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#1729 知っていたはずなのにすっかり忘れていた、フィエスタの秀逸なポテンシャルの話。

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 少し前、 #1725 にて記しましたが、フィエスタのブレーキ関連を交換したことでブレーキをストレスなく踏めるようになり、躊躇することなくフィエスタを愉しめるようになりました。その愉しさをさらに味わいたいと、どこか遠出をしようと企んでいるのですが、あれこれあってなかなか実行に移せず。で、今日はとりあえずとばかりに裏山を越えたあっちに広がるワインディングへと出掛けてきました。で、ですね、ひとこと。すげー、ですよ、フィエスタ。そう言葉にしてしまったほどに、すげー、かったです。  今日いちばん感激したのはコーナリングかな。街乗り低速域ではロールスピードが速すぎて、それゆえの不快さとそれを快適性へと転換しなければならないひと手間に面倒(違和感)があるんですが、速度域が上がると、なんだ、このロールスピード、ぴったりじゃんと感激を覚え、まさに的確といわんばかりのロール量に打ちのめされ、修正舵ほとんどなくコーナーを駆け抜けていきます。もちろんそういった際の路面追従性もピカイチといわんばかりで、サスペンションとタイヤの動きでアンジュレーションを美しくトレースしていまして、つまりは、路面に吸い付くようなフィーリングを伝えてきます。もう、心地よいのなんのって、なんじゃこりゃ、状態に陥ってしまいました。100PS仕様ゆえにエンジンパワーは3000回転以上でフラットにされている分、パンチに物足りなさがあるんですが、クルージングといいましょうか、GT的な走りと捉えると、このぐらいで十分といった感じ。その加減も心地よさに繋がっています。って具合で感激しました。ま、最初から知っているフィーリングなんですけどね、街乗りが続いたりすると忘れてしまうもんです。実は、最近、このフィエスタでは河原へすら足を踏み入れられないことをストレスに感じていましたが、これは手放したらいかんな、と、再認識もしました。  で、こういう気持ちよさを愉しめた日は、その後にも愉しいことが続きます。左の写真は、帰り際に立ち寄った農産物売り場へ出張販売に来ていた、パン屋さんという名のごにょごにょ。ま、半ば、それ目当て出掛けたのですが、なんと、今日が出張販売最後だとか。今後は、本店に行きますねー、なんてことを伝えつつ、やっぱりね、行動すると、何かが付いてくるもんだなと、こちらも、再認識。これをもって広がりともいいますな。出掛けて、よ

#1715 周囲で、納車続々。でも、気付いたら、みな、大幅にダウンサイジングしていた、という話。

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 昨年より友達3人にクルマ購入の相談を受けており、そのうちのふたりが今週に納車となりました。ひとりは、ダイハツ・ロッキー、もうひとりはスズキ・ジムニーでした。ロッキーを購入した知人は、それまでは再販版なガソリンのナナマルに乗っていましたから、2クラス以上のダウンンサイジングになるでしょうか。ちなみに契約時期は、昨年のマイナーチェンジ後(EV、NAエンジン追加)でしたが、もともとクロカン志向もあって、ヨンクが絶対的な条件、となると、自然とターボエンジンとの組み合わせとなりました。届いたインプレッションによると、アクセル踏みすぎには注意せねばとありましたので、驚愕のパワフルさに感激している様子。グレードはボトムのようですが、ま、イマドキの国産モデルで、あえてボトムを選ぶとかえって割高になったり、オプションで差別されたりと、虐げられるところが多々あるものの、あえて選択。それでも、想像以上の設えに、驚いているようです。   ジムニーオーナーのほうは、ジムニー(写真)が納車されるまでに代車として軽自動車に乗ってはいましたが、自分所有のクルマとしてはゴルフ6からの乗り換えに。こちらは、車両選びからの相談でしたが、山梨県在住であること、同じ農学部出身であること、パワー不足があるわけじゃない、まったり乗れるってなことから、ジムニーがいいんじゃないか? と進言。で、決意して注文したのが昨年の1月末で、1年経過して納車となりました。これでも、コロナ禍による半導体不足が表立っていなかった時期でしたし、ましてや、さらに先の読めない侵略戦争前のことでしたから、あれよりも遅くに注文していたら……、なんて話にもなりました。   それにしても、こうしてこのふたりの選択を眺めてみると、同年代においてダウンサイジングどころか、極端ともいえるダウンサイジングが、進んでいるように感じました。ま、自分も振り返ったら、5年前にグランドチェロキーからジムニー&フィエスタにスイッチ、つまり、E(あの世代のグランドチェロキーはDか)セグからBもしくは軽へと移行していますから、極端なダウンサイジングそのものをしていたりします。  さて、ジムニーが手元から離れてはや3か月ほどが経過しました。今は、フィエスタ1台体制で過ごしていますが、やはり、雪を走れるモデルがないと、寂しい、というか、悔しい。この場合は、スノードライブ

