#1704 改良型ジムニーシエラに乗って、あらためて感じた、終のクルマとしての価値。
10月でしたっけか、デビュー以来、はじめての改良を受けたジムニー シエラの取材をしてきました。登録されたばかりの車両で、借りた時の走行距離は300km程度。もし、慣らし時期があるならば、まだ終わっていない、そんな車両。ちなみに今回の改良点は、ATにアイドリングストップを設けたことにあり、たった、それだけ? と思われたかもしれませんが、そもそもこの新型って燃費性能の面で、ATで出せるの? と誰しもが感じていたところ。つまり、喫緊の課題であり、ようやく3年後に少しではあるけど向上させた、という運びになっています。
で、最新型ジムニーシエラですが、アイドリングストップはさておき、2型になったことさておき、その素性はそもそも知ってはいましたが、今回、しっかりと乗り込んだらですね、悪い面が気になることはなく、むしろ、美点が加速度的にといわんばかりに募り募って……、とうとう、終のクルマにしようと、そこまでの決意に至りました。いいクルマは、ジムニー以外にたくさんあります。ありますが、やはり降雪時に走れることとか、山へ出掛けられることとか、そういったスタイルを貫くためには、自分にとってはジムニーしかありません。手が届く価格帯ってな話もありますけど、手が届いたとしてもさすがに600万円のクルマでクロカンしようとは思いませんし。あと、ボディサイズも、なんだかんだいって、山やらでは5ナンバーを超えてしまうと、機動性が大きく失われますからして。追加されるかもしれないといわれている、5ドアロングボディ? そもそも、欲しいと思っているミニにしても、ラングラーにしても、3ドアがいい(が、かっこいい)と捉えている者としては、5ドアが出ようとも(出るんだかどうだか知りませんが)、眼中(なんか懐かしい表現だ)にありません。
で、で、最新型ジムニーシエラのどこがいいのか。これまでのシリーズ同様に、軽枠のジムニーにあれこれと無理矢理に詰め込んで、クルマとして成立させたところは変わらないんですが、今回はその仕立てのレベルがすごく高い。バランスがいい。ようやく、理想としたジムニー像を作り上げられた、といった印象があります。ま、はっきりいいますと、デザインは嫌いな部類に入ります。特にオーバーフェンダーは、その造形とサイズと、もう、最悪、と思って眺めていたりもしますが、仕方ない。それよりも、走り優先なもので。まずは、シャシー剛性が高いゆえに、吉田流の言葉遣いで多用している、シャシーが速い、こと。次に、それにぴたりと付いてきているエンジンフィールではないでしょうか、と。実速度域は高くはないですよ、ないですけど、高速道路での80km/hあたりからフラットになる乗り味と、ワインディングでのロールフィールと、タイヤのグリップ感(力よりも感ね)は、極上の域。この乗り味は、新たな純正タイヤサイズで練りに練ったというこだわりが感じられるところもいい。そうなんですね、そもそもの仕立てがいい。だから、不足があったとしても、それを不満なんて感じることなく、とにかく愉しい。とんでもなく愉しい。
ということで、終のクルマにすることは決めましたが、すぐに購入するとは宣言しません。まだまだ快活に走るフィエスタ(販売が終了することが、購入の後押しとなった)を手放すのはまだもったいないし。なによりも、シエラはまだまだ販売が続くモデルでしょうし、今後あれこれと変更があることを考えると、なおさらのこと。なんてことをあれこれと考えていたら、このモデル、この先、エンジン換装することあるんだろうか、と、妄想。具体的にはですね、購入後にターボ化したら……と。でも、考えてみると、2.0Lターボを追加したジープ・ラングラーにしても、EDCになるとターボになるルノー・トゥインゴにしても、そうしてターボがあろうとも、NAのほうを選びますから、ま、大丈夫か。
そうそう、多摩川沿いの道(信号少なく)やバイパスを含めて、まったりと200kmほどり走ったところ、平均燃費は14.4km/Lを記録していました。燃費運転を心掛けず&アイドリングストップ活用しながらの結果です。と、そんなジムニーのあれこれは、12月上旬に発売のジムニーのムック本に書きます。