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#1607 らしさを見失わずに、イマドキへ進化した、新型ジムニーとジムニー・シエラ。

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 本日、スズキから新型ジムニー、ジムニー・シエラが発表されました。そう、まさかのあのスクープ写真のままに。実は、仕事で、少し前から実車に触れていましたが、まぁ、同業者のジムニーへのあまりの注目度もあって、何をいまさら、を感じるところもありまして、あれこれ何かケチを付けたくなるんですが、これがですね、ケチの付けようがない、仕上がりになっていました。といいますかね、旧型ユーザーから眺めた時、ここがこうだったらいいのにな、の全てをクリアしてくれていた、そんな仕上がりなので、まさにケチの付けようがないといった感じです。ま、ケチを付けられるとしたら、好みの違い、デザインぐらいなのでしょうかね。ただ、先に言っておきますと、全体のフォルムや、黄色ナンバープレートを付けなければ軽乗用車に見えないテイストなど、とってもいい。思いますけどね、思うんですが、似ている、どこかで見たことある要素が多く、強いていえば、そこが納得いかないというか、その手法は好みではありません。フロントバンパーはラングラーに、ルーフは雨どい含めてGクラスに、シエラのフェンダーはラングラーに、フロントからリアへのキャラクターラインはディフェンダー。実はですね、これ、恐れることなく、ずばりデザイナーに伺ったんですが、その回答は機能を極めていくとデザインは似てしまうことがあるとのこと。なるほど、そりゃそうだを感じさせながら、でも、似ていると感じたならば表現方法を変えることも必要ではないかな、と、思ったりもしました。全体はいいと思うんですよ、思うんですけどね、という、あくまでも個人的な意見です。  さて、そんな新型ですが、自らはテストドライブはまだなので、そのあたりのことは語らずにおきます。で、ここでは旧型ユーザーからの観点をあれこれと挙げてみましょうかね。あ、さっき言いました、ここ変わったのか、いいなぁ、ってな観点から。  まずですね、チルトステアリング機能がついたこと。そうなんですね、先代ジムニーには付いておらずで、同業者に話すと、え、付いていなかったの? と言われるほど、イマドキじゃない部分でした。でしたが、まぁ、軽自動車ですし、そんなもんでしょうとは思っていましたが、ただ、実際、ステアリングホイールの位置が高く、まぁ、あたかもトラックやバス的な、角度が浅いこともあって、握りづらい。ならば、シートポジションを

#1601 本当にあの姿になるのでしょうか、ってな、次期型ジムニーの話。

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 ジムニー話です。世間では、新型の噂で持ち切りですが、ですが、って、ジムニーごときで、どうしてヨンク専門誌以外の自動車雑誌まで盛り上がっているんでしょうか。現行型がデビューした20年近く前は、ここまでの話題にはなっていなかったように記憶しています。まぁ、特殊なモデルながら、一部のマニアのモデルではなくなったこともあっての、注目度なんでしょうね。  ま、それはさておき、世間で噂されているまま、あのスクープ写真のとおりのフォルムだったら、ガッカリです。ガッカリですが、同じスタイルの写真が、あれだけ出回っていますから、ああなるんでしょうかね。実はですね、昨年発行された、ジムニーカスタムブックの巻頭で、あのスタイルはありえないと書いていますが、その気持ちは今でも変わっていません。いませんが、ああなってしまうんでしょうね。個人的に、そう、あくまでも個人的に、昨今のスズキのデザインは悪くない、悪くないんですが、どこかで見たことが要素が入っていて、エスクードやカプチーノを出していた頃のようなオリジナリティが感じられません。ま、エスクードのブリスターフェンダーなんかは、見たことがある要素といえば要素ですが、オリジナルといわせるまでに昇華させていました。その一方で、スクープされたジムニーは、Gクラスのルーフとラングラーのオーバーフェンダーが入り交じっている。なんてことも、しっかりと執筆しましたが。はてさて。ま、確かめてきます、そのあたり。  さて、我がジムニーの話。4月にスタッドレスタイヤから夏タイヤに履き替えたんですが、タイヤの空気圧不足から走っていませんでした。いや、空気入れを使って整えればいいんですが、あまりに圧が落ちていており、ガソリンスタンドへ行く機会についでにと思って、ついつい先延ばしに。というわけで、先日、空気圧を整えて、いざ走ってみれば、あ、いいじゃん。昨年夏に交換したダンパー(純正ね)が、いい感じでこなれて来ていまして、助手席にジムニーに乗っていたことがある方を乗せたら、乗り心地いいねと、評価してもらえるほど。山道へ出掛けて、ちょっとあれこでと試したところ、ほぅ、こんなに懐が深かったのかい、と思うほどにグリップするし、なかなか秀逸。我が家のジムニーは最終型ではありませんが、ここまで整えられたシャシーを、ハードウェアを大きく変えることなく新型に流用するってことは、