#1714 アウトランダーとしては3代目、PHEVとしては2代目の、最新型アウトランダーPHEVの原稿から、こぼれた言葉を拾ってみました。

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 昨日、どたばたな中、最新型アウトランダーPHEVの原稿を仕上げました。吉田はたいがい書き始めると暴走(文字数が多くなる)するんですが、付き合いの長い編集者の方々は、あらかじめ、多め、かつ、増減がきくような調整幅を設けて、発注してくれます。とはいっても、指定文字数が多ければ多いだけ、それを上回る文章を書き上げてしまうのが、吉田の常だったりもします。で、今回は、インプレッションメイン試乗会だったにもかかわらず、書き始めたらアウトランダーとはなんぞやとか、ここがすげーとか、前座的なヨタをツラツラと書き始めてしまって、結果、2000W(指定文字数は2600Wだった)を書いてしまうという始末。いかんいかんと、それらをばっさりと捨ててインプレッションだけに集中したもののそれだけで4000Wとか書き上げてしまうという、さらなる暴走ぶり。結果としては、無慈悲といわんばかりの大鉈をふるって指示文字数に収めましたが、あらためて、切り捨てた文章を振り返ってみたところ、捨て去ってしまうには惜しい内容ばかり。ということで、今回は、そんな文章のいくつかをピックアップして、そこに解説をつけて、記してみることにしました。えっと、校正前の文体なので、ワヤワヤなところがあるのがご了承ください。 ■その1■ 「日本でアウトランダーといえばPHEVという印象が強いかもしれないが、登場したのはアウトランダー2世代目モデルからだったので、最新型アウトランダーPHEVとしては2世代目となる。アウトランダーPHEVのユーザー、もしくは詳しい方からこの最新型を眺めると、デザインや質感が大幅にアップしたことは理解できても、PHEVシステムについては、熟成した様子はうかがえても、何がどう変わったのか、極端な話、旧型ユーザーは買い替えるまでのことか? といった疑問が湧くはず。これについて、先に結論を述べておくと、買い替えたほうがいい、と、いい切れるほどの進化を遂げている。」  そもそもアウトランダーはガソリンモデルからスタートし、2世代目からPHEVを追加。そして、3世代目はPHEVのみになるのか? という振りをしようとした下り。そして、旧型ユーザーは買い替えるほどの魅力があるという結論も導こうとしていた文章ですな。これをカットしたことで、結論も変更しています。 ■その2■ 「これだけの人気を集めているのは、端的にいえ

#1709 すべてにうっとり。ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT。前編

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 クルマの評価をする際、対話性があるかないか、を重視しています。つまりは、愉しさがあるか、ないか。それはサーキットやオフロードコースといった閉じられたシーンだけではなく、それこそ発進直後の低速域から、高速走行、さらにはワインディングまで、すべてのシーンで感じられるか、そこに焦点を当てています。速いから凄いではない、愉しさですな。で、それにぴたりとハマったモデルを振り返ってみますとね、いすゞ・2世代目ビッグホーン、フォルクスワーゲン・パサートの5.5世代目、同・ゴルフ5、ジープ・グランドチェロキー、フォード・フォーカスST、同・フォーカスC-MAX、ルノー・トゥインゴ(現行型)、スズキ・ジムニーシエラ(現行型)など、新旧は関係なく、また、ジャンルも関係なくといった感があります。パワーユニットのフィールももちろん大切ですが、どこを重視かといわれたらシャシーになるのか、な。たとえば、理想を設計に落とし込めているシャシーって、走行シーンに限らず、好印象が存在します。それを理解できたのは、BMW・初代X5のMスポーツ仕立てに乗り、ダートを走った際。そうなんですね、いいサスペンションってのは、って、この場合はオンロード仕立てなんだけど、ラフロード(オフロードではない)であっても、つまりシーンが変わったとしても接地感が大きく失われることなく、そのドライビングは実に愉しいものだったりします。  さて、前置きが長くなりましたが、その愉しさがとんでもなく表現されているクルマが、今年発売されていました。そう、過去形、限定車。それが、このルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT(以下、カングーディーゼル)で、発売は7月でしたが、用意された400台は即完売した、あのモデル。って、ほとんどの方が試乗せずに契約したんでしょうかね、でも、それ、正解だったと思います。そもそも、現行型カングーに対しては、センスあるデザイン、ゆったりとした乗り味とクッション性に富んだシートに代表される、いわゆるルノーの美点が詰まったモデルであり、ここから先の電動化・自動化を考えると、ルノーらしさがあふれている最後のモデルなんて揶揄もされていました。あ、自分にとっては高評価なモデルです。ちゃんとMTも設定していましたしね。  そんなカングーの最終モデルに、なんとディーゼルユニットを投入。ま、ほかのフランスブランド

#1706 今年はスタックランドファーム走行会へフィエスタで出掛けた、話。

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 恒例となっている、富士山麓にあるスタックランドファームオフロードコースでの収穫祭へ出掛けてきました。走行会じゃなくって、収穫祭。かつては、走行のついでにコースの中にある畑にて収穫を行っていましたが、昨今では走ることをしなくなってしまいました。仲間のクルマが、ここを走れないモデルになっていってしまったこと、が、その要因。あとはあれか、走れないモデルでも、無謀にもアタックする度胸がなくなったことも一因か。ま、いずれにしても、極悪コースと評されるスタックランドファームオフロードコースは、クロスオーバーモデルなんかでは走れません。乗用車ベースなのに意味不明な本格的SUVと名乗っているようなモデルも走れません。ルート次第ではありますがスタックせずに戻ってくることはなかなか難しいですし、ボディやらホイールにキズは必至かと。ま、スタックランドファームですから、スタックを愉しめるスタンス、大切です。  ということで、いつしか年に1回となってしまったイベントですが、皆と顔を合わせるのも1年周期となってしまい、会うたびに1年は早いねーという挨拶からスタートして、各自が1年にあったことを報告したりして、でも、すべてを吐きだすには時間が足りず、また、来年! となってしまっています。夏あたりにも集まってもいいんでしょうけど、たぶん、1年周期ってのが、丁度いい塩梅を生んでいるんだろうな、なんてことを思ったりもしています。  そうそう、恒例といえば、富士宮市在住の仲間が振るまってくれる富士宮やきそばもそのひとつ。あー、それって、麺が独特なんでしょ? と思われるかもしれませんが、実際は、だし粉、紅生姜などは、地元オリジナルだったりするし、右の写真にある焼きそばの友というラードらしきもの(ラードを搾ったさらに残りらしい)が必須だったりと、知らないことだらけ。ゆえに、美味ですし、作り方にもコツがあって、材料を揃えたところであの味は出せない。というわけで、そんな富士宮焼きそばもこのイベントの愉しみのひとつだったりします。  それにしてもですね、このイベント、いつごろから始めたんだっけ? って話が今回(毎年かも)出ましてね、振り返ってみたら、20年以上前のことで、参加メンバーが20代後半の頃。気付いたらですね、これって、彼らのお子さんの今の年齢。当時、小学生だった彼らはコースで元気に走りまわっていたこと

