#1620 軽トラックの奥深さったら、底なしって感じなのです、という話。

 さて、いくつか書くに書けないネタがありました。その1台がダイハツのハイゼットトラックとスズキスーパーキャリイの話。なぜ書けなかったといいますと、取材は終わっていたんですが、10月末に発売になる本と、動画があり、そこで発表される内容を先取りをしてしまいそうだったもので。と書きながら、書き分ければいいだけのことなので……、と言い訳を散々にしていますが。
 というわけで、ダイハツのハイゼットトラックの動画の話から。って、ハイゼットトラックの動画って、昨年、4x4Magazineで公開していなかったっけ? と思われたかもしませんが、そうなんです、昨年製作し、公開しています(→#1563)。前回はまずは軽トラックのことを知らない方にどういったモデルなのかを知ってもらおうというスタンスで製作していまして、荷台の広さはこのぐらいありますとか、オンロードでの乗り味はこんな感じです、そんなところに動画の多くを割いています。そして、オフロードも走れることを紹介しなきゃいけませんし、なにしろ4x4Magazineですから、まさに走れるんですよ、でも、ちょっと意外なところもね、と、最後にそんなシーンを付け加えました。そう、加えました、ってレベルで。ところがですね、公開したところ、軽トラックってオフロードを走れるんだ、と、話題になりましてね。いや、自分としてはそんなことが話題になること時代に、意外を感じたりもしたんですが、それならば今年は、オフロード走行に焦点を当てましょう、ということになりました。ちなみに、昨年は、って、書いたっけかな、モーグル地形はテスト含めて2回しか走っていません。なぜか? 夕暮れで太陽が山陰に入ってしまうという時間制約が目の前に迫っていたから。そうなんです、昨年の動画を見てもらうと分かりますが、最後のまとめの語り、陽が沈む寸前で、NGが御法度だったほど。ということで、昨年のモーグル走行シーンはとりあえず走っただけに過ぎず、足の動きや、アクセルワークなど、細かなところを披露していませんので、今回はそのあたりを細かに撮影し、そこが見どころとなっています。
 お分かりの方はお分かりのとおり、軽トラックでのオフロード走行は、キャブオーバーレイアウトゆえにフロントのアプローチアングルが十分に確保できていないこと、また、サスペンションのストロークはオフローダー的な自由長は取られておらず、つまり短足ゆえに、簡単にタイヤが路面から離れてしまうことなど、オフロードを走りには不利なことばかり。しかし、パートタイム4WDゆえにペダルワーク次第でどうにかなるという余地、つまりはテクニック次第でどうにかできるベースポテンシャルがあり、そこにシャシーのタフさもあって、オフロード走破性を語ることができます。ちなみに、その最低地上高は160mm。それなのにオフロード走破性を語れるのです。逆にいえば、最低地上高という指標が、いかにあてにならないか、違うか、それだけでオフロード走破性を語ってはならないか、が、わかりますな。
 で、撮影の裏話的なこと……、ま、前回もそうでしたが、モーグルでのライン取りは、限界ポテンシャルを見せようと意図的にギリギリを攻めています。その限界とは走破性ギリギリを意味しますが、実は、傷つけないという大前提があってのことで、これがたいへんでした。そもそもタイヤが路面から浮き上がるようなライン取りなんて、ずばり下手なライン取りを意味しますからそもそもしたくないですし、傷つけるなったって、オフロード走行は自然地形相手ゆえに担保を大きく取れませんから、動画撮影中はひたすらにいつもと違う緊張感がありました。
 さて、もうひとつ、こちらは雑誌で軽トラック紹介記事を書いた話を。ちなみにですね、寄稿したのは自動車雑誌ではなく、薪ストーブの本。そうなんです、薪ストーブだけの専門誌ってものがあるんです、業界向けではなく、ユーザー向けに。まぁ、そもそも薪ストーブを所有されている方は、いろんな意味でゆとりがある方で、別荘を所有しているというゆとりもあるんですが、さらに別荘地では薪運び用にと軽トラックを所有している方も多くいらっしゃいます。ま、そんな方々向けに、薪ストーブ専門誌で、このダイハツのハイゼットトラックと、スズキのスーパーキャリイを紹介しました。
 都会で生活しているとピンときませんが、都会から離れて軽トラックユーザーと知り合いになると、100%作業車して使われる方はほとんどいないことを知ります。そして、頻度に差はあれど、ちょっとそこまでの足に使ったり、買い物の足に使ったり、意外に日常で使われることが多いことに気付きます。そうなんですね、人によって使い方は千差万別。それは積み荷の種類が違うこととは別に、荷物を積めることに重きを置くか、キャビンスペースに実用性を求めるか、といった、使い方の違いがあり、そこで軽トラックに求めるスタイルが変わってきます。
  と、そんなライフスタイルに合わせられるようにと、日常使いを優先したモデルとして大々的にデビューしたのが、キャビン後方スペースを広げたスズキのスーパーキャリイですな。ただ、まぁ、実のところ、このパッケージングはすでに存在していたものであり、さらに実用性(スペースやら)をプラスしたことを強くトピックとして掲げただけ、のこと、とも言えますが、ま、そのプラス部分がかなり大きく、注目度はかなり高いようです。
 両モデルの詳細は、最新の薪ストーブライフ(→)をご覧になっていただくとして、取材での裏話といいましょうか、発見を少し。まぁ、薪ストーブの本なわけですよ、薪ストーブ。だから、取材も薪を積みました。フル積載しました。写真にあるとおり、1本1本丁寧に。知り合いの薪運びやら手伝ったことがあるんですが、やっぱり、専門にしている方々は違います、こうして縦に積むんですね。もちろんフル積載の状態でも走りましたが、実はハイゼットトラックとスーパーキャリイではセッティングが異なっており、空荷とフル積載で乗り味が違っていました。荷台に荷物をフル積載する機会が多いか、否か、といったセッティング違いですな。
 と、最新な軽トラックを取材してきました、って話でした。  

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