょうか、RRらしさとルノーらしさとを上手くバランスさせていて好印象。気になるのは、その価格。これだとルーテシアとの価格帯に重ねてくるのかな……、とちょっと心配。下の価格帯にしたら天晴れですが。  トヨタのKIKAIは、実際に目にすると、写真では感じ取れなかったような作り込みに感心します。ショーモデルだからということもありますが、見せるところを見せるというか、見たいところを見せる、らしいところをアピールする、そんなデザイン性にひたすら感心。それでいながら、そのままに走り出しそうな作り込みもとてもいい。今の感覚をもった人たちも、昔の感覚から抜けだせない人たちも納得させられる、そんな1台です。  そういった意

#1253 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その1)。

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 さて、今年は2年に一度開催されている東京モーターショー(→ ■ )の開催年です。会期は10月29日〜11月8日で、一般公開日は10月30日〜11月8日となります。場所は、前回と同じ東京お台場の東京ビッグサイト。実は、モーターショー関連の本を製作真っ最中なのですが、すでに公開された情報がありますので、東京モーターショーのあれこれ、第1弾を書いてみましょうかね。   まずは、シトロエン、プジョー、DS。DSがブランドとして初参加となることがトピックですが、個人的には、シトロエンのカクタス(画像右上)の出品にちょいと興奮気味。日本市販までも予告されており、さらに大注目。デザインどおりに走りも緩さがあふれているようなので、かなり気になる存在となっています。ただ、予告された導入予定は2017年とのこと。デビュー時にはインパクトが薄れてしまいそうで、ちょっと心配。ま、イギリス仕様とて、現在、MTがメインで、ETGしかありませんから、6ATの登場まで待つしかないことなのでしょう。あ、あとは、プジョーブースのディーゼルの508GTの登場も気になりますし、DSブランドがどういうブースデザインをしてくるかは、さらに気になっています。  マツダが公開したスポーツコンセプト(ワールドプレミア)の存在は、東京モーターショーのトップレベルの話題になるでしょう。マツダは、これからのモーターショーでは、ケーススタディモデル、つまりコンセプトカーは出品しないと言っていましたから、そのままのスタイルではないにせよ、近い将来にデビューは確実。見どころは、そのコンセプトやらデザインもですけど、パワーユニットを発表するかどうか。ロータリーエンジン復活なのか、ガソリンなのか、ハイブリッドなのか。本を製作している我々も、まだ知りません。 まさに、モーターショー開幕までのドキドキも、マツダたる演出なのです。  ホンダは新型FCV(仮称)のワールドプレミア、NSXとシビックタイプRのジャパンプレミア予告していますが、個人的には、フランクフルト国際モーターショーに出品されていたHonda Project 2&4 powered by RC213Vに興味津々。ホンダらしさ全開といったモデルで、これぞ、ワクワクさせてくれるコンセプトカーといった感があります。クルマを持つことが当たり前となった時代におい

#1230 初見で良さを知り、乗り込んでいくうちにのめり込む、CX-3。

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 レネゲードのインプレッションの続きを書かねばならないのですが、その前に、あれこれ残しておかなければならないネタが多くて……、というわけで、まずは、マツダCX-3です。 #1128 で書いた、試乗会でのファーストインプレッションでは、最後に、なんと、オシが弱いなどと書いていましたが、今回、約700kmを走った後にそれを読んで、なんてたわけたことを言っているのだ、と思いました。やっぱりですね、試乗会の短時間では見抜けないところがあるんです。だから、ロングインプレッションが必要なんです。  さて、今回借り出したのは、試乗会では乗らなかった2WD+6MTなXD Lパッケージ。全体的な乗り味やら、18インチに対する印象は、先に書いたとおり。このモデルに与えられた質感ってのは、見た目やら装備だけではなく、実のところ走りにも多くあります。それは走り出した途端に分かる質感で、タイヤが転がりだした瞬間から、期待以上の、あ、これ、違う、を感じさせてくれます。それは、端的な表現をすればアッパークラス感であり、少し抽象的な表現を用いると、タイヤから、シャシーから、ステアリングから、シートから、すべてにおいて、いらっしゃいと言われているかのような、歓迎。って、なんか、違うな、ま、具体的に書きますとね、路面状況がどうであるのかが伝わってくる。路面の凹凸、タイヤのグリップ感、シャシーの動きといった、あれこれが伝わってくる。豊かという言葉を使うと、却下されることがあるのですが、それは、まさに情報量が豊かという表現がぴったりで、これもまた、却下されることがある、アナログ感にあふれていました。量が豊かというと、上手く伝わらないかもしれませんが、あれこれと異なる細かな情報がたくさんあり、デジタル的な数値だけでは表現しきれない、奥深さという意味合いのアナログ感。デジタル的な表現をすれば、解像度が高いといいましょうか、そんな感じ。  これは具体的に表現できなかったとしても、誰しも感じ取れるもので、なんかスゴイ、そう感じ取ることができます。そして、先に書いたように、続いて、18インチなのに凄いとか、ディーゼルだから凄いとか、そういうあれこれを発見します。で、で、あれこれに感激しながら、クルマと対話していると、たとえば、グリップ感に優れているのはタイヤだけではなく、シャシーにおけるグリップ感に長けている