#1704 改良型ジムニーシエラに乗って、あらためて感じた、終のクルマとしての価値。

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 10月でしたっけか、デビュー以来、はじめての改良を受けたジムニー シエラの取材をしてきました。登録されたばかりの車両で、借りた時の走行距離は300km程度。もし、慣らし時期があるならば、まだ終わっていない、そんな車両。ちなみに今回の改良点は、ATにアイドリングストップを設けたことにあり、たった、それだけ? と思われたかもしれませんが、そもそもこの新型って燃費性能の面で、ATで出せるの? と誰しもが感じていたところ。つまり、喫緊の課題であり、ようやく3年後に少しではあるけど向上させた、という運びになっています。  で、最新型ジムニーシエラですが、アイドリングストップはさておき、2型になったことさておき、その素性はそもそも知ってはいましたが、今回、しっかりと乗り込んだらですね、悪い面が気になることはなく、むしろ、美点が加速度的にといわんばかりに募り募って……、とうとう、終のクルマにしようと、そこまでの決意に至りました。いいクルマは、ジムニー以外にたくさんあります。ありますが、やはり降雪時に走れることとか、山へ出掛けられることとか、そういったスタイルを貫くためには、自分にとってはジムニーしかありません。手が届く価格帯ってな話もありますけど、手が届いたとしてもさすがに600万円のクルマでクロカンしようとは思いませんし。あと、ボディサイズも、なんだかんだいって、山やらでは5ナンバーを超えてしまうと、機動性が大きく失われますからして。追加されるかもしれないといわれている、5ドアロングボディ? そもそも、欲しいと思っているミニにしても、ラングラーにしても、3ドアがいい(が、かっこいい)と捉えている者としては、5ドアが出ようとも(出るんだかどうだか知りませんが)、眼中(なんか懐かしい表現だ)にありません。  で、で、最新型ジムニーシエラのどこがいいのか。これまでのシリーズ同様に、軽枠のジムニーにあれこれと無理矢理に詰め込んで、クルマとして成立させたところは変わらないんですが、今回はその仕立てのレベルがすごく高い。バランスがいい。ようやく、理想としたジムニー像を作り上げられた、といった印象があります。ま、はっきりいいますと、デザインは嫌いな部類に入ります。特にオーバーフェンダーは、その造形とサイズと、もう、最悪、と思って眺めていたりもしますが、仕方ない。それよりも、走り優先なもので

#1699 走りはオンもオフも完敗。でもね、といいたくなる、ジムニー、新旧紹介。

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 ここのところなかなか愉しい取材が続いていました。といっても、最近は愉しくない取材っつーのがほとんどありません。そうほとんど。ただ、文章にまとめるのに面倒があることが程度で、それも、いざ、やる気になれば、愉しかった取材ゆえに、すらすらと進むものです。ただ、新旧モデルの紹介ですから、横並び比較はしないようにと気をつけながらも、なんだかんだいいながらしてしまう。そのあたりの加減には苦労しましたが、先代を半ば自虐的な表現を用いて貶めてしまうという手法を用いればいいだけのこと。ご存知のように、新旧ジムニーの走りにおいて、先代に褒められるポイントはないですから、性能的な比較をされてしまうと。まぁ、強いていえば、まったり走れるとか、クルマとしてのノイジーさがあって心和ませてくれるとか、無理矢理感ありありですな。  ということで、はっきり書きました、新旧に感じていたあれこれを、新型はひたすらに羨ましい、でも、デザインは好きではないという観点から。ジムニーのデザインってですね、みなさん、新型をべた褒めするんですが、自分は、その逆。あっちにラングラーが見え、こっちにディフェンダーを感じさせ、そっちではGクラスっぽさを、意図的に組み合わせている。そう、何かを感じさせる、何かに似ているデザインって、そもそも好きではなくてですね、そんな見方もあって、好みではありません。  とはいっても、先代が登場した20年以上前、あのデザインにはびっくりしました。ただ、なれていった。そのスピードは、ひと目見てびっくり、でも、1時間もしないうちに馴染んでしまったデリカD;5よりはかかりましたし、見た瞬間にこれ、十分にありでしょうを感じた現行型チェロキー(フェイスリフト前)よりはるかにかかっています。ちなみに、先代の場合、自分で理解ができるようになったのはグリル変更を受けた4型が登場する頃だったか。あの時は、なんでようやくいいなぁと思えてきたのに、どうしていまさらマスクを戻すんだろうか、と感じましたから。  そう考えると、フリーに成り立ての頃は、クルマのデザインとはなんぞやが分からず、好き嫌いで語っていました。そもそも、クルマは、自分が欲しいか、欲しくないかに、評価軸があると思っていた頃。そんなことを振り返りながらの執筆は、駄文ばかり並べる自分であっても、商品を紹介するというスタンスにおいて、ずいぶんと変わっ