#1563 ダイハツのハイゼットトラックをオフロードで走らせてきた話、動画編。

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 さて、ダイハツのハイゼットトラックのテストドライブ動画、昨日に公開され、異例のスピードで視聴回数が伸びているとの、連絡がありました。不整地を走らせただけであり、軽トラックを知っている人からすればどってことないシーンですが、知らぬ人からすると新鮮に映るようです。で、その動画の中でも、オフロード走行について補足しておきましょうか。実は、オフロード走行シーンにそれほど尺を確保するつもりはなく、深くを語ることできずに終わってしまっていますもので。  まぁ、軽トラックですから、このハイゼットトラックもラダーフレーム+リアリーフリジッドサスペンション+パートタイム4WDと、クロカンするには最適なハードウェアを持っていますが、いわゆるオフロードコースを得意とするようなセッティングとはなっていません。サスペンションのセッティングにおいて伸びが少ないためで、動画でもモーグルでタイヤを大きく浮かせてしまっていることから、それが分かります。荷物を積むことが多く、また、オンロードでの安定性を求めてのセッティングゆえのことなのですが。ただ、このタイヤが浮いたシーンを見て、だから、スゲーと思われているようですが、実は、逆でして、これ、オフロード走破性を語るならば、実にかっこ悪いスタイルであり、理想とはほど遠いスタイルなんです。さらに、不利という意味では、フロント、リアともに簡単に障害へヒットしてしまうスタイリングで、グランドクリアランスも不足。つまりですね、オフロード走破性を語るに相応しいハードウェアを持っているものの、道なき道を果敢に走れるかといえば、それはまたまた別問題、それが軽トラックなんですね。  では、なぜ、軽トラックでオフロードを走ってきたのか。そうなんですね、セッティングを変えることで、そもそも持っているポテンシャルを発揮できるんです、軽トラック。ただ、今回はノーマルのまま。なので、まずは、生意気なことを語りますが、ドライバーのテクニックがあっての走破性といった面もあります。4WDシステムはオフロード走行に有利なパートタイム4WDだから……と言いましたが、実のところ、センターデフはロックであっても、フロント、リアのデフはオープンですから、直結できない(させない)イマドキSUVよりレベルは高いといった感じ。なので、モーグルでは、先に挙げた短足加減も相まって、簡単にスタ

#1557 味を残しながら日常性も備えていた、ダイハツ ハイゼット トラック。

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 第45回東京モーターショーも、2週間後に迫り……、って、え? 2週間後? 2週間後ですか、そうですか……。なんて書き出しをしながらも、東京モーターショーとは直接関係ない話。ダイハツのハイゼットトラックのテストドライブをしてきましたって話です。最新型ハイゼットトラックは14年デビューですから、って、え? もう3年が経過しているの? チーフエンジニアにインタビューするためにダイハツ大阪本社まで出掛けたのも、もう3年前? と、考えると、月日が経過するその早さに改めて驚いたりする……、とここで書き出しに絡めたわけですが……。  というわけで、ハイゼットトラックの話。写真は、オフロードコースにてポーズを決めるハイゼットトラックの図で、このモーグルのほか、ヒルクライムも走らせてきました。ま、そんなシーン含めて、後日、掲載されますので、そんなあれこれはそちらに任せるとして、取材では語り切れなかったあれこれを、ここでは書いておきます。えっとですね、いいです。いや、軽トラックとして、いい設えをしています。いや、昨今の軽「乗」用車には届いていないところはありますよ、ありますどころか、性能のあれこれを横並びすると負けだらけです。ですが、走らないなりの愉しさ、あれこれの緩さにあふれていまして、これで十分、いや、これがいいという魅力に富んでいます。別に何かを積むとか、そんな実用性として求めているわけではないんですが、これがいい。  乗り味は、ハンドリングに曖昧さはありますし、タイヤの細さゆえのグリップ力不足もありますが、ありますけど、なんていうんですかね、グリップ感が分かりやすいし、無理をさせない安定方向への導き方にお節介感がないなど、つまり、それなりのリズムがあって愉しい。懸念である軽トラック乗り心地は、ストローク量を増やした印象はあまりないのですが、衝撃のいなし方にゆとりを与えていまして、ダイレクトにボディに伝わってくるゴツン感がなくて、とても好印象。やはり懸念のエンジンパワーも、低回転域だけではなく、中回転域もトルクがあって(いや、少ないけどさ)、その辺りを上手く使うと、パワフル(ターボのそれとは違うけどね)に走らせることができます。で、4ATがですね、そのトルクバンド(というほどではないけどさ)を上手く使っていて、これがいい。緩いけど、不足ないってバランスを、この4ATによって

#1533 意外や意外、レベルが高かった、プジョー3008のオフロード性能。

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 MINIクロスオーバーが、今年の輸入車でイチバンと発しましたが、ちょっと待ったとしておきます。いや、プジョー3008が思いのほかバランスが良かったもので。結論はロングドライブ後に……、というわけで、まずは試乗会で感じたプジョー3008の話を……、って、オフロード性能の面から詳細に語ります。実のところ、オンロードでしっかりと乗り込める時間がなかったもので。  って、そもそもですね、 #1439 、 #1479 にて、2008が意外にもオフロードを走ってしまうという話をしました。そう、FFなのに。そうなのです、4WDではないのに。2008の時とはコースが違いますし、最低地上高が175mmと、2008よりも10mmアップしていますが、それでも175mm。しかも2008よりもフロントオーバーハングは長くなり、車両重量は増えていますから、少なくとも2008よりは走るとは言えないだろうと予想していました。ところが……、って、実際にはフロントのアプローチアングルに厳しさがありましたが、エンジンが1.6Lターボとなりトルクがある分、パワー感での不足がなく、アングルさえクリアできれば、グリップを失うような路面であっても意外にも、まぁ、なんとかといった感も少し残しながら、クリアしました。  そうなんですね、FFなのに。ちなみにタイヤはオールシーズン、で、グリップコントロールというモード切り替えによる手助けありでの話です。ただ、訊けば、グリップコントロールによって提供される5モードはたんにスリップの量を変えるだけではなく、たとえば、マッドモードなどでは、グリップを失うとあえてスリップさせて泥を吹き飛ばしつつ、路面μを探り、グリップさせて、またグリップを失うとスリップさせてと、そんなこんなを左右輪で行っており、簡潔な言葉でいいますと、細かな制御を行っているとのこと。ですので、砂利の上り坂でもグリップを失いながら、得ながらを繰り返して上っていってしまいますし、右の写真のような段差において、浮いたリアタイヤの対角線にあるフロントタイヤが浮き気味になってしまうようなシーンでも、前進していきます。リアタイヤは駆動していませんから、ただ引きずられているだけ。そう、回っていません(駆動は伝わっていません)。つまりですね、フロントの駆動力だけで、車両を引っぱり上げてしまう、段差を上ってしまう。

#1465 ジムニー、スタックランドファーム、デビューを果たす、の話。

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 恒例となっております、年2回のスタックランドファームオフロードコース走行会ですが、冬バージョンといいましょうか、秋バージョンは、収穫作業がメインとなっております。秋ですから、ほら。というわけで、今年はメンバーの都合から少々遅くなって、この前の日曜日に出掛けてきました。きましたら、すっかり冬景色で、霜は下りているは、といいましょうか、霜は下りたままに1日中溶けずに残っている始末。収穫作業にはそれほど影響はなかったのですが、ここスタックランドファームはコース設定もさることながら泥が凶悪でして、そうなんですね、僅かに溶けた霜が路面をマッディにしてくれていまして、今回は、ほとんど走らずに終了となりました。  といいますかね、土を掘り返してみたら、予想外の収穫量と人手不足から、午前も午後も収穫作業となりましてね。いやー、さすがに疲れましたというか、腰が痛・気持ちいい……、って、これが、腰を痛める警告だそうで。とはいっても、畑まではクルマで向かわねばなりません。ということから、ジムニーはオーナーが変わってから初オフロード走行となりましたが、これが走らなかった。下回りをヒットしていないのに、動けない。それほどにタイヤがグリップしていませんでした。実は、この時期のスタックランドファームのマッディな路面は、その下が凍結しているという、最悪といいましょうか、最凶な条件にあり、過去に取材でとんでもないスタックをしたことがありました。なので、今回も、さすがにHTタイヤじゃ無理かとそんな解釈をしていましたが、それにしても何か違う感を覚えたままに、あっけなくスタックしたと。  で、押してもらったんですけどね、そしたら、ヨンク入っていないよーと、指摘が。フロントが回っていなかったようで……。は、恥ずかしい。そうなんです、ここのところ、グランドチェロキー、つまりフルタイム4WDでしたからってシフトなんて操作したこと……、いや、コースに出る前にはローに入れていましたから、そんなミスはあり得ないんですが、ま、そんなミスしていました。もちろん、ヨンクにしたら、あっけなく脱出。そりゃそうだ。といいますかね、逆にFRのままで良く走っていたなと感心した次第でした。  いやー、それにしても、やっぱり前後リジッドサスはいいですなぁ。あと、MTもね。ひたすらに愉しいです。さて、スタッドレスタイヤに履き替えま

#1439 FF、でもテクニックをもってオフロードをそこそこ楽しめる、プジョー2008。

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 ヨンク信者というわけではありませんが、オフロードを走るならばヨンクであることは絶対条件だと考えている者にとって、2WDモデルでオフロードを走るなんて、ちょっと無謀ではないか、そんな考えを持っていました。そう、過去形。なんとですね、フェイスリフトを行ったプジョー2008で、愛知県にあるさなげアドベンチャーフィールドを走るという試乗会があり、参加してきたらですね、これがですね、走った。そもそも2008は、165mmの最低地上高、フロントオーバーハングが長いことやらあれこれによるクリアランス不足からして、かなりの不安がありましたが、意外にも走った。そして果敢に。コースは、ミニバン(でも4WD)なら走れるという、難易度の最も低いワンダフルコースではありましたが、途中、片足ずつを浮かせながら登って行かねばならないセクションもあり、結論を言いますとね、2008、FFなのになかなかやるじゃん、そんなことを感じました。  そもそもですね、オフロードといいましょうか、ラフロードを走れるモデルか否かを語る判断材料として、グリップを失いやすい路面の上り坂を登ることができるかが、あります。それは、タイヤがグリップを失った際、そこでタイヤを空転させるのを諦めてしまうか、否かにキーがあるんですが、諦めにしても、端から諦めるヤツもいますし、CVTを保護するからとばかりに控えめな諦めをするヤツもいます。そうなんですね、実は、4WDモデルであっても登れないモデルもありますし、FFモデルであっても登っていくモデルがあります。そして、2008は後者でした。GTラインに装備されたグリップコントロールと呼ばれるトラクションコントロール、つまりホイールスピン量を調整するシステムがキーでして、オフローダーで必要とされるタイヤを滑らせながらグリップしていくという正攻法でアタックしていきます。で、当初心配していた、ボディのヒットはライン次第とはいえ、なく、また、それほどの角度の斜面ではなく、砂利やマッドといったグリップを完全に見失ってしまうほどの路面でなければ、登っていってしまう。このグリップコントロールの意外ともいえる優秀ぶりに、ラリーで培ったトラクションのコントロール方法が息づいていることを感じました。  とはいっても、FFであることに変わりはありませんから、上りで、フロントが完全にグリップを失ってしまう

#1401 フィエスタを選んだ理由 思うにですね……、と、まとめ。

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 なんだかんだ書いてきましたが、ここにピックアップしたモデル、すべて欲しかったというのが本音。といっても、それは無理な話ですな。そうそう、こうしてあれこれと書いてきて、そして、大先輩から指摘されて気付いたのですが、使い勝手については二の次となっています。これは個人的なキャラクターによるもので、使い勝手ってのは、3ドアであろうと、オープンカーであろうと、二の次です。といいますか、そのクルマに惚れ込んでいるならば、たとえば、荷物が載らないからとコペンやロードスターを諦めることはしません。むしろ、逆に、その不便を楽しんでしまう、と。逆にですね、利便性を優先した結果、そのオリジナルデザインが崩れたり、走りが失われてしまうことのほうが、自分にとってはマイナスだと捉えています。そして、なくても"どうにかなる"装備を採用したことで価格が上昇するならば、ないほうがいいとも思っています。そうなんです、ひねくれているんです。はい、知っています。  というわけで、理想だけいうならば、MINI 3door ONE MT+サンルーフ+シャシーやエンジンのコントロールデバイス付き、そして、グランドチェロキー(WJ型)という2台というスタイルでした。おいおい、ルーテシアではないのか? と思われるかもしれませんが、MINIは、走りからデザインまでキャラクターが好みでありながら、ターボ、3ドア、MT、サンルーフという組み合わせが実現可能でありましてね。ま、ディーゼルエンジンではないんですが、この1.2Lターボのポテンシャルを知ると、このバランスいいなぁと思いますしね。といっても、ミニドライビングモードが付きが前提ではありますけども。  もちろん、MINIを、208XYに置き換えることも可能です。といいいますか、3ドア、サンルーフ、MT、ターボエンジンという条件は同じですし、ま、価格を含めたそのほかの条件まで整っていれば208XYになったいたことでしょう。ベーシックエンジンではありませんが、あのバランス感といいましょうか、キャラクターは唯一無二ですし、何よりもノーマーク状態ですし。って、そう、自分のクルマ選びにおいて、ノーマークってのが重要だったりします。誰も気付いていないから、誰も乗っていない。そもそも、誰か(同業者)と同じクルマってのは避けたいんです。そう、被せるのも、被る

#1269 見方次第で良くも悪くも捉えられてしまう、レクサスLX570。

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 そして、レクサスLX570です。ランクル200をベースに、レクサステイストを表現したモデル。いわゆるフルサイズモデルで、V8/5.7Lエンジンを搭載していることからも、ま、日本向きではありませんな。今回は、レクサスのフルラインナップ試乗会の1台として試乗したのですが、このモデル、やっぱり、レクサスらしさにあふれながら、レクサスらしくないところに価値があるモデルだなとつくづく感じました。あれですな、メルセデス・ベンツにあって、ちょっと外れているという、Gクラス的。ただ、あちらの特殊性はオフローダーかつ設計が古いままということにありますが、こちらの特殊性は、最新世代ではあるもののオフローダーたる乗り味がベースにあってというもので、世代というところが違います。  で、そのLX570。ベースモデルであるランクル200を意識させます。そりゃそうです、ラダーフレームやらリジッドサスを採用していますから、仕方ない。ただ、ランクル200たるゆったりとした乗り味に、節度感を与えていまして、具体的には、サスペンションストローク量を確保しながらも、その動きに制限を与えています。分かりやすくいいますと、街乗りモデルであることを意識させつつ、スポーティさを語る一歩手前といいましょうか、そんな仕立て。チューニングとしては上手く作り込んだなと感じます。ただ、試乗車に採用されていたオプションの21インチタイヤは、ゴトゴト手前のコトコトがありまして、ボディへの振動も相まって、フレーム付き+リジッドサスの限界をそこに感じました。ただ、これはLX570がダメというのではなく、北米のフルサイズモデルあたりも同じ課題を抱えています。そして、これが、標準の20インチタイヤ、さらにはオプションの18インチタイヤだったら悪くないんだろうなと感じさせるところもありましたから、チューニングとしてはかなりいいバランスになっていると思いました。  で、期待のV8/5.7Lエンジン。アクセルを強く踏み込むと8速ATが割と下のギアをセレクトしてドンと加速しますが、排気量から期待されるような激しさはなく。また、普通に踏み込んでいると、ATの存在を忘れさせるほどにジェントルだったりします。不足はありませんが、もう少し刺激が欲しいなと感じつつ、そんな過激さ、いったいどこで使うんだろうと気付くと、この仕立てで十分だな

#1265 なんだかんだいいながらランドクルーザーは羨ましい、って話。

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 実は東京モーターショーの仕事でどったんばったんでした。まさに、どったんばったん。終わらないんじゃないか、本が出ないんじゃないかというどったんばったん。東京モーターショーの仕事はひと段落つきましたが、ここのところ毎日のように締め切りが連続していまして、もはや、疲労困憊。やっぱり締め切りが連続するのはやはり心労があります。というわけで、今日は締め切りがなかったので丸一日のんびりしてみましたが、先ほどスケジュールを確認したら、のんびりしている場合ではありませんでした。締め切りは来月とはいえ、取材終了しているあれこれがあって、それをまとめている時間がないことが発覚。さて、どうするんでしょうか。と自問自答。  その次の大きな仕事ですが、久しぶりにランドクルーザーだったりします。詳しいことは書けませんが、4名の方々のインタビューと、1台のインプレッションを済ませたところですが、まぁ、ジープオーナーからすれば、過去にランドクルーザーに乗っていたことがある身として、やっぱりランドクルーザーは羨ましいと思うことしきり。その性能にもありますが、やはり値段が下がらないこと、トラブルが少ないこと、たとえトラブルが起きても対処できるとか、あれこれを含めて。ただ、最新のモデルに対してはやっぱり価格が高いことが気になります。中古車価格が落ちないとか、走りを含めた内容を考えたら安いんでしょうけども、でも、高い。もう少し、気軽に乗れるランクルがあればいいのになと思うことしばしば。って、それはエントリーモデルじゃなくって、ベーシックグレードって観点で。ああ、あの頃が懐かしいななんて思いつつ、取材を重ねています。   というわけで、こうご期待、って、これだけの分量の原稿、終わるんだろうか。締め切りは11月中旬のようですが……。あ、写真は、撮影で訪れた富士山。もう、色づいていました。

#1216 スタックランドファームでのオフロード走行で感じたあれこれ。

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 気がつけばお盆休みも終わり、仕事は、秋に東京モーターショーがあるがゆえの怒濤の日々がスタートするはず……が、お盆明けぐらいと言われた依頼書は届く気配すら見せず、夏休み気分が続いています。  そういえば、今年のお盆休みの締めくくりは、恒例となっているスタックランドファームオフロードコースでの走行会ならぬ、集まりでした。互いの近況報告は気がつけばクルマのトラブル自慢となり、定番となった地元民が作る本当の富士宮焼きそばと収穫したとうもろこしに舌鼓を打ち、ナナマルながら頑なにオフロード走行を拒む初参加メンバーをオフロードへと誘ったりと、いつもと同じ、でも、いつもと違うあれこれがありました。  それにしても気づけば、このイベントごとも15年ぐらいになるようで。しかし、振り返ってみても、トラブルやら笑い話やら発見やら、その時々のイベントは覚えているのですが、その時系列がままならない。そして、その場に誰がいたかもあやふや。まぁ、気がつけば、当初3歳だった子供が今や女子大生だといいますから、愉しいなりに重ねられてきたことにヒストリーを感じつつつ、ここを走れるクルマをいつまで持ち続けられるんだろうか、なんてことも感じましたが。  って、たまたまスタックランドファームで、とあるクラブの会報をまとめた本を見せてもらったのですが、まぁ、良くまとめられていること、というか、よく記録を残していること。ひたすらに感心しつつ、こういうことしなきゃ、いかんですなと感じた次第。しかし、いざ残そうと思っても、文字で残すのは面倒であり、それゆえに、ついつい諦めてしまう。ならば、グータラ向きにぴったりの方法として、意図的に写真をこまめに撮ることにしました。クルマの走行シーンだけじゃなくって、人の写真やらも。そして、何よりも、全員での記念撮影的なショットが、実は大切だってことも気づきました。ほら、誰がいたかが一目瞭然じゃないですかい。ってことを、先週の八ヶ岳から実行したつもりでいたのですが、すでに今回のスタックランドファームでは忘れていました。ダメだ、こりゃ。いやいや、次回こそ。

#1205 パジェロの取材裏話の続き、オフロードテストドライブ動画編。

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 これから、三菱自動車のパジェロな話は、ポロポロと出てきます。すでに取材は終わっていて、記事やら動画やら、こうして順番に公開されていくものでして……。というわけで、続いては、パジェロ オフロードドライブ・動画編な裏話。  ま、内容についてはご覧いただくとして、全編に渡って会話していることからもお分かりのとおり、収録もトークが多く、いかに分かりやすく、伝えるかは、かなり苦労したところでした。たとえば、ダートという単語も、知らない人は知らないし、分からない人は分からないし、イメージできない人はイメージできない。ということで、滑りやすい路面……なんて言葉を使ったのも、そうした理由からです。  最初の導入パートですが、眩しそうにしているのは、ほんとに眩しかったからです。太陽がほぼ真上にあったため顔に影が出てしまう→ならばレフで起こす→とーっても眩しい→目を開けてくださいというリクエスト→あごを引いてくださいともリクエスト→それをこなしつつセリフを話さなきゃ→カメラ目線だけど、カメラの横には外野が多く→こちらを見ている→緊張しまくり→顔が下を向いてゆくー→最初に戻る……。ま、そんなこんなもあって、眩しそうにしています。  途中のインプレッションはとうとうと語っていますが、シーンと語りがうまくリンクしなくて苦労がありました。グリップを失っていますねー、というタイミングで、グリップしていたりとか。そんなんで、撮り直しも多かったのですが、今回の撮影では、クルマを傷を付けないことが前提にあったもので、それゆえの緊張感もありました。もちろん、なかなかハードなシーンへチャレンジすることができずどうしたものかと感じつつ、ただですね、パジェロのオフロード走破性を伝えるにこのままじゃいかんと思い、……中略……、いつしか、あえてラインを外して、走っていました。それが、例のシーンですな。こうしてみますと、意外にもオフロードを走りながらのコメントは、緊張せず、自然に語ることができていますが、それが強く感じられるのは編集のおかげもあってのことでしょうな。  最後のまとめでは、顔も手も真っ赤に日焼けしていますが、1日中夏空でしたから、そりゃ焼けますわな。ちなみに、まとめを収録したのは、陽が暮れるギリギリの18時過ぎだったと記憶。というわけで、1日中、時間との戦いで、ドタバタと忙しくはありまし

#1204 そういえばパジェロ、今だからパジェロ、そんなパジェロな話。

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 三菱自動車のパジェロです。現行型のデビューは、06年ですから、かれこれ9年近く販売が続けられています。現行型については、個人的に、とても高く評価しているモデルでして、SUVたる乗り味をしっかりと作り込んでいるところは、まさにアドバンテージだと感じています。   評価している点といえば、まぁ、そのラインナップにもありますな。ショートを残し、MTを残し(今は消えました)、と、そこには、販売台数が芳しくないから消し去るんじゃなく、少しでも声に応えたいからガンバルというスタンスがあり、その続けるというスタンスが、とてもいい。ディーゼルも、ポスト新長期規制からではなく、早々と新長期規制から対応させるなど、評価すべきポイントは、走り以外にも多くあります。  さて、そんなパジェロのオフロードテストドライブをしてきました。仕事です、仕事。遊びではなくって、仕事で。というわけで、4x4magazineの試乗インプレッション(→ ■ )として掲載されていますので、そちらを参照していたくとして、ここではその補足を。  はっきり言って、良かったです。ディーゼルエンジンは、再登場から仕立てをあれこれと変えたようで、アクセルワークの良さ、トルクの表現の仕方など、美点だらけ。音と振動は残っていますが、ま、パジェロらしさと、一言でまとめておきましょうかね、といった感じ。  オフロードは、サイドステップがなければとあれこれと感じましたが、フロント、リアバンパーともに意外に路面に接地せず、数値以上の優秀ぶりがありました。で、記事にも書いていますが、トラクションコントロールのフォローがかなりハイレベル。おせっかい加減がないことはもちろんですが、前進するにトルクが相当に必要なシーンであっても、つまりは、タイヤ前に凸があっても、上り基調であっても、前進させてしまう。って、もちろん、対角線状にあるタイヤが浮いている状態での話です。乗用車ベースのSUVでは、難しいか、CVTの保護で諦めてしまうか、そんなシーンでの話。  というわけで、そのポテンシャルにちょっと感激して、ちょっと惚れてしまったのでした。まぁ、個人的には、ショートで、ベーシックグレードで、ディーゼルだったら……とは思いましたが、残念ながらそんなモデルはありませんでした。  ちなみにですね、記事内、2番目の写真は、ヒットさせることな

#1168 BFグッドリッチオールテレーンT/A KO2撮影の裏話あれこれ。

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 さて、引き続いて、BFグッドリッチのオールテレーンT/A KO2について。ここでは 今回の撮影について触れておきましょうかね。  まぁ、とにかく撮影要素が多くて、たいへんでした。オフロードだけピックアップしても、マッド、ロック、フラット路面といったシーンがあって、そこに新旧比較のためのタイヤ交換作業も加 わって、もはや、そのメニューを1日で終わらせるのは酷。ましてや、ムービーですから、シャッター切って終わりというわけではありませんし、オフロード走行において、より効果を分かりやすく伝えようとすると、完璧なライン取りが求められるんですが、 ちょっとしたことで タイヤがズレてしまって、ドスンと岩から落ちるなんて珍しくなく。さらに、 ボディはもちろん、ホイールも、無傷で終了させよと言われていましたので、幾度も撮影することになりました。  そして、フラットな路面では楽しそうに走っていますけどね、……、いや、楽しかった、これが。 あまりの操縦性の良さから、ついついアクセルが開け気味となり、気づけば、クルマは泥だらけに……。このタイヤ、しっかりと泥を排出するして坊主になりにくくて、つまり、泥が多いシーンでもコントロール性が失われることないし、何よりグリップ感が分かりやすくて、ついつい……。もちろん、 あらためてラングラーのオフロードでの扱いやすさを再発見しましたし……、と機会をいただけたことに感謝をしつつ、……、汚してしまって すみません、関係各位。傷は付けていませんから……。  ちなみに今回の語りは、自分でいうのもなんですが、なかなか良くできたと思っています。もちろん、編集もあってのことですが。ただ、クルマの横に座ってのシーンでそわそわしているのは、撮影はもはや日没後でNGを出せなかったため。って、少しは出しましたけど。「えー」も発していますが、それほど気にならなくなっていますな。進歩しました、進歩しました。

#1167 オフ走破性を期待させるBFG オールテレーンT/A KO2のワクワク感。

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 先日発売されたBFグッドリッチのオールテレーンT/A KO2、取材をしたのは4月のことでしたか……。ようやく解禁になったようなので、ここでも触れましょうかね。このタイヤ、ホワイトレターやアグレッシブなパターンなどを特徴としており、 ご存知のようにいわゆるATタイヤのパイオニア的な存在でもあります。といっても、大ブレイクしたのは、80〜90年代か。で、その後は、 オリジナリティを崩すことなく、世代を重ねてきました。そこにはこだわりに近い頑固さすら感じるスタンスがあふれていまして……、って、こういうスタンス嫌いではありません。とってもいいと思います。ただ、マーケットとは離れてしまっていましたが。ちなみに、初代モデルを履いていたことがあります。もちろん、ホワイトレターにて。なんでしょうね、あの頃は、このタイヤを履いて、4x4MAGAZINEのステッカーを張っていれば、世間に認められたかのような印象がありました。ま、ブームに乗ったってやつですな。  さて、新世代へとスイッチしたオールテレーンT/A KO2ですが、これが良かった。なんといっても伝わってくる情報量が豊富でして、その柔軟性に富んだキャラクターも相まって、特にオフロードでのコントロール性が好印象でした。タイヤが路面を掴んでいる感、つまり、グリップ感が分かりやすく、ロックにしてもマッドにしても結果としてアクセルコントロールしやすい。それは、同時にオフロードでの期待感や安心感にも繋がっていました。まぁ、とにかく楽しめるタイヤとでもいいましょうか、そんな感じ。ってなことを、自動車ジャーナリスト(!)的な観点から述べたの が4x4magazineの記事→ ■ 。  詳細はそちらを参照してもらうことにして、ここでは、このタイヤのもうひとつの魅力を述べましょうかね。それはですね、かつてヨンクに乗っていたオーナーをワクワクさせてくれることです。そうなんですね、 過去にヨンクに乗って山へと入っていったり、オフロードコースを走っていた人たちにとって、オフロードを走れることを謳うタイヤは、どこかドキドキするもの (自説)。たとえ、今、そのほとんどがオンロード主体であっても、あの頃の走った体験から、オフロードで使えることをどこかで求めてしまうものなのです。といっても、完全にオフ走破性に振ったタイヤではなくって、AT、でもね、ってそ

#1158 ひとつの完成形に到達していた、スズキ・ジムニー その2

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 で、ジムニー話の続き。  シートについては、って、テスト車両の特別仕様車ゆえかもしれませんが、腰を深く落として座ると、骨盤左右にサポートが当たってしまい違和感を覚えます。で、違和感なく座るようにするためには、少々、尻を前に出して、座わらなければなりません。シートバックも、アップライトな位置にすると、ショルダー部のサポートが強すぎて違和感ありあり。なので、ワンノッチ寝かせる必要があります。つまりですね、少々ルーズなポジションを要求してくる、と。個人的にはもう少し緊張感あるポジションにしたほうがいいと思うのですが、って、これ、先日のアルトでも感じましたので、スズキスタンダードがここにあるのかもしれません。この点については、もう少し調べてみましょうかね。  あとは……、って、そんなに書くことなかったか。えっと、 #1157 で書きましたシャシーのセッティングは、まさに、1案であって、とてもよくまとめていると思います。ただ、個人的には、もう少ししなやかに動かしてもいいのではないかと思うところも多々。たとえば、スタビライザーの規制をあそこまで強めるのではなく、あとわずか少しを許容して、もう少しロールさせる。ただ、そのロールの過渡域を落ち着かせる。ロールスピードのコントロールですな、って書いていて気づきましたが、コストかかるか。そういえば、アフターで、このフィーリングを作っているところもありました、ありました。あれはいいと思います。  そうそう、ラフロードもちょいと走りましたが、やっぱり、このシャシーの規制ゆえから、路面トレース性にちょっと不足を覚えました。なんていうんでしょうかね、スピードを上げていくと、トレースしきれなくなり、ドライバーの不安を煽ってしまう。ま、難しいですな、コストもありますし、どこに焦点を当てるかにも繋がりますから、このあたりは。  なんてことを感じたのは、先日、前後リジッドサスの重量級オフローダーに乗ったもので……。ま、1000万円ですから、あちらは。

#1126 ラフロードを走れるからって、ラフに操作していいもんじゃないって話。

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 OS10.10.3正式公開を機に、写真ファイルをすべて読み込み直して一新しました。200GBほど。iPhoto時代からデータを引きずり過ぎてか、データはあるのに表示しないとか( #1073 )、あれこれとおかしいところがあったもので。そしたら、見えていなかったファイルがさらにあったようで、こんな動画が出てきました。  ともにグランドチェロキー(2代目)の走行シーン。上は、雪を積んで作ったモーグルを、グランドチェロキーが走るというシーンですが、あのですね、この走らせ方、はっきりいってダメな例です。このドライバーの方はただアクセルを踏んでいるだけで、オフロードの走らせ方をわかっていませんし、もちろん、グランドチェロキーのポテンシャルを全くもって理解できていません。 オフロードは、派手な走りが、スゴイとは限らないんです。無事に走破できること、それが大切であって、そのためには、タイヤをしっかりと接地させて走らないといかんわけです。アクセル操作だって緩急が必要です。それにしても、この走らせ方では、クルマがかわいそう。  下は、オフロード走行の正しい例。タイヤはまだ接地していますが、それでもグリップを探りながら、じんわりとアクセルを開けていきます。ちなみに、どちらもドライバーはワタクシではありません。ワタクシは撮影。上は誰だか知りません。下は、ナナマルに乗っていたことのある、あのカメラマンです。たぶん。

#1093 エクストレイルのムービー撮影における、裏話のあれやこれや。

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  #1084 にて少し触れましたエクストレイル・ブラックエクストリーマーXの動画が公開されていました。って、え、動画の編集って、こんなに短期間でできるもの? って思われるかもしれませんが、無理をすればできるようです。って、編集作業そのものには携わっていないので、言うは簡単なんですが。 クルマについては #1084 に書きましたので、撮影時のあれこれを。当日は、寒風吹きすさぶ中、日暮れまでの撮影となり、寒さはもちろん(といってもクルマに乗っていることが多かったですが)、疲労困憊となりました。そうなんです、最後のまとめが、もはやくたびれ果て、髪もおかしいのも、そのため。日が暮れるー、時間がないー、となりましたので。  オフロード性能の見せ方については、ハードな見せ方をするのではなく、タイヤが少々浮く程度を想定していました。当初は、3:30付近で走っている凹凸路面にてそれっぽい雰囲気が撮影できる……、かと思いきや、意外にもたいしたことなかった。ということで、オフロードコースのモーグルを果敢にアタックすることに。  ダートランはあまり使われていませんが、何度走ったか覚えていないぐらいに走っています。というのも、草地に泥という走れば走るほどにコンディションが悪くなる、というか、愉しくなる路面状況ながら、同じポイントで同じ動きをしなければならず、これが難しかったもので。 最たるのは、0:10。迫力ありますけどね、あれ、たいへんでした。広角レンズゆえに、 路面に設置したGoProギリギリを通過しないと迫力がで、ギリギリまで近づいてくださいと言われ……。 で、最終的には近づき過ぎて、 フロントタイヤでGoProの足を踏んづけてカメラ位置を動かしてしまっています。ただ、 あの瞬間、自分では踏みつぶしたと思っていましたが、踏みつけておらず、ほっとひと安心。ま、撮影としては、大成功、と。  あとは、あれだ。今回の動画はもうひとつバージョン(右)があります。で、その最初0:05あたりからフレームインして停止するシーンですが、これがとんでもなくたいへんでした。進入からのフレーム内へのクルマの収まりはもちろんですが、ピントを浅く設定しているため、 停止にぴたりと停まってくれと指示がありまして……、って、ダートゆえに目印はないし、走るたびに路面状況は変わるし。で、あのシーンとなるわけ

#1084 エレガントさを備えたけどタフさも似合っていた、エクストレイル。

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 またも、泥だらけにしてきました。すみません。今度は日産・エクストレイルです。ま、正確にいいますと、昨年末にオーテックジャパンからリリースされたエクストレイル・ブラック エクストリーマーXで、クロームを用いた加飾とブラックのホイールといった専用装備と、LEDヘッドランプにルーフレールといった人気オプションアイテムを採用した特別仕様車。と、リリースなどを見ずにすらすらと書ける(言える)のは、動画で話すために徹底的に暗記したからでした。  で、エクストレイルについて、少し。その最新型はこれまでのタフさをベースにしているものの、その表現(演出)方法を変えたために、先代にあったタフさという商品性が少し見えにくくなっていました。といっても、快適性やら2WDやらサードシートやら、しっかりとトピックを掲げていますから、イマドキのSUVたる商品性はしっかりと備えています。つまり、 かつてのイメージは、覆い隠されてしまっただけのこと。  ということで、どこまでタフなのか、どこまで泥が似合うかをチェックするという取材してきまいた。詳細は、仕上がったムービーやらを観ていただくとして、まぁ、簡単に回答を述べるならば、やっぱり、泥が似合うってことをあらためて感じた次第。それはスタイルにも言えること。エクステリアにブラックを多用すると、オンロードやらスポーティやら高級感やらが強調されるの常ですが、飾ったパーツ類が泥を被って隠れてしまっていても、むしろそれがカッコイイと思えましたし(写真を拡大してみてください)。  オフロード走破性は、”走破”レベルとしては決して高くはないものの、その制御は前モデルより諦めなくなっていることが印象に残りました。今回、エクストレイルにとっては酷なシーンを走らせましたが、足が浮いてもアクセルを踏んで待っていると、状況をあれこれ変えながら、探りながら、やがては前進していきますし、その際のアクセルコントロールはとてもしやすく(車両が唐突な動きをしない)それもまた好印象。ただし、 不整地走行は前後バンパーに気を遣うことやらがあり、せっかくの愉しさを少々スポイルしてしまっているのも、また事実。マイナスとなる緊張感ですな。  そう考えると、エクストレイルに与えられたポテンシャルを存分に愉しめるモデルがあるといいのでは? と思えました。そう、新型チェロキーのトレイルホー

#792 SUVとて雪道走破性は最低地上高だけでは語れませぬ、という話。

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 先日の雪かきやら、街中の会話やら、今日の走行やらで、ヨンクだからと、SUVだからと、すべてが雪に強いとひとくくりにするのは好ましくない、とあらためて感じました。最近、乗用車のプラットフォームベースながら、タフさを謳うSUVを見かけますが、タフさの本質では、いわゆるクロカンベースSUVのそれとは大きな差があります。と表現すると、道なき道を走れるというレベルには届いていないのは当たり前でしょ、と思われるかもしれませんが、その線引きはもっと手前にあります。たとえば、写真右のようなシーンなら大差ないでしょう。ところが、今回のような最低地上高を超えるような降雪量では明らかな性能差となって現れます。  たとえば200mmの積雪路があったとしましょう、そこで同じように最低地上高が200mm確保されているモデルであってもですね、クロカンベースモデルではデフやトランスミッションの一部がひっかかる程度であるのに対して、乗用車ベースモデルではアンダーフロアの多くがその高さ付近にありますから広い面で引きずってしまう……、って、それだけでも何かが異なることが見えてきます(これは3アングルも同様。その話はまた別機会に)。そして、4WDシステムの走破性能もそのレベルにて設計されています。つまり、乗用車ベースのモデルでは、グランドクリアランスが許す限りは走れるけれども、それ以上といったシーンで、多くを期待しても応えてはもらえないと。CVTにしてもそこから先のストレスには耐えられません。  一方スタックしないモデル(先の前者)は、 ヒットしにくいクリアランスに加えて 、アンダーフロアに面や雪があたってもそれをスキッド(skid・滑らせる)させる機能が与えられており、さらにスタックしにくいという性能があります。その上で、その本質的なクリアランスに併せるかのように、リジッドサスやデフロックといったハードウェアによってトラクションを確実に……を大きく超えて無理やりに伝えて走破する設定としていますから、 つまり、最低地上高から想像される以上の走破性を期待できるわけです。 また、いずれのモデルも“ロック”というモードを持っていたとしても、前後トルク配分のロック気味にするシステムと、デフをロックしてしまうシステムという違いがあり、走破性のレベルが大きく異なっているのです。  なんてことをつらつらと