#1257 SUVらしさにあふれる、最新型フォード・エクスプローラー。

 そして、次にエクスプローラー。現行世代は、乗用車のプラットフォーム、しかも、FFモデルをベースにしたことで、快適性を一気に乗用車レベルへと引き上げてしまっていました。というわけで、オフロード走破性という観点からは……、って、もともと、ロックセクションをガンガン登るようなモデルではなかったので、先を見据えたいいタイミングでの進化というか、クロカン系ハードウェアからの脱出だったと思います。
 さて、そのエクスプローラーがフェイスリフトをして、登場。10年デビューでしたから、そろそろフルモデルチェンジだったりするんだろうかと思ったら、違った。今回、かなりの規模の改良を行っておりまして、つまり、まだまだ、販売は続くようです。で、今回のトピックは数多く、静粛性を含めた快適性を大きく高めたことのほか、その中でも、エクスプローラーの中で67%の構成比率の、FFモデルのエンジンが2.0Lから2.3Lへと排気量アップを果たしたこと。もちろん、ターボのまま。そもそも、2.0Lターボを不足を感じさせることなく引っ張ってくれていましたが、300ccの排気量アップ分+改良によって、最大トルクは420Nm/3000rpmを手に入れており、軽快さにトルクフルさが加わっていました。いわゆる豪快さにまでは届いていませんが、十二分を感じさせてくれるフィーリングですな。
 今回の改良では、いわゆるNVHに主眼が置かれていることが謳われており、走り出した途端にそれを感じ取れるのですが、乗って行くうちにハンドリングは正確性を増し、先の静粛性に、乗り心地の豊かさも見合っていることを見つけ出せます。といっても、それは、乗用車的になったというよりは、根底にSUVフィーリング、つまり、まったり&ゆったり感がありながら、正確性を増したという印象。ま、何よりも軽量ゆえの軽快感があって、FFモデルでもいいんじゃないと、そんなことを思いました。
 ところがですね、その後、確認とばかりにV6/3.5L(NA)+4WDモデルに乗ったら、エクスプローラーらしさである、まったり感がさらに極められていまして……、って、なんていうんでしょうかね、サスペンションストロークでも、ストロークフィーリングにおいてΔtを突き詰めていけるといいましょうか、つまりきめ細やかさがありまして、質感を大きく高めてくれていました。これは、たんに重量差だけではない、表現方法の違い、いや、そこまでではないか、コストの掛け方の違いかな、そんなあれこれを感じました。つまりですね、FFモデルもいいんですが、4WDモデルのほうが、よりエクスプローラーらしさ、フォードのSUVらしいおおらかさにあふれているなと。
 あ、1点だけ、さすがにこれだけ大きくなりますと、ボディ剛性にあと少し感が出てきます。ボディが大き過ぎるとか、開口部が広過ぎるってこともあるんでしょうけど、個人的には、昨今のフォードの作り込みから感じるに、10年登場ゆえの、いわゆる設計の世代差があるような気がしました。って、横並びにされるライバル(フルサイズじゃないけど、ユニフレーム構造のあれこれ)との比較をしての話ですが。
 それにしても、先ほど、カタログを確認したら、全幅2000mmだったんですな。全長が5000mmを超えているのは知っていましたが、試乗会場付近を旧道をスイスイと走れましたから、全幅はもう少しナローかと思っていました。ワイド表示可能なカメラ&モニタのおかげもあって、大型トラックとのすれ違い(もちろんどちらかが停止)も、あまり苦になりませんでしたもんで(エクスプローラーはすべて左ハンドル)。

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