#1177 スバルの理想が仕立てられている、レガシィの2.5LエンジンとCVT。

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 レガシィ話の続きです。今回「も」、有料高速道路を利用することなく、すべて下道(一部自動車専用道路を利用)で走ってきました。いつものルート、八ヶ岳のパン屋経由、乗鞍温泉までの、往復ですな。ですから、峠は、大垂水峠、小仏峠を越えて、甲府盆地を走って、八ヶ岳の麓を走って、下りて、諏訪、塩尻、松本市街地を抜けて、乗鞍越えならぬ、乗鞍上り。って、まぁ、峠っていったって、大垂水はレベルとしては小さいですし、甲府盆地ったって、平地を走らず、丘陵を上って下ってを繰り返していますから、低燃費を期待するには不利なシーンばかりですな。  さて、エンジンについて少々。新しいFB25型(2.5LNA)は、中回転域のトルクをしっかりと出しておりまして、とっても好印象。高回転でのパンチは期待できずとも、そこに届く前に、とんでもないスピードに到達していますので、別に気にならないといった感があります。そう意味からしますと、S#へとスイッチさせたら、とんでもないパンチが出てくるという期待には、応えきれていないかもしれません。  で、このFB25、CVTを含めた新型レガシィの2.5Lユニットは、FB20(2.0LNA)に感じたあれこれ( #1145 )は見当たらずといったことからも扱いやすさが好印象。たとえば、発進時に気を遣う件は少しアクセルペダルを踏んだだけで2000回転へとは飛び込まず、1500回転で止まってくれますし、1200回転以下をキープしたいという理想のペダル操作は……、できる、というか、難しくない。考えるにですね、スバルの理想を求めるに優先されたのは発進時のパワーであり、そこだけを観察してみると、実は、2.0L、2.5Lともに、そのフィーリングは、エンジン排気量差ほどの違いを感じさせません。つまり、同じように発進し、加速していきます。そう考えると、2.0LNA+CVTの仕立ては優先順位を明確にしただけの話であり、 低燃費を諦めたわけではなく、それに対して安直に ダメ出しをするのも酷であるのかなと。そんなことを感じました(反省)。  というわけで、この2.5Lユニットは1200回転以下でのアクセルコントロール(走り)をしやすく仕立てられていまして、そこを意識する、つまり、アクセルわずかに踏んでロックアップさせて1000回転少しをかなり保つことで、低燃費を引き出せます(左写真)

#1174 予想以上という予測を超えていた、マツダ・ロードスター。

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 さてと、ロードスターです。新世代マツダの商品群の集大成といいましょうか、とりを飾るといいましょうか、……、って表現すると、もう新製品が出てこないような書き方になりますので、えっと、まぁ、いいや、そんな感じのロードスターですな。  で、いきなり、結論。これが良かった。とっても良かった。何が良かったかと言いますと、スペックだけのスポーツカーに仕立てていないところが、とんでもなく良かった。言い方を変えますと、ドライビングの楽しさをダイレクトに表現したモデルなんですが、それが一部の人向けになっていないという仕立て。つまり、ここで良く使う言葉である、 結果として、スポーティといった感じに仕上がっています。 気持ちのよいドライビングとはどういうものかを解析し、分析し、そして、定量化して、設計に落とし込んで、揉んで(!)、で作り上げたといった感じ。印象に残ったのは、スポーツカーを作ったのではなくて、マツダ・ロードスターというクルマを作りましたという開発陣の言葉。まさに、そんな感じの仕上がりなのです。  具体的にあれこれを書いてみますと……、まず、ステアリングフィールは、FRとかクイックとかダイレクト感とか、そういう次元とは異なる、素直さにあふれていまして、適度な操舵感とつぶさに伝わる路面からのインフォメーションが豊かで、これがうっとり。1.5Lエンジンは、パワー不足を想像するかもしれませんが、パンチとは異なる、気持ちよいパワーフィールを表現していまして、雑味のあるサウンドも相まって、これがとってもいい。シャシーは、しなやかさにあふれていまして、路面からの衝撃をしっかりといなしながら、その動きにダイレクト感があるという不可思議なバランスを作っていまして、これもとっても良かった。あとはなんだっけか、シートも、デミオ同様に、素直というか、理想であるポジションを、意図せずとれることから、これも好印象。  MTは、シフト操作という存在感をアピールすべき要素を持っているにも関わらず、その存在を忘れさせてしまうほどにいい。小気味よくとか、ショートストロークとか、そういう言葉で表現できない、その上。自分で操作しているはずなのに、勝手にシフトレバーが動いているかのようなそんな心地よさなのですよ。もちろん、扱いやすさにあふれておりまして、それこそが意のままを仕立てているといった感じ。ちなみに

