#1258 車高だけはなく、あれこれアップしていた、Cross up!(クロス アップ)。

 フォルクスワーゲンのup!に追加された、クロスup!の話です。up!をベースにして、クロスオーバーテイストをデザインしたモデルで、そのほかにも10mmアップさせた最低地上高やら、16インチタイヤの採用やら、トピックは数多くあります。しかし、今回のチェックポイントは、それだけではなく、6月にup!そのものが大きく変わっていたあれこれをチェックするためのテストドライブとなりました。そしたらですね、やっぱり、あれこれが改良されていました。もちろん、リリースに謳われていないような数々が。
 まずは、アイドリングストップ機能の追加ですが、デュアルクラッチのDSGでも当初あれだけ戸惑いがありましたから、シングルクラッチのASGではさぞかしたいへんなことになっているだろうと思いきや、これが、実にスムーズ。いや、アイドリングストップ直後に発進するといったような特別なシーンでは、多少のギクシャクはあります。でも、普通のシーンでは、ギクシャクが見当たらず、しかもローギアであることもあって、しっかりと加速していく。ところが、スムーズに発進したのに、その後すぐに訪れる1→2速へのシフトアップに間があって、そこにおっとと……、という、出鼻を挫かれるかのような、違和感を覚えてしまうのです。と、まぁ、それほどいい仕上がりとなっていました。
 そして、シャシーが大きく進化していました。とにもかくにも、しなやか。デビュー当初、その気配は感じていたけど、見当たらなかった、しなやかさ。それは路面をしっかりとつぶさにトレースしてくれるもんですから、ドライバーはもとより、乗員までもが、その動きにうっとりしてしまう、といったフィーリング。サスペンションたる設定としては、硬めとしていまして、路面が荒れたところでは、それとタイヤサイズが起因したコトコト感を見せます。しかし、その分、路面にしっかりとタイヤを押し付けていること、そして、きれいにバウンドさせて、美しくリバウンドさせて返してくるといった仕立てがあり、このクラスとしては上出来を超えたレベルにひたすらに感心した次第。といったところでしょうか。はい、驚きました。
 ドライブしながら感じたのですが、このクルマの価値は、ビートルよりも、これで十分だからを常に教えてくれ、そして、のんびり行こうよ、を愉しめるところにあるような気がします。緩いではなくって、ユルユルとでもいいましょうかね、そんな感じ。個人的には、改良後の、move up!(14インチ)の乗り味が気になるところですが、まぁ、悪いわけではないでしょうな。
 そうそう、up!に対する唯一の吉田的マイナスは、フットレストがないこと。もちろん、左足を休められないからという理由ではありません。フットレストってのは、左足を踏ん張る(置くこと)で、ポジションを決める、維持すること、という役割があります。そうなんですね、それができないってことは、かなりのマイナス点になるのです。って、まぁ、自分で作ればいいって話もありますが、足下ゆえに、自作モノでは、安全性の面から返って不安がありますんで。

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