#1698 夏前から続いていたジープ本への執筆で、自らのスタンスをあらためて認識できた、という話。

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 ジープな原稿書きが続いてきましたが、ようやく脱稿(したと思われる)。それぞれに異なる出版社から夏前から依頼をいただき、それはそれでありがたいことなのですが、書き分けがなかなか難しくありました。特にジープとはなんぞやというテーマが与えられまして、まぁ、たぶん、これは自分らしさを表現できる場と認識しながらも、過去にジープユーザー、でも、今のジープに何か違うを感じている者としては、ヒジョーに書き辛いテーマでもありました。ただ、幾度も書いていくうちに、ユーザーあったからだからこれ知ってるとかですね、教えてあげるよ、というスタンスで、限られた文字数内に収めようとすればするほど、自分好みではない文章になってしまっていました。ただ、あるとき、そういったパートをすべて取り除いてみたところ、むしろ上手く言いたいことを伝えられていることに気付きました。一方で、その省いたことっつーのは、体験や経験に基づいたものであり自己アピールに繋がっているのも、また、事実。ただ、取り除いた時に感じたのは、つまり客観的な視点で眺めたら、そのブロック(段落)って、とてもいやらしい、そして、卑しく見えましてね。  マスコミの中にいると、自分がー、自分がー、と、他人のことはおかまいなしとばかりに前へ出ようとする人が多く、それを、ワースゴイデスネー、と受け取る(らねばならないが正しい表現か)人々がいて、それを目にするのも、聞くのも、いやで、昨年の今ごろに立場を捨てたわけですが、そのブロックを眺めていたら、戻されそうになっていたことに気付きました。ま、フィエスタにも乗っていますとか、ノーマルでスタックランドファームへ出掛けています、といったプロフィール的なことは、執筆者の個人像をイメージしてもらうには役立ちますから、その辺りの加減が難しくもありますが。ということで、ここのところのジープ本には、ジープとはなんぞやはもちろん、改めて自分のスタイル、スタンスを再認識させられた、という、プラスが多くありました  で、写真の本は、今週発売された文友舎刊のジープカスタムブックVol.8。先日、ここでもちょいと触れた、タイガーオートの山中さんと対談という名の雑談を行い、それがP72より掲載されていますが、こうして製本され、全体と比較すると、文字、多すぎ。多すぎですが、実は掲載できない語りも含めて、落としたブロックは数多く。ま

#1697 ジムニー装着していたレカロシート、底が抜けました、って話。

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91年まで販売されていた初代ビッグホーンの純正レカロシート  ひたすらに下道を走っての遠出をして、帰り道も下道を走っていたらですね、とつぜん、シートが抜けた。そう、まさに落ちたといわんばかりに座面が抜けるように落ちた。ただ、完全に抜けてしまったのではなく、何かがまだ関与して落ちきれずに沈み込みつつあるって感じ。その地点から我が家までは100kmありましたが、落ち込みは止まり、なんとか帰宅することはできました。ちなみに、抜けたシートは、ジムニーに装着していたレカロシート。とはいってもですね、このレカロシート、初代ビッグホーンに装着されていた純正レカロシートでして、少なくとも30年以上前の生産品。まぁ、その間、装着されていなかった期間があるとはいえ、年代もの。前オーナーの、腐ってもレカロ、との明言とともにジムニーを譲っていただいたのですが、まさにそのとおりでした。サイドサポート部のウレタンはガタガタで触れるとはっきりとフレームを感じるほどなのですが、座ってみるとフレームはモモには当たらないし、レカロシートらしいサポート感は顕在。ということで、初代ビッグホーン用だったことも含めて、そこにこだわりすら感じていました。まだまだ、使えるじゃんって意味合いで。 ウレタンを支えていたゴムシートが破れました。  とはいえ、こうなってしまったからにはもはやシート交換かと思って、今どきの価格を調べてみると、円高時代の底値を知っている者としては、このジムニーがいつまで走れるかを考えると、新品に投資するのもなんだかなぁと思いました。一方、中古品を調べてみれば、え?、(たしか)20年前に6万円台とかでざらにあった(気がする)SR3(ルマンカラーね)が、美品とはいえ4万円? など、ちょっと手を出すに気にならない価格帯。さて、どうしたものかと思案しながら、実はこのジムニーを撮影する取材が控えていまして思案してもいられない状況……。と、そこで発見したのが、オークションだったかに出品されていた、修復歴(!)が記載された中古レカロシート。キーワードを頼りに探ってみると、なんと、レカロシートの座面落ちってのはそれなりにあるようで、補修パーツが販売されていました。 3980円で修復完了!  過去、レカロシートを含めて、社外シートをあれこれ付け替えた経験がある者としては補修できるなら! と喜んだわけですが、分

#1696 タフトクロスフィールドVer.、撮影の、裏話というか、補足。

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 先日、公開になった動画があります。ダイハツ・タフトに、趣のちょっと違ったタイヤを組み合わせると、結構愉しい、ってな記事。紹介しているのは2台、市販車まんまな車両に横浜ゴムのジオランダーCVを組み合わせての試乗記、そして、昨年末にダイハツが発表したコンセプトモデルのクロスフィールドVer.(ジオランダーMTG003採用)の、あくまでも妄想的な試乗記。お分かりのとおり、後者についてはコンセプト仕立てですから、実際にスタイルどおりの走りには届いていないところもあり、かといって、ダイハツのコンセプトモデルの例に漏れず、走ることはできる、ことを前提に作り込まれたモデル。そう、そのポテンシャルをテストドライブした内容とはなっていません。  さて、今回の撮影と、執筆と語りで気付いたこと、裏話をあれこれと記してみましょうかね。まずですね、そもそも、タフトは、ロッキー、タントとプラットフォームを共用していますから、つまり、いわゆるクロスオーバーというスタイルに仕立てたとはいっても、ラフロード走行性能は語れても、悪路走破性までは語れない、そんなポジションにあるモデルです。この仕立てについては、別に珍しいわけでもなく、世間で言われているクロスオーバーモデル、いや、SUVの中にも同様なモデルは数多くあります。ま、悪路云々はさておきですね、ただですね、改めて原稿を書いていて気付いたのですが、タフトって、商品企画的に攻めていたところがあれこれありましてね。それが、自動車雑誌的にはライバル、でも、実際、言われるほどに比較対象となっていない、スズキ・ハスラーと比較してですね、たとえば、最低地上高が+10mmの190mmとしたこと。これはタイヤサイズが165/60R16に対して165/65R16を採用したがゆえとも言えるのですが、大径タイヤをはける、はきこなせるポテンシャルは、やはりロッキー譲りといいましょうか、そこまで考えての、商品設計だったことがわかります。  まぁ、だからといって、悪路走破性の本質は、地上高だけでは計れないとは、毎度言っていることですが、この手のモデルにとっての、指標(商品性のアピール)としては実に有効。つまりですね、走る気があるといいましょうか、デザインも含めて、ドライバーを走る気にさせることを、丹念に作り込んでいることが見えてきます。ま、そのほかのタフトのアドバンテージに

#1695 TJ型ラングラーにすれば? という提案に、ドギマギしている話。

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写真中央部のもやもやっとしたところで、ジープの撮影をしています   ジープな仕事依頼が続いています。本日、ひとつ終えましたが、もうひとつあるようです、どうやら。それはさておき、先日、ジープを得意とするヨンクプロショップ兼、ジープディーラーを展開する、あのショップへと出掛け、代表取締役社長と対談をしてきました。考えてみますと、インタビューじゃなくて対談ですから、吉田に対する編集部の対応もずいぶんと上がったものだと感心しつつ、え、なに? 文章を組み立てるのは俺なのかい? と、変わらぬ対応に、まぁ、そんなもんだよな、とも思ったりしていますが。  ま、細かな対談内容については、これから発売されるムック本に掲載されますので、そちらを見ていただくとして、この方との話は、なんでしょうかね、共通項が多くて、ジープに対しての捉え方がすごく重なる部分が多くて、仕事で訪れたのに、いつしか雑談的になり、すごく愉しい時間を過ごしています。まぁ、だからこそ、それを原稿に落とし込むには、かなり苦労しますし、整え方に気を遣ったりもするわけですが。  2002年の北海道試乗会でのTJラングラー  で、そんな対談な雑談にて、原稿には書くつもりの無かった、あがりのクルマの話を自分でしはじめましてね。ナナマルあたりを選んでおけば、EVだらけの世の中になっても、ビンテージとして乗り続けられるだろうし、トヨタも面倒を見てくれるだろうし、なんて話をしました。ら、ですね、なんと、その代表取締役社長さんがですね、TJラングラーにすればいいじゃん、と軽くといいますか、単刀直入とばかりにおっしゃいましてね。いや、それまでは現行型ラングラーはサイズでか過ぎてー、価格が高過ぎてー、でもって600万円のクルマでスタックランドファームを走って傷つけるのはイヤダメだしー、と逃げの言い訳を散々にしていたんですが、TJラングラーという、まさに王手といわんばかりの駒を繰り出されて、こちらは何も言い返せない、アウアウ状態になってしまいました。  ただ、考えてみますとね、サイズ感もいいし、2ドアスタイルもいいし、オープンになるところもいいし、ATでもいいし、MTでもいいし、ジープだし、と、とってもことだらけ。しかも、たぶん、この仕事をしている者としては、日本でいちばん最初にTJに乗っていたりと、あれやこれやと愛着もありますし、デザインも嫌

#1690 ジープ、ジープ、ジープ! ジープな原稿が続いている話。

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 日本でのジープが勢いづいているようです。そんなに街中で目にするか? と思うのですが、売れているそうで。ちなみに2021年上半期販売台数は、ジープブランドのみで7372台だとか。その中でも、ラングラーにおいては、特に売れているなぁを感じます。振り返ってみると、96年には、チェロキーだけで1万3000台/年の販売を目指した時代もありますが、あれに匹敵はしませんが、ラングラー、売れているなぁ、を感じつつ、そこには、XJ型チェロキーとは反対に、高いクルマなのになぁ、という、買えない節が込められた捉え方にもなっていたりしますが。 pluginハイブリッドのレネゲードxe  さて、ジープ。最近のジープ。そんな勢いを反映してなのか、どういう事情があるのかわかりませんが、ジープの原稿や企画相談がやたらと舞い込んできます。いずれにしても、マーケットが求めているんでしょうね、ジープを。個人的には、ジープに対しては、かつての円高時代を知っていますし、乗っていた者からすると、カジュアルに乗り倒せるブランドといったイメージがあります。ありますし、今でも持っています。つまりですね、イマドキジープ乗りさんたちとはキャラクターが違うわけで……、しっかりとそれを意識して、執筆しています。  では、かつてのジープと、今のジープと何が違うか。バリエーションを増やしてしまった分、オフロード走破性をスポイルさせたモデルをラインナップさせた分、ブランドの解説をするときに困るところもありますが、まぁ、かつても今も共通しているのは、緩さがあることでしょうな。シャープさという演出がされていないことをプラスに捉える、つまりですね、緩さに気付くと、ゆったりとした時間が流れていることを見出せる。これは、スポーツカー絶対主義の人にはすぐに理解することは難しいテイストともいえます。  さて、ヨシダ的に現行ジープラインナップの中に欲しいモデルはあるのか。スタックランドファームで遊べるというオフロード走破性を求めますから、ラングラー一択となりますが、ボディサイズが大きすぎることもあって、選ぶなら3ドアモデル。でも、518万円と、クロカンして傷つけてしまう恐れを考えると、手が出ない。いや、クロカン走行前提を考えると500万円は出さないでしょ、と、思っていますし。では、ジープ以外も含めて、ここまで大きくなく、改造をせずに、リー

#1687 月刊ドライバーにてクロカン3台取材をしてきました、話。その1。

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 さてと、クロカンする機会はほとんどないと思われるのに、昨今のクロカンモデルへの期待はなんなんでしょうかね。不可思議に思います、思いますが、もっと不可思議なのは、何が凄いのかがほとんど解説されずに、すげーと言われていることではないか、とも思っています。ということで、今月号のドライバーにてクロカン3モデルの試乗記を担当したので、その取材フォロー、書き切れなかったことなどを、ここで少々書いておきます。ちなみに、取材に持ち出したのは、メルセデス・ベンツ Gクラス、ジープ・ラングラー、そして、ランドローバー・ディフェンダーの3台ですが、GクラスはAMG仕立てのG63ですから、クロカンポテンシャルを意図的にスポイルしていることから、クロカン走行はしませんでした、という前提で。  ディフェンダーに対しては、先代を社用車として乗った経験がある者からするとですね、新型は、今に何が求められているかを、ランドローバーは実によく理解して、それを提案しています。先代を比較に出して述べますと、オフロード走破性を最優先にしたがゆえに、日常で不安を煽るあの乗り味が消え去っていまして、街乗りしたくなるモデルへと変貌していました。つまり、日常に不足がないオフローダー。そこに大きく貢献したのは、やはり4輪独立懸架式サスペンション。エアサス付きとなるとランドローバーお得意の伸び縮みまで再現してオフロード走破性を獲得しつつ、サスのストローク感を乗り心地にこれでもかと使って快適性を表現しています。かつて、高速道路から出口へと向かうコーナーで速度が高すぎるがゆえに、曲がり切れずに苦労しているランドローバーを見たことがありますが、ああいった心配はもはや皆無。どころか、オンロードにおけるコーナリングがむしろ、愉しい、愉しい、愉しい。この乗り味に対して、クルマの動きはどうあるべきかをしっかりと把握しておりましてね、コーナーではリアサス外側がんぐっと沈み込み、グリップはまかせなさいといわんばかりのスタンスが強く感じられ、そこにそれを愉しませてくれる2.0Lエンジンの仕立てが加わって、もはや、うっとり。この乗り味、ランドローバーの中でスポーティを謳うモデルならば分かるんですが、ディフェンダーで、しかもスポーツモードなんてのを持たずにこれ……。  さらに驚いたのは、えっと、オフロード走破性でのある一面。高速で走るサーキッ

#1683 三栄のMotor-fan webで、再びに、ダイハツ・タフトをトップに選んだ話。

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理想を追求しすぎてて、実現出来ていない面も数多くあれど、アイテムの面やらベンチマークたる存在になるべく意欲的な開発がされてます。はい。  三栄のMotor-fan webからいただくテーマはとてもいいところをついていましてね、発注は800文字でいいと言われているものの、書きたいことが多すぎて、ついつい書きすぎてしまうことが続いています。文字数オーバーったって、倍、いや、3倍近くになってしまうほどの、オーバーランですから。さて、今回いただいたテーマは「 プロが選ぶ最強のお買い得車 」。あれ、コスパのいい……がテーマだったはずが、掲載される段になったらちょっと整えられていましたな。  そもそも、コストパフォーマンスという言葉って、良くも悪くも深く考えていない感がにじみ出ていて、あまり好きではありません。それこそキャッチー過ぎる言い回しそのものに、軽さを感じてしまいますし。まぁ、それはさておき、執筆した内容についての補足を、ちょいとしておきましょうかね。お買い得というのは、評価する者の視点によって大きく変わってくるものです。寄稿のあたまにも記しましたが、自分の場合は、走りが愉しいこと、それを助長してくれる装備に割高感がないこと、ま、すべてはバランス、と、捉えています。そういう観点からすると、ハイパフォーマンスモデルって、その高スペックぶりに対してリーズナブル感がすこぶるありますけどね、絶対的な価格としては安くはない。特に昨今のモデルはその傾向が強く、実は、当初、トヨタ・ヤリスGRを選ぼうかと思ったんですが、そういった見方、そして、さらにはきっとほかの方が選ぶだろうことも考えて、却下。また、ルノー・カングーもあの走りの質感を考えるととんでもなくお買い得なモデルであり、さらにモノスペースゆえの使い勝手の良さまで考慮すると、超がつくほどのお買い得。ただ、このピックアップは絶対にだれかと被るだろうし、狙いすぎといった印象も感じられたので、却下。  ま、却下というよりは、それよりも個人的に買い得だと感じているモデルがあったものですから。あれこれと見渡した時、ユーザーフレンドリーで、かつ、自動車メーカーやディーラーの、無理矢理な押し付け感が見当たらない、そんなモデル。しかも、これからの軽自動車のあり方を提案しているモデル。それが、ダイハツのタフトと。ま、その理由は記事でも、ここでも

#1682 三栄のMotor-fan webで運転の愉しいクルマを選んだ、話。

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スポーティをウリにしていないんですけどね、愉しいんです。  三栄さんのですね、 Motor-fan_web で、最高に運転が愉しいクルマ3台をセレクトして、記事にしてくださいという依頼がありまして、執筆しました。しましたけどね、これがすごく悩んだ。自分の場合の運転が愉しかったクルマ=ハンドリングにおいて対話性があるクルマとなるわけで、つまりはですね、絶対的なスピードとは無縁だったりします。ということで、あちらで書き切れなかった補足をこちらにしておきます。。  で、そんな愉しさをキーワードにして振り返った時、何を思い出したかといえば、やっぱりですね、C-MAXなんですよ、C-MAX。そんなモデルあったっけか? と思われるかもしれませんが、あったんですね、フォード・フォーカス C-MAX。フォーカスベースのモノスペースモデルで、日本ではタイミングが悪かったこともあって、2年未満の導入でしたが、その出会いは強烈でして、あちら側から、クルマの愉しさってのは、こういうもんだから、スピードとか関係ないから、と教えてくれたモデルでした。もちろんハイパフォーマンスモデルではありません。エンジンもスペックは平凡でも、フィーリングは実直な2.0L/NAで、トランスミッションは4AT。でもですね、個々の作り込みが素晴らしい上に、そのバランスがいい。とんでもなくまじめすぎるとも言えるか、そういう意味では、まずはシート&そのポジションがサイコー。そもそも、ヨーロッパフォードのモデルは、シートが絶品な上に、シートポジションがしっかりと作り込んであります。自らはアップライトに座るスタイルが好みなこともありますが、このC-MAXのシートは、もう座った瞬間から打ちのめされっぱなし。クッションにおける質感はなんつーですかね、まさにオーバークオリティか。で、リアシートなんぞ、3座独立なだけではなく、ドア側シートのスライドは斜めに動くという変態仕様だったりして、もう狂喜乱舞といった感じ。あ、いうまでもなく、リアでもシートベルトはショルダーからかかるようになっている、安全思想満タンな作り。もう、何もいうことない、そんな感じでした。  そして、運転がこんなに愉しいと思わせた決定打はやはりハンドリングでした。ステアリング操作をしているとですね、握っているステアリングホイールからステアリングコラムを通じて、ピニオ

#1654 早いもので……、2020年次RJCカー オブ ザ イヤー 最終結果の話。

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 たぶん、毎年書いていることでしょう。早いものでもう昨年の選考から1年が……、と。しかしですね、今年の1年は特に早かったような気がしています。というのも、最終選考会が行われる栃木県はツインリンクもてぎに、ついこの前に来たばかりといった印象がありまして……。ということで、今年も、決定しました。以下が結果です。   2020年次RJCカー オブ ザ イヤー   RJCカー オブ ザ イヤー       日産 デイズ/三菱自動車 eKワゴン   RJCカー オブ ザ イヤー・インポート BMW 3シリーズ   RJCテクノロジー オブ ザ イヤー   日産 プロパイロット2.0(搭載車スカイライン)   RJC特別賞             急速充電規格CHAdeMO  今年次は、軽自動車が3ブランドからノミネートされ、試乗時も軽自動車がやたら走っているなといった感がありました。評価基準は、走りだけではありませんから、トータルが評価されての結果なのでしょうね。個人的には、ほか2車については、N-WGNの懐の深いシャシーと、タントの福祉に対するスタンスを、高く評価していました。インポートの3シリーズは、Dセグメントモデルのベンチマークとされる主力車種であり、最新3シリーズはその期待を上回るポテンシャルをもっていましたので、そのあたりが評価されたのでしょう。個人的に、いちばん好みな乗り味はボルボ V60クロスカントリー。レンジローバー イヴォークはスポーティテイストを極めながらも、シャシーにしなやかさがあふれており、オフ(ラフ)ロードもかなりいいんじゃないかと期待させるあたり、とても好印象でした。  個人的な評価としては、やっぱりマツダ3。ファミリア乗りだった者としては、気になるモデルってこともありますが、まぁ、クルマとしての基本スタンスに優れていること、これは絶対的な走りの評価とは異なる視点で、高く評価しています。あ、そういう意味では、RAV4も好印象。まったくもって困るのです、評価ってのは。

#1637 旧型ユーザーは乗り換えたほうがいいと思う、三菱・デリカD:5。

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 最近は、同じモデルを、異なる媒体に書くことが多く……、つまり、書きわけなければならないことが多々あります。それが、エッセイだったらいいんですけど、新車紹介だったり、インプレッションだったりすると、もはや書き分けられているんだろうかと思うことしばしば。ま、表現方法を変えたとしても、評価そのものは変える必要はありませんから、難しいわけではないんですけどね、ないんですけど、同じ文章になっていやしないかと心配だったりもします。なので、書いたものを読み返さないようにしていますが、ふと、それゆえに、同じ言い回しになっていやしないかと、思ったりもして。  というわけで、昨夜、3誌目の執筆を終えたのが、新型デリカD:5。このモデルとは昨年秋の事前撮影会からの付き合いでして、発売前の試乗会(クローズドコース)、スノードライブ、そして、今回の公道試乗会で4度目の御対面となりました。もう、すっかり見慣れました。それは飽きたというのではなく、目に馴染んだという慣れ。最初は、そのデザイン手法に驚きを覚えましたさ。ただ、知らぬモノを目にした驚きであり、解釈するに、理解するに時間を要しただけのこと。デザイナーさんへのインタビューやらを経て、意外にも、そこにクリーンであるとか、シンプルを感じていたりするから、不思議です。ただ、個人的な好き嫌いでいえば、"好みではない"デザインですが……。ま、そもそもミニバンを必要としていない、というスタイルもありますけど。  個人的な好き嫌いや、欲しいかどうかは、さておき、新型デリカD:5、とってもいいです。今回は、フルモデルチェンジではなく、07年にデビューしたモデルのビックマイナーチェンジではありますが、シャシーにしてもエンジンにしても、とことん手を入れましたといった感があり、そういう捉え方をすると熟成感にあふれています。実のところ、改良前のモデルでも、ウィークポイントはあまり感じていませんでしたが、乗り比べると、歴然の差。以前のモデルは、乗り味なんぞサスのストロークフィールにすら唐突感、いや、整え切れていない感がありますし、ハンドリングも操舵感含めて、過去を感じます。そのほか、以前のモデルでは、エンジンは、ディーゼルゆえのトルクはあるけど、過給器も相まってのトルク変動があるし、微妙なアクセルコントロールができていたかと言われたら、そ

#1631 特別な人向けモデルになって戻ってきた、トヨタ・ハイラックス。

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 最近のトヨタは、復活、をひとつのキーワードとしているんでしょうか、ね。86から始まって、ディーゼルに、最近ではランクル70に、ハイラックスに、そしてスープラに。個人的に復活よりも、継続に、惹かれますから、このあまりの復活祭りに、なんだかなぁを感じていたりもします。さて、その復活モデルの1台、ハイラックス。一昨年になるんですね、復活したのは。諸事情から国内をきっぱりと捨てて、この度、戻ってきましたが、まぁ、随分とその様相を変えての、復活となりました。  全長5335mmは、もはや国内向けサイズとはいえずどころか、5m以上のモデルが止められる車庫を用意しなければならないというハードルが掲げられ、かつてよりも、さらに特別なモデルとなっていました。ま、逆にいえば、中途半端に誰でも所有できるんじゃなく、そこまでしないと手に入れられない特別な人向けであり、そういう人こそ、このゆとりを使いこなせましょうから、これはこれでいいのかもしれません。  さて、そのハイラックスですが、先日改めて試乗する機会がありましたので、あらためて感じたあれこれを。簡単にまとめてしまうと、なかなかいいまとまりをしていました。まぁ、印象的に残ったのは……、バランスですな。プラドよりも400ccダウンとなる2.4Lディーゼルターボは軽快感があって、パンチは強くなくとも、トルクでパワーをグイグイ発生させる感があって、不足ない。しなやかさを与えられたシャシーは空荷ではややの不足があっても(空荷での試乗だった)、積載時の不足はないと予感させるものだったし、オフロードでは、やっぱりリジッドってステキとか、デフロックっていいよね、を感じさせてくれました。日本ではウィークポイントとなる全長については、リアタイヤが遠くにある印象が少なく、Uターンと駐車以外でのストレスはそれほど多くはなく。キャビンについては、かつてよりもサイズを増しているため、リアシートがまさに使えます。足下はもちろん、座面がフロントよりも高くなっているので、背後に迫っているウインドウ含めて、座っていると、特別なモデルに乗っている感があり、ワクワクがあったりもします。ま、ただし、後ろからの陽射しはキツイでしょうけども……。  そうそう、試乗会ではMTが用意されていまして、オフロードのみの走行ではありましたけど、これが良かった。愉しかった。操る愉し

#1622 三栄書房の新型/歴代ジムニーのすべて、製作の裏話、あれやこれや。

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 さて、ジムニーネタを。実は、意図して触れずにいました、書かずにいました。なぜならば、ジムニーに関する執筆が多かったこと、そして、取材以外でしっかりと乗り込む機会がなかったことなど、理由はあれこれとあります。で、ようやく、最後の執筆が終了したので、取材の裏話含めて、あれこれと書いてみようかと思います。  まずは、最近、執筆を終えた三栄書房の新型/歴代ジムニーのすべて、について。担当した編集部はカースタイリングを製作している部署なんですが、同時に、いわゆるアーカイブシリーズも製作しています。その内容は簡単にいえば、三栄書房の過去の財産(資料や写真や)をもとにして、今に焼き直したものなんですが、そこに今と、懐かしい過去を上手くバランスさせていて、しっかりと再編集しています。そう、どこかのようなコピペ作業とは違う、作り込みに惚れ惚れとしています、いつも。まぁ、そういうスタンスの編集部ですから、そこにいる方々も、そこに集う方々も、話していて愉しさがあります。好き嫌いの向こう側にあるクルマの捉え方も合いますし、本の作り方に関しても意見がとても合う。つまりですね、仕事していて愉しさがあります。今、ほっとんどないんですよ、こういう本の作り方。寂しい限り。ほんとに。  前置きが長くなりました。そんな編集部が製作したこの本ですが、実は、この編集部、すごくヨンクに詳しい人が集まっているわけではありません。ただ、編集部員のひとりが、今年の初めころ、先代ジムニーシエラを生産中止寸前に購入。シンプルなクルマを好む彼は、新型ジムニー登場で、シンプルさをもったクルマが消え往くことを知り、あえて、旧型を選択。つまり、オフロード走破性にはあまり興味がなかった様子ですが、ジムニー(シエラ)の本質でもあるシンプルさとは、実は走るシーン関係なく愉しめるもの。そういった視点から、また、これまで乗用車に乗ってきた観点から、ジムニーシエラを購入し、ジムニーライフを愉しんでいるようです。で、さすがだなと思うのは、そのスタンスをベースにして、本を作り上げたことでしょうかね。もちろん、ジムニーを知っている身から話はとことんしていますが、その会話とて、知らぬから知りたい、でも、自分なりに感じたことはストレートに伝えるというもので、やりとりに愉しさがありました。そして、そんなスタンスが、この本を濃い内容へと導いたな、

#1620 軽トラックの奥深さったら、底なしって感じなのです、という話。

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 さて、いくつか書くに書けないネタがありました。その1台がダイハツのハイゼットトラックとスズキスーパーキャリイの話。なぜ書けなかったといいますと、取材は終わっていたんですが、10月末に発売になる本と、動画があり、そこで発表される内容を先取りをしてしまいそうだったもので。と書きながら、書き分ければいいだけのことなので……、と言い訳を散々にしていますが。  というわけで、ダイハツのハイゼットトラックの動画の話から。って、ハイゼットトラックの動画って、昨年、4x4Magazineで公開していなかったっけ? と思われたかもしませんが、そうなんです、昨年製作し、公開しています(→ #1563 )。前回はまずは軽トラックのことを知らない方にどういったモデルなのかを知ってもらおうというスタンスで製作していまして、荷台の広さはこのぐらいありますとか、オンロードでの乗り味はこんな感じです、そんなところに動画の多くを割いています。そして、オフロードも走れることを紹介しなきゃいけませんし、なにしろ4x4Magazineですから、まさに走れるんですよ、でも、ちょっと意外なところもね、と、最後にそんなシーンを付け加えました。そう、加えました、ってレベルで。ところがですね、公開したところ、軽トラックってオフロードを走れるんだ、と、話題になりましてね。いや、自分としてはそんなことが話題になること時代に、意外を感じたりもしたんですが、それならば今年は、オフロード走行に焦点を当てましょう、ということになりました。ちなみに、昨年は、って、書いたっけかな、モーグル地形はテスト含めて2回しか走っていません。なぜか? 夕暮れで太陽が山陰に入ってしまうという時間制約が目の前に迫っていたから。そうなんです、昨年の動画を見てもらうと分かりますが、最後のまとめの語り、陽が沈む寸前で、NGが御法度だったほど。ということで、昨年のモーグル走行シーンはとりあえず走っただけに過ぎず、足の動きや、アクセルワークなど、細かなところを披露していませんので、今回はそのあたりを細かに撮影し、そこが見どころとなっています。  お分かりの方はお分かりのとおり、軽トラックでのオフロード走行は、キャブオーバーレイアウトゆえにフロントのアプローチアングルが十分に確保できていないこと、また、サスペンションのストロークはオフローダー的