#1128 期待どおり、想像以上の驚かしがあった、マツダ・CX-3。

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 最近のマツダ車は、デビューの度に驚かされることは多く、また、ロングドライブに連れ出す度に、そのポテンシャルに感心しています。最近では、デミオ(#1046、#1056)の大絶賛がありましたが、そんなマツダの最新モデルCX-3も悪いわけないだろうと思っていたら、悪くなかった。どころか、とっても良かった、良かった。  簡潔に述べますと、デミオのSUVバージョンとは捉えないほうがいいモデルであり、SUVらしい乗り味を生かしながら上手く乗用車ライクに仕立てたモデル、といったところでしょうか。 そのスタイリングやらコンセプトから、そこにスポーティをイメージするかもしれませんが、スポーティを重ねないほうが、その素性を捉えやすいかなとも思います。分かりやすいところでは、コーナーではロールします、というよりも、させています。ただ、そのチューニングは量を抑え込むのではなく、動きを滑らかに仕立てていまして、つまりは、重心高があることを認めて、自然な動きへと落とし込んでいるとでもいいましょうかね。結果、荷重移動を感じ取っての走るという愉しさを与えつつ、快適性を感じ取れるというフィーリングがあります。ま、それがマツダのいうところの、新しさ、でもありましょうか。   もちろん、デミオで感じた、ブレーキフィーリング、シートやシートポジションやら、あれこれもハイレベル。それは扱いやすさも相まって、大絶賛といえるほどのもの。1.5Lディーゼルターボは、トルクアップを果たしていますが、これは重量増分を補うためであって、フィーリングは変えていないとのこと。って、フィーリングといえば、この1.5Lディーゼルターボに対して低回転トルク不足を指摘する人もいらっしゃるようですが、自分としては発進から加速へと移りゆく過渡特性にシャシーの動きとのバランスを感じます。ここのトルクを太らせてしまうと、シャシーの動きとのバランスに違和感を覚えますし、扱いにくさが増してしまいます。 で、その点では、デミオ同様にATとの組み合わせが実にいいです。実に。MTは、その点では気を遣うかな。   今回は、18インチ+6MT+4WD、18インチ+6AT+4WD、16インチ+6AT+2WDの3モデルをテストドライブしましたが、このプラットフォームに対して、あれだけの大径タイヤをよく抑え込みましたね、といった感がありまして……、っ

#1056 デミオに感じたあれこれと、マツダがデミオに込めたあれこれ。

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  #1046 にて書いたこと、書き切れなかったこと、デミオに感じたあれやこれやについて、開発の方と話す機会がありましたので、それを書いておきましょうかね。  まず、タイヤのグリップ感についてですが、やはり、低燃費性能を狙ったがゆえにフィーリングとしては弱いシーンがあるとのことで、そのことは承知されてました。ただ、タイヤのグリップ力については、もちろん、それなりのグリップに耐えられるようにしてはあるそうですが、強く印象に残ったグリップ力は、サスペンションのポテンシャルによって作り上げていた、とそうで。 そうか、そういうことか、なるほどね。で、この 15インチタイヤは実はガソリンモデル専用に開発したもので、ディーゼルは16インチでセッティングしていたとのこと。しかし、装着してみたところ15インチとのバランスが予想以上によかったとのことで、こういう結果にうんぬんかんぬん。ちなみにですね、ディーゼルエンジン搭載モデルならば、バネ、ダンパーは共通としているので、装備に魅力のある16インチ仕様を購入して、15インチ(純正ね)に履き替えることで、15インチたるフィーリングを手に入れられるとのこと。ただ、実はタイヤの動きに対する余裕代を変えているようで、……、云々云々。  あとは、なんだっけか。あ、えっと、ヨシダ大絶賛だったシートポジションについては、マツダ車として過去最高を作り上げているそうです。これまで積み上げてきたあれこれを、すべてフィードバックして作り上げたのがデミオだそうで、そういった意味合いから、アテンザやCX-5を超えてしまっている部分があるのも事実だそうで。もちろん、アテンザやCX-5も見直しされたとのことですが、骨格に関わるところあるため、調整に止まっているようです。ま、そりゃそうだ。  えっと、これは書いたんだっけかな、書かなかったかな、極上過ぎるブレーキフィーリングについて語ったらば、マツダ車として過去最高のフィーリングになっているそうで。フィーリングのほうね、制動力ではなくって。4輪がきれいに沈み込む挙動は、やはりサスペンションのジオメトリ、つまり、リアのアンチリフトを煮詰めたところが大きいものの、パッドのチューニングも大きく影響しているそうです。  と、関心しきり。あとは、デザインか。フロントマスクの表情は、やっぱり、豊かさをデザインした