#1254 あれこれワクワクしてくる第44回東京モーターショーの話(その2)。

 以前、その2(日産編)を書いたのですが、誤って上書き。web上を探しましたが、キャッシュも残っておらず。ただ、じっくりと書いた内容なので、時間がない時に適当に書き直すんじゃなくって、しっかり書こうと少々放置となりました。というわけで、東京モーターショー話、日産編。
 ワールドプレミアとなるテアトロ for デイズですが、軽自動車のコンセプトモデルだそうで、その日本市場をターゲットとしたケーススタディに、感心しつつ、日産が軽自動車のコンセプトカーを表現したことに、ちょっと驚きも覚えつつ、時代を感じつつ……。ただ、このモデル、ターゲットは2020年以降に運転免許を取得する方々向けの提案がつまったモデル。ゆえに、理解できないことだらけなのですが、携わった方々からそこに描いたテーマを訊いたところ、なるほどなー、そうなのかー、を感じました。
 ターゲットとされた世代を、日産ではShare Nativesと定義し、インターネットが当たり前にある時代の次、SNSやらメールやらといったコミュニケーション手段をフル活用する世代が求めるクルマの像を作り上げています。そして、繋がることが最優先である彼らにとっては、運転中はそういったコミュニケーションが遮断されてしまうクルマは、実はある意味遠い存在にあるそうで。と、すでにここで理解できないのですが、我慢、我慢。ということから、常に繋がっていられるガジェットである、そんなクルマを作り上げたというわけです。ガジェットを充電するために、バッテリーを搭載したEVとしたという理由になんだかなと思いつつ、なるほどなを感じたりします。
 クルマたる概念をできるだけ薄めようと、クルマらしさである操作系は限りなく排除され、インテリアの多くはカスタマイズ自由な、真っ白なキャンバスとしたそうで。ここまで来ますと、素材は? とか、安全性は? とか、そういった質問が愚問に思えてきます。ま、コンセプトカーですから、あくまでも。
 ま、今の時代というか、先の時代に求められる像を表現したモデルですが、今と昔って何が違うのでしょうかね。と思って、その辺りを訊いたところ、たとえば、昔は、デートするにもクルマが必要で、って、送り迎えから、どこかへ出掛けるにしても。しかし、今は、逢いたいからとクルマで会いに行くのではなく、メールなりSNSでまさに気軽に繋がることができるため、移動するのは二の次にされてしまっていると。はぁ、そんなもんですか? 代用になるんですか? と思うところもあるんですが……、って、ここも我慢してください。
 となると、クルマである必要はないんじゃないか、って話になるんですが。それでも、やっぱりクルマは必要なんです。シェアするといっても、そのコンテンツたるは体験に基づくもの。自宅での日常だったり、出掛けた先の出来事であったり、食事であったり、友達との時間であったり。つまりですね、体験をシェアするという意味では、移動手段であるクルマは二の次にされようとも、あったらいいなぁ、あればいいな、あるに越したことないという存在であることは変わりないようです。と、そんなところに、ちょっと安心感を覚えたりもしましたが。
 彼らに受け入れられるために媚びたわけではなく、彼らが求める、欲しくなるガジェットを表現した。そういうクルマなのです。なるほどな、と思いつつ、どこかに、だけどなぁと言葉にしたくもなります。ま、その辺については、モーターショーで目にしてから、また書くことにしましょうかね。そうそう、あえて軽自動車に限ったのは、彼らは、軽自動車という枠組みに何も感じないどころか、むしろスマートだと捉えているからだそうです。なるほどね、なるほどな、って感じですな